ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧

  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    ☆本シリーズは三部作で『三秒間~』『三分間~』『三時間~』とのタイトルが用意されている真ん中に位置する作品である。前作を引き継ぐものなので、本作を100%楽しみたい方は『三秒間の死角』から開いて頂きたい。できれば本書のガイドもレビューも(本稿含め)何も読まずに一作目からお読み頂くことが興趣を削がぬ唯一の楽しみ方である。

     さて、アンデシュ・ルースルンドの名前が日本の読者の心に克明に記されたのは何と言っても『熊と踊れ』で、そちらは続篇含めて、登場人物のモデルとなった兄弟のうち書かれなかった実在の一人ステファン・トンべリとの共著。この後、絶版になっていたグレーンス警部シリーズが続々と再版される。

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    2020年09月18日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    グレーンス警部シリーズ。前作からのつながり、さらに広がる物語。コロンビアの麻薬の蔓延と組織、アメリカの要人を拉致とたくさんの要素がある。上巻はグレーンスの登場は少ないけれどコロンビアでの動きはとても読み応えがある。コロンビアに潜入捜査に入ったある人物の顔。家族への思い、生き延びるためということ。さまざまな展開、感情がある。潜入捜査のなかで起こる葛藤、スパイとしての立ち振る舞いと、麻薬や殺人への対処。アメリカ政府の本音と建前。そこに立ち向かうグレーンスたち。今作から次作へとまた楽しみや興味が広がる展開だった。前作の『三秒間の死角』(角川文庫)を読んでからのほうが楽しめるのでぜひ先に読んでいただき

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    2020年09月13日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    下院議長の誘拐事件によって“対麻薬最終戦争”の火蓋が切られ、激化するアメリカとPRCとの戦いの中で窮地に立たされた潜入捜査員。ホワイトハウス上層部は彼をゲリラの一員として作戦の殺害対象に定めているのだ。絶体絶命の状況で起死回生を図る捜査員がグレーンス警部の協力のもとに見出したのはわずか三分間の空隙。その驚くべき計画の全容とは―。

    久しぶりの一気読み。ピートはもちろんのこと、グレーンス警部の大活躍にも満足。未訳の6作目が気になるが、三時間の導線も楽しみ。

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    2020年09月08日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    コロンビア。子どもですら200ドルのために殺し屋になりたがる社会の暗部に、麻薬取締局に雇われた男が潜入していた。任務は麻薬犯罪ゲリラPRCの情報を米国に提供すること。しかし特殊部隊を率いる米国下院議長がPRCに拉致されたとき、事態は思いもよらぬ急変を遂げる。潜入捜査員の命運はストックホルム市警のグレーンス警部に託された!

    シリーズ第7作。翻訳としては6作目。
    これはまさしく冒険小説。
    下巻に続く。

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    2020年09月08日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    分厚い2冊の徹夜本だった。。。
    サスペンス・ミステリーとしての面白さもそうだけど、いつもに比べて圧倒的に読みやすい。それはいつも凄惨に描かれる犯罪被害者や貧困等の社会問題が出てこないから。
    少なくともグレーンス警部が劣悪な犯罪者やそこに至る背景に怒り憤りを感じる部分がないんだよね。。。
    そこがちょっと物足りなさを感じなくもない。。。
    まあ描かれてないわけじゃないんだけどちょいと弱いよね。
    まあこれ以上分厚くなっても困るか笑

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    2020年09月07日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『三分間の空隙 下』ハヤカワ文庫。

    最後の最後まで息詰まる展開が続く下巻。クレイグ・トーマスの『闇の奥へ』を彷彿させるような作品で、非常に面白い。パウラは家族と共に生き延びることが出来るのか。一難去ってまた一難。パウラが家族と共に普通の生活を取り戻すまでの長く険しい道程の結末は……

    麻薬犯罪組織が社会を支配する時代。快楽を求める麻薬中毒者と麻薬製造と売買により莫大な金を手にする犯罪者たち、彼らをを壊滅するために手を尽くす米国政府。

    家族と共に自ら生き延びるために米国下院議員の救出を選択したパウラ。

    下巻の冒頭でグレーンス警部と麻薬犯

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    2020年08月31日
  • 三分間の空隙【くうげき】 上

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    アンデシュ・ルースルンド&ベリエ・ヘルストレム『三分間の空隙 上』ハヤカワ文庫。

    角川文庫の『三秒間の死角』の改題作かと思ったら、まさかの姉妹作で全く新たな邦訳作品だった。しかも、グレーンス警部シリーズ。危うくスルーするところだった。

    上巻を読む限りではグレーンス警部の見せ場は無く、パウラが主人公と言って良いだろう。

    パウラの焦りが読み手にも伝わるかのように命の危機を感じる白熱の展開が続く。正義を全うするためにはそこまで悪に成りきる必要があるのか。

    メインの舞台はコロンビア。僅か9歳の子供がたった200ドルで殺し屋になる異常な社会。米国の麻薬取締局に雇われたスウェーデン人の犯罪

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    2020年08月30日
  • 三分間の空隙【くうげき】 下

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    ことこの連作に関してはかなり熟れてきてて一般受けしそう。
    制裁とかボックス21とかの粗さも好きねんけど。

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    2020年08月23日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 下

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    ミステリーは2度目が面白い。華々しく内容を忘れていたが登場人物についてはすでになじみなのでぐいぐい読めた。星5つに昇格。

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    2020年05月24日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 上

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    再読、シリーズ上下計8冊しばらく楽しめる。次作をたのしみに。
    これほど主キャラクターがいやなやつというのも珍しいが、おもしろい。

