ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧
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購入済み
そういうことだったのね!
3巻で一応の完結なんですが、ようやく決着を見せて本当に面白かったです。
4巻からも面白いですが、私は3巻までの方が面白いなと思います。
時間のあるときに一気に読んでもらいたいミステリーです。 -
Posted by ブクログ
犯罪心理捜査官セバスチャンのシリーズ4作目、後半。
地方都市で一家4人が襲われた事件、国家刑事警察のいつものメンバーが捜査に当たります。
鑑識官のウルスラは大怪我を負い、若いヴァニヤは父親の事件でまだ心定まらない。
捜査官たちの人生が少しずつ変わっていくのも魅力のシリーズ。
事件の目撃者は幼い少女ニコルでした。
探し出したセバスチャンは、何とか信頼を得ます。
セバスチャンには、災害で家族を喪った過去がありました。
ニコルと母を匿い、世話をすることは救いともなり得ますが、のめり込むような気持ちには危うさも。
その切なさと難しさ。
仕事としても人間的にも、今回はいいところを見せるセバスチャン。
しかし、それだけでは終わらない?
続きはどうなってるんでしょう。
気になります! -
Posted by ブクログ
☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。
さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。こちらは服役経験のあるベリエ・ヘルストレムとの共著。
いずれも強力な現実へのアンカー役としての助っ人を得つつ、素晴らしいリーダビリティを発揮しつつ物語るのはルースルンドの筆力そのものである。いずれの作品もページを開くなりその世界に引き込まれてしまう題材の確かさと、そのスリリングな語り口はあまりに魅力的だ。
『三秒間の死角』は、『熊と踊れ』シリーズとハヤカワ文庫での再版の影に隠されてしまった格好で、ひっそりとこれだけが角川文庫から出版されており、『このミス』などでも決して高い評価を得ずに我々の眼の前を通り過ぎてしまった作品だったが、何を隠そう、あまりに遅くこの作品を手に取ったぼくには、『熊と踊れ』に比肩するおそらく最高級の傑作であった。
刑務所内の著述はやはりリアリズムを担当するステファン・トンベリの面目躍如であったと思う。この作品は昨年、アメリカで映像化されたものが日本で公開され(『THE INFORMER/三秒間の死角』)ディテールはともかく、原作の持つダイナミズムは活かされ、それなりに劇場で楽しませてもらった。しかし、それにしてもこの孤高の主人公ピート・ホフマンの魅力は何だろう?
孤高と書いたが、家族を何よりも愛し、なおかつ潜入捜査を選択し実行できる資質、国からも世界からも裏切られる暗闇のヒーローでありながら、打って出る計画の歯切れの良さ、そして読者をも騙し抜く圧巻の脱出行。どれをとっても現代の冒険小説と呼べる孤高の作品である。
前作と異なるのはまず舞台だ。南米コロンビアの麻薬地帯、そして雇用種はアメリカ政府。北欧ミステリというよりも、ドン・ウィンズロウの『カルテル』などを読んでいる感覚に襲われる。ちなみにぼくは現代のページターナーを代表する二人(組?)の作家は、ドン・ウィンズロウとアンデシュ・ルースルンドだという体感を持っている。なので、余計にウィンズロウ世界にやってきたスウェーデン人主人公の活躍という興味をもって読めるのが本書である。
前作を引き継いでいるので、一度使われた驚きは本書では再体験できないものの、前作にはないスケールでの大掛かりな逆転ミッションと、既に主人公の能力や特性を知っているが故の期待値に満ちたスリリングな仕掛けっぷりやアクションを楽しむことができる。そして何よりも我らがピート・ホフマンは絶対のスーパーヒーローではなく、妻と二人の子供を大切にする家族の父であり、心優しき生活者であるところが本書の肝である。
本書ではグレーンス警部がもう一人の主役として、故国を離れての大活躍を見せる。アクション面ではなく、グレーンスならではの悩みや女々しさを帯同しつつ、それでもなお。本書の最大の見どころはむしろグレーンスの果たす役どころにあるかもしれない。ツイン・ヒーローの活躍が積み重ねられてできあがる特大スケールの物語世界は、必ずや多くの読者を引き込んでくれるに違いない。一作目『三秒間の死角』の実力に見合わぬ低評価に対し、本作はきっと大きなリベンジを見せてくれるに違いない。 -
Posted by ブクログ
☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。
さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。こちらは服役経験のあるベリエ・ヘルストレムとの共著。
いずれも強力な現実へのアンカー役としての助っ人を得つつ、素晴らしいリーダビリティを発揮しつつ物語るのはルースルンドの筆力そのものである。いずれの作品もページを開くなりその世界に引き込まれてしまう題材の確かさと、そのスリリングな語り口はあまりに魅力的だ。
『三秒間の死角』は、『熊と踊れ』シリーズとハヤカワ文庫での再版の影に隠されてしまった格好で、ひっそりとこれだけが角川文庫から出版されており、『このミス』などでも決して高い評価を得ずに我々の眼の前を通り過ぎてしまった作品だったが、何を隠そう、あまりに遅くこの作品を手に取ったぼくには、『熊と踊れ』に比肩するおそらく最高級の傑作であった。
刑務所内の著述はやはりリアリズムを担当するステファン・トンベリの面目躍如であったと思う。この作品は昨年、アメリカで映像化されたものが日本で公開され(『THE INFORMER/三秒間の死角』)ディテールはともかく、原作の持つダイナミズムは活かされ、それなりに劇場で楽しませてもらった。しかし、それにしてもこの孤高の主人公ピート・ホフマンの魅力は何だろう?
