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夢魔
新幹線の車中で、美しい和服の女が発病した。医師と名乗る黒背広の男に治療をうけた彼女は、京都で下車した。が、その瞳はどこか虚ろだ。ルポライター・渋谷は、彼女を尾行する。それは、奇怪な体験であった。京都の有名な料亭の若夫人である彼女が、娼婦のように彼に身を任せたのだ。しかも彼女は、その悦楽の情事を一切記憶していない、という。この日から渋谷の周囲に「夢魔」にあやつられた女たちが、続々と登場する。女は鍵言葉(キー・ワード)で、やすやすとその白い肉体を開き、没我の欲望に狂うのだった……。深層催眠を利用して女体を弄ぶこの「夢魔」の正体を渋谷は追う……。 -
魔婦の足跡
贋札造り、偽装化石師、偽真珠造りという3人の前に、突然姿を現し、そして消える可愛い魔婦。秘密の島に逃れる3人に、死の影が迫る! ゴジラ原作者による傑作サスペンス。 -
妖蝶記
はるかゴビ砂漠の発掘現場から、ひとりの男が古生物学者・曾根の館を訪れた。男はいわくありげに巨大で薄汚れた1匹の瀕死の蝶を差し出すが、曾根はすぐに打ち捨ててしまう。しかし蝶は、館の温室に隠れ棲み、やがて美しい少女に姿を変えて、曾根の前に姿を現した。化身の妖しい魅力の虜となった曾根だが、少女の目的はただ一つだった……。映画「ゴジラ」の原作者として知られる小説家が、異形と異能のものたちの蠱惑的な姿を流麗な筆致で描く、4編の幻想譚集。 -
地球喪失
生物化学研究所の若き学究・宮原は、街の暗がりで焦っていた。手に持つスーツケースには、たとえようもない邪悪なものの幼生が収まっていたから。追っ手をかわし、早くこれを処分しなければ、人類に明日という日はなくなる。しかし、それはあまりに巨大な力へのはかない抵抗にすぎなかった……。映画「ゴジラ」の原案を担い、怪獣という存在を生み落とした怪奇小説家が、遊星から来た圧倒的な恐怖にあらがう人々を、ミステリータッチで描き出す。 -
若草の歌
美人でしとやかな千秋と、愛らしくドライな元子は、東京西郊の住宅地で繁昌している、そば屋の二人娘である。中学卒業と同時に、二人とも、「手に職を持つこと」を望んで、理容師になる。そして、実力とPRと親バカを利用して、ささやかな店を持ったが、青春の街道は、照る日ばかりではなかった……。「紀ノ川」「有田川」など、女の歴史を才筆で辿った作者は、この作品で、現代女性の生き方を、軽妙なタッチで、輪切りにした。若い女性の、職業・恋愛・結婚・親子問題などが、精妙に織り込まれた、ユニークな青春小説。 -
かぎろい頌
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 幻の板画集! 棟方志功・保田與重郎の遺志を継いで集成、刊行! ――日本浪曼派の総帥・保田與重郎が詠んだ和歌を、昭和23年から20余年間も彫り続けた板画家・棟方志功。棟方・保田とも鬼籍に入ったが、50作で纏める計画は遂に「未完成板画集」となった。故人の遺志を継ぎ、改めて全国的規模で調査・収集を敢行し、判明した32柵で編む、初めての作品集。 ◎棟方志功 「かぎろい頌」は、保田氏のつくられた歌を五十くらいつくって、一本にしようではないか、というので、制作にかかりました。―(略)―まだ未完ですが、五十首完成ののち、好きに出来たものを発表しようと思っています。<昭和31年刊『板画の道』より> ◎保田與重郎 棟方さんが私の歌を彫ったのは戦後になってからのことだが、以来、折にふれ長期にわたって、私の歌を板画にしてくれた。―(略)―私の歌にふれた作品は、彼の各時代の手法が現われていて、作品年譜を見るようで、おもしろい。<昭和51年刊『グッドバイ棟方志功』より> -
人には聞けない マンガ・男と女の法律相談
