【感想・ネタバレ】シェイクスピア全集 ハムレットのレビュー

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Posted by ブクログ 2015年03月19日

シェイクスピアで最も有名な戯曲。学生時代に読んで以来、久し振りに読み返してみた。
ハムレットのストーリーはよく知られていて、映画やオペラにもなっており、この戯曲について書かれた本も多い。初めて読んだ時は新鮮で面白かったが、改めて読んでみると話の展開にスピード感がなくて、イライラするような独白や会話が...続きを読む延々と続く感じがした。おそらくストーリーが判っているので、そう感じたのかもしれない。ハムレットは優柔不断で悩み多き王子で、様々な言葉でその時の気持ちを表現する。それが多くの箴言となり、欧米人がよく引用する。最も知られた”To be, or not to be, that is the question."という独白の言葉だが、これは学生の頃、「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」と習った記憶がある。小田島訳では、「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」となっている。確かに文脈から読むと、そのほうが自然でわかりやすいと思う。ちなみに以前読んだ彼のエッセイに、この一文の過去の翻訳が記載されていた。過去に遡ると、
昭和46年 木下順二訳「生き続ける、生き続けない、それが難しいところだ」
昭和43年 小津次郎訳「やる、やらぬ、それが問題だ」
昭和35年 三神勲訳 「生きる、死ぬ、それが問題だ」
昭和24年 市川三喜訳「生きるか、死ぬか、そこが問題なのだ」
昭和10年 坪内逍遥訳「世に在る、世に在らぬ、それが疑問じゃ」
明治27年 岩野泡鳴訳「死のか、死のまいか、一思案」
明治7年  イエロー・ヨコハマ・パンチ 「アリマス、アリマセン、アレハナンデスカ」
ハムレットの言葉は易しいが、訳すのが難しい。翻訳家の先人達の苦労が偲ばれる。ハムレットを読むと、少し自分が賢くなったような気がする。(気のせい?)

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Posted by ブクログ 2013年10月06日

シェイクスピアの4大悲劇の一つであり、多数の名台詞があるとされる『ハムレット』。戯曲ということもあり、非常にすらすらと読めますが、その真意はなかなか掴みづらい印象を受けました。
ハムレットの復讐は最終場面において成就しますが、それ以前にも殺せる機会があったにも関わらず、何故ずるずると自らの死を迎える...続きを読むまで実行しなかったのでしょうか。「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ。」というように、ハムレットの心には不決断が渦巻いていて殆どの行動は極めて中途半端に終わっているように思えます。また、母である王妃に対する姿勢も曖昧模糊としており、ハムレットの本心が謎というベールに包まれていると感じました。
だからこそ、ハムレットやその他登場人物の心情を理解したくなるし、理解出来れば人間とは何かというテーゼの答えを知ることができるという点で評価が高く、是非実際に劇を見てみたい作品です。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

"To expostulate why day is day, night is night, and time is time/ Were nothing but to waste night, day, and time./ Therefore, since brevity is th...続きを読むe soul of wit,/ And tediousness the limbs and outward flourishes,/ I will be brief." So, I just say Hamlet is Hamlet.
読むたびに印象が違う。昔はものを思わざりけり。

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Posted by ブクログ 2022年09月23日

小田島雄志訳。あまりにも有名な「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」の箇所は、訳者の新しい解釈だそうだ。自分的には、小田島訳の方がしっくりきた。
初見だが物語として面白く読めた。確かに結末は悲劇なんだけど、狂人を装ったハムレットの皮肉たっぷりの台詞などニヤリとする場面も多い。
芝居で見たくなる。

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Posted by ブクログ 2021年06月19日

ハムレットの"狂気"がきっかけとなり色んな人が死んでいって、(元はといえば弟=現国王が悪い?んだけど)、最後は大切な人たちもみんな死んでしまって、めちゃくちゃかなしいなと思った。

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Posted by ブクログ 2021年05月04日

誰もが知っている古典だが、日本人はあまり読んでいないと感じる。
かくいう自分も何度か読んだが全然頭に入ってこなかった。戯曲に触れることが少ないからだろう。
その点、小田島雄志役は読みやすい。
他の戯曲も読んでみよう。