孤高と書いたが、家族を何よりも愛し、なおかつ潜入捜査を選択し実行できる資質、国からも世界からも裏切られる暗闇のヒーローでありながら、打って出る計画の歯切れの良さ、そして読者をも騙し抜く圧巻の脱出行。どれをとっても現代の冒険小説と呼べる孤高の作品である。
前作と異なるのはまず舞台だ。南米コロンビアの麻薬地帯、そして雇用種はアメリカ政府。北欧ミステリというよりも、ドン・ウィンズロウの『カルテル』などを読んでいる感覚に襲われる。ちなみにぼくは現代のページターナーを代表する二人(組?)の作家は、ドン・ウィンズロウとアンデシュ・ルースルンドだという体感を持っている。なので、余計にウィンズロウ世界にやってきたスウェーデン人主人公の活躍という興味をもって読めるのが本書である。
前作を引き継いでいるので、一度使われた驚きは本書では再体験できないものの、前作にはないスケールでの大掛かりな逆転ミッションと、既に主人公の能力や特性を知っているが故の期待値に満ちたスリリングな仕掛けっぷりやアクションを楽しむことができる。そして何よりも我らがピート・ホフマンは絶対のスーパーヒーローではなく、妻と二人の子供を大切にする家族の父であり、心優しき生活者であるところが本書の肝である。
本書ではグレーンス警部がもう一人の主役として、故国を離れての大活躍を見せる。アクション面ではなく、グレーンスならではの悩みや女々しさを帯同しつつ、それでもなお。本書の最大の見どころはむしろグレーンスの果たす役どころにあるかもしれない。ツイン・ヒーローの活躍が積み重ねられてできあがる特大スケールの物語世界は、必ずや多くの読者を引き込んでくれるに違いない。一作目『三秒間の死角』の実力に見合わぬ低評価に対し、本作はきっと大きなリベンジを見せてくれるに違いない。 -
Posted by ブクログ
グレーンス警部シリーズ。前作からのつながり、さらに広がる物語。コロンビアの麻薬の蔓延と組織、アメリカの要人を拉致とたくさんの要素がある。上巻はグレーンスの登場は少ないけれどコロンビアでの動きはとても読み応えがある。コロンビアに潜入捜査に入ったある人物の顔。家族への思い、生き延びるためということ。さまざまな展開、感情がある。潜入捜査のなかで起こる葛藤、スパイとしての立ち振る舞いと、麻薬や殺人への対処。アメリカ政府の本音と建前。そこに立ち向かうグレーンスたち。今作から次作へとまた楽しみや興味が広がる展開だった。前作の『三秒間の死角』(角川文庫)を読んでからのほうが楽しめるのでぜひ先に読んでいただきたい。
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Posted by ブクログ
本当に読み応えがあった。
実在の事件をモチーフにした圧倒的迫力のクライムノベルの下巻。
あとがきを読んで、あらためてこの強盗事件を起こした3兄弟(実際の事件を起こしたのは4兄弟で、そのうちの犯行に加わらなかった一人が本書の著者・ステファン・トゥンベリ)の視点や心情がリアルに描かれていることに驚愕した。それほどまで、犯人グループの心情に寄り添ってこの事件が描かれているのだ。
次々と成功する銀行強盗、犯人グループに翻弄されまくる警察。
もはやこの『軍人ギャング』と名付けられた犯行グループの犯行を誰も止めることはできないのか。
しかし、どんなに完璧な犯行も、回数を重ねていくごとに、不安が募り、グループ内での関係に変化が生じてくる。
これまでは完璧なリーダーとして君臨していた長男のレオに対して、弟たちは違和感を覚えていく。
「暴力に支配されてしまった兄」
これこそ弟達が感じてしまった違和感だ。
