ウィリアム・シェイクスピアのレビュー一覧

  • 新訳 リチャード三世

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    池袋にて、舞台リチャード三世を観ての記録。本は未読。

    自分が王になるために、周囲の人間を次々と冷酷無比に殺していく悪人を演じるのは、佐々木蔵之介。彼の見事な演技に心底圧倒された。
    鍛え上げられた肉体、それを駆使した演技と台詞まわし。つい先日までNHKの朝ドラで見ていたシェフと同一人物とは思えないほどで、ここまで魅了されるとは思わなかった。
    また、登場人物に複数の女性がいるにもかかわらず、実際に演じているのはほとんど男性というのも興味深い。何度も出てくる濃厚なキスシーンも当然男同士で、ドキドキした。

    脚本、演出、美術等がルーマニア人という舞台は初めてだったが、一貫して退廃的で淫靡な大人の雰囲

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    2017年10月25日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    やはりハムレットがシェイクスピアの最高傑作なんだろう、そう思わせる作品だった。
    内容はかなり不思議で理解しがたい部分があり色々と想像することが必要。
    巻末の解説が充実している。

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    2018年01月13日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    とても有名な作品だけど「シェイクスピアの四大悲劇」「デンマークの復讐劇」「to be or not ti be」ぐらいしか知らなかった。ので読みました。
    こんなにたくさんの人が死ぬんだねぇ。死ななくてもいい人まで死んで、それがそのあとの伏線かなぁ、と思ったら、やっぱりそうで。セリフは詩的で難解。でも、クライマックスは圧巻ですね。
    それにしても、なぜハムレットはちゃっちゃっと復習しないのかねぇ。絶好の機会もあるのにやらないもんなぁ。それなのに最後は一気呵成にことが進んで、そのスピード時間の差が印象的。
    それにしてもオフィーリアはなぜ死ななくちゃいけないのか、よくわからないね。あれは自殺かな。事故

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    2019年02月03日
  • ロミオとジュリエット

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    舞台はヴェロナ。
    敵仇同士のモンタギュー家とキャピュレット家の、情熱的でロマンチックかつ悲しい内容でした。
    新装版なのか注訳のおかげで、とてもわかり易く一気読みでした。
    卑猥な表現もあれば、シャレもあり、そういう意味では大変楽しめました。

    あの「おお、ロミオ。どうして貴方はロミオなの?」の原文が読めた時、ゾワッとなりました。
    ここがあの件か!と。
    ロミオとジュリエットの会話は非常にロマンチックで詩的なものがあり気持ちもポッと温まるというか染められるものがあります。

    この物語の中で二人の味方は僧ロレンスのみ。
    キャピュレット家の掌返しが凄まじく残酷。

    たった一日で一目惚れをして猛烈な恋に堕

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    2017年02月07日
  • ハムレット ――シェイクスピア全集(1)

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    言わずと知れたシェイクスピア、4大悲劇のひとつ。改めて読むと多様な読みをしたくなるハムレットの懐の深さがわかる。全てのセリフが重要で意味がある。それでいてグイグイ読ませる。シェイクスピアの他の作品と比べても完成度は段違いで最高傑作のひとつだろう。マクベス、リア王も再読したくなる。

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    2016年12月24日
  • マクベス

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    如何に人間が欲に翻弄されやすく、それによって性格がネジ曲がってしまうかを(極端ではあるものの)うまく描いている。


    あの臆病なマクベスが、権威欲しさや維持のために殺しもなんとも思わなくなるほどに...

