遠藤周作のレビュー一覧

  • 死海のほとり

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    [希求の末に]近くに赴いたついでにエルサレムに立ち寄った著者は、大学時代から聖書を研究していた戸田に案内を依頼する。キリスト教に対する熱度は往時の頃と比べて衰えながらも、イエスの足跡を必死に探す著者であったが、戸田は行く先々で皮肉な笑いとともにその思いを跳ね返してしまう......。エッセイ的記述に聖書の物語を挟み込んだ作品です。著者は、本書をしてもっとも「その人らしい」と言われる遠藤周作。


    遠藤氏が抱え込んでいた霧がかった心情を把握するために極めて適した一冊だと思います。個人的には遠藤氏はキリスト教の教え(特に無償の愛という点)そのものには共感を抱きつつも、現世に見られる数々の問題に対し

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    2015年09月11日
  • さらば、夏の光よ

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    微笑ましくもあり、あまりに哀しくもあり・・・
    喜怒哀楽のバランス・展開が実に絶妙です。
    プロローグから第一章への導入はとても印象的。

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    2015年08月14日
  • 彼の生きかた

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    ネタバレ

    10年以上前に1度読み、この本がきっかけで遠藤周作が好きになった。
    「うすよごれた、陰険な人間の世界」「純真無垢な動物たちの世界」
    この2つの世界を対比させたとき、確かに人間って醜いなあと思った。利益のために自然を破壊する行為、共存を唱えても、権威のためには、動物愛護などの崇高な言葉は引っさげてしまう。
    自分の私利私欲のために動物を殺す人間と、生存するために必要な殺生しかしない動物。
    なんだかやるせない。

    朋子の人間関係による心情の変化も、すごくうまくかけていると思う。「生きるって、時には周りを傷つけてしまう」相手を慮った言葉だけど、一平からしたら違うとらえ方をしている。
    結局、自分のことを

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    2015年05月16日
  • 怪奇小説集

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    これは面白かった!
    さすが遠藤周作。短編でも、読みごたえ十分。
    最初のいくつかの短編は怖くて、夜一人では読めなかった~。
    そして、だんだん「怖いけど最後にオチのある面白い話」
    が多くなって、思わず笑ってしまった。
    いろんな種類の怖い話がいっぱいで、「この話はどんな終わりが待ってるのか」「次はどんな話か」楽しみで読んでてワクワクドキドキ。
    さすが遠藤周作。描写がうまいな~~。

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    2015年05月06日
  • 沈黙

    購入済み

    神の存在について考えさせられる

    読んでみると、神の存在・信仰の盲点というか何が正解なのかわからなくなりました。
    非常に考えさせられる内容です。ぜひ興味ある方は読んでください。

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    2015年01月20日
  • 『深い河』創作日記

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    人はそれぞれ誰にも想像すらできない、悩み、重荷も背負い生きている。そしてそれを下ろす方法を探している。この本ではインドへの旅へと向かう。
    人は集まると争いが生じる。宗教ですらそうだ。争うことでしかアイデンティティが保てないのか。人は他人と比較することでしかアイデンティティを保てないのか。
    大津は違った。自分の価値観、神との対話だけで生きてきた。そのように生きるのは難しい。ただ、大津のように生きたいかはわからない。
    宗教はガンジス川のようであるべきだ。平等で最期の希望であるべきだ。

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    2014年10月10日
  • 反逆(下)

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    遠藤周作著、「反逆」上・下巻を読む:
    大河ドラマに出演している田中哲司という俳優が、荒木村重役をなかなか、うまく演じていたので、改めて、荒木村重を考察する過程でこの作品を知ったので、読むことにした。戦国大名というものは、全く、主君を選ぶことも命懸けであること、又、その一族郎党ともども、ひとつ間違えば、謂われのない、或いは理不尽な理由で、磔にもなってしまう。まるで、今日のサラリーマンの人事抗争さながら、もっとも、自己破産しようが、今日では、少なくとも、磔にはならずに済むから、まだましなことであろうか?
    小説というものは、ある種、作られたものであるとはいえ、当時の勝者の歴史、敗者の歴史をどれ程、反

