ウィリアム・シェイクスピアのレビュー一覧
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池袋にて、舞台リチャード三世を観ての記録。本は未読。
自分が王になるために、周囲の人間を次々と冷酷無比に殺していく悪人を演じるのは、佐々木蔵之介。彼の見事な演技に心底圧倒された。
鍛え上げられた肉体、それを駆使した演技と台詞まわし。つい先日までNHKの朝ドラで見ていたシェフと同一人物とは思えないほどで、ここまで魅了されるとは思わなかった。
また、登場人物に複数の女性がいるにもかかわらず、実際に演じているのはほとんど男性というのも興味深い。何度も出てくる濃厚なキスシーンも当然男同士で、ドキドキした。
脚本、演出、美術等がルーマニア人という舞台は初めてだったが、一貫して退廃的で淫靡な大人の雰囲 -
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とても有名な作品だけど「シェイクスピアの四大悲劇」「デンマークの復讐劇」「to be or not ti be」ぐらいしか知らなかった。ので読みました。
こんなにたくさんの人が死ぬんだねぇ。死ななくてもいい人まで死んで、それがそのあとの伏線かなぁ、と思ったら、やっぱりそうで。セリフは詩的で難解。でも、クライマックスは圧巻ですね。
それにしても、なぜハムレットはちゃっちゃっと復習しないのかねぇ。絶好の機会もあるのにやらないもんなぁ。それなのに最後は一気呵成にことが進んで、そのスピード時間の差が印象的。
それにしてもオフィーリアはなぜ死ななくちゃいけないのか、よくわからないね。あれは自殺かな。事故 -
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舞台はヴェロナ。
敵仇同士のモンタギュー家とキャピュレット家の、情熱的でロマンチックかつ悲しい内容でした。
新装版なのか注訳のおかげで、とてもわかり易く一気読みでした。
卑猥な表現もあれば、シャレもあり、そういう意味では大変楽しめました。
あの「おお、ロミオ。どうして貴方はロミオなの?」の原文が読めた時、ゾワッとなりました。
ここがあの件か!と。
ロミオとジュリエットの会話は非常にロマンチックで詩的なものがあり気持ちもポッと温まるというか染められるものがあります。
この物語の中で二人の味方は僧ロレンスのみ。
キャピュレット家の掌返しが凄まじく残酷。
たった一日で一目惚れをして猛烈な恋に堕 -
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『お気に召すまま』の流れをくむ、誤解が誤解を呼ぶ喜劇。
膠着した人間関係の中に、遠い異国の国から突如として流れ着いた不思議なひと。その正体は虚構で作り上げられた、実在するも実在しない逆説的存在。そんなひとの登場によって、イリリアのふたりに新たな風が巻き起こる。
誤解が誤解を呼び、目まぐるしいまでのことばの渦が沸き起こる。もうこれ以上いったら何もかも壊れて悲劇が訪れる。その瞬間に快刀乱麻、虚構の魔法が解かれてすべて喜びの世界が訪れる。
たった一瞬で悲劇が回避され、喜劇となる。喜劇と悲劇は同じものの裏表で、その思考から生まれるものなのだと知る。まさにwhat you will ということ。
解説と -
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福田恆存、小田島雄志の訳では読んでいたが、今回初めて松岡和子訳を読んだ。少し中だるみがあるし、変装すれば親兄弟でも分からなくなるのかといった突っ込みどころも多々あるが、やはりシェイクスピアの最高傑作はこの『リア王』で間違い無いだろう。途中経過がどうであれ、全ての希望が崩壊し、底なしの暗黒が世界を覆い尽くすかのごとき終盤のドラマチックさは、他の作品の比ではない。
あらためて胸を打たれるのは、グロスター伯爵の死がエドガーの口から伝えられるところ。その前にエドガーの作戦でグロスターが生きる意欲をわずかながらに取り戻し、親子が再び手を取り合う兆しを見せていただけに、死の場面すら描かれず、突然二度と会 -
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シェイクスピアで最も有名な戯曲。学生時代に読んで以来、久し振りに読み返してみた。
ハムレットのストーリーはよく知られていて、映画やオペラにもなっており、この戯曲について書かれた本も多い。初めて読んだ時は新鮮で面白かったが、改めて読んでみると話の展開にスピード感がなくて、イライラするような独白や会話が延々と続く感じがした。おそらくストーリーが判っているので、そう感じたのかもしれない。ハムレットは優柔不断で悩み多き王子で、様々な言葉でその時の気持ちを表現する。それが多くの箴言となり、欧米人がよく引用する。最も知られた”To be, or not to be, that is the questio -
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ネタバレ【本の内容】
裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。
担保は自身の肉1ポンド。
商船が難破し全財産を失ったアントニオに、シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが…。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
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「ブルータス、お前もか」で有名なカエサル暗殺。
タイトルはジュリアス・シーザーとなっているが、シーザーによる、ブルータスのための劇のように感じる。
『ハムレット』『マクベス』『オセロ―』『ロミオとジュリエット』など、シェイクスピアの悲劇はたくさんあるが、このジュリアス・シーザーはそれらとは一線を画する。
たしかに、役一人あたりの発言量は多い。それはどの悲劇でも大抵そうだ。だが、他の悲劇とは違って、ジュリアス・シーザーでは、すべての発言が重みをもって迫ってくる。歯切れのいい洒落や猥談は全くない。
そして、振る舞いによる対比が見られない。多くの悲劇では、身分が低い場合には、とことん猥雑な振る舞いで -
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ネタバレ最初にこの本を手にとったときは、
てっきり、シーザーの暗殺で
すべてが終わると思っていました。
だけれども、ある意味いい意味で
裏切られることとなりましたね。
メインとしては、シーザーの信頼していた
ブルータスです。
彼は彼の怠惰さに
疑問を覚え、なすがままにシーザー暗殺へと
加担していくこととなります。
しかし、その後に待っていたのは
彼らの意図する事柄ではなかった、ということ。
そして、人を束ねる存在は
苦心をするものの、
それを享受する側の心は変わりやすい、
ということ。
それがアントニー側の人間の発言のくだり。
人とは何なのでしょうね。 -