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    2016年02月15日
  • ジュリアス・シーザー

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    ネタバレ

    タイトルはシーザーですが、内容は「ブルータス、お前もか」で有名なブルータスを中心としたもの。
    登場する政治家たちの誰もが、市民へのウケを意識しつつ、虚虚実実なやり取りをする。それをセリフだけで表現する戯曲という形式がまたいいですね。以前読んだ、同じシェークスピアの「リア王」あたりより、私はこちらのほうが面白かったです。

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    2015年12月17日
  • 新訳 十二夜

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    『お気に召すまま』の流れをくむ、誤解が誤解を呼ぶ喜劇。
    膠着した人間関係の中に、遠い異国の国から突如として流れ着いた不思議なひと。その正体は虚構で作り上げられた、実在するも実在しない逆説的存在。そんなひとの登場によって、イリリアのふたりに新たな風が巻き起こる。
    誤解が誤解を呼び、目まぐるしいまでのことばの渦が沸き起こる。もうこれ以上いったら何もかも壊れて悲劇が訪れる。その瞬間に快刀乱麻、虚構の魔法が解かれてすべて喜びの世界が訪れる。
    たった一瞬で悲劇が回避され、喜劇となる。喜劇と悲劇は同じものの裏表で、その思考から生まれるものなのだと知る。まさにwhat you will ということ。
    解説と

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    2015年12月03日
  • マクベス

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    ネタバレ

    ストーリー紹介のせりふがね。
    別の意味に解釈しているせいで
    もう頭から離れなくなりました。

    まさに悲劇中の悲劇。
    人が持つ「弱さ」を突かれて
    狂気にまみれていく勇将の悲劇です。
    それは自分の夫人を巻き込んでいきます。

    そう、彼は確かに無敵だったのです。
    ただしそれには
    ある大事な部分が満たされないものとあたったのです。
    それゆえにマクベスは夢破れたのです。

    それだけ言葉は怖いものなのかも。。。

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    2015年10月23日
  • アントニーとクレオパトラ

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    クレオパトラ 今のは嘘だとお言い、そうしたら、領地をやろう、よい身分に引き立ててやろう。痛い目に合わせた代りに、私を怒らせた罪は帳消しにしてあげる、それどころか、何でもよい、身の程を弁えた望みなら、必ず叶えてあげよう。
    使者 御結婚の話は嘘ではございませぬ、女王様。
    2015/07/24-07/30

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    2015年08月08日
  • ジュリアス・シーザー

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    ローマの専制君主シーザーを殺害するブルータスたち。
    しかし、アントニーが演説によって民衆の心をつかみ、ブルータスを追い詰めてゆく…

    解説でも触れられていた、登場人物たちの交わす「愛情」や「友情」を楽しんで読んだ。
    政治の話だし、権力争いの話だし、普通はもっとドロドロすると思うんだけど、びっくりするくらいに爽やか。

    「ブルータス、お前もか!」は有名なセリフだけど、その直後のセリフが面白い。
    みんな潔く死ぬから爽やかなのか、でも現実ではあんなに潔く死ねないよな…と思った。

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    2015年07月14日
  • リア王

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    ネタバレ

    人生は不条理まみれ。
    そして、予測外の事態まみれ。
    ふとした「相手をうかがい知る行為」を
    行ったがゆえに起きてしまった悲劇…

    確かにその行動は極端で
    やりすぎだったことでしょう。
    でも人は、たがが外れてしまえば
    その楽に手に入る欲に
    安易に飛びついてくるのです。
    安易にね。

    最後が悲劇のきわみです。
    一番の良心すら
    消えてしまう、その場面が。

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    2015年06月23日
  • リア王 ――シェイクスピア全集(5)

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    福田恆存、小田島雄志の訳では読んでいたが、今回初めて松岡和子訳を読んだ。少し中だるみがあるし、変装すれば親兄弟でも分からなくなるのかといった突っ込みどころも多々あるが、やはりシェイクスピアの最高傑作はこの『リア王』で間違い無いだろう。途中経過がどうであれ、全ての希望が崩壊し、底なしの暗黒が世界を覆い尽くすかのごとき終盤のドラマチックさは、他の作品の比ではない。

    あらためて胸を打たれるのは、グロスター伯爵の死がエドガーの口から伝えられるところ。その前にエドガーの作戦でグロスターが生きる意欲をわずかながらに取り戻し、親子が再び手を取り合う兆しを見せていただけに、死の場面すら描かれず、突然二度と会

