ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
前から読みたいと思っていたミレニアムシリーズのpart4をようやく読みました。ミレニアム1〜3はここ10年くらいの間では、いちばん面白いミステリシリーズだったと思います。スティーグ・ラーソンという方が筆者で、part10くらいまで続ける構想だったらしいですが、惜しくもpart3を書き上げたところで、ラーソンさんは亡くなってしまったんですね。
で、今回のpart4というのはダヴィド・ラーゲルクランツという全く別のかたが書いています。ところが、まったく違和感のない続きものとして楽しめます。あえて違いを指摘するとなら、よりエンターテイメント性が強くなっているというところでしょうか。
で、その、より強くなったエンターテイメント性をどこから感じるかというと、ふたつあります。一つ目は、今の時代に一番話題になりやすい事象を、ストーリーの中にうまく取り込んでいるということですね。
具体的には、人工知能によるシンギュラリティの問題、サイバー空間の中での国家単位での争い、そしてサヴァン症候群といったあたりがモチーフとして使われていて、自然にストーリーの中に取り入れられています。どれをとっても、たくさんの人が興味を持っている事柄だと思いますので、その点でも売れるなぁと思います。
それからもうひとつの点は勧善懲悪的な展開がより強くなっていますね。主人公側への共感と、敵側がやっつけられる時のカタルシス効果が大きく感じられます。主人公のリスペットはぶっ飛んでいるキャラクターで、現実に近くにいたら、どうみても近寄りたくはない感じですが、今作では彼女の過去がかなり掘り下げられていて、その点でも、応援したくなるヒロインとしてより存在感を増している。それもあって、勧善懲悪的な部分が強くなってるんですね。
そういう意味では、このミレニアムシリーズ、ドギツいシーンも多々あるんですが、最終的には水戸黄門的な安心感を得られる作風でもありますね。まぁ、今後続いていくとして、その予定調和的な部分があまりにも強くなりすぎても困りますが・・・。 -
Posted by ブクログ
辛口で言うと…
リスベットがムキムキ正義感リスベット姐さんて印象です。口数が多く情に流されそうな。何考えてるか解らないクールな少女は何処へ行ったんだ(ガリガリで少女のように見えるとか云う設定無かったかな…)
でも、ラーソンのリスベットが非常にカッコ良い&クールであまりのつれない態度にモヤモヤさせられていた部分があったので、カッコ良さを残してリスベット姐さんに成長してくれたと思えば良いのかな。
邦訳の方もメインは代わられている所為か、文章に堅さが無くライトで読みやすい。ボリュームもそこそこ。
手軽に楽しめるミレニアム、と言った処です。
今年は第5作出るのですかねー。 -
Posted by ブクログ
小さなことがまわりまわって思わないところで影響がでる、っていうバタフライエフェクト。
家をでた母親と、娘、そして全く別の既婚男性の三人、それぞれの<バタフライエフェクト>の話。
メインは母親で、彼女のトラウマが結局彼女の今を作っていて…。
でもなぁ。彼女もまだ子供だったんだよ。妹よりも自分自身を守って当たり前だったのだと、って<行動を起こさなかった>ことだから、だれにも相談できないよね。
で、おいおいな男と結婚してしまうのだが。
そして、人生の終わりにすべてをリセットしようとする。
その行動力が、もっと早くにでていたらねって思う。
なんつーか、人を縛るものの一番大きなものは、自分自身なんだよね。
娘も、随分な態度だねって思うけど、あの両親の子供じゃ仕方ないか。
とはいえ、母の態度が変わることで彼女も変わる。
既婚男性が…。
なんか、バタフライエフェクトの顕著な例として、描かれたのかなと思うけど、気の毒すぎる。
カウンセリングの必要性というか、自分をきちんと見つめるというか、受け入れるってことは大事だなと。
ん。
これは、自己を向き合う話だったのかな。
そうかもしれない。
うん。きっとそうだ。