ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧
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ネタバレグレーンス警部シリーズ第三弾。
今作も重く苦しく辛い。
暴行で逮捕した男の身元を探ると、アメリカで6年前に死んだ死刑囚と同一人物の可能性が出てきた。大国との政治的な駆け引きの中、死んだと思われていた死刑囚と向き合うグレーンス警部。。。
一作目、二作目と同じく、救いもなく、希望もなく。だけどこんなにも辛い話なのに読むのが止められない。今作ではグレーンス警部のプライベートな側面もちょっと見えてきて、いつもの取っ付きづらさは薄いか。政治的な要素もありつつ、この死刑囚が真実を語っているのかどうかを怪しませる構成となっている。
刑事がスパッと事件を解決するわけではないのでカタルシスはないかもしれな -
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ネタバレニクラス・ナット・オ・ダーグの歴史ミステリ三部作。その第1作目。
とんでもなく重厚な小説。一作目の1793はミステリというよりは、殺人事件を題材とした歴史風俗小説の感が強い。本当に、匂い立つくらい当時の情景の描き込みがすごい。
4部から成り、1部は凄惨な死体が発見され、引っ立て屋のカルデルと病に侵された探偵セーシルが邂逅。2部はある青年が身を落とすまで、3部はありもしない罪を背負わされた少女、4部は1部の二人に戻る、という構成。
2部、3部が1部から過去の時間軸となるため、どのようにクロスするのかが非常に楽しめた。
ミステリとして読むと肩透かしかも。死体の状況と動機の繋がりが弱い気がした -
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スウェーデンの作品の翻訳である。本作はストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部が活躍するシリーズの一冊ということになる。シリーズの途中から、凄腕の潜入捜査員であるピート・ホフマンが登場している。作品はグレーンス警部が主要視点人物になる部分、ホフマンが主要視点人物になる部分、その他の作中人物達が主要視点人物になる部分が織り交じって展開する。本作もその形が踏襲されており、ホフマンの部分とグレーンス警部の部分とが織り交じるようになって行く。
本作の上巻ではこのグレーンス警部の出番は少し少ない。
物語はコロンビアの様子から起こる。ストリートに生きる少年の様子が描かれる序章の後に本編が始まる。エ -
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グレーンス警部という人物は、ストックホルム警察の現役捜査員では最年長というような年代で、一緒に居て愉しいというタイプでもない偏屈な男であり、事故で植物状態になった妻が長く施設に在って、その妻が亡くなってという複雑な個人の事情も在るのだが、執念深く捜査に取組む非常に老練で辣腕の刑事である。少し不思議な人物という感じがしないでもない。現場に出る、私用で出るという以外は、自宅アパートか警察本部の自室に居ると言われているような変わり者なのだが、勘と“押し”で事件関係者に迫って、事件を解決に導く手腕はなかなかに見応えが在り、シリーズで描かれる「社会の闇」にも関わる、見た目以上に重大な真相に肉薄するのであ
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ネタバレグレーンス刑事シリーズ第二弾。
相変わらず重く、苦しく、辛い、だけどずっと読んでいたい。そんなザ・北欧小説という感じ。
売春斡旋業者から大怪我を負いながらも逃げ出した女が、病院の死体安置所に人質を取って立て篭もる。要求はグレーンス刑事の親友と話をすること。なぜ人身売買により他国から売られた女が、立てこもり事件を起こすのか。一方、グレーンス刑事の恋人が脳に障害を持つきっかけとなった事故。その事故を誘引した犯罪者が刑期を終え出所することに。。。
今作も2部構成。売春婦リディアが起こした立て篭もり事件の顛末と、そのことで明らかとなったある真相をめぐる二人の刑事の苦悩が描かれる。
真相については -
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スウェーデン作家「ミカエル・ヨート」と「ハンス・ローセンフェルト」の共著の長篇ミステリ作品『犯罪心理捜査官セバスチャン(原題:Det fordolda、英題:Sebastian Bergman、米題:Dark Secrets)』を読みました。
「ヨナス・ヨナソン」の『国を救った数学少女』に続き、スウェーデン作家の作品です… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
〈上〉
「息子が帰ってこないんです」警察にかかってきた一本の電話。
少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。
センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。
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スウェーデン作家「ミカエル・ヨート」と「ハンス・ローセンフェルト」の共著の長篇ミステリ作品『犯罪心理捜査官セバスチャン(原題:Det fordolda、英題:Sebastian Bergman、米題:Dark Secrets)』を読みました。
「ヨナス・ヨナソン」の『国を救った数学少女』に続き、スウェーデン作家の作品です… 北欧ミステリが続いています。
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〈上〉
「息子が帰ってこないんです」警察にかかってきた一本の電話。
少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。
センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。
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スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ベリエ・ヘルストレム」の共著の長篇ミステリ作品『制裁(原題:Odjuret)』を読みました。
「ステファン・トゥンベリ」との共著『熊と踊れ』に続き「アンデシュ・ルースルンド」作品です… 北欧ミステリが続いています。
-----story-------------
北欧ミステリ最高の警察小説〈グレーンス警部〉シリーズ第一作
凶悪な殺人犯が護送中に脱走した。
市警のベテラン「グレーンス警部」は懸命にその行方を追う。
一方テレビの報道を見た作家「フレドリック」は凄まじい衝撃を受けていた。
見覚えがある。
この犯人は今日、愛娘の通う保育園にいた。彼 -
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スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ステファン・トゥンベリ」の共著の長篇ミステリ作品『熊と踊れ(原題:Bjorndansen、英題:The Father)』を読みました。
「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」、「レイフ・GW・ペーション」の作品に続き、北欧ミステリです。
-----story-------------
ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品
〈上〉
凶暴な父によって崩壊した家庭で育った「レオ」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三人の兄弟。
独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。
その目的とは、史上例のない銀行強盗計画 -
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スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ステファン・トゥンベリ」の共著の長篇ミステリ作品『熊と踊れ(原題:Bjorndansen、英題:The Father)』を読みました。
「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」、「レイフ・GW・ペーション」の作品に続き、北欧ミステリです。
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ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品
〈上〉
凶暴な父によって崩壊した家庭で育った「レオ」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三人の兄弟。
独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。
その目的とは、史上例のない銀行強盗計画 -
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ネタバレアンデシュ・ルースルンドのグレーンス警部シリーズ第1作。初読。
冒頭の残酷描写から始まり、ただただ胸糞悪い展開が続く。読んでいて辛かった。。。鬱々としたストーリーではここ最近では一番かも。これぞ北欧小説だなぁと。
冒頭に脱獄する犯罪者がとんでもない化け物(原題も「怪物」のようなニュアンスらしい)。あまりにも理解できない、意思の疎通もできない、どうしようもない怪物。その犯罪者に狙われた娘と、その父親の顛末が描かれる。。。と思いきや。中盤以降、全く予想もしていなかった展開に。憎しみの連鎖というか、悪い方向に転がり落ちていくってこういうことだよなと。読み終えて、邦題の「制裁」に納得。
あまりの -
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