あらすじ
「ヘエエエイ、マクベース!」荒野で三人の魔女から呼びかけられた闘将マクベス。やがては王になるとの予言どおり、ひたすら血塗られた裏切りと栄達への道を突き進む。王の座を手中におさめたマクベスの勝利はゆるがぬはずだった、バーナムの森が動かないかぎりは……。シェイクスピアの不滅の四大悲劇の一つであり、「舞台で生きる言葉」にこだわり練り上げた演劇の人・安西徹雄、最後の訳業。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すべての物語の根源はシェイクスピアにあり。
人が悪に染まっていく描写が大胆に、誇張されていて如何にもセリフ!って感じで面白かった。
悪の道にひとたび脚を踏み入れれば、己の正義を信じてさらに悪で周りを塗り固めていく。
マクベスの持つ弱さに反比例して肥大する悪。
私達の中にある弱さも血なまぐさい強さに変わりかねないのかなと思った。
Posted by ブクログ
ストーリー紹介のせりふがね。
別の意味に解釈しているせいで
もう頭から離れなくなりました。
まさに悲劇中の悲劇。
人が持つ「弱さ」を突かれて
狂気にまみれていく勇将の悲劇です。
それは自分の夫人を巻き込んでいきます。
そう、彼は確かに無敵だったのです。
ただしそれには
ある大事な部分が満たされないものとあたったのです。
それゆえにマクベスは夢破れたのです。
それだけ言葉は怖いものなのかも。。。
Posted by ブクログ
有名であるゆえに、引用等されることも少なくないマクベス。
名作と呼ばれる理由がわかった気がしました。
読んでいるうち、心惹かれる台詞がいくらでも出てくるので、読み終える頃には付箋でいっぱいになっていました。
Posted by ブクログ
現代版マクベスの映画をたまたま見たので、こちらを読んでみようと思った。ほぼはじめて戯曲を手にしたが、かなり想像力豊かに読まないと入っていけないんだなーと感じた。でも結構嫌いじゃない。役になりきって読んでみるのも。読みながら、色々な人の解説を検索して見るのも面白い。
シェイクスピア4大悲劇、読めそうかな、読んでみようかな。
Posted by ブクログ
初シェイクスピア。一度は読んでおこうということで挑戦。「きれいはきたない、きたないはきれい」の部分の訳は少し独特なものになっている。個人的には「きれい〜」の方が好きかも。魔女が出てくるなど、意外とファンタジー的な表現があるのが面白い。手をいくら洗っても血の汚れが落ちない、というよく見られる表現はこの作品が初出なのだろうか?演劇で見るとまた違った体験になるのかもしれない。
Posted by ブクログ
マクベスはある日、魔女に「やがては王様に、おなりになる方」と予言されます。その言葉により、マクベスは破滅へとおびきよせられてしまったように感じました。
夫人に毒気がないと言われたマクベスですが、夫人の勇気を出させるような言葉に影響を受け、自らの手でスコットランド王ダンカンを殺害してしまいます。そしてその罪を他人に擦り付け、自分は王になります。
しかしマクベスも夫人も罪悪感に悩まされているようで、全然満たされているようには思えません。むしろ亡霊や幻覚に悩まされているようです。
マクベスは元々王になりたいと思っていたのでしょうか。少しは思っていたのかもしれないですが、私は、魔女の言葉にそそのかされた部分が大きいのではないかと思いました。マクベスは王を殺害してしまいますが、完全な悪人だとは思えなくて、むしろ純粋な心を持っていたからこそ魔女の言葉を信じてしまったのではないかと感じました。人にそそのかされ、悪を働いて、不安を感じ続ける、人間の弱さも描いた作品に思いました。
最終的にマクベス夫人は自殺してしまい、マクベスはスコットランドの貴族であるマクダフに殺されてしまいます。そして、ダンカンの息子であるマルコムが王になります。
魔女の言葉により人生を狂わされた、悲しい物語だと思いました。
Posted by ブクログ
【本の内容】
「ヘエエエイ、マクベース!」
荒野で三人の魔女から呼びかけられた闘将マクベス。
やがては王になるとの予言どおり、ひたすら血塗られた裏切りと栄達への道を突き進む。
王の座を手中におさめたマクベスの勝利はゆるがぬはずだった、バーナムの森が動かないかぎりは…。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
ヘエエエエイ、マクベース!
