あらすじ
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
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Posted by ブクログ
ヘンリー5世が好きになれないwww
この史劇は評価が分かれると思う。
思うに、評価が分かれる理由はヘンリー5世が
ミスター・パーフェクトだからだ。
張岱曰く
「癖のない人間とはつきあえない。
彼らには深情がないからだ。
疵のない人間とはつきあえない。
彼らには真気がないからだ。」
これを思い出した。妥当と考える。
他にハズリットの批評とナイツの批評を援用する。
「何千何万という他人の生命を破壊する喜びのためなら、
自己の生命をも犠牲にするのを厭わない・・・・・・
愛すべき怪物(amiable monster)」(W・ハズリット)
ヘンリーはシェークスピア自身の信条の吐露であり、
彼の人間としての理想を描いたと考えれば、
以下のL・L・ナイツの批評が妥当するだろう。
「ヘンリー5世はシェークスピアの袋小路。
彼はヘンリーを信じきれていない。
したがって、続く”ジュリアス・シーザー””ハムレット”
暗い喜劇群(dark comedies)・及び悲劇群に持ち込まれる
未解決の問題を抱えた芝居。」