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 誰にも相談できなかったあなたの悩み解決します! 知らないと危ない生活法律知識。弁護士作家・和久峻三が楽しく漫画指南! ――不倫関係のツケ、結婚・離婚にまつわる難題、子供の事故と親の責任、知らぬ間の連帯保証人、インフォームドコンセント……。身の回りで起こる男と女とカネのトラブルを、法的にどう解決するか? 弁護士作家・和久峻三が人には聞けない悩みや心配事に、分かりやすく楽しいマンガつきでお答えします! -
兵児一代記
椎原真平は、薩摩のボッケモン(勇敢者)である。年少の頃から気に奔った奇行で知られた。薩英戦争では、素ッ裸に赤ふんどし姿で伝令を務め、唯ひとり砲台に居残って、届かぬ弾丸を英艦に射ち続けた。――「チェスト!」真平には万事が気合いである。鳥羽伏見の戦では、緊張の対陣のなかで、ノコノコ敵陣に煙草の火を借りに行く。「見事やりとげたら、宮川町の女郎をおごいやんせ」。真平は、中村半次郎と賭けをしていたのであった。――やがて、時代は明治維新に転換する。彼は、酒と女に溺れていた。風雲は、西南戦争に向って妖しく流れてゆくのに……。木強かぎりない薩摩っぽを描く「兵児一代記」ほか。 -
五十両の夢
時代小説の巨匠が、江戸時代庶民の哀歓を、流麗な筆に乗せて描いた短編集。表題作、「女郎ぐも」「貞女」など、12編を収録。 -
孤剣二十六万石
孤剣腰間にあれば天下怖るるものなし――美濃高須館・松平義行の次男・雪丸は、高田二十六万石の養嗣子への縁組と美姫を蹴って、武者修業に立つ。雪丸は、柳生新陰流の達人である。高田藩では後継ぎ争いの家内紛争が続き、江戸表では酒井大老の対藩政策で政情波瀾に満ち、市中には旗本奴町奴が走り、道場には各派の名人達がはびこっていた。男性的な若い剣士を描く大剣豪小説。 -
青い貝殻
生きているウシロメタサと抑圧された性の欲望、抜き差しならぬ友人や女との関係を、安岡章太郎節とも言うべき苦いユーモアと自在の文体で描いた5つの短篇集。 -
算士秘伝
現代での数学=算法を操る者たちの悲喜こもごもを描いた表題作や、超能力である千里眼を持つという女と、そこに群がる者たちを描いた『千里眼』など、時代物の短編集、全7編。 -
忠直卿行状記
越前宰相・忠直には、沸々たる不満がたぎる。二代将軍・秀忠の兄・秀康の長子に生まれ、大坂の陣にも東軍随一の戦功をたてながら、恩賞は薄かった。「血統から言えば、わしが将軍となって当然の身分ぞ!」忿懣は忠直を酒色に走らせて、やがては狂乱の殺戮をほしいままにする。愛妾の一国とともに罪人の処刑を見物し、鮮血のなかに盃を傾け、果ては罪なき家臣に無理難題をつきつけて成敗する。残虐の裡に無上の快楽を求めていた。忠直の妻は、秀忠の娘・勝姫である。狂気の中に身を滅亡の淵に追い込もうとする夫の行動を、彼女は江戸に告げた。独自の新解釈による「忠直卿行状記」ほか9篇を収録。 -
鮮血洋燈
洋燈(ランプ)に隠された、ロマノフ王朝最後の王女・タチアナの宝石を巡って、ロシア、満洲、日本を舞台に繰り広げられた殺戮と惨劇。だが、実はその宝石は、ある日本人が軍に供出していた品で、ある日本の大臣が秘匿しようとしていたことがわかり……。元・日本探偵作家クラブ会長の手による、戦争が生んだ狂気を描いた傑作ミステリー。 -
剣士秘伝
篆刻をする剣士、秘伝を守る剣士、無刀の剣士、目を突く剣士、二つの魂を持つ剣士……など、五味康祐、柴田錬三郎とともに、剣豪小説を支えてきた著者による傑作8編。 -
慶長大判
関ヶ原の戦いの翌年、徳川家康は江戸大判座で大型金貨を鋳造し、日本で初めての全国的流通金貨とした。その金貨を届けるために男たちは……という表題作はじめ、人情や愛嬌のある人々を描いた、8作品の短編集。 -
チンネの裁き
