ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧

  • 死刑囚

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    ネタバレ

    グレーンス警部シリーズ第三弾。
    今作も重く苦しく辛い。

    暴行で逮捕した男の身元を探ると、アメリカで6年前に死んだ死刑囚と同一人物の可能性が出てきた。大国との政治的な駆け引きの中、死んだと思われていた死刑囚と向き合うグレーンス警部。。。

    一作目、二作目と同じく、救いもなく、希望もなく。だけどこんなにも辛い話なのに読むのが止められない。今作ではグレーンス警部のプライベートな側面もちょっと見えてきて、いつもの取っ付きづらさは薄いか。政治的な要素もありつつ、この死刑囚が真実を語っているのかどうかを怪しませる構成となっている。

    刑事がスパッと事件を解決するわけではないのでカタルシスはないかもしれな

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    2024年01月26日
  • 1793

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    ネタバレ

    ニクラス・ナット・オ・ダーグの歴史ミステリ三部作。その第1作目。

    とんでもなく重厚な小説。一作目の1793はミステリというよりは、殺人事件を題材とした歴史風俗小説の感が強い。本当に、匂い立つくらい当時の情景の描き込みがすごい。

    4部から成り、1部は凄惨な死体が発見され、引っ立て屋のカルデルと病に侵された探偵セーシルが邂逅。2部はある青年が身を落とすまで、3部はありもしない罪を背負わされた少女、4部は1部の二人に戻る、という構成。
    2部、3部が1部から過去の時間軸となるため、どのようにクロスするのかが非常に楽しめた。

    ミステリとして読むと肩透かしかも。死体の状況と動機の繋がりが弱い気がした

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    2023年09月04日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    スウェーデンの作品の翻訳である。本作はストックホルム警察のエーヴェルト・グレーンス警部が活躍するシリーズの一冊ということになる。シリーズの途中から、凄腕の潜入捜査員であるピート・ホフマンが登場している。作品はグレーンス警部が主要視点人物になる部分、ホフマンが主要視点人物になる部分、その他の作中人物達が主要視点人物になる部分が織り交じって展開する。本作もその形が踏襲されており、ホフマンの部分とグレーンス警部の部分とが織り交じるようになって行く。
    本作の上巻ではこのグレーンス警部の出番は少し少ない。
    物語はコロンビアの様子から起こる。ストリートに生きる少年の様子が描かれる序章の後に本編が始まる。エ

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    2023年09月04日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    グレーンス警部という人物は、ストックホルム警察の現役捜査員では最年長というような年代で、一緒に居て愉しいというタイプでもない偏屈な男であり、事故で植物状態になった妻が長く施設に在って、その妻が亡くなってという複雑な個人の事情も在るのだが、執念深く捜査に取組む非常に老練で辣腕の刑事である。少し不思議な人物という感じがしないでもない。現場に出る、私用で出るという以外は、自宅アパートか警察本部の自室に居ると言われているような変わり者なのだが、勘と“押し”で事件関係者に迫って、事件を解決に導く手腕はなかなかに見応えが在り、シリーズで描かれる「社会の闇」にも関わる、見た目以上に重大な真相に肉薄するのであ

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    2023年09月04日
  • 世界の天変地異 本当にあった気象現象

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    気象現象と言うのは、地球上の種々のムラを平衡な状態にならすための現象である。ただ、それだけなのに、局所的には天変地異と言うべき過酷な現象があちこちで見られる。

    一般向けの本でありつつも、科学に素養があって、興味がある人でも楽しめる程度に、因果関係や定量的なデータとともに解説してくれていて事典的に読める。さらに非常に迫力のある写真もあり、楽しめる。

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    2023年08月12日
  • ボックス21

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    ネタバレ

    グレーンス刑事シリーズ第二弾。
    相変わらず重く、苦しく、辛い、だけどずっと読んでいたい。そんなザ・北欧小説という感じ。

    売春斡旋業者から大怪我を負いながらも逃げ出した女が、病院の死体安置所に人質を取って立て篭もる。要求はグレーンス刑事の親友と話をすること。なぜ人身売買により他国から売られた女が、立てこもり事件を起こすのか。一方、グレーンス刑事の恋人が脳に障害を持つきっかけとなった事故。その事故を誘引した犯罪者が刑期を終え出所することに。。。

    今作も2部構成。売春婦リディアが起こした立て篭もり事件の顛末と、そのことで明らかとなったある真相をめぐる二人の刑事の苦悩が描かれる。

    真相については

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    2023年06月08日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 下

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    スウェーデン作家「ミカエル・ヨート」と「ハンス・ローセンフェルト」の共著の長篇ミステリ作品『犯罪心理捜査官セバスチャン(原題:Det fordolda、英題:Sebastian Bergman、米題:Dark Secrets)』を読みました。

    「ヨナス・ヨナソン」の『国を救った数学少女』に続き、スウェーデン作家の作品です… 北欧ミステリが続いています。

    -----story-------------
    〈上〉
    「息子が帰ってこないんです」警察にかかってきた一本の電話。
    少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。
    センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。

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    2023年04月06日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 上

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    スウェーデン作家「ミカエル・ヨート」と「ハンス・ローセンフェルト」の共著の長篇ミステリ作品『犯罪心理捜査官セバスチャン(原題:Det fordolda、英題:Sebastian Bergman、米題:Dark Secrets)』を読みました。

    「ヨナス・ヨナソン」の『国を救った数学少女』に続き、スウェーデン作家の作品です… 北欧ミステリが続いています。

    -----story-------------
    〈上〉
    「息子が帰ってこないんです」警察にかかってきた一本の電話。
    少年は心臓をえぐり取られた死体で発見された。
    センセーショナルな事件に、国家刑事警察の殺人捜査特別班に救援要請が出された。