どんなことであっても、物事は『中毒』になり得る。
『銀行強盗中毒』になってしまった兄レオは、さらに大きな銀行、さらに高額な金額を求めて強盗計画を作って行く。
そして、犯行に破綻がやってくる。そう破綻はいつも内部から始まるのだ。
三兄弟の心情が『現在』と父親達から虐待を受けていた『過去』の二つに分けられ交互に描写され、読者は三兄弟の心情に深く深くのめり込んでいく。
重厚な物語の結末は、驚くべきずさんな犯行により幕を閉じる。
読者の誰もが「そんな計画で、そんなメンバーでは成功するはずがない」と分かっているのだが、レオは突き進んでいく。
本書を読み終わった後、長い沈黙が僕の胸に訪れた。
圧倒的な暴力は人の人格を変える。
それは子供のころから育まれる。
人生とは、もう既に始まった時から終わり方は決まっているのかもしれない・・・。 -
Posted by ブクログ
スウェーデン・ストックホルム市を舞台にしたクライムノベル。実在の事件をモチーフにした小説ということで非常に期待して読んだ。
さすが北欧ミステリーの傑作だ。面白い。
超暴力的な父親から虐待を受けていた3人、レオ、フェリックス、ヴィンセントの兄弟が主人公。
三兄弟とその幼なじみのヤスペルとの4人組がスウェーデン史上、類を見ない強盗事件を次々と起こしていく。
彼らの用意周到な強盗に翻弄される警察。
レオ達は首尾良く犯行を成し遂げ、警察を出し抜けるのか。
それともストックホルム市警のブロンクス警部が彼らを追い詰めるのか。
手に汗握る攻防が繰り広げられる。
そして下巻へ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【ネタバレ】
不愉快な結末、予想を覆す…と煽っているものの、想定の範疇のラスト、主人公たちの不実…、こう書くと駄作極まりない作品のようだが、小説としてはオモロいのである。
主人公だから、有能な警察官だから、過去の不幸と戦い正義を貫こうとする人物だから…といってその人物の行動すべてが正しいわけではないのである。
その人物が義や仁や情に基づいて行動したとしても、それが万人にとっての義や仁や情に当てはまらないこともままあるのである。
「不愉快な話」=「面白くない作品」
多くの場合この指標は成り立つのだが、この作品はイコールではないと証明している。不愉快だがオモロい。憤りはすごく感じるが読ませる。だからこその☆5つである。
しかし、この2人(エーヴェルトとスヴェン)は、この後、どの面下げて警察官をやっていくのだろう。不愉快ながら楽しみである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「3秒間の死角」が面白かったので、グレーンス警部シリーズを追いかけてみようと手に取った1作目。
オモロい、サスペンス描写も良く展開も読めずハラハラドキドキできて、何よりテーマも良いぞ。
(以下ネタバレ)
死刑制度のないスウェーデンでは、児童虐待レイプの連続犯であっても、刑期を勤め上げれば(あるいは精神鑑定を受ければ)刑務所を出所できるらしい。そんな極悪犯を私的に処刑する事の是非。その処刑を世論が支持し私的リンチが流行する怖さ…
でも、俺も娘を作中のような残酷な目に会わせた犯人がいたら、法律関係なくブチ殺そうとするだろうな。人間は社会があって初めて人間たるんであろうけど、作中のお父さんのような目にあえば、社会とかマナーを守れず、自分から社会の一員であることを諦めることになると思う。
そんな被害者の立場と守るべき社会の秩序を、警察や司法はどのように取り扱うのか。今更ながら思えば、警察官や検事や裁判官もとても難しい判断を強いられる仕事なんだなぁと思ったりした。