これが光文社安西訳。新潮福田訳だと、マクベス、ようもどられた!となる。(たしか)
翻訳という行為は、非常に不思議なものだなぁ。ということを初めて思ったかもしれない。読み比べとかしてみようかしら。英語なら原文も読めるかなぁ。
表現も面白く読み込みたい。
Posted by ブクログ
伊坂幸太郎『あるキング』をきっかけに、これまで読んでなかった『マクベス』に手を出してみた。
新訳だからなのか何なのか、3人の魔女のテンションの高さが異常に印象に残る一冊でした。
「ヘェェェェェイ、マクベース」
「ヘェェェェェイ、マクベース」
「ヘェェェェェェイ、マクベース」
みたいな。
あと、マクベス婦人が恐い。彼は恐妻家ですね。
「洗っても洗っても血が取れない」というネタの元祖(?)も見ることができ、満足度高し。
Posted by ブクログ
シェイクスピアのマクベスを以前読んだのはもうずいぶん昔のこと。たぶん小学生ぐらい。当時はお伽噺、童話の一種として読んでいたんだと思います。
19になって改めて読み返してみて、まあ人間は幻想に生きていて価値観の箱の中にいるんだなあ、と思った。ある考え方体系に入るというか。善悪の判断基準も、妄想も。個人の認識だなあと。
世界的名作だからって万人の心を鋭く抉るとは限らない。わたしの理解がまったく追いついてないせいだと思いますが。また何年かしたら再読します。
Posted by ブクログ
この作品を読むと、優秀で忠誠心のある男を悪人で不義理な人間にしてしまうほど欲というのは恐ろしい。
シェイクスピアの作品を見たのはこれが初めてだったが、人間の心理を端的に表し、ストーリーも単純なので非常に読みやすかった。
普段劇にはまるで興味がないが、シェイクスピアの劇をいつか見てみたいと思う。
Posted by ブクログ
この叢書が好きなので、食わず嫌いだったシェークスピアにも挑戦してみました。
思いのほか読みやすかったので、するすると最後まで読めてしまいました。
これなら他の作品も教養のために読んでみたいなーと思わせる読みやすさでした。
ただ、あとがきで不覚にも(ry
Posted by ブクログ
シェイクスピアの話って登場人物多いんだな。結構生々しくて自分の好みではなかったけど、未必のマクベスを読んだ後だったので興味持って読めた。マクベスというタイトルなのに最後マクベスがあの状態で死を遂げるのがなんとも。
Posted by ブクログ
クラシック過ぎるので、面白い面白くないとかの話じゃない気がします。戯曲なので、何か演劇や映像作品とセットで楽しむのが正解かもしれません。個人的には、黒澤明の「蜘蛛巣城」が素晴らしいローカライズだと思いました。ぜひご一緒に。
Posted by ブクログ
魔女に唆されてスコットランド王を暗殺して王位を簒奪したマクベスの狂気と転落を戯曲化したシェークスピアの四大悲劇の一作。マクベスとともに魔女の預言を聞いたバンクォーも殺され、マクベスからいち早く離反した貴族のロスの妻子も殺され、そしてマクベスとともに暗殺に与したマクベス夫人も自ら命を絶つ。本来は勇猛な武人として、また王の一族として誉を受けるべきマクベスに襲いかかる悲劇が劇的に描かれている。
Posted by ブクログ
劇の文章を初めて読んだが、スルスル読めた。
予言を聞かなければ、悪い人にもならなかったのではと思わざるを得ない。
ただマクベスが悪人になるとは、知らなかったからビックリ。
Posted by ブクログ
シェイクスピアの4大悲劇の一つ。ワケあって2年前に角川文庫と岩波文庫で読み、光文社文庫もその後買ったけど読んでいなかったので、今読んでみた。
「きれいはきたない」の有名な台詞は「晴々しいなら禍々しい」と訳されていた。でも角川文庫のところで書いたけど、おれが見た演劇集団円というところのマクベスは「きれいはきたない」と言っていた気がする。というのも、調べてみると訳者の安西先生はこの演劇集団円の創設や演出に関わった、というから、何かあるんだろうか。
そしてその演劇集団円の代表、橋爪功が(橋爪功はテレビでしか見たことなかった)この本の翻訳作業中に亡くなった著者に関する思い出、ということで文章を書いているが、全然著者のことを知らないおれでもその人の雰囲気がよく分かる感じで、面白かった。あとは「安西サンが翻訳したせりふは声に出して読めばすぐに分るが、時として、もうこれしかないというリズム、音の高低、強弱が仕組まれている。」(p.229)ということで、河合先生も強調していたと思うが、シェイクスピアの翻訳というのは多かれ少なかれこういうことは考えるものなのか、と改めて思った。
2年前のおれの感想であと読んでない『リア王』を読みたい、と書いてあるが、まだ達成できていない。というかこの本を読み終わったのは今から12日前のことで、今やっとこれが書けたという状態。在宅ワークになって外出しないと、かえって延々と家で仕事をしてしまって、そして疲れ果てるという感じで、本当に本が読めていない。もともと休みだった3月&4月当初のバリバリ本を読んでた頃とのギャップが激しい…。(20/05/17)
Posted by ブクログ
【読書リスト10】シェイクスピア著、安西徹雄訳『マクベス』光文社古典新訳文庫。今、読み直してみるとマクベス夫人の心の苦しみに対して医師が「あの方に必要なのは医者ではない。むしろ神父だ」と言う台詞があります。ソーシャルワーカーだったらどう支援するか、とつい考えてしまいました。
Posted by ブクログ
たまには文化的なものを読もうと思い手をとりました。
ストーリーは、王を殺して自ら王となった将軍から、その王位を取り戻す王子と貴族の話ですが、難しい翻訳もなく、すらすらと読めて面白いです。
日本語で読んでいると、原本が、全く想像つかない訳があるので、今度は原本片手に読んでみたいと思います。
Posted by ブクログ
悲劇。
おそらく、シェイクスピアの悲劇の中で最も血生臭い作品ではないだろうか。
マクベス(マクベス夫人も)がとっても哀れに思える。
主君に忠実だった人が、予言という幻想・妄想によって残忍な裏切りを犯してしまう。
しかし、完璧な悪人にもなりきれずに苦しみ、疑心暗鬼になりながら生きていかざるを得ない。
こんなに悲しい作品は無いと思う。
Posted by ブクログ
魔女は幸福の予言をした。
人間はその幸福を血塗られた手で享受する。
人間は最後まで気づかなかった。
予言をしたのが「天使」ではないことを。
シェイクスピア四大悲劇の一つ。
「劇作」という形にはあまり触れたことはないのだが、
読み進めるという形において、ページがサクサク進むので
堅苦しい古典であったとしても読みやすい。
名著として知られているだけに、様々な作品への引用も多い。
知識の幅を広げるために一読しておく価値はある。