すべての高評価レビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ『食堂かたつむり』を読み終えて、涙が止まらなかった。
本を読んでここまで声を上げて泣いたのは、生まれて初めてだと思う。
“命はどれほど大切なものなのか”という問いが、静かに、だけど強く胸の奥に突き刺さった。
物語が進むにつれて、お母さんの倫子への愛情が少しずつ明らかになっていく。
派手に示される愛じゃない。
人目につかないところで、そっと積み重ねられてきた愛。
その存在に気づいた瞬間、胸が締め付けられて、最後の手紙ではもう涙を抑えられなかった。
エルメスのシーンは言葉にできないほど心を揺さぶられた。
様々な事情を理解したうえで、自ら解体されるために歩み寄る姿は、残酷で、優しくて、尊くて、悲 -
Posted by ブクログ
心に響く。
買うかどうか迷ってここを訪れた人は安心して、この本を手に取って欲しい。この本は、あなたの人生に、少なくとも影響を与えるものだろうから。
こういう類の小説を読むたび、思う。小説というものは、物語というものは、その作者の今までの人生の集大成なのだということを。
文学には、学校の教科書なんかよりも、よっぽど濃い学びがある。その学びとは、作者が、頭を抱え悩み、考え、そして至った結論の数々である。それは、登場人物の台詞を通して、我々読者に伝えられるものであり、我々が本文約200頁の中から唯一覚えて、吸収しなくてはいけないものだ。
匂いや温度を感じるような、まるで自分もおばあちゃんの家にいるよ -
Posted by ブクログ
ハックルベリーの冒険を知らずにこの本を読んだ。奴隷の立場で語られる話だがこんなにも過酷な状況を強いられていたことを知った。白人は黒人に対し鞭打ちなどの酷い拷問で支配することで心の底にあるその恐怖心を隠していたのではないかと思った。
アメリカだけでなく最近の民族主義的な風潮はそういった感情を現代の人も持っている表れではないかと考えさせられた。
現在でも世界中でデモや暴動が起きているニュースを見て、なぜ死者がでるほど激しくなるのだろうと思っていた。その発端は人としての尊厳を保つ限界を越えるほどの抑圧があったからこその行動だからであろうと気付かされた。
奴隷の視点での話なのでハックルベリーの冒険と読 -
Posted by ブクログ
忘れかけていたあの頃の未熟さ、情けなさ、残酷さを、ヒリつくような緻密さで正確に表現していて、作者はまさにこの渦中にいる女子中学生かと思うほど。解像度の高さよ。すごすぎる。
主人公の捩れっぷりは相当なもので、伊吹くんがかわいそうでかわいそうで…中学校編からしんどいながらも読み進めていたら、急展開からのエンディング。
村田さんの作品を貫く、暗い肉体的な欲望や手に負えない感情を扱いながらも、これはそこからいくばくかの解脱を遂げた数少ないものなのではないかと。絶望の真ん中にほったらかされなくてよかった…
あまり読み返しはしない方だけど、この作品は珍しく最後のパートを2度読みました。直前まで苦しかったか
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