【感想・ネタバレ】シェイクスピア全集 コリオレーナスのレビュー

あらすじ

滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。

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Posted by ブクログ

古代ローマ時代を舞台にしたシェイクスピアの作品を最近は読んでいる。ローマ劇というらしい。全部で何作あるんだろう?考えてみると、シェイクスピアの作品数も知らない。

最初は古代ローマのいつの時代の劇かわからなくてなかなか読み進められなかった。
ローマの最後の王を追放した頃の話らしい。

最初はコリオレーナスはものすごく内向的な人かと思ったけれど、ただ単にあまりにも融通の利かない、頑なな性格なだけかもしれない。

「しょせん人間の美点はそれぞれの時代の解釈次第だ、権力の座はいかにもすわり心地よく見えるものだが、功績をたたえてその座につかせてくれた演壇が、やがては墓場となることを覚悟せねばなるまい。」p.207

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2024年07月03日

Posted by ブクログ

シェークスピア悲劇の一。
コリオレーナスは高潔なのか高慢なのかという問に対して、私は高慢なのだと答える。
「傲慢な心が謙虚を着ている」といえる。
なお、これに対しファーナムは
「傲慢(プライド)はコリオレーナスの欠点であるにとどまらず、悲劇の主人公たらしめる美徳さえ生み出している」という。
コリオレーナスの内面を知りえないのもシェークスピアらしくない。故意だろうが。
グランヴィル=パーカーは「私たちは決してコリオレーナスと完全に一体化しないし、その内面を自由にうかがい知ることもない」といっている。
同化反応を喚起するのが悲劇、異化反応を喚起するのが喜劇だとすればこれはうまくない。
ただ、一応彼の名誉のためにアリストテレスを援用する。「悲劇と喜劇の差異は、悲劇が平凡な人間より優れたものを表そうとするのに対して、喜劇は愚劣なものを選ぶところにある」

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2009年10月04日

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