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Posted by ブクログ 2016年10月02日

"To be, or not to be, that is the question."(「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」<本書訳、以下同>)、"Get thee to a nunnery." (「尼寺へ行くがいい」)、"Frail...続きを読むty, thy name is woman."(「心弱きもの、おまえの名は女!」)など、数々の名台詞で知られるシェイクスピア悲劇。

デンマーク王子、ハムレットは憂えていた。偉大なる父王が突然の死を遂げ、次に王位に就いたのは王の弟でハムレットの叔父であるクローディアス。高潔な兄に比べ、(ハムレットの目から見ると)卑小な弟。王と呼ばねばならぬことさえ苛立たしいのに、あろうことか、前王の死後、二月足らずで母王妃は現王に嫁した。悲嘆と憤怒の只中にあるハムレットの前に、父王の「亡霊」が姿を見せる。亡霊は弟に謀殺されたと告発し、ハムレットに敵を討つよう命じる。ハムレットの深い煩悶は、周囲を引きずり込みながら、破滅へと雪崩れ込む。

結末では、主要登場人物のほぼすべてが死んでしまうという一大悲劇である。
ハムレットの人物像に関しては、古来、議論があるようだが、読み返してみても、すっとは呑み込めない「わかりにくさ」がある。
叔父が父を本当に殺したのであれば、さっさと皆に疑いを明らかにして、裁きの場に引きずり出せばよいではないか。気狂いの真似をするのが有効な手段とはあまり思えない。
「生きるべきか、死ぬべきか」とも訳された"To be or not to be."の"be"は何を指しているのか。
ハムレットの逡巡は、確かな証拠がないことによるのか。叔父の自白を待っているのか。
八つ当たりのようにかつての恋人オフィーリアに冷たく当たり、彼女の父を(過失とはいえ)殺してしまってもあまり後悔の色もない。
とはいえ、父王を殺され、母が邪悪な男の手に落ち、恋人も失い、ついには絶望のうちに自らの命も失うのだから、悲劇の中心人物であることには違いはない。

この話、周囲の人々もそれぞれに悲劇を抱える。
兄の死後、王位に就いたクローディアス。
自ら兄殺しに触れるのは、中盤を過ぎたあたりの傍白部分が初めてである。前半だけだと、気難しいうえ、おかしな想念に取り憑かれた義理の息子を扱いかねているようにも見える。
一応、前王殺しの犯人ではあろうけれども、何だかこの人も謎が多い。美しい兄嫁が好きだったのならば、なぜもっと早く手を下さなかったのか(それこそハムレットが生まれる前に!)、面倒くさい義理の息子を早いうちに片付けなかったのか、いろいろすっきりしない。穿った解釈をすれば、「兄殺し」は、例えば兄が倒れていたのを見つけたのに適切に助けなかったといったような消極的な意味と受け取れなくもない。そうなると、亡霊の告発を聞いているのはハムレットだけなので、すべては難しい年頃の青年の妄想だったという可能性もなくはない。クローディアスは最終的には汚い手でハムレットを陥れるわけだし、さすがにそれはないかとは思うのだが。
となると、息子を愛する王妃を慮るばかりに、冷酷非情に徹しきれなかったところが、この人の「悲劇」といったところか。
極悪非道というよりは、小人物の趣である。

王妃ガートルード。
前王を愛していたとはいうが、死を悼む涙も乾かぬうちに、弟と結婚する。
この人が兄王、弟王をそれぞれどう思っていたのかもすっきりしない。王が突然死に、外国との間も平穏無事というわけではない。そうであれば、年若い王子よりも、それなりに分別のある年頃の王弟を王に迎え、王国の安泰を図るのも1つの手だろう。弟王が狡猾で邪悪だと知っていたのならともかく、そうではないとすると、「事件」の様相はがらりと変わる。息子が再婚相手を嫌い、わけのわからぬ因縁をつけてくる。気がおかしくなってしまったと悲嘆にくれても無理はない。