ヒマラヤ遠征隊のリーダーとして有名な蛭川繁夫が、剣岳チンネをめざして池の谷左俣の雪渓で落石死した。剣尾根のドーム壁を登攀していた木塚健は、落石が3方から起こり、その上にそれぞれ人がいたことから遭難に疑惑を抱く。しかも、アイゼンの紐が切れていた! 何者かの作為を感じ真相の究明にのりだした木塚と蛭川の兄・一郎の前に立ちふさがる、山の偉容となまぐさい人間関係……。この「チンネの裁き」は、美貌の女流アルピニストをめぐって山の掟をやぶった山男たちの愛の確執から、登攀ルートに企らまれた完全犯罪が山の裁きをうける顛末を、逞しい筆致で描いた異色作。 -
失踪
超満員の観衆でふくれあがった後楽園球場。6回表、突如、自からマウンドをおりた東京イーグルスの渡部投手は、球場から姿を消したのである。その夜、若手実業家・副島秀雄が絞殺され、現場に渡部投手のシガレット・ケースが落ちていた。さらに翌日、バーのマダム・木下綾子が絞殺された……二重殺人事件……。敏腕の速水警部は、事件の裏にひそむプロ野球の暗黒面に捜査の手をのばした。一方、独自の推理で「失踪と殺人」を追う弁護士の百谷泉一郎・明子夫婦の活躍。複雑にからむ事件のナゾを明快にさばく二人が、やがて探りあてた犯人は……。 -
伊勢新九郎
鈴鹿の浮浪児が、野武士の頭領から一国一城の主となり、天下統一の野望に燃える。一世の風雲児・北条早雲の半生を、『人生劇場』の流行作家が描いた会心作。 -
サイパンから来た列車
深夜の東京駅に突如訪れたサイパン玉砕の一個大隊。彼らが見た戦後10年の祖国の顔、そして家族たちは……、という表題作など、全5編。脚本家・倉本聰が手掛けて舞台・テレビドラマ化され、笠智衆など出演で映画化もされた傑作。 -
浪人横丁
幕末の世、壬生藩の家老の家に生まれた青江京介は、神田の浪人横丁で暮らしている。江戸を一時離れ、人助けをして帰ってきた京介だったが、若き主君の蟄居と父親の切腹に……。しかも遺書には……。 -
法廷の魔女
新進気鋭の弁護士・百谷泉一郎は、川瀬産業社長・川瀬雄三から、「奇妙な死の予感」のため、「死後をよろしく」と依頼されて、顧問弁護士となった。それから3日後、その予感は的中し、川瀬は、3番目の妻・綾子のベッドで、ナゾの毒死をする。当然、綾子は容疑者として法廷に立つが、不利な状況にもかからわず、常に冷やかな「魔女の如き微笑」を浮べていた。しかし、百谷の調査が進むにつれて、川瀬をめぐる複雑な女性関係、近親相姦などが暴露され、事件は意外な方向に進展して来た。綾子の魔女の如き微笑は、何を意味するのか? 百谷泉一郎の明解な推理は……。 -
鳶のぼんくら松
弱きをいじめる悪者どもを見つけると、黙ってはいられない性分で、実際、その腕っぷしも人の倍以上の、江戸の浪人・松太郎の豪快さ。 -
紅梅行燈
江戸・深川の八百源の娘・お澄は、小町娘と評判の美人だが、柔術の手練でもあった。ある夜、3人の侍に襲われながら見事これを撃退した若侍・弓川金吾と知り合い、傷の手当をしたことから、ほのかな恋心を抱く。金吾の襲われたのは、南部藩の内紛、ご老公派と当主派の争いに、源を発していた。隠退した先代老公が、愛妾・お市の方にせがまれ、新御殿を作ろうとして無理な金策をし、それを引き受けた豪商・盛岡屋が、当主の妹・小夜姫を妻にと要求したのだ。江戸屋敷の小夜姫に、ご老公から国元への帰還が命じられた。無事に済むはずのない道中を思い、当主派は、姫の見替りにお澄を仕立てた。金吾、お澄の行手には……。 -
巷説 荒木又右衛門
鍵屋の辻の決闘で名高い、新陰流の剣豪・荒木又右衛門。江戸から、剣術師範を務める大和郡山藩への道中で、悪をくじき、弱きを助け、武名ますますあげていく。その荒木又右衛門の旅日記。 -
やん八弁天
老中・水野の悪事を暴くため、南町奉行の内命を受け、金座役の手代にもぐりこんだ代二郎は、鳥居耀三の配下の者に付け狙われてしまった。なんとか1軒の小料理屋を見つけ、そこに上がり込むと、そこの女将は……。時代小説の名手の十八番とも言える反鳥居ものの傑作ほか、時には脆い青年剣士、男勝りの町娘など、市井に生きる様々な人々の生き方を多彩に描いた、傑作ばかりの15短編。 -
おこまさん
