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「人間の生」とは一体何なのか。今から100年前、人類学者たちはその答えを知ろうとしてフィールドワークに飛び出した。マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドという4人の最重要人物から浮かび上がる、人類学者たちの足跡とは。これを読めば人類学の真髄が掴める、いままでなかった新しい入門書!
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Posted by ブクログ
入門書なので当然だが、この本を読んで人類学が俯瞰できるわけでもないし、難しくてわからないまま終わるところもある。 でも、人類学は何を学ぶ学問なのか、なぜ必要とされているのか、著者の熱量がとても伝わってきた。 人類学の基礎知識がなくても、深く学ぶ気がなくても、今の自分の生き方を振り返るきっかけとして、...続きを読むとても良い本だと思う。文量もライトで読みやすい。 個人的にはもっと色々な人類学の本を読んでみようと思わせてくれるきっかけになった。
人類学における4人の巨人を中心にどのような考え方が主流として扱われてきたのかについて述べている。 本質的に人類学とは相対的哲学なのかなと思ったし、大袈裟かもしれないが誰しもが普段の生活の中で「内部」と「外部」を意識することで人類学的な参与観察に似た過ごし方ができるんじゃないかと思った。
人類学とは、人間について研究する学問で、国により分類が多少異なるということを冒頭で知ることができます。 イギリスでは、「自然人類学」「先史考古学」「社会人類学」の3つで構成されています。アメリカでは、上記3つに加えて「言語人類学」が加わるそうです。 フランスでは、社会人類学を「民族学」と呼ばれてきた...続きを読むそうです。 この人類学を年代別に重要な役割を果たしてきた人物を紹介すると共に、その書籍から何を導き出してきたのかを知ることができます。 クロード・レヴィ=ストロースさんと、ティム・インゴルドさんの名前は聞いたことがありましたが、ブロニスラフ・マリノフスキさんやフランツ・ボアズさんは存じ上げませんでした。それぞれの学者が残してきた書籍は、参考文献として掲載されています。本書を手に取り人類学に興味を持った人への道案内にもなっています。 最高にかっこいい学問の一つ人類学を学びたくなりました。
人類学の基本視点を通じて「生」を捉え直す旅へと誘う。 マリノフスキーは社会や文化を「生の全体」として捉え人間の行動がいかに相互に結びついているかを明らかにした。 ストロースは表面の多様性の背後に潜む「生の構造」を探り普遍的な秩序を解き明かした。 ボアズは多様な文化の中に「生のあり方」を見出しそれぞれ...続きを読むの独自性を尊重した。 そしてインゴルドは固定されたものではなく常に変化し続ける「生の流転」に注目した。 これらの視点を通じ奥野は私たちに問いかける――「生」とは何か。その問いに向き合うことで、人間の本質や社会の在り方に新たな視点を得られるだろう。 外部という言葉が使われいる。知らない街に降り立つことで異なる視点を感じることで今の「生」が見えてくる。観光地巡りでなく寝そべっていて見えてくることがある。
人類学100年の歴史がざっくり掴めます。マリノフスキ、レヴィストロースは聞いた事がありましたが、ボアズ、インゴルドは初めましてな感じでした。狭くなった地球で、どう人類学が発展していくかは興味があります。
参与観察 実際に参加・参与しながら観察をしてデータを収集する調査研究の手法 構造とは要素と要素間の関係とそれからなる全体であって…一連の変化過程を通じて不変の特性を保持する 仏教のサマーディの音写の三昧 徒歩旅行と輸送 アリとクモ 人類学の探求の技術、現在生じていることに次々に即応できるように知覚を...続きを読む研ぎ澄ますこと、世界との関係を調整すること 人間の生と会話する 普段の思考の外部へと連れ出してくれる
本屋で購入 マリノフスキー レヴィストロース ボアズ インゴルド を紹介しています。分かりやすい 参与観察している研究者の日記って面白くて好きなのですが、マリノフスキーが元祖だったとは
