ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧
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北欧の作家でありながら、なぜかアメリカの下院議長が重要なポジションを占める上に、ゲリラ側にスウェーデンの人間がいるという謎の設定。当初、そういう複雑な設定に馴染めず中々読み進まなかったが、読んでいるうちに、不思議の物語にはまってしまいました。
それもしても、①アメリカ下院議長が麻薬戦争のための部隊を率いることがあるのか?、②DEAの潜入捜査のためスウェーデンの元犯罪者が使われることがあるのか?、この2点が若干腑に落ちません。特に①。下院議長は、アメリカ大統領の軽症権限第2位(副大統領の次)なのは周知のことですが、こういう実働部隊の責任者になることは無いんじゃないかな。
上巻で物語が動き始め -
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ネタバレ(上巻より)
セバスチャンの女癖の悪さにまきこまれたウルスラが
片眼を失ったものの無事でよかった。
彼女を愛するリーダーのトルケルといい、
今回登場した政治家の妻をもつエリック警部といい、
愛する人を大事にする男性たちが報われないのは、
納得がいかない。
そして、ビリー。
結婚式のシーンでビリーは危ないな、とぼんやり思った。
でもそれは、幸せな結婚生活を送れるのだろうか、という類の心配で、
婚約者のがぶり寄りで迎えた結婚式当日とあっては、
誰もがする心配だったと思う。
それなのに全く予想外の展開となってしまった。
彼も好青年だったのに。
また、作者たちのクリフハンガーにひっかかってくやし -
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ネタバレ犯罪心理捜査官セバスチャンの第四弾。
相変わらず、捜査班の内輪もめに頁数がさかれているが、
事件とのバランスの悪さは気にならなかった。
一家四人が殺された現場から逃れた少女と
セバスチャンの関係が中心に思えたせいか、
読み手の方が慣れてきたのか、
セバスチャンが事件解決に役に立っていたからなのか。
人生で唯一心を開いた妻と娘を一度に失ったためか、
どうもセバスチャンは憎めない。
彼が望んだ結果にはならなかったとしても、
救おうとした少女が無事で良かった。
犯人が判明した後に残ったページ数の多さに
さらなる展開があるのかと、めまいがしそうだったが。
(下巻へ続く) -
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ネタバレ(上巻より)
前作の最後で判明した、
セバスチャンの娘についての話が進むのは期待していたが、
それが話の中心になることや事件に巻き込まれることは
望んでいなかった。
また、前作のダメ警官が刑務所長になって再登場したのはわくわくしたが、
妊娠中の妻が巻き込まれるのはちょっと違う。
全体的にあざとすぎるというか、何かをやりすぎている気がする。
今回登場した女性で、
セバスチャンのストーカー、
人の話を聞いていない押しかけ女房的なエリノールよりも、
IT担当で特別班の縁の下の力持ち的存在だったビリーの彼女、
彼を変えようとしているミィの方に薄気味悪さを感じるのは、
自分だけだろうか。 -
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ネタはすごいし、展開もいいし、時事ネタもすごいし、
ディテールも非常に性格でほんとにすごくいい感じなんだけど
今ひとつなんか盛り上がりというか、エンターテイメントというか
読み物としての楽しさがもうひと越えたりなんだよねぇ〜
なんとなくやっぱりジャーナリストだからなのかもしれないけど、
イマイチほんとにミカエルのルポをちょっと違う視点で読んでる感じ
ラーソンはもう少しなんというか情熱があるんだよね・・・
キャラやこの世界に!!
ちょっと続投1作目がそこそこいい感じで続投できていたから
期待値が高すぎたかもしれないけど、ホントあともう少し濃いめの味がほしい
とおもった2作目でした。
リスベット物 -
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犯罪心理捜査官セバスチャンのシリーズ、4作目。
前作のラストでの大事件はいったい…?