「おこまさん」は、小ぶりな身体から生れた愛称である。年ごろの一人娘・萱子と二人ぐらし。亡夫の遺志で建てたアパート「松の荘」の持主で未亡人。親切で世話好きなおこまさん母娘を中心に、現代社会の縮図ともいえる、男女さまざまな10人のアパート止宿人の生活から、笑いとペーソスを織込んだ人生悲喜劇が展開される。庶民的ユーモア溢れる長編小説。 -
虹に立つ侍
飄然と江戸の宵を歩いていた笹井又四郎は、尼崎十万石のお家騒動にまきこまれる。藩主・松平伊勢守が引退し、跡目は嫡子・寿五郎が、将軍家の喜久姫と縁組して継ぐことになっていた。が、家老・岩崎の一党は妾腹の松之丞を推して策動、寿五郎を監禁した。喜久姫との婚約の日は迫っている……。「謎の侍」笹井又四郎は立った。機略に富み剣は無双、彼が女元締め・お香と「のぞき屋」源太を手下に、先ず打った奇手。それは単身、喜久姫を説得して婚儀を延ばすことであった。次に彼は如何にして、寿五郎を厳戒の中から救出するのか。素浪人を装う又四郎とは、そも何者なのか!? <上下巻> -
天保うき世硯
掛川藩の目付下役という軽輩・桑名福太郎が、痣姫さまと通じたために、隠密という名目で江戸に追放されるが、討手に追われているようで気が休まらない。……作者は時代を江戸の天保期以後にもとめて、人情、風俗考証の正しさで、道中記の面白さの中にリアルな立体感を与える小説を得意とするので、この作品でもそれが満喫できる。しかも従来の作品と異なり、武士社会の組織の冷酷さの中に生きる主人公に、いわゆる「永遠の女性」としてのお高祖頭巾の痣姫への憧れが揺曳していて、一種の時代スリラー的な不気味さがあり、結末は余韻ふかい。山手文学の一転機を示す作品である。 -
三百六十五日
見かけは優しいノンキ者の浪人・風雷太郎は、腕がめっぽう強く、天秤棒を振って相手をキリキリ舞いさせる。……浅草の観音さまで敵討の大望いだく町娘・お加代を戒めての帰途、観音さまのお告げだと言いはる拾い屋の忠六のすすめで、花川戸の質屋・倉橋屋の色後家・お浦の用心棒となって、悪旗本・大河原一味をやりこめる。倉橋屋の内部事情は複雑で、先代の息子で今は人別帳から抜かれてしまった兇状持ちの伝吉が、ごろつき浪人を語らっては押しかける。お浦と夫婦になった雷太郎に近づく、料亭・つるやの看板娘・お加代と、女掏摸・裸弁天のお雪など……江戸の四季をいろどる、剣と恋の物語。 -
おすねと狂介
旅は道づれ……桃ノ井狂介が、大磯の街道でいっしょになった紫矢がすりの腰元、じつは松平家の季姫であった。江戸にもどれば、姫には気にそまぬ縁組が待っている。「死につらなる恋」と知りながら、姫は狂介に心をひかれる。だが、胸に奸計をひめる家老・鷲津兵太夫が、これを見逃すわけはなく、たちまち姫と狂介は、奔流のような運命に巻きこまれる。敵か味方か? 二人にまつわりつくように旅をする、河内屋平蔵と浜田屋お峰。そして奇怪な「ご落胤」の一団……。大磯から江戸へ、2日間の旅にまきおこる、人生の転変を見事にえがいた、山手文学の好篇。 -
金紅樹の秘密
作家のもとにある夫人から、夫の殺人予告の手紙が何通も届く。友人に相談して未然に防げないかと考えるが……。殺人は起こるのか? はたしてその結末は……。時代小説『若さま侍捕物帖』シリーズで有名な作家が描く、現代ものミステリーの傑作長編。 -
海は七色
九州若松港の肉体労働者たちと、そこを取り仕切る親分衆。彼らはみな血気盛んで、ギャンブルにのめり込んでいる。ふとしたことから、海女だったという女と出会い……。北九州の海や島も舞台に、心意気を見せる男たちの物語。『糞尿譚』が芥川賞を受賞した作家の傑作。 -
加納大尉夫人
大阪で指折りのメリヤス問屋の末娘に生まれた安代は、卒直な明るさを持つ娘であった。安代が女学校を卒業した年に、戦争が始まった。ある日、母に見せられた1枚の写真、それが海軍中尉・加納敬作であった。敬作のりりしさにあこがれた安代は、彼の妻になった。少女時代の延長のような稚なさの安代が、帝国軍人の妻らしくなりたいと努力し、緊張するほど、無邪気な失敗がくり返された。そんな妻を、敬作はいとしく思った。戦いは次第に苛烈さを加え、敬作の出征中に、安代は男の子を生んだ。そして半年の後に、敬作の戦死が伝えられた……。ほかに「猫」「山」「二人の女」を収録。 -
