ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧
-
-
-
-
-
-
-
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
ある嵐の夜、山賊の城でローニャという女の子が生まれたところから、物語は始まります。
山賊の頭であり父であるマッティス、そして母親に愛情を注がれ育ったローニャは、ある日、森に出かけることを許されます。その時のローニャの喜びは、
読んでいる私まで、初めての体験に、胸がドキドキするほどでした。
明日になったら、また起きられる
子どものころの、そうしたワクワクする気持ちを思い出しましたー。
リンドグレーンさんの本は、ピッピをはじめとしてたくさん読んできたつもりでしたが、こんな素敵な本に出会えるなんて。(今まで知らなかったなんて!)
73歳の時に出版されたのですから、驚きです。
私自身、この年齢 -
Posted by ブクログ
筋書きだけで文句なく面白い。しかし、それだけでない。
「記憶は主観的だ。ところが夢は客観的なのだ。容赦がない。」
「人の感情を理解することというのは、一般にいわれているほど大事なことではない。興味深いのは感情ではなく、人を駆り立てる力のほうだ。」
こんな記述がセバスチャンの心理描写であったり過去の台詞だったりして現れる。けだし至言。刺さる。けれども、そんな記述はすっとばしても読み進むことはできる。そこがエンタメとして大事。
セバスチャンがセックス依存症で、人を言い負かしたり嫌な気持ちにさせることばかりしているという人物像は歓迎できなかったが、やり過ごすことはできた。
途中まで読んで2年弱放 -
- カート
-
試し読み
Posted by ブクログ
森がもたらす生きる喜びと不思議に満ちた物語に、ザワザワと引き込まれて読みました。
とっても面白くて、愛おしかったぁ❣️
山賊たちの砦、マッティス城をまっぷたつにした雷の夜に生まれた山賊のかしらのむすめ、ローニャ。
両親と山賊の仲間たちに愛され、森を自由にかけまわるローニャは、ある日自分と同じくらいの子どもがこの森にいることを知ります。
しかしその子は敵対するボルカ山賊のかしらの息子、ビルクでした。
それでも2人はお互いの命の恩人になり、『きょうだい』になります。でも、家族は敵同士、まるでロミオとジュリエットみたい…?
2人は城を出て春の森に暮らすことにするのです。家出?ですね。
森には怪し -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
終わってしまった…
わたしの愛してやまないリスベット・サランデルにもう会えないなんて。いや、そんなことはない、きっとまたいつかどこかで会えるはず、と期待をこめて。
ミカエルとリスベットが、ラーソンの死を乗り越えて、こうして最終章に辿り着けたことがなにより素晴らしい。
なにかもレビューでたたかれてはいるが、わたしはラーゲルクランツにひたすらに感謝したい。
ミレニアムを引き継いでくれてありがとう。
確かに前半三部作とは毛色が微妙に変わって入るけれど、それでとリスベットは最後までリスベットだったし、ミカエルとの関係も変わらなかった。
二人はその後もああやって時々メッセージを交わして生きていく -
Posted by ブクログ
ネタバレ(下巻より)
確かに身近にいたらセバスチャンにはイライラするかもしれないが、
女性に振り回されたり、人間関係にうじうじする他の刑事や捜査官に比べたら、
一晩限りで関係を終わらす態度や捜査方針にはっきり意見を言うのが、
むしろすがすがしいくらい。
そして面白かった。
事件の展開もだが、
捜査班内の人間関係が(最後の衝撃的な展開まで)
バランス良く入っていることや、
なんといっても、
貧乏くじばかり引いている地元の警部の存在が面白かった。
セバスチャンが、嘘をついていた少女に
親やマスコミに言い訳できるように救いの手を差し伸べるところが、
例え彼に腹黒い気持ちがあったとしても、
かっこよかっ -
-
購入済み
そういうことだったのね!
3巻で一応の完結なんですが、ようやく決着を見せて本当に面白かったです。
4巻からも面白いですが、私は3巻までの方が面白いなと思います。
時間のあるときに一気に読んでもらいたいミステリーです。 -
Posted by ブクログ
犯罪心理捜査官セバスチャンのシリーズ4作目、後半。
地方都市で一家4人が襲われた事件、国家刑事警察のいつものメンバーが捜査に当たります。
鑑識官のウルスラは大怪我を負い、若いヴァニヤは父親の事件でまだ心定まらない。
捜査官たちの人生が少しずつ変わっていくのも魅力のシリーズ。
事件の目撃者は幼い少女ニコルでした。
探し出したセバスチャンは、何とか信頼を得ます。
セバスチャンには、災害で家族を喪った過去がありました。
ニコルと母を匿い、世話をすることは救いともなり得ますが、のめり込むような気持ちには危うさも。
その切なさと難しさ。
仕事としても人間的にも、今回はいいところを見せるセバスチャン。 -
Posted by ブクログ
☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。
さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。