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    2014年07月05日
  • 反逆(上)

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    遠藤周作著、「反逆」上・下巻を読む:
    大河ドラマに出演している田中哲司という俳優が、荒木村重役をなかなか、うまく演じていたので、改めて、荒木村重を考察する過程でこの作品を知ったので、読むことにした。戦国大名というものは、全く、主君を選ぶことも命懸けであること、又、その一族郎党ともども、ひとつ間違えば、謂われのない、或いは理不尽な理由で、磔にもなってしまう。まるで、今日のサラリーマンの人事抗争さながら、もっとも、自己破産しようが、今日では、少なくとも、磔にはならずに済むから、まだましなことであろうか?
    小説というものは、ある種、作られたものであるとはいえ、当時の勝者の歴史、敗者の歴史をどれ程、反

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    2014年07月05日
  • 私にとって神とは

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    遠藤周作の全著書に貫徹するテーマ、神の存在と働きについてどのように考えるのかを述べた書。日本人が取っ付きにくいとする宗教=ここではキリスト教に対し、いかに日本という土壌に照らして解し、神と向かい合って来たかを述べる。その取っ付きにくさの前提は、日本での教会のあり方に帰せられている。

    キリスト教徒と言えば「敬虔な」という冠が付くような、どこか隔絶された超然としたイメージが形づくられているとする。そうではなくて、自らの弱さに自覚的な「無理をしない」信仰のあり方もあるのだと述べることで、キリスト教および宗教一般に対する誤解を解こうとしている。

    本書において、遠藤は、日本の教会が現世における共同体

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    2014年10月02日
  • ひとりを愛し続ける本

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    嫉妬に関する記述に、とっても納得させられた。
    これから、嫉妬という感情が湧いてきた時には、
    この本を読み返そう。

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    2014年01月09日
  • 死海のほとり

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    ネタバレ

    ■『死海のほとり』 遠藤周作著 新潮文庫

    【全編4 メシヤ降臨とその再臨の目的】
     遠藤周作の力作です。イエスの歴史的実像とは一線を画し、我々においてのイエス、そして救いとは何であるかを問うています。追記にありますが、同著者の『イエスの生涯』と表裏をなす作品であるということです。『イエスの生涯』はイエス自身の歩みとその真実にスポットを当てていますが、こちらの『死海のほとり』はイエスを取り巻く群像の目線からイエスを描き、2000年後のイエスから離れることができない男たちの目線からイエスを語ります。
     原理の理解としては、後編のイエス路程よりも、前編の「メシヤの降臨とその再臨の目的」のほうが、内

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    2015年07月17日
  • 死海のほとり

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    ネタバレ

     遠藤の作品で五指には入る名著。しかし今までなぜか読む機会を失していた。私も33になり、イエスの昇天の歳であるから、特別な何もないけれど、思いだけは引き締まる中でこの書を読み始めた。過去に遠藤の著作にはどれだけ触れただろうか、20~30だろうと思われるが、その文体に触れるとなぜだか安心する。鮮烈な刺激とは違う、どこかこなれた、気を使わない暖かさを遠藤は与えてくれる。いつでも懐かしいのだ。早くに触れて、もう読み終わったというだけで意識から外れてしまわなくてよかったと思う。今だからこそ深い感慨があった。

     二つの視点が対位法のように独立した旋律を奏で信仰する。一つのイエスという内的軸とパレスチナ

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    2013年12月30日
  • 愛情セミナー

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    私は愛は修行だと思っている(笑)
    優しくて楽しい修行ね。
    愛はいつでも蜜月ではない。
    恋に落ちるだけならサルにでもできる(笑)

