ウィリアム・シェイクスピアのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ『バンパイヤ』を読んだのは『三つ目がとおる』『どろろ』のあとで、それらよりも印象に強いものではなく、どちらかというと感想に困る類の作品だった。
間久部緑郎というユニークな名前の元ネタがシェイクスピアであることはコミックスの折り返しに著者自らの言葉で記されていたような気がするが、感想に困るたぐいの作品だったから、それに惹かれて原典にあたるというようなこともせず、四十年くらい経ってしまった。
シェイクスピア初心者である。どれを選べば無難なのかもわからないような。読みやすいもの、とっつきやすそうなものを探したところヒットしたので本書を選んだ。
訳の良し悪しはわからない。下剋上したけど三日天下で終わりましたというようなお話。三人の魔女とかヘカテとか登場させているが、物語の規模にそぐわない、肩透かしもいいところ。当時の世相を知らないと楽しめない類であるようだ。
訳者あとがきによれば、種本であるホリンシェッド著『年代記』において、モデルになった人物は下剋上ののち17年くらい善政をしいたとのこと。パトロンである時の権力者におもねった内容に仕上げられているということらしい。 -
Posted by ブクログ
シェイクスピアの言わずとも知れた悲劇の名作。良いテンポとユーモアのある表現が心地良い。
コアメッセージとしては「権力は持ち続けろ」「だれかに依存する状況は絶対に避けろ」というところか。
リア王は物分かりの良い風を装って、気前よく娘たちに自らの権力を分け与えた。自分と自分の兵隊を養う財産も放棄して、娘に交代で面倒を見てもらう悠々自適な老後を夢見たのだ。しかし娘たちは養い続けなければならない父親に嫌気が差して、彼を追い出してしまう。リア王は裏切られたショックに発狂し、廃人となってしまう。
あらすじとして悲劇だが、トリガーは王の愚かさにある。例え自分が王であり、頼るのが例え実の娘でも、ずっと依存し続けることはできないのだ。マキャベリは恐れによって人を統治しろと言った。「恩」などまたたくまに風化するものだと。その通りだと思う。権力は手放したら返ってくることはないのだ。
これが400年前に書かれたものだというのがまた面白い。人間の愚かさとは普遍的で不変的なものなのだ。 -
Posted by ブクログ
【読み終わって感じたこと】
誰かの喜劇は、必ず誰かの悲劇によって成り立っている。その事実を改めて考えさせられる作品だった。この作品は、単なる喜劇ではない。シャイロックという1人の人間の悲劇でもあるということを、忘れてはならないと思う。
【印象に残ったセリフ】
「ユダヤ人は目なしだとでも言うのですかい?(中略)何もかもクリスト教徒とは違うとでも言うのかな?」
シャイロックの言葉。登場人物たちは、彼を「ユダヤ人」「異教徒」と何度も呼んでいた。人種で見て、シャイロックの中身をあまり見ようとしていない様子が窺えた。もちろんシャイロック自身の中身もあまり良いものとは言えないだろう。だけど、彼は「ユダヤ人」であることで余計に苦しい思いをしてきたんだろうなと感じられるセリフだった。
【好きなシーン】
アントーニオーが、自分の肉1ポンドが取られることが確定し、バサーニオーと抱き合うシーン。2人の熱い友情が見られる場面で、ものすごく素敵だなと思った。