青柳碧人のレビュー一覧
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赤ずきんちゃんシリーズの青柳先生の著書なんで、勝手にミステリーだと思って手に取ってしまいました。例えて言うなら松岡先生のホームズと伊藤博文が共闘するみたいな。なので、いつになったら事件が起きるんだろう…と考えながら1/3近くまで読んでました。早とちりしてすみません。。
歴史で起きた事件は押さえつつも、同時代を生きた2人の視点を交差させながら物語を進めていく展開が見事でした。お二人の名前や行われたことは事象として知ってはいたつもりですが、大正から昭和の戦前、終戦直後の混乱期と大変な時代を生き抜いて来られたんですね。平和な時代を生きる我らは感謝しないとと言う気持ちでいっぱいになりました。 -
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本当の本当に久しぶりに童話を読んだ。
出てくるのは、あの有名なグリム童話の人物ばかり。
でも、子どもが読む絵本とちょっと違うのは、「誰かが殺される」ということ。
赤ずきんちゃんが、とある目的のためにシュペンハーゲンへ向かう道中、3つの事件に遭遇するという話と、目的地に着いたところでの計4章から成る物語。
ナレーションはずっと童話口調で書かれているので、まさに絵本を読んでいる感じ。
だけど、それがどうやら自分には合わなかったみたいで、会話は別として、たんたんと語られる口調は、まるで人ごとの様で、メリハリもなく、ズッポリと物語の中に入り込めなかった。
今思うと、子どもの時も、童話ってあまり好きじゃなかったかも。
そもそも本を好きになったのは、ライトノベルに出合ってからだし、童話にいいイメージはない。
ファンタジーってところは似ているのに、なぜこんなにも違うのか不思議。本当に子どもウケしているのかね。童話って。
というわけで、設定はすごく面白くて斬新な気がしただけに、内容は普通のミステリーの短編集的な感じで、もうちょっと何かのめり込む描写なり、設定なり、謎なりが欲しかったなあという感想です。 -
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同じ時代に生きた江戸川乱歩と杉浦千畝がこんな風に心を通わせ、人生の瞬間瞬間に交差していたとしたら…?フィクションながら登場人物たちの描写にリアリティがあり、歴史や時代の空気ごと楽しめる、さまざまな年代におすすめの本。ただ横溝正史や松本清張、美空ひばりや淡谷のり子まで登場して大団円のようになっていくのはちょっとドラマティックすぎる?演劇や宝塚歌劇にしたら面白いかも?しかし日本のシンドラー杉浦千畝について、どういう状況下でビザを発給していたか、その後の処遇などあまり知らなかったが、ほんとうにすごい人だ。その行動を後押しした、杉浦の元妻の「この先何か迷うことがあったら、優しいと思う選択肢を取るのよ」は素敵な言葉。
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すべての始まりは、蕎麦屋での、たまたまの相席。
何者でもない青年だった平井太郎(乱歩)が、同じくまだ夢と不安の中にいた千畝に、自分のカツ丼を分けてあげる。
史実では交わることのなかった二人が、もし出会っていたら…そんな極上のフィクションから生まれる、二人の生涯にわたる特別な絆の物語である。
大正から昭和へ、時代の巨大な濁流は二人をそれぞれ別の「極限状態」へと引きずり込んでいく。お互いを思いやるがゆえに告げた「もう会わない方がいい」というあの決別、そして後半の歴史的緊迫感が、静かなコントラストとなって効いてくる。
ちなみに、作中でやたらとバイタリティに溢れ、威勢よく描かれている横溝正史も、史実の「熱血編集者」としての姿が絶妙に投影されていて、ストーリーの良いアクセントになっている。
大正、昭和、平成まで、激動の長い時間をサラッとなぞるように流れていく本作。
乱歩や千畝が成し遂げた「歴史的偉業」は、大々的にドラマチックに語られることはなく、とてもあっさりと描かれている。
時には美空ひばりのような、時代を象徴する有名人までもが登場するが、それすら「この人、ストーリーに必要だったかな?」と思うくらい、まるで走馬灯の背景のようにサラリと現れては消えていく。
だが、読み終えた今ならわかる。
これは「偉人の伝記」ではなく、過酷な時代を「ただ人間として生き、交差した」彼らの、一瞬のきらめきを描いた物語なのだ、と。
劇的な演出をあえて排し、静かに、淡々と時間が流れていくからこそ、本を閉じたあとに「あの早稲田の蕎麦屋でたまたま相席になった二人は、本当にあの激動の時代を生き抜いたのだな」という、じんわりとした、けれど深い寂しさと感動が残る。
一陣の風のように駆け抜けた男たちの物語として、多くの人に静かに噛み締めてほしい一冊です。 -
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江戸川乱歩こと平井太郎と杉原千畝の物語。あくまでフィクションであり実際にここまで交流があったわけではないが、こう言う物語があったかもと想像するだけで面白い。早稲田の食事処で出会うところから始まるが実は幼少期にもであっていたのがポイントなのか。二人の共通点はどちらも愛知五中、早稲田大学の出身であるというとこで物語でも同じ出身であることから太郎が千畝に話しかけ交流が始まる。
千畝が語学力を活かして外交官として活躍するきっかけを作ったのも太郎が新聞で公募を発見したからであり人生の転換期になっている。太郎は昔から推理小説が好きでいろんな職を転々としながら妻をとり江戸川乱歩として歴史に残る活躍をしていきなおかつ松本清張のような次の世代の育成にも関与していくのがいい。 -
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日本昔ばなし×本格ミステリがふたたび!
ベストセラーになった『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編が誕生。
昔話をテーマにしたミステリ、『むかしむかしあるところに、死体がありました。』の続編小説です。
とはいえ、どれも短編で一部を除き深く関係する話があるわけではないので、どこから・なにから読んでも基本OK。
短編小説ですが、事件はそれぞれ趣向を凝らしていて、ループものや交換殺人、多重殺人にどんでん返しなど特殊設定も含め多種多様。その分少し詰め込みすぎなきらいもあるので、中編くらいのボリュームでもう少しじっくり読んでみたかった気もします。
また、昔話がモチーフとはいえ、動機や人間(人間は実はあまり出てこない)関係はそこはドロドロしているので、読後はそこはかとなく気分が沈みます。