遠藤周作のレビュー一覧

  • 砂の城

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    1976年作品。著者の作品は5冊か6冊くらいしか読んでないので。多くは語れないのですが、今まで読んだ本は「沈黙」「海と毒薬」「深い河」など。信仰に関する本や重いテーマの作品を書く作家さんと言うイメージがありました。この作品は少し毛色が違います。分けるとすると青春小説でしょうか。ただ、1970年代の若者が描かれています。長崎で生まれ育った若者たちが、自分の信じる美しいものに従い破滅するもの・罪を犯すもの。決して甘い青春小説ではありません。著者の筆力に感服です。文章も美しい。

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    2026年03月22日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    人体実験ってショッキングな事件やけど、それを行ってた人達の心理が、僕とそう変わらんのが辛かった。最近小説書いてみたいなって思ってちょっと書き出してたから、文体にも目が行った。目的語がないとか、文法が緩い感じなのに頭にスルッと入ってくるのが面白かった。この独特の文章が、心情パートと描写パートを溶かしてるんだと思った。

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    2026年03月17日
  • 沈黙

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    ネタバレ

    この時代の長崎の神の沈黙を通じて、世界の綺麗事だけでは済まされない戦争や貧困などの理不尽について考えさせられた

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    2026年03月09日
  • 沈黙

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    最後の数ページに無茶苦茶読むのに時間かかって、日本語って難しいなぁと思ったけど、これは傑作。

    江戸時代の日本と信仰について書かれているんだけど、内省的で観察眼に優れた宣教師の目を通したことで、人間の感情の機微が、胡乱な私が実生活で得る以上に感じ取ることが出来る。

    個人的には、特定の文化の上に生まれた宗教が、他の文化の上で変質しているというのが面白かった。日本は布教するには泥沼だという記載がありましたが、文化基盤が違えば変質するっていうのは日本だけに当てはまることではないと思うんですよね。

    こと概念的である宗教において信じるものは文化基盤によって変異しているものなんじゃないかと思うので、そ

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    2026年03月08日
  • 沈黙

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    「殉教した人の話」を、この本を読む時にどれだけ知っているのか。これでこの本に抱く感想は変わるのではないか、と最近ふと思った。
    私はカトリックの一貫校でずっと宗教なる授業(一般でいうところの倫理という科目に該当する)を受けてきた。特に中高の宗教の授業では旧約聖書から新約聖書はもちろん、世界各国で平和を願い平和のために尽力した人や信仰を貫き殉教した人について学ぶ。隠れキリシタンのことも学ぶし、天正遣欧少年使節のうち殉教したのは誰かという質問にも答えられるし、第二次世界大戦の際にドイツだ殉教した司祭の話も知っている。
    そしてそれは単に「殉教しました」というナレ死のような学びではなかった。逆さに疲れて

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    2026年03月01日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    いい本だった。


    持病持ちのサラリーマンが引っ越してきた町で、
    主治医と出会うとこから始まる。
    医師には人に知られたくない過去があった。
    場面は医師の若かりし頃に変わる。


    読みやすくて、情景もよく浮かんだ。
    いろんな人の気持ちになれた。
    豊かな時間、過ごせた。
    今まで読んでなかったの申し訳なく思った。






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    2026年02月22日
  • 沈黙

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    信仰とは何かについて核を突かれたお話で面白かった。鎖国当時のキリシタンの迫害や、人種差別、外国人が日本をどう見ているのかが生々しく感じられた。「神はなぜ沈黙されているのですか」、カトリック教徒である遠藤周作が神の存在に関する記述や踏絵を持ってくるのはとても興味深かった。

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    2026年02月19日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    名作です。第一部も感動しましたが、これもまた素晴らしかった。大学共通テストで遠藤周作の作品が出題された。若い人たちがそれをきっかけにこの本も読んでくれたらいいなと切に願う。

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    2026年02月18日
  • 聖書のなかの女性たち

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    遠藤周作が聖書やイエス・キリストを直接のテーマとした作品の中では、この作品と「イエスの生涯」「キリストの誕生」の三作品がもっとも印象的だった。

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    2026年02月17日
  • 沈黙

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    傑作
    カラ兄やペストの不在とは異質な「沈黙」の残酷さとロドリゴの叫びが対照的
    「まだ黙ってんのか?こんなことされても?いつまで?…なぜ」という反芻に打ちのめされる
    装丁は荒涼とした黒い海、暗夜の孤独や祈りを喰らう闇を思わせるが、かすかな光は信仰の逆説による救済か

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    2026年02月15日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    「眠れぬ夜に読む本」はいつも私の傍にある。難しい言葉もなく理解できない不思議もなく、その世界を共有できるところにこの本の魅力がある。

    眠れないときは何を考えるか、
    1 生と死について考える
    2 東京について考える
    3 自分と他人と動物について考える
    4 趣味と興味について考える