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    2015年05月16日
  • シェイクスピア全集 ハムレット

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    シェイクスピアで最も有名な戯曲。学生時代に読んで以来、久し振りに読み返してみた。
    ハムレットのストーリーはよく知られていて、映画やオペラにもなっており、この戯曲について書かれた本も多い。初めて読んだ時は新鮮で面白かったが、改めて読んでみると話の展開にスピード感がなくて、イライラするような独白や会話が延々と続く感じがした。おそらくストーリーが判っているので、そう感じたのかもしれない。ハムレットは優柔不断で悩み多き王子で、様々な言葉でその時の気持ちを表現する。それが多くの箴言となり、欧米人がよく引用する。最も知られた”To be, or not to be, that is the questio

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    2015年03月19日
  • 新訳 リチャード三世

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    勢いのある物語だった。コミカルさを含んだ悪漢劇。
    拍子抜けするような終わり方をするが、爽快な読後感だった。

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    2015年02月06日
  • ヴェニスの商人

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    ネタバレ

    【本の内容】
    裕福な貴婦人ポーシャへの恋に悩む友人のため、貿易商アントニオはユダヤ人高利貸しのシャイロックから借金をしてしまう。

    担保は自身の肉1ポンド。

    商船が難破し全財産を失ったアントニオに、シャイロックはあくまでも証文どおりでの返済を迫るのだが…。

    [ 目次 ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]

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    2015年01月18日
  • シェイクスピア全集 リア王

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    ネタバレ

    実は四代悲劇の中でこれと『ハムレット』は本当、話が暗そうで読んでなかった本。
    先日、リア王で卒論書いてた学生さんのブックトークを聞いていて、いや、でも面白そうだぞ、と思って、ずっと積んであったのをやっと崩した。
    リア王わけわからないのとか、フランス軍敗けるのとか、いろいろおもしろい。なるほどなあ。。。

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    2014年12月31日
  • ジュリアス・シーザー

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    「ブルータス、お前もか」で有名なカエサル暗殺。
    タイトルはジュリアス・シーザーとなっているが、シーザーによる、ブルータスのための劇のように感じる。
    『ハムレット』『マクベス』『オセロ―』『ロミオとジュリエット』など、シェイクスピアの悲劇はたくさんあるが、このジュリアス・シーザーはそれらとは一線を画する。
    たしかに、役一人あたりの発言量は多い。それはどの悲劇でも大抵そうだ。だが、他の悲劇とは違って、ジュリアス・シーザーでは、すべての発言が重みをもって迫ってくる。歯切れのいい洒落や猥談は全くない。
    そして、振る舞いによる対比が見られない。多くの悲劇では、身分が低い場合には、とことん猥雑な振る舞いで

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    2014年11月21日
  • ジュリアス・シーザー

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    ネタバレ

    最初にこの本を手にとったときは、
    てっきり、シーザーの暗殺で
    すべてが終わると思っていました。

    だけれども、ある意味いい意味で
    裏切られることとなりましたね。
    メインとしては、シーザーの信頼していた
    ブルータスです。

    彼は彼の怠惰さに
    疑問を覚え、なすがままにシーザー暗殺へと
    加担していくこととなります。

    しかし、その後に待っていたのは
    彼らの意図する事柄ではなかった、ということ。

    そして、人を束ねる存在は
    苦心をするものの、
    それを享受する側の心は変わりやすい、
    ということ。
    それがアントニー側の人間の発言のくだり。

    人とは何なのでしょうね。

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    2014年11月13日
  • 新訳 リチャード三世

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    河合祥一郎の訳が良い。版による違いを上手く整理している。内容としては、あくまで演劇を目的としているので、一般小説のようなスぺクタルなシーンはなく、人間中心の心理劇が展開する。複数のリチャード、複数のヘンリー、複数のエドワードが出てくるので、人物一覧と相関図が助けになったが、翻訳ものを読む時にネックとなる同一人物の複数の名称が完全には網羅されてないのでやはり混乱した。

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    2014年11月05日