恋人オフィーリア。
この人こそ、罪科がないのに巻き込まれてしまった悲劇の人だろう。
前王殺しにもまったく関係がなく、邪淫に堕ちたわけでもない。ハムレットが何に悩んでいるかも明かしてもらえぬまま、一方的に冷たい言葉を浴びせられ、父親も殺されてしまう。ショックのあまり、本当に気が触れ、最後は命を落としてしまう。気が触れてからのオフィーリアが発する、辻褄は合わないながらも断片的に鋭い洞察を秘めた台詞は味わい深い。
ジョン・エヴァレット・ミレーも描いた、悲しい美しいオフィーリア。
「尼寺に行け!」と言われたときに、本当に尼寺に行ってしまえばよかったのに、と思わぬでもない。神はハムレットのようにひどい仕打ちはしなかったろう。

その他、ハムレットの忠実な友人であるが、ともに死ぬことを許されず、語り部となることを強いられたホレイショー、阿諛追従の徒ではあるが、悪意のないポローニアス(オフィーリアの父)など、いずれも幸せにはならない登場人物たちも、鮮やかに描き出される。

シェイクスピア作品は、概して、堅牢にがっちり作られているというより、どこかいびつであったり、「隙間」が残っているような印象も受ける。
ただそれはすべてシェイクスピアが意図したというよりも、成立の事情も絡んでいそうだ。ハムレットには、Q1、F1、Q2(Qは四折本、Fは二折本の意)という3つの版が知られており、各版間で、台詞の有無、場面の移動・カットなどがある。一般的には、F1版を元本とすることが多い(本書も含む)。*光文社古典新訳版はQ1を元にしているので、読み比べるのもおもしろいかもしれない。
どれがオリジナルに近いかは議論があるようだ。戯曲というものの性質上、演出者や出演者の判断で元の脚本に手を加えられることもあったろう。
いずれにしても、さまざまなエピソードに「穴」や「引っかかり」があることで、読み手・観客の想像をかき立て、物語の中に引き入れ、何度鑑賞しても飽きさせない、そんなマジックが効いているようにも思う。

恐るべし、シェイクスピア・ラビリンス。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年06月08日

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ハムレットには名言が沢山あります。その言葉の1つがあなたの生き方を変えてしまうかもしれないほどの力を持っています。
人間の汚い感情が前面に出ていますが、主人公の悲しい最後には心打たれました。

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Posted by ブクログ 2021年01月05日

読んでみて、改めて舞台シナリオなんだなと気付かされた。そして悲劇ってそういう事かと。
もしかすると結局はハムレットがおかしくなった事で起こった悲劇の連鎖なのかも。
先王の幽霊は本物?
信じるか信じないかはあなた次第です!

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Posted by ブクログ 2020年12月29日

シェイクスピアを読んでみた。なんとも、表現が豊かで感情や考えの暗喩が多いことか。劇作品はこの時代を象徴しているのだろう。今のテレビは安っぽい。

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Posted by ブクログ 2020年06月28日

5幕もあるお芝居だ。有名なセリフは意外とシレッとあらわれて下手をしたら気づかないくらい。こう、いろいろ地口みたいなのがあって工夫を凝らして訳されているものと思う

ピンと来ないといえば来ない。また舞台で見ると違うのかしらね。解説によれば読むもので演じるものでないとする評者もいるようだが

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Posted by ブクログ 2019年07月09日

戯曲を初めて読んだ。
ジョン・エヴァレット・ミレーのオフィーリア を模写するので、読んだ方がいいかなと。

戯曲はセリフだけなので、入り込みにくいかと思ったけど、大丈夫だった。
でも、小説の方が情景描写もあり、好きだな。

これは、演劇、ミュージカル、映画で観た方が入り込みやすいのかな。

バタバタ...続きを読む死んでいってしまうけど、それぞれの悲しみがあっさりしている。

とりあえず、オフィーリアがどのように死んだかわかった。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

名前はもちろん知っているけど、実は悲劇って事以外の内容を知らない。。。というわけで、読みました。
なるほど、こういうお話だったのかと思いつつ、、何かモヤモヤが残る話でした。
ハムレットの友人のホレーシオが好きかな。

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