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    2023年04月06日
  • 制裁

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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ベリエ・ヘルストレム」の共著の長篇ミステリ作品『制裁(原題:Odjuret)』を読みました。

    「ステファン・トゥンベリ」との共著『熊と踊れ』に続き「アンデシュ・ルースルンド」作品です… 北欧ミステリが続いています。

    -----story-------------
    北欧ミステリ最高の警察小説〈グレーンス警部〉シリーズ第一作

    凶悪な殺人犯が護送中に脱走した。
    市警のベテラン「グレーンス警部」は懸命にその行方を追う。
    一方テレビの報道を見た作家「フレドリック」は凄まじい衝撃を受けていた。
    見覚えがある。
    この犯人は今日、愛娘の通う保育園にいた。彼

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    2023年03月11日
  • 熊と踊れ 下

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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ステファン・トゥンベリ」の共著の長篇ミステリ作品『熊と踊れ(原題:Bjorndansen、英題:The Father)』を読みました。
    「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」、「レイフ・GW・ペーション」の作品に続き、北欧ミステリです。

    -----story-------------
    ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品

    〈上〉
    凶暴な父によって崩壊した家庭で育った「レオ」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三人の兄弟。
    独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。
    その目的とは、史上例のない銀行強盗計画

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    2023年03月11日
  • 熊と踊れ 上

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    スウェーデン作家「アンデシュ・ルースルンド」と「ステファン・トゥンベリ」の共著の長篇ミステリ作品『熊と踊れ(原題:Bjorndansen、英題:The Father)』を読みました。
    「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」、「レイフ・GW・ペーション」の作品に続き、北欧ミステリです。

    -----story-------------
    ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品

    〈上〉
    凶暴な父によって崩壊した家庭で育った「レオ」、「フェリックス」、「ヴィンセント」の三人の兄弟。
    独立した彼らは、軍の倉庫からひそかに大量の銃器を入手する。
    その目的とは、史上例のない銀行強盗計画

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    2023年03月11日
  • 熊と踊れ 下

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    あとがきに一番びっくりした。
    知らずに読めたのは、幸せ。
    未読の方は、あとがきと解説は最後まで取っときましょう(普通か。)。

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    2023年03月03日
  • 制裁

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    ネタバレ

    アンデシュ・ルースルンドのグレーンス警部シリーズ第1作。初読。

    冒頭の残酷描写から始まり、ただただ胸糞悪い展開が続く。読んでいて辛かった。。。鬱々としたストーリーではここ最近では一番かも。これぞ北欧小説だなぁと。

    冒頭に脱獄する犯罪者がとんでもない化け物(原題も「怪物」のようなニュアンスらしい)。あまりにも理解できない、意思の疎通もできない、どうしようもない怪物。その犯罪者に狙われた娘と、その父親の顛末が描かれる。。。と思いきや。中盤以降、全く予想もしていなかった展開に。憎しみの連鎖というか、悪い方向に転がり落ちていくってこういうことだよなと。読み終えて、邦題の「制裁」に納得。

    あまりの

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    2023年02月26日
  • 1794

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    ネタバレ


    3年前に読んだ1793も面白かった。
    3部作最後の1795がすごいらしいので、とりあえずこちらから読み始めたら、
    すでにドレッドノート超えです。

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    2023年01月23日
  • 1793

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    好みが分かれそうな作品ですが、私は面白かった。
    どこまで史実なのか?
    読んでて苦しいが、やめられなかった。

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    2022年12月11日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 少女 下

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    面白すぎて読み終わるのが勿体なかった!あとがきは2017年時点で次の5作目6作目がすでに出版されている、と書かれているけど英語版のwiki を見ると直近で2021年に新作が出ているみたい。早く続きを翻訳出版してほしい。それにしてもまさかこのシリーズで泣くはめになるとは。。さすがブリッジやヴァランダーの脚本家のタッグ。

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    2022年11月05日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 下

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    少年が心臓をえぐり取られ殺害された事件を追う。
    セバスチャンは自身の秘密を追うために昔一時期所属したことのあるチームに強引に復帰し、皆から疎まれる…

    人の心を読み解く技術に長ける主人公。
    普段は技術を女性を口説くためにフル活用する…(心の傷、欠落してるのはわかるが…コイツサイテーだな)

    事件自体も、登場人物のほとんどが抱える様々な秘密も最後まで二転三転読めない展開で読ませる。
    すぐ続編読みたい…(入手困難)

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    2022年09月23日
  • ミレニアム 4 上 蜘蛛の巣を払う女

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    アウグストの今後が気になります。自閉症の雰囲気がよく出ています。小さな事かもしれませんが、現実を見る見方は人によって違う。その当たり前さが一般人にはわからない。
    視点を変える事ができないのは常に大人たち。

    #切ない #深い #泣ける

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    2022年09月30日
  • ミレニアム 4 下 蜘蛛の巣を払う女

    購入済み

    シリーズ1からでしたが、精神医学、女性虐待、ハッカーなど、ストーリーの中心に鋼のような鋭さと速度、興味深さ、奥深さがあり、本当に、もっと早く読めばよかったと後悔しています。
    この長いシリーズと複雑な構成、リスベットのような個性を描けた著者の力量は圧巻です。

    著者が変わってからの4作目は、自閉症の少年とリスベットが印象に残りました。

    #アツい #泣ける #ドキドキハラハラ

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    2022年09月30日
  • ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上・下合本版)

    購入済み

    おもしろすぎて、とまりませんでした。複雑なのですが、スリリングな展開で息つく暇もありません。人物もたくさんいますが、思ったよりわかりやすい。
    リスベットに夢中になりました。

    #深い #泣ける #ドキドキハラハラ

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    2022年09月30日