武四郎探検譚
動物文学の第一人者が、戦国・江戸時代の歴史的人物を描く、傑作短編7編。蝦夷地探検で名を残す幕末の探検家・松浦武四郎の大自然の中での行動を描いた表題作ほか、鉄砲伝来の種子島、織田信長、今川義元、武田勝頼など、ノンフィクション作家としても定評のある著者ならではの作品ばかり。 -
武豪列伝
動物文学の第一人者にして、ノンフィクション作家としても多くの名作を残した著者による、12編の傑作。山岡鉄舟、千葉周作、沖田総司、嘉納治五郎などを見事に描いた作品。 -
天国遠征
大雨の日、筑後川の氾濫を心配する人々。その中に、戦後の新しい時代に、資本家となり芸術に心を傾ける家族がいた。その家の娘は、お芝居に夢中になり、配役で抜擢されもする。そして……。キリスト教をモチーフに人間の罪と罰を、『糞尿譚』で芥川賞を受賞した作家が描いた長編小説。 -
花嫁太平記
親藩・松平家の江戸留守居役を、倅の藤太郎に譲って隠居した藤翁は、同藩目付役の娘・お乃芙を倅の嫁に迎えたが、藤太郎は国事に奔走するため、妻と相談の上、脱藩する。家名の断絶をおそれて倅を勘当した藤翁は、夫を信頼する嫁の強さといじらしさに心うたれて、勘当を思いとどまる。という、幕末の藩邸にありがちの事件を描いた「花嫁太平記」のほか、格式ばった武士階級の中に人情味を汲みとった「藪うぐいす」「ばかむこの記」や、勤皇浪人に危難を救われた男嫌いの姐御が、一夜の情交からすっかり女らしくなる「舞鶴屋お鶴」など、幕末動乱期のなかに義理人情を描いた、珠玉の名作集。 -
くれない系図 若さま侍捕物手帖
両国広小路「娘手ずま胡蝶斎一座」の君太夫が、何者かに殺された。親方・一神は、秘蔵弟子の死をきくと、なぜか花太夫の安否を気遣う。おなじみ遠州屋小吉が駆けつけ取調べていると、花太夫が行方不明となり、常回り同心・矢村小左衛門が検死にきたとき、君太夫の死体は煙のように消えていた。そのうえ小吉は、剣客風の武士に事件から手を引けと威される。花房家跡目相続にからむ一党と幻術師の死闘が展開され、渦中にまきこまれた「若さま」は、船宿・喜仙で淘然とばかりもしていられず、忍者もどきの大活躍をする。数多い作者の「若さま侍捕物手帖」のうちでも屈指の異色長篇。 -
おえん殿始末 若さま侍捕物手帖
将軍家の寵妾おえんの方付の奥女中が、宿下り中、謎の矢に射られて死んだ。その背後に秘められた大事件!? ――「ここは柳橋米沢町、船宿喜仙の大川に沿った二階屋敷。齢のころなら三十四五……」一向に格式張らず、何の屈託もなさそうな至極のびのびと育った人柄の若さま。船宿の一人娘で今年19のおいと。二人の閑談をいつも邪魔して無粋さをおいとにうらまれる御用聞き、遠州屋小吉。……ご存じ、若さま侍捕物手帖『おえん殿始末』は、将軍家の寵妾・おえんの方という歌川の局付の奥女中が、宿下りして謎の矢に射られて死んだことから、大奥を舞台に豊臣家遺臣の謀叛事件が発覚する。その底深さに挑戦する若さまの鋭い推理と、優美な剣の冴えが、錦絵さながらに繰り広げられる巨篇。 -
若い樹々
快活で美しい立花理々子には、父がない。中学を卒業すると、東京に出て働きながら夜間高校に学ぼうと決心する。上京した彼女はお手伝いさん勤めをするが、慣れない環境で身も心も疲れていった。そういう理々子の心の支えになるのが、洗濯屋のご用聞きをしている戦災孤児の橘悟くん。周囲の無理解と蔑視に傷つき、また悩みながら、しかし希望をもって彼等は生きる……。幸せを願い、明日をさして伸びゆく若い樹々のような若者たち。働く人たちの愛と生活を暖かく描いて定評ある壺井文学の名作長篇。大映映画化。若い世代に贈る話題の1冊。 -
四角な卵
