あらすじ
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
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Posted by ブクログ
ボードレールの「理想」(L'Ideal)に曰く「深淵のように深いこの心が求めるのは、/あなただ、マクベス夫人よ、罪にくじけない魂」。 「いいは悪いで、悪いはいい(Fair is foul,foul is fair.)」というコンセプトのもとに成りたっていると思う。絶えず希望の中に絶望があり、絶望の中に希望がある。その意味で、Time and the hour runs through the roughest day.とThe night is long that never finds a day.はこれをよく表現していると思う。個人的にシェークスピアは「時」という概念を非常に重視すると考えているが、彼の時に関する考え方を知る上で、「明日、また明日、また明日と(Tomorrow,and tomorrow,and tomorrow)〜意味は何一つありはしない(Signifying nothing)」の有名な「人生は歩きまわる影法師(Life's but a walking shadow)」を含む部分は落とせないと思っている。
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読書会課題本。参加する予定はないものの、課題本になることで久しぶりに読み返してみたくなりました。今年上演された舞台でも、この翻訳が使われていると聞きます。
改めて読み返して、人間の記憶の曖昧さに気づかされます。あの結末に至るまでの登場人物たちの行動や心理の変化を再確認することで、物語の奥行きを深く感じることができました。
読書会では、本の内容を深く読み込むことを楽しむ方々が集まるかと思いますが、それぞれの視点や解釈がどのように語られるのか、想像するだけで興味をそそられます。
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とても面白かった。
古典というとテンプレートなキャラクター設定のイメージがあったけど、良い人が悪事に手を染め転落し狂う様、野心家のマクベス夫人が王殺しを迷いなく積極的に勧めるのも、意外性があって面白かった。
最後、王の息子が王位に戻ると思われるも、魔女のお告げでは最後はバンクォーの息子が王座に着く。この後も血みどろの争いが続くと匂わせる終わり方も良かった。
Posted by ブクログ
非常に面白かった。シェイクスピアは、いろいろなところから題材のネタを引っ張ってきている。つまりそれがパクリと言えばパクリなんだが、彼の能力はその脚色能力にあると感じた。事実であるとか、伝承されている物語を、魅力的な戯曲に仕立て上げる
舞台の上で演じられる物語ではあるが、映画的でもある。
Posted by ブクログ
2017/06/24
前回のAs you like it とうってかわって、今回は悲劇。殺人を働いて悪魔にとりつかれたようなマクベスの芝居、ぜひ生で観てみたい。
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「人生はただ歩き回る影法師、哀れな役者だ。 出場の時だけ舞台の上で、見栄をきったりわめいたり、 そしてあとは消えてなくなる。」
映画から観たせいか、マクベスに腹が立ちすぎて
最後はスカっとした。もはや悲劇でなく喜劇。
しかし表現の多彩さは流石。
よくもまあ此処まで言葉を尽くせるものだと。
Posted by ブクログ
とても短いし、あらすじもシンプルです。
この物語がセンセーショナルで、耳目を集めた時代があったんだろうなあ、というのが適切な感想なのかわかりませんが、そう思ってしまいました。
これほど有名なのは、それほど後世の作品に影響を与えたからで、それら後輩の産物に慣れ親しんだわたしにとっては、刺激が少なかった。そういうことなんだと理解することにします。
あるいは戯曲ですから、単に物語としてではなく、(当たり前ですが)上演されることを念頭において書かれていて、役者の見せ所がふんだんにあって、舞台装置から照明・音響効果など、演出のしがいが大いにあるので、その点が大変優れている、といえるのかもしれません。
そうであれば、この作品は読書体験に基づいて感想を述べるより、いくつかの舞台を観て感じるほうがいいのでしょう。
Posted by ブクログ
自分の持っていたイメージより遥かに面白かった。
全体的に詩的で、短いながらも読み応えがある。
興味深かったのはマクベスの葛藤の描写。
オセローが比較的単純な人物だったのに対し、マクベスは相反する感情と願望に引き裂かれそうになっている。
魔女の甘言があっても、妻の導きが無ければ多分永遠に王の座を奪う事は無かっただろう。この点、なんとなく以前読んだ「白い巨塔」の主人公を思い出してしまう。
しかし最後は少しあっけないように思えた。マクベスの最期をもう少し描いて欲しかった。
Posted by ブクログ
内容は読む前から知っていたもの。
あまり好きではないので避けていたけれど、子供のためのシェイクスピア
カンパニーの公演に行くので買ってみた。
感想は、思っていた以上でも以下でもない。
が、思っていたよりもかなりサッパリした内容だし、かなり短い。
理由は巻末の野崎先生の解説で分かりました。
なんとなくシェイクスピアっぽくない惜しいところがちらほら。
短いからか、マクベスはじめ登場人物がちょっとペラペラな気がしてならない。
マクベス婦人はもっと悪妻かと思っていたけど、思っていた程ではなかった。
亡霊の使い方ももったいない。もっとマクベスを苦しめるか、怒らすか
狂わして欲しい。
フリーアンスのその後はどうした?
一瞬だけ出るヘカティとは何ものか?
魔女たちで始まったら、魔女たちのエピローグで終わって欲しかった。
森が動くアイデアだけは面白かった。
まぁ、当時の台本が残っていないのだから、シェイクスピアが書いた状態が
どうだったかは分からないけど、ちょっと不完全燃焼。
かなりの駆け足で小ざっぱりとまとまっている。
だからこそ、色んな演出がされるんでしょうね。
そして、相変わらず小田島先生の翻訳は読みやすくおもしろい。
魔女たちの七五調はナイスです。
すごい日本語力だわと、感動。
シェイクスピアは、本で読んでイマイチでもお芝居や映像になると
感動するものも多いから、芝居は楽しみにしてみる。
(H21.7 自)