あらすじ
滑稽、悲哀、苦悩、歓喜、陶酔……。奇蹟としか言いようのない深い洞察力によって人間のあらゆる感情を舞台の上に展開させたシェイクスピアの全劇作を生きた日本語に移した名翻訳。
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Posted by ブクログ
リア王のような主人公を創作したかったけど、タイモンにはリア王には備わっていた威厳が欠けていて馬鹿すぎるので放棄したのかな?
シェイクスピアの研究者の中にも、アテネのタイモンをリア王の最初のスケッチだとか、死産した双生児だとか読んだ人たちもいたみたい。
時代的な背景もあって、シェイクスピアの戯曲は基本的に女性を見下しているけれど、アテネのタイモンは一際ひどい。
何もかも失って、友達すらじつはいなかったことに気づいて、現実を見据えて現状を改善する能力は彼にはないので、とにかく女性に八つ当たりをしていたのか?とにかく馬鹿な男だ。
Posted by ブクログ
タイモンは両極端な人物である一方、現実を直視せず自分の世界に逃避する姿勢は物語全体を通して変化しない。前半は人々に大盤振る舞いをする慈善家のように見えるが、執事の財政報告に耳を貸さず、また施しをする相手を見極めようともしないのは一種の傲慢というか、心が世界に対して閉ざされているのではないか。後半では「中庸を知らない」と言われるが、彼には現実を直視する目も欠けていると思う。
現代版でSNSいいね中毒みたいなアレンジをしたら面白いかも。
Posted by ブクログ
気前のいいタイモンが財産をすり減らし、孤独に狂い死にする話。どん底に堕ちるところがリア王、追放されたのちに復讐するあたりがコリオレイナスの要素が垣間みえる。トロイラスとクレシダの要素もあるらしいが、あいにくトロイラスの記憶がほぼない。。。いずれにしてもハムレットなどと比べると作品としての完成度は低い。