    という目次に続いて、少し詳細に題名が並んでいる。

    名作「沈黙」があるように、狐狸庵先生はキリスト教徒だったけれど、難しい宗教の話や、心理学や、医学の話ではない。

    好奇心の赴くままに、過去や、現代や未来を考え、そこにあるべきもの、あったもの、出会うものなどを、ユーモアをこめて、語っている。
    不思議な現象を科学に照

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    2026年02月14日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    難しそうで敬遠してたけど読みやすかった!勝呂は立ち止まって考えれば実験参加を断れた筈なのに、戦争と患者の死によって無力感が募り、自暴自棄になり、思考停止してしまったから断れなかった。考えることをやめないようにしようと思った。おかしい、という違和感を無視しないようにしよう。 戸田の、大人へ媚を売るところは確かになと思ったけれど、非情さには流石に共感できなかった。ずるいことをした後、後ろめたさがしんどいからやらなきゃいいのに。こんな大事件に加担しておいて良心が周りからの罰にしか向かないのが凄い。[やがて罰せられる日が来ても、彼らの恐怖は世間や社会の罰に対してだけだ。自分の良心にたいしてではないのだ

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    2026年02月11日
  • 沈黙

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    ネタバレ

    すごい良かった。プライドや緊迫感が伝わった。
    辛い時こそ何かに縋ったり頼りたくなる。
    沈黙を貫き通すかっこよさと愚かさが分かった。
    でも、自分の人生は信じるものだったら何を言われても沈黙を貫き通すかっこいい人間になりたい。
    何があっても。

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    2026年02月10日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    この本を知るまで、実際の事件を全く知らなかった。病院で人が死ななければ、外では空襲で人が死ぬ時代。時代による影響が大きいのかもしれないが、「生」と「死」に対して、感覚が麻痺していたのだろう。戦争医学や結核患者を救うという名目の解剖だったのかもしれないが、軍医は捕虜の肝臓を欲しがったり、解剖に参加した看護師は、教授やその奥さんの事しか考えてなさそうだった。断りきれなかったものの、手術を目の前にして「やっぱりできない」と怯えてしまう勝呂は人間的で、解剖による良心の呵責を考える戸田も人間的に思えた。

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    2026年02月06日
  • ひとりを愛し続ける本

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    すごく良かった
    男性作家のエッセイは初めて読んだかも。文才のある方が書いただけあって、内容の濃かった。古い本だと思われるので、時代背景とか理解が難しいかと思ったが、全くそんなことはなく、とても人生の参考になった。彼の考え方を正直に書いているし、気取りもなければ、押し付けもない。素晴らしい。

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    2026年02月06日
  • 深い河 新装版

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    個人的には『沈黙』を上回る作品だった。
    今までは何かを信仰する気持ちというのがいまいちよく分かっていなかったが、ガンジス川を中心に描かれている人々(特に名もない貧民と大津)を通して宗教というものを内側から見ることができた。
    それによって、その人にとって何かを信仰するということの意味や意義を、実感を伴って感じることができた。
    「その言葉が嫌なら、他の名に変えてもいいんです。トマトでもいい、玉ねぎでもいい。」
    「玉ねぎがこの町に寄られたら、彼こそ行き倒れを背中に背負って火葬場に行かれたと思うんです。」

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    2026年02月06日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    ネタバレ

    キリスト教信仰と、被曝地となった長崎、そしてアウシュビッツ。
    第二次世界大戦の被害がとりわけ大きかったこの二つの土地が描かれている。

    けれどこの作品は、戦争そのものを描いた小説ではなく、
    タイトルの通り「女の一生」――
    サチ子という一人の女性の生き様を描いた物語だったのだと、読み終えて強く感じた。

    修平にとってキリスト教は、ただでさえ制約の多い戦時中において、さらに重たい枷となっていた。
    教会でも「いたずら」をしてしまうような悪ガキだった修平にとってもやっぱりキリスト教の教えは心の指針だったのに、戦争によってそれが壊されていく...
    その中で抱え続けた葛藤は計り知れず、同時に彼のまっすぐな

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    2026年01月29日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    ガストンが『深い河』にも登場していて驚いた。
    調べてみると、ガストンのモデルは、遠藤周作がフランス留学中にお世話になった神父だという。
    また作中では、ガストンがキリストを象徴する存在として描かれていることもうかがえる。

    人生は辛く、悲しいものというのがテーマ。
    正義と悪だけで単純に割り切れるものではなく、それぞれに深い背景や過去がある。
    ガストンはキリストのように、人と共に悲しむ存在であり、その姿勢は『沈黙』と通じる思想だと感じた。

    作中の神父は信じた者だけが救われると語るが、ガストンと勝呂の関わりを見ていると、必ずしもそうではないように思える。
    神を信じていない勝呂に対しても、ガストンは

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    2026年01月23日
  • 沈黙

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    ネタバレ

    ・最初は完全に殉教の物語だと思って読んでいたが違った。

    ・「棄教した」という結果だけを見ると、その弱さや心神深くなかったのだろうと判断していた。「残念」という気持ちの方が強かった。

    ・でも読み進めるうちに、その背景や、その人の心の中にあった信仰心や葛藤なんて、本当は他人が簡単に分かることができるものじゃないんだよな、と思わされる。
    分かろうとすること自体が、むしろ傲慢。

    ・だからこそ、その内面の奥深くまで含めて、そこでも赦してしまうキリストの存在が、すごいというより「敵わない」という感覚に近かった。
    それこそが無償の愛なんだけど、同時に少し怖さすら覚える。

    ・特に印象に残ったのは、

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    2026年01月15日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    とても強烈な事件。

    だけど、人物それぞれの内情をのぞくと自分との親近感を覚える。

    「日本人とは如何なる人間か」という問いに対する要素を沸々と感じる。

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    2026年01月11日