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Posted by ブクログ
3人の魔女の予言やそれを聞いた妻の煽動に乗って国王や同僚、部下などを殺戮してしまうマクベスの物語であるが、この本の解説はなかなかよい。解説では、マクベスは他の悲劇と異なり、マクベス本人の中にある善と悪が戦い悪が勝ってしまうこと、よってマクベス以外の登場人物は非常に影が薄いという特徴があることを教えてくれる。またシェイクスピアがマクベスを執筆した時期のイギリス情勢に関しても解説があって、当時の国王ジェームズ1世がバンクォーの子孫であることなどもわかりとても興味深い。
私は映像でマクベスを見たことがないが、「森が動きダンシネーンに向かってくる」シーンは迫力がありそうである。余談であるが、J.R.R.トールキン作の指輪物語にもエントの森が動き敵を破るシーンがある。トールキンは同じイギリス人としてシェイクスピアのマクベスが頭の中にあったのだろうか。
Posted by ブクログ
三人の魔女の予言が約束されたものであれば、人を殺めずとも自ずから王になる日が来ると思いつつも、欲に急かされ破滅に向かうマクベス夫婦。マクベスは妻の要望に応える為に、妻はマクベスの野心を叶えさせる為、短絡的に最悪の手段での予言の具現化を急ぐ。とはいえ、謀略に斃れた者たちの亡霊に怯え、夢遊病に侵される二人は、魔女に揶揄された誑かされ易い小心の善人だったのでは…
「女から生まれたものは誰一人マクベスを倒せはしない」
“For none of woman born shall harm Macbeth”
「人生はたかが歩く影、哀れな役者だ、出場のあいだは舞台で大見得を切っても袖へ入ればそれきりだ。」
“Life’s but a walking shadow, a poor player That struts and frets his hour upon the stage, And then is heard no more.”
Posted by ブクログ
読書備忘録986号。
★★★★。
シェイクスピアに敬意を表して★4つ。
普通に町田そのこ作品と比べたら★2つかな。
マクベスです。
読みやすさで定評のある角川さんの新訳版を選びました。
正式な作品名は「確定のマクベス」です。未必ではなく確定です。
ウソです。ウソ。
2026年のベスト候補「未必のマクベス」の後学習として原典を読みました。
王の忠実で優秀なしもべであるマクベスが3人の魔女に唆され、夫人に煽られて道を踏み外し身を破滅していくという悲劇。
シェイクスピアの4大悲劇。このマクベスはマクベス本人の悲劇なんだろうか?
作中ダンカン王の息子マルカムと、王のしもべたる貴族、マクダフの会話。
「際限のない情欲は人間らしさを踏み躙る暴君」
「王が没落し王座がカラになった」
「そこに情欲が起きて争いが」
「一度権力を手に入れると周りが全て信じられなくなり悲劇が起きる」
その繰り返しだと。
そうすると、そもそも論の悲劇とは人間が情欲を持ったこと!という感じにも読める。
魔女が言う。「女から生まれた者にはマクベスは倒せぬ。」
マクベスを討ち取るマクダフは帝王切開だったようですが、女から生まれていますね。「未必のマクベス」ではより正確に、女の股から生まれた者には・・・、という表現にしていた。
魔女が言う。「マクベスは決して滅びぬ、広大なバーナムの森が、高いダンシネーンの丘に向かってくるまでは。」
マクベス討伐隊は、バーナムの森の木の枝を迷彩にして王宮に迫る。まるで森が動いているように。
ふむふむ。
読むことが目的であった読書なので150pくらいでホッとした。これが500pだったらやばかった。
Posted by ブクログ
「きれいはきたない、きたないはきれい」とか "Tomorrow, and tomorrow, and tomorrow" の台詞で有名なシェイクスピア四大悲劇のひとつ、『マクベス』の河合先生による訳。日本語も原文と同じように、口に出すと心地よいリズムを刻むように意識して訳されたもの。
10年以上前に「演劇集団円」というところの金田明夫がマクベス役の芝居を観て、魔女たちが「きれいはきたない、きたないはきれい」と歌っている声が今でも耳に残っている。
あらためて読んでみると、色んな人が次々に殺されていく話で、特にマクダフの息子なんか出てきてひとしきり会話したと思ったら暗殺人が登場、「嘘だ。この毛むくじゃらの悪党!」と言ったら「何だ、このひよっ子?謀叛人の雑魚め。」と言われてあっけなく刺されてしまう。「やられたよ、お母さん。逃げて、お願い!」なんて、本当に可哀そう。訳の下についている注を読むのも面白かった。門番のシーン「コミック・リリーフ」というもの(p.48)があることを知った。「エリザベス朝に広く行われていた鷹の調教において、鷹の目蓋を縫い合わせることによって鷹をおとなしくさせるという慣習が広く行われていた」(p.75)って、なにそれって感じだった。「第三の暗殺者」(p.76)についての議論や「当時、帝王切開をした場合、必ず母親は死んだ」(p.147)という話も興味深い。"The night is long that never finds the day."(p.125) という英語も覚えておきたいと思った。『ハムレット』は前に読んだし、『オセロー』は大学の時の授業で読んだので、あと『リア王』を読めば四大悲劇を読んだことになる。ただその前に河合先生の訳で他の作品も読んでみたいなあと思った。(18/04/24)
Posted by ブクログ
これほど評価が難しい本に出会ったのは久しぶり。この『マクベス』はそれほど長い物語ではなく、更には将軍が主君を殺し王位に就くも、本来の王位継承者に殺されてしまうという簡潔なストーリーである。それも当時の王様に献上した話であるためか、何処か媚びへつらっているような印象を受けてしまう。それなのに『シェイクスピアの四大悲劇』として数えられているのだから始末に終えない。
この物語はマクベスを主人公と見るのか、王子であるマルコムを主人公としてみるかで大きく変わってくる気がする。マクベスは魔女の甘言から王位を望み、王を殺して王位を奪ってしまう。しかし魔女のもう一つの予言が気になり周囲全てが敵に見えて段々狂っていくという流れ。マルコムは突如として起こった謀反に為すすべなく親類のいるスッコトランドに逃げ込む。そこで機を窺い徐々に集まる忠臣と共にマクベスを討ち、王位を取り戻す。
マクベスを主人公として見るならこれは正しく悲劇といえるだろう。だが、マルコムを主人公として見ると正義は必ず勝つという勧善懲悪ものになってしまう。まあ、タイトルからしてマクベスを主人公として見る事が正しいのだろうがそうすると物語にはどこか無理があるような気がしてくる。
そして途中途中に時系列もしくは説明が抜けている部分があるため物語にのめり込む邪魔をしてしまう。これでは作者が作品に込めた意図を完全に読み切るのは難しい。
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小説・文芸
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