セバスチャンは有能な心理分析官だが、傲慢で協調性がなく女好きという迷惑男。
国家刑事警察の特別班に舞い戻ったのも、じつはまったく個人的な都合からだった。
どこか余裕をもって描かれているせいか、何となく憎めないところもありますが。
迷惑ぶりが最高潮だった3作目。
その後、最悪の事態は免れているようですが…
一家4人が殺される事件が、地方で起きる。
トルケル率いる殺人特別捜査班に依頼が来て、セバスチャンも参加します。
もう一人幼い女の子が現場にいたことがわかり、目撃者として狙われるかもしれない。
セバスチャン -
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三部作の二作目。『三秒間の死角』に連なる作品なので、前作を読んだいるとより楽しめる。舞台はコロンビア。麻薬戦争の緊迫感をベースに、主人公ふたりの苦悩や政治的駆け引きなども盛り込んだ、厚みのあるクライム・ノヴェル。
麻薬戦争というとウィンズロウの三部作を連想してしまうが、本作品もウィンズロウに負けず劣らずリーダビリティが高い。麻薬地帯の現状、そしてそこに潜入した男の葛藤の日々などがリアルに描かれるが決して重くはない。スリリングな語り口と、疾走感のあるストーリーに引き込まれ、最後までページを繰る手が止まらなかった。この辺りの筆力は、違った個性を持つふたりの作者ならではだと思う。
合衆国政府のス -
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アメリカ下院議長がコロンビアの麻薬ゲリラPCRに拉致された。スウェーデン警察に協力していた凄腕スパイ、ピートが、今はアメリカDEAのスパイとしてPCRに潜入している。アメリカは麻薬戦争で、コロンビアの悪人を殺害リストに挙げているが、ピートの名前がそこに入ってしまった。事態収拾のため白羽の矢が立ったのはスウェーデンのグレーンス警部だった。
長いはずなのにそう感じさせない一気読み。「三秒間の死角」の続編だそうだけれど、何も覚えてなかった。特に問題なく楽しめた。
※以下ネタバレ
ピートは、人工衛星が捉えていない三分間の間に人質をアメリカの軍艦まで連れて来るという荒業を成功させる。しかし、副大統 -
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ネタバレ(上巻より)
バウラを無事スェーデンに戻すため、仲の悪い検事にわざと大手柄をあげさせたのは
面白かったが、
検事が刑務所内の殺人を軽い刑にする理屈をひねり出したのは驚きだった。
それと、
麻薬が溶け込んでいるスーツケースをグレーンス警部に預けたのも面白かった。
一番印象的だったのは
バウラが潜入していたゲリラのボス。
誰をも信頼してはけない人生の中で、
信頼してしまい、裏切られる。
同情の余地は全くないが、
最後に爆弾で殺されるのはあまりにあっけなくて、
少し納得いかなかった。
もっと悲惨な、ある意味、劇的な最期を望んでいたのかもしれない。 -
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エーベルト・グレーンス警部シリーズ第六作。
だから、潜入捜査ものは好きじゃないと言ったはず。
カリブ海の浜辺でのんびりとモヒートを飲んでいる、とまではいかないが。
華麗なる脱獄をした「バウラ」には、家族と幸せな生活をしていてほしかった。
まさか、より危険な国でより危険な潜入捜査をしているとは。
しかもそこへ警備に止められたにも関わらず、
コロンビアに来たアメリカ下院議員長が麻薬犯罪ゲリラの人質になってしまい、
アメリカからのゲリラの一員として殺害ターゲットとされてしまう。
そこへ、ようやくこのシリーズの主人公(のはず)がグレーンス警部が登場し、
バウラを救い出すために協力することに。
パ -
購入済み
レオの脳内イメージはヨエル・キナマンです
でも私は完全にヨン派(脳内イメージ無し)なので、形勢が逆転する所では、思わずガッツポーズをしてしまいました
ヨン派ならきっとあそこですると思います -
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ネタバレエーベルト・グレーンス警部シリーズ第四作。
ルーマニアからバスで運ばれてきた少女たちと
ストックホルムの地下道に住む少女。
二つの国のストリートチルドレンたちの事件は、
驚くことに、全く交わらない。
スェーデンのミステリーは国際的だ。
国境をひらりと超えていく。
橋を渡れば、フェリーに乗れば、
すぐ隣の国に行ける。
EUとなった今では検問もない。
自分が思う「国際的」とは違う気がする。
国をまたいでおこる犯罪に警察は無力だ。
その無力感が、このシリーズの通奏低音なのだろうか。
エーヴェルト警部の恋人も亡くなってしまったし。
教会に少女がたたずむ場面が印象的だった。
クララ教会、行ってみた -