ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ日本の作家と海外の作家の違いは今までにも何度も書いているが、海外作家さんは屈託卑屈屁理屈の3屈がないんだよね。すべてストレートに訴えてくる。だから情が湧くしすぐに溶け込める。この本の対象年齢はおそらく少年少女なんだろうけど大人が読んでよ包み込みたくなる温かさがある。大好きなお母さんみたいになりたいけれど、お母さんみたいになったら早く死んじゃうと本気で考えた少女の純真さが生んだいくつかの十か条、みたいな中の一つがコメディークイーンになる事。子供が親から、大人から受ける影響は大きい。それをまた多くの大人の愛の手で支えていってほしいと願わずにはいられない物語。
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Posted by ブクログ
ネタバレ今回はストーリーに意外性があまりなくて単調な印象でした。
遺伝と環境に関しても、認識の変化の歴史としては興味深いのかもしれませんが、現代の遺伝学からすると特に専門的な内容にも踏み込んでいないし当然のことを言っているだけ(遺伝要因と環境要因があることのみでその具体的な内容の言及は無し)なので特にテーマとしての深みがなかったのが残念です。
また、ファリアの話とレオの話に実質的な繋がりがないので、リスベットとミカエルが同時にピンチに陥いるのがストーリー上のご都合展開に感じました。
謎解きに関しても、新しい登場人物から順番に話を聞くという方式だったので、ロールプレイングゲームのようにミカエルがたらい回しにされているだけに思えました。実際のジャーナリズムがどのようなものなのかあまり知らないのですが……。
全体的には、特に退屈せずに読み切れました。
それでも、わざわざリスベットの過去に双子の研究の要素を入れる必要はなかった(リスベットの子供時代がごちゃごちゃするだけ)し、ホルゲル・パルムグレンを退場させたのも、単に話を盛り上げたかっただけに感じられました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長男レオを中心に次男、三男の3兄弟と、友人のヤスペル、レオの彼女のチームで銀行強盗を繰り広げる物語。
現在の物語の中に、レオの幼少期が描かれている。
次男と三男がチームを抜けることとなり、親父をチームに引き込むこととなりそれが最後の仕事となって捕まったところで終わる。
物語としては銀行強盗の単純な物語なんだが、幼少期の逸話が入ることで物語の深みが増している。
ただ物語自体は評価ほど面白い訳ではなかったのだが、最後の解説をよんでビックリさせられた。
この物語は完全なフィクションではなく、本当にあった史実をもとに その犯人たちの本当の兄弟(事件に関与していなかった)が筆者と協力してこの本を完成させていること。
ほぼほぼ、ノンフィクションで描かれているという点がビックリさせられた。 -
Posted by ブクログ
四肢を切断され、舌を抜かれ、目を潰されながらも、数週間は生かされたと思われる死体が沼地で発見される。引き上げた風紀取締官のジャン・ミッケル・カルデルと、警察の臨時探偵を任されている法律家のセーシル・ヴィンゲが、即席のタッグを組み犯人探しに乗り出すが…。鍵となるのは、遺骸を包んでいた高価な布地。果たして二人は真相に辿り着くことができるのか。
舞台はそれぞれの作品の題名通り、国王グスタフ三世暗殺直後の混迷期のストックホルム。当たり前だが検死技術もDNA鑑定もない時代、且つ犯人と思われる人物は貴族で、無尽蔵の財力、そして事件を揉み消す権力もあるだろう。そんな無理ゲーには、ただひたすら足と頭を使い立ち向かうしかない。残酷なことをした犯人に見合った罰が下されて欲しい、早く溜飲を下げたい、そんな感情に駆られながらページを繰ったが、それは正に作中に登場する公開処刑に歓喜する観衆と同じで。そのことに気付いた時は「なんとも意地悪な作者だな」と冷や汗をかくだけだったが、まさか三部作の最後、あまりのサディズムの境地に絶叫しながら転げ回ることになるだろうとは思いもしなかった。
「ベルマン・ノワール三部作」の別名通り、スウェーデンで同時期に名声を得た詩人ベルマンの作品に特徴的な、不安・欲望・酒・死の要素が通底する作品群。ゴミ溜めのような街を、文字通り腕一本であらゆる障壁を薙ぎ倒しながら進むカルデルと、結核で身体はボロボロだが頭脳だけは鋭利なヴィンゲの二人の、1+1どころか10以上にもなるような、バディ的関係も非常に魅力的だが、特に貧困層に属するその他の登場人物の個性も際立っていて、死に物狂いで生き抜こうとする彼らの気概に押されるように、スウェーデンの三年間を一気に駆け抜けてしまった。とにかく面白かった、久々に憑かれたように本を貪った。物語としてもまとまりが一番良かった『1793』で読み終えておけば、と少し後悔をしないでもないが、こんなにも徹底的に叩きのめされ、消えない傷を残されるのであれば、三作全部を読んで良かったかもしれない。むしろ今は少し希望も抱いている。あまり万人に勧められる内容ではないが、北欧ミステリ好きやこの時代のストックホルムに興味がある方は是非読んでみて欲しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ山好きなので、エベレストが舞台になるのを知って小躍りしたけど、読んでみて残念。
リズベットとミカエルが別件を追いつつもその事柄が一つに収斂していくのではなく、エベレストの件はリズベットに直接関係が無かった。二重スパイの話にもっとザラも深く関わっていて、その件でもリズベットに危機が及ぶとか、そういう関わりがほしかった。
カミラが小物で美女という以外に取り柄がなさそうだし、リズベットは頭脳を駆使して出し抜くわけでもないし、エベレストで起きたシェルパの謎も大したこと無かったし、謎っぽいワードを細かくしてぱらぱらと落とした感じ。
シェルパのDNAのくだりは興味深かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ少し同じような繰り返しの場面と、よけいな描写が多い。マーリンとレオの下りなど、何度もミカエルが会って聞き出すことでもない。レオとダンの危機も、男二人ならいくらでも初老の女相手にねじ伏せられたろうし、なにをもたもたやっているんだろう、会話が長くて緊張感がない、と感じてしまった。
必ず上下巻程度の分量にしなければならないというがために、展開を引っ張ったように思える。
株価暴落は、事件に全く関係のない現実風のトピックを出すことで、レオのいた虚飾の世界とリンクさせる意図なのだろうか?数字だけの、駆け引きだけの脆い世界…。それとも丁寧に危険を冒して暴いた人体実験の真実よりも、センセーショナルな不確実な噂のほうが勝ってしまう様子を描いて、ミカエるの言う真実の価値の暴落に、警鐘を鳴らしたかったのだろうか。
レジストリーにいた研究者の口から語られた、環境が人格に大きく関係しない、という論理は一理ある。成長するにつれ、自分の置かれた環境がなじむ人もいれば、全くなじまずここには居場所がないと感じる人もいる。環境だけが人格を形成するなら、誰しもが生まれた場所で満足し、人生を送るはずだ。テレビでも本でもなんでもいいが、何かしら外部から刺激を受けその知識を得たい、その仕事をしたい、別の場所へ行きたい、と思うことは、何かしら好奇心が刺激されているわけだ。その好奇心の誘因は遺伝子の作用なのかもしれないが、そこにある環境が作用しているわけではなく、自分が選択しているわけだ。もちろん環境が全く作用しないわけではない。遺伝子だけでも環境だけでもない。レオとダンのように好奇心と才能が合致する人はラッキーだ。人間は面白い。
リズベットの描写だけは確立していて、相変わらず不器用でかっこいい。ホルゲルへの追悼の言葉が際だって素晴らしく、涙を誘った。