ヘレンハルメ美穂のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ静かなで穏やかなトーンだけど、複雑な事情が絡む社会問題にモヤモヤが残る物語。
死を選んだアフメドは、母国に、人生に、どれほどの絶望を感じたのだろうか。
身近にいたら、長いものに巻かれるしかない状況に、歯痒い気持ちを抱くと思う。自分がなんとかしてあげられたら、救える言葉をかけてあげたらと。きっと無力感を抱くだろう。
当たり前だが、どの社会問題もミクロな視点で覗けば、そこには一人一人の人生がある。感情や想いや家族がある。ニュースのその先まで考えられる自分でありたい。
ザーヘルが最後に、目をつぶって「ドアをあけたら母さんに会えて、母さんが僕のほっぺたさわるんだ、こういうふうに」とわたしに教え -
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わってしまった…
割とあっけない幕切れ…
と思ったが、史実に基づいているし、こういった終わり方の方がある意味リアルなのかも知れない。
父も少年時代の周りの人も兵役も込みで、暴力というものに触れさせられ続けていると感覚が変わってしまうものなのか。
個人的には最終手段として持つのは良いと思うが、ひけらかすとなると、、
守りたいものがあったとしても考えてしまうものはある。
そして誰がドアを開けたせいで母が殴られたのかに関して、それぞれ自分のせいと本心から思っているあたり、本当に家族のことを思っていたんだなと…
ただ、父親は最後印象が少しはかわったものの、不器用がすぎてもはや同情できなかっ -
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Posted by ブクログ
ようやくセバスチャンの読み方がわかった(遅い)
通常の警察小説として読むのは誤りです。
様々な秘密を抱えている国家刑事警察殺人捜査特別班の面々、かなりこじれてきてます。
山中で身元不明の四人の死体が発見される。
上巻の冒頭、四人を殺害したと思われる暗殺者の視点で語られる。
この女性とセバスチャンの対決となるのか?と思いきや、事件は捜査班の人間関係の動きを生むきっかけの要素が強い(事件関係者間の心情もしっかり過ぎるくらいしっかり描いてる)
海外ドラマっぽい強烈な引きや謎で魅せる事もできる方々なのに、それぞれの視点で会話の中で生まれる読み合う登場人物の内面の動きを丁寧に描いていきます。人間ド -
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Posted by ブクログ
つらい描写の続く話でした。
なのに読まずにはいられませんでした。
この描写は、読みたくないと思う人がいるかも…
イアン・バンクスの蜂工場が大丈夫だった私でさえ、昼ごはんがつっかえました…
ただのフィクションではなく、自分自身はどう対峙するか、世間はどう動くのか。
自分の正義は本当にうまく何かを導けるのか…
いろいろ考えさせられました。
そして松本清張的なものを感じました。
5にするには読み手を選ぶ…でも、スゴい作品でした。4では少ない、4.5くらい。
シリーズを続けて読みたい…なんとかしたい…と思っています。
原題はOdjuret 怪物、野獣という意味だそう。
スカンジナビア語ですよね。