哲学や思想などリベラルアーツ系の本を読み進めていると、いつのまにか「文化人類学」と呼ばれる分野に手を出していることに気づきました。 レヴィ=ストロース、マルセル・モース、グレゴリー・ベイトソンなど、思想界にその名を残す文化人類学者は数多く存在します。 なぜ私たちは人類学を学ぶのか。 本書はその...続きを読むヒントを教えてくれます。 本書では、マリノフスキ、レヴィ=ストロース、ボアズ、インゴルドの4名を取り上げて人類学の系譜を辿ります。 彼らの偉大な功績は、未開の部族の中に入り込んで、外部に学び、西洋を中心とする社会を批判的に見つめたこと。 日本の柳田國男も近代社会を憂いて、民俗学を創始したと伝えられています。 先人が持った危機感を受け継いでいくこと。 それが、人類学を学ぶ意義ではないか。 入口としておススメです
文化人類学の流れを知りたくて読んだ。 マリノフスキ、レヴィストロース、ボンズ、インゴルドの四章に分かれており、流れをつかむのにちょうどよい入門書であった。何回か読み返したい。
人類学という学問は20世紀前半から盛んに研究されるようになった。その考え方の変遷がまとめられた本。 最近の学問だったのか。 ・重要人物 ブロニスワフ・マリノフスキ:生の全体 クロード・レヴィ=ストロース:生の構造 フランツ・ボアズ:生のあり方 ティム・インゴルド:生の流転 ・変遷 15世紀:大...続きを読む航海時代、海の向こうの世界と出会う、「他者」についての学問が始まる 17、18世紀:人間の本質、人間社会の成立への関心が高まる 19世紀:進化主義的な考え方が広まる 20世紀:フィールドワークによる新しい人類学が始まる ・機能主義:文化の見取り図 制度や慣習の機能を、文化と社会の関連において解明する。様々な「部分」が、「全体」に対してどのように働いているのかを探り、全体がどのように成り立っているのかを理解しようとする。 ・参与観察: 現地の人々が働いたり話をしたり、儀礼をおこなったりしているところに実際に参加しながら、他方で観察を行ってデータを収集する調査研究の手法。 参与だけで観察するのが疎かになると十分なデータが得られない。観察ばかりに徹して参与をしないでいると、中途半端な見通しだけで現地の人を理解してしまうことになりかねない。 ・構造主義: 私たちが生活している社会や文化の背後には、目に見えない構造があり、人間の活動はその構造によって支えられている。人間の精神は進歩するのではなく、最初から完成してしまっている。 遠く離れた辺境の地に住む人たちを未開人(文明から取り残されている人)と見下してきたが、それぞれの社会に「生の構造」がある。 ・クリスマスの起源 古代ローマやケルトなどの異教の祭り。太陽の力が弱まり、秋が深まる時期に、死者が生者を攻め立てるように夜が昼を脅かす。その時期に死霊に贈り物をしてあの世にとどまってもらう。それが、いい子にしていると家の外の闇から贈り物を与えてくれる存在に取って代わるようになった。 人類の普遍的思考:野生の思考 ・(ボアズ)文化とは環境との関連や移住の経緯、隣接する文化からの借用など、歴史の積み重ねによって形成されるもの。 文化相対主義:すべての文化には価値があり、そのすべてに経緯が払われるべきである。 ・菊と刀 欧米の「罪の文化」:善悪の絶対的な基準を用いて良心の啓発を説く 日本の「恥の文化」:世間の目によって自分の行動を決める ・(フィールドワークのインフォーマント/情報提供者が作り話をしていたことが後々発覚した事件) フィールドにおける真実というのは、いったいどこにあるのでしょうか。何が真実で何が嘘であるかという判断は、どのようになされるべきなのでしょうか。嘘や冗談を見極めて人類学者が真実に接近するためには、いったいどんなことをしなければならないのでしょうか。 ・(インゴルド)人類学とは、世界の真っただ中に分け入って、人々「とともに」考えること。 フィールドの人々は情報提供者としてのみ位置づけられることが多い。調査した人々「について」語る。 ではなく、フィールドで人々「とともに」研究することが生きる方法を探る人類学。 ・人類学は、それを真剣に学ぶならば、私たちをふだんの思考の「外部」へと連れ出してくれます。 外部というのは、知らない町や県、これまで行ったことがなかった国や地方、身近にありながら触れることがなかった集会や店。新たに興味を持った昆虫や土や山塊の世界だけでなく、風や宇宙など森羅万象まで開かれています。 実際に出かけてみて体験してみると、当の「外部」は、訪れる前に思い描いていたのとは違っていることに気づくでしょう。そしてそのことを手掛かりとして、自分自身の生の問いをより一層深められるでしょうし、自己を変容させていくこともできるでしょう。
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