戦後のオフィス不足の時代、銀座にオフィスを持っているだけで信用される……。元植木職人とその妻、姪……経営者と普通の人々……。新しい時代に立ち向かう人々を、作者ならではの暖かい眼で描いた、朝日新聞連載小説。 -
手づくり夢絵本
小説にちりばめた、愛らしくかわいい小物類とおいしい料理。田辺聖子の夢がいっぱいのオリジナル版カラー美術館。きれいな物、おいしい物を手づくりで! ――ゆめゆめしい布の袋、お遊び小もの、ヅカ風お好み焼き、遠くへ行きたい弁当など、各分野の第一人者が実作し詳しい作り方を付けた、田辺作品に登場する手芸と料理。小箱、ペーパーレース、貝、箸枕、人形などの、田辺コレクション。すべての項目に、著者の楽しいエッセイを織り込んで贈る、オールカラーのオリジナル文庫。 -
江戸小咄
時代の性格とニュースを知る上に貴重な文献であり、世相と一般の生活を如実にあらわしているといわれる咄本。江戸後期の咄本15冊を各種の原本にあたり、完璧な形で編集した好著――古典落語の原話として広く知られる咄本は、日本人の笑いの無尽蔵の大鉱脈であるが、また、その時代の世相を如実に映しており、庶民の生活を見る上での貴重な文献でもある。本巻では、現代人の感覚にもよく通じる江戸後期の作品群を主としてとりあげ、原文のまま紹介するものである。各編、解説、訳注を付す。<全2巻> -
下北の殺人者
真犯人は誰? 大逆転劇の本格推理。社内旅行で起きた奇怪殺人の恐怖。互いに犯人を探るうち驚倒の真相が浮上。旅情豊かなトラベルミステリー長編――犯人が自殺したのち、驚天の物語がはじまる……。社内旅行の下北半島をめぐるツアーで、殺人事件が起きた。一行を次々襲う殺人の恐怖。原因は、少し前に発生した同僚女性への殺人か? 犯人は自分の夫か? 事件の発端は半月前の宝くじだった。彼女は宝くじのグループ買いで当てた3000万円を管理していたのだ。互いに犯人を探るうち、容疑者が浮かぶが、その人物には堅固なアリバイ。さらに別人による罠も匂う! 次々と容疑者が代わり、最後に驚愕の逆転劇を秘めた意外な結末の、本格ミステリ-力作。 -
らくてんパパ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 1ページ4回、大爆笑の植田ギャグ! ドジと早トチリで爆笑快笑旋風の発生。らくてんパパはギャグ漫画のアイドル。パパは超元気印! 大傑作4コマ漫画の決定版――パパの権威は伊達じゃない。会社じゃキレ者、仕事のオニ!? 家庭じゃ良き父良き夫、ギャンブル場ではアタフタ熱狂サポーター。そうではあるけど、オフィスでもマイホ-ムでもやることなすこと、ドジと早トチリのオンパレード。パパがまきちらす大爆笑。愛すベきパパは、江戸っ子気質の正義漢。らくてんパパは、笑いのアイドル。植田まさしギャグ・ワ-ルドの代表作。 -
匠の時代
ふとん乾燥機は、寒さ凌ぎにドライヤーを布団の中に持ちこんだ独身社員の体験から生まれた……日本における先端技術開発の成果を、三菱電機:クリンヒーター、小西六:自動焦点カメラ、東レ:エクセーヌの成功例にたどり、その発想法の革命に始まる企業と個人一体となっての熱い挑戦を、ドラマチックに再現して描く! <全12巻> -
大山将棋勝局集
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 優勝回数123回、勝局数は1000局を軽く突破。重厚無類の大山将棋の真髄を示す珠玉自戦記、巨人の足跡! ――超人・大山康晴。優勝回数じつに120回以上、勝局数は既に1000局を超えた。常に棋界の先端に立ち、この道一筋の精進は50年の長きに亘る。重厚無類の戦法で確実に勝ちを制し、棋界に前人未到の金字塔をうち樹てたこの不死鳥は、いまなお新棋風の工夫に余念がない。大山将棋の真髄を披瀝する珠玉自戦記。
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