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    2020年05月23日
  • 熊と踊れ 上

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    これは面白い!
    スウェーデンの小さな街で、軍の武器庫から大量の武器を盗み出す三兄弟。その目的は銀行強盗で、長兄の立てる隙の無い作戦により、警察は犯人の目星を全くつけられずにいるが、二人の警察官が、独自の捜査から少しずつ犯人像に迫って行く。

    過去を追いながら、其々のキャラクターの心情をしっかり描いている為、物語に入りこみやすい。翻訳も秀逸で、特に作戦を決行するシーンは映画を見ているようなスピード感である。上巻だけでもかなりのボリュームがあり、一つの作品として成り立ちそうだが、その分、下巻の展開が楽しみ。

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    2019年12月30日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 下

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    ヨン兄弟がここまで脚光を浴びるとは…
    上巻と比べて回想シーンが少なく読みやすかったし、フィクションとも思えなかった。

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    2019年12月17日
  • 兄弟の血―熊と踊れII 上

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    「2017年このミステリーがすごい!」海外部門第1位『熊と踊れ』の続編
    前作に引き続き引き込まれる内容だったが、過去を振り返るシーンが多く、若干もどかしさを感じた。

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    2019年12月09日
  • 熊と踊れ 下

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    本当に読み応えがあった。
    実在の事件をモチーフにした圧倒的迫力のクライムノベルの下巻。
    あとがきを読んで、あらためてこの強盗事件を起こした3兄弟(実際の事件を起こしたのは4兄弟で、そのうちの犯行に加わらなかった一人が本書の著者・ステファン・トゥンベリ)の視点や心情がリアルに描かれていることに驚愕した。それほどまで、犯人グループの心情に寄り添ってこの事件が描かれているのだ。

    次々と成功する銀行強盗、犯人グループに翻弄されまくる警察。

    もはやこの『軍人ギャング』と名付けられた犯行グループの犯行を誰も止めることはできないのか。

    しかし、どんなに完璧な犯行も、回数を重ねていくごとに、不安が募り、

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    2019年11月06日
  • 熊と踊れ 上

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    スウェーデン・ストックホルム市を舞台にしたクライムノベル。実在の事件をモチーフにした小説ということで非常に期待して読んだ。

    さすが北欧ミステリーの傑作だ。面白い。

    超暴力的な父親から虐待を受けていた3人、レオ、フェリックス、ヴィンセントの兄弟が主人公。
    三兄弟とその幼なじみのヤスペルとの4人組がスウェーデン史上、類を見ない強盗事件を次々と起こしていく。

    彼らの用意周到な強盗に翻弄される警察。
    レオ達は首尾良く犯行を成し遂げ、警察を出し抜けるのか。
    それともストックホルム市警のブロンクス警部が彼らを追い詰めるのか。

    手に汗握る攻防が繰り広げられる。
    そして下巻へ。

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    2019年10月30日
  • ミレニアム 4 下 蜘蛛の巣を払う女

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    殺害される寸前の所でアウグストを奪取したリスベットだったが,同時に重症を負ってしまう.
    追い込まれたリスベットは,ミカエルに助けを求める.
    リスベットとカミラはなぜ忌み嫌い合うのか.その理由の原点にはやはりザラチェンコが関係していた.
    ミレニアムシリーズの完璧な続編.

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    2019年07月20日
  • ミレニアム 4 上 蜘蛛の巣を払う女

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    前作までの著者ラーソンの死後,その物語を受け継ぐ形で続編が執筆された.キャラクタ―の印象が少し異なるが,物語のプロットは申し分ない.
    経営難に陥ったミレニアム.スクープを探すミカエルの耳に,音信不通だったリスベット・サランデルの噂が.
    リスベットがなぜドラゴンタトゥーを彫ったのか.なぜワスプと呼ばれるのか.新たな敵も登場.

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    2019年07月19日
  • ボックス21

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    ネタバレ

    【ネタバレ】
    不愉快な結末、予想を覆す…と煽っているものの、想定の範疇のラスト、主人公たちの不実…、こう書くと駄作極まりない作品のようだが、小説としてはオモロいのである。

    主人公だから、有能な警察官だから、過去の不幸と戦い正義を貫こうとする人物だから…といってその人物の行動すべてが正しいわけではないのである。
    その人物が義や仁や情に基づいて行動したとしても、それが万人にとっての義や仁や情に当てはまらないこともままあるのである。

    「不愉快な話」=「面白くない作品」
    多くの場合この指標は成り立つのだが、この作品はイコールではないと証明している。不愉快だがオモロい。憤りはすごく感じるが読ませる。

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    2019年06月01日
  • 制裁

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    ネタバレ

    「3秒間の死角」が面白かったので、グレーンス警部シリーズを追いかけてみようと手に取った1作目。

    オモロい、サスペンス描写も良く展開も読めずハラハラドキドキできて、何よりテーマも良いぞ。

    (以下ネタバレ)
    死刑制度のないスウェーデンでは、児童虐待レイプの連続犯であっても、刑期を勤め上げれば(あるいは精神鑑定を受ければ)刑務所を出所できるらしい。そんな極悪犯を私的に処刑する事の是非。その処刑を世論が支持し私的リンチが流行する怖さ…

    でも、俺も娘を作中のような残酷な目に会わせた犯人がいたら、法律関係なくブチ殺そうとするだろうな。人間は社会があって初めて人間たるんであろうけど、作中のお父さんのよ

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    2019年05月01日
  • 犯罪心理捜査官セバスチャン 下

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    いろんな伏線があり、読みながらこちらも推理してましたが、かなり揺さぶられました。
    そして一番驚いたのが最後の事件には関係ない事実です。
    続編が出ているので、その事実がどう動くのかを知りたいと思います。
    とても面白かった。

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    2019年03月30日