    性にタブーは必要で、やっぱり秘密は隠しながらジリジリ近づいていく感がないと喜びは少ない。

    信じることができないものづくしの世界で信じるものを持つことの美しさ。

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    2013年11月03日
  • 死海のほとり

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    愛はこの世で一番、非力で無力なものであった、とイエスが十字架で処刑される際、周囲の人間はつぶやいた。が、すべてが終わった瞬間、愛はこの世で一番美しく、力強く、人々の心に生き続けた。何故、イエスが人々の心に残り、我々の人生に影響を与え続けるのか?目を閉じ胸に手をあてて心に問い続けたい。

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    2013年09月29日
  • キリストの誕生

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    イエスの十字架の死後、12弟子を中心とする原始キリスト教団の使徒たちの心の中に再臨し、神秘的な救いを与えたイエスの復活、そしてキリストの誕生は、弱虫だった弟子たちを殉教をもいとわない強い信仰者に生まれ変わらせた。「汝の敵を愛せよ」、愛の人だったキリスト、2000年前のエルサレム、そして2000年の時空を越えて、今もなお現代世界に生き続けるキリスト教の教えに想いを馳せる。

    キリスト教がこれら敬虔なユダヤ教徒の中から生まれ、キリスト教が何故、ユダヤ人を越え、多く異邦人たちの世界的な宗教になったのか?その理由がよくわかる。

    イエスが死んでしまったために、原始キリスト教団はその神学的解釈を巡り、そ

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    2013年09月15日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    ドッグイヤーつけすぎてどこから書いていいのやら。
    それくらい大事なセンテンスと言葉の宝庫でした。
    遠藤周作は少し難しめに表現するけど現代の選書を五冊くらい読むに値する内容かと思う。

    帯では阿川佐和子さんも推薦してた。

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    2015年11月12日
  • 愛情セミナー

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    改めて読んだけどやっぱいいなぁこれ。すごくためになるし、心に刺さる言葉がいくつもある。
    この人と結婚したいなと思える人がいたら是非とも読んで欲しいと思う本。
    結構毒が強くて、ネットのブログなんかだと炎上しかねないようなテンションなので、著者の偏見と冗談を笑ってスルーできる女性には勧められるけど、いらっとくる人には激おこぷんぷん丸程度じゃ済まないかもしれないので、注意して読んで頂きたい。

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    2013年06月27日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    ネタバレ

    読んでて思わずにやりとする。

    自分の視点を変えるためにも、たまにはこういうエッセイを読むのもいいかもしれない。

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    2014年02月14日
  • キリストの誕生

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    イエスの生涯に続いて刊行されました。
    イエスからキリストという存在へ変わっていく弟子たちの心理などを本当に質の高い内容で描かれています。「僕は大説家ではなく小説家なんですよ」とエッセイで何度も著者は口にしていました。
    それを決して忘れずに読んでいたものの、遠藤氏の文章はどうしても僕に夢をみさせてしまう。読者も多く、たくさんのレビューがあり、十人十色に評価をなさっていることでしょう。宗教と歴史と信仰の危ういバランスを絶妙にとりながら見事な結びまで持っていくその技量を楽しむ一冊として読んでもいいと思います。
    キリスト教に関わっている方なら、是非そこに自分の思いも加えてみてください。

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    2012年10月26日
  • ただいま浪人

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    長い小説だが、一気に読み進めた。時代は戦後、今の価値観とは違う部分も多々あるが、それでも共感することができる。若い頃の疑問と苦悩、そして大人たちのすでに固まった既成概念と、それとはまったく無関係な愛情の行きどころ。人は間違いを犯す。しかしそれが果たして本当に間違いかどうかは、誰も判断できない。では生きるとは? 今さらながらそんなことを改めて考えさせられる。生きることと生活することの葛藤を、私たちの視点にまで落とし込んで伝えうる遠藤周作はさすがだと思う。

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    2012年09月30日