【感想・ネタバレ】女の一生 二部・サチ子の場合のレビュー

あらすじ

第二次世界大戦下の長崎で、互いに好意を抱きあうサチ子と修平。しかし、戦争の荒波は二人の愛を無残にも引き裂いていく。修平は聖書の教えと武器をとって人を殺さなくてはならないことへの矛盾に苦しみつつ、特攻隊員として出撃する。そして、サチ子の住む長崎は原爆にみまわれる。激動の時代に、信仰をまもり、本当の恋をし、本当の人生を生きた女の一生を鮮やかに描き出す。

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遠藤周作らしく、キリスト教絡みの重いストーリーである。キリスト教の教えと国家の板挟みとなる主人公2人の心理描写がすざまじい。

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2025年10月08日

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この人の小説を初めて読んだ。568ページに及ぶ、第二次大戦の頃の長崎を中心に展開する物語。リアルな描写と登場人物たちの強い想いや激しい葛藤が伝わってきて、夢中になって読んだ。

自身もキリスト教信者だった作者の戦中の想いも色濃く投影されているようだ。戦時下で押しつぶされる個人の幸福や信仰心。アウシュビッツでの描写は、この世のありったけの地獄が描かれる。そしてその地獄の中でわずかに芽生える信仰心と人の良心と激しい葛藤。極限状態での人間の姿が刺さってくる。同時に、同調圧力を振りかざしてくる人間の姿もあり、それはコロナ禍で露わになった現代にも繋がるものを感じさせる。

戦争で引き裂かれる純愛。昨今でも扱われるテーマではあるが、まだ「戦後」が今より身近だった時代の作品で非常に重みと深みがあった。「二部」とあるように、本作で度々登場する主人公の祖母の従姉妹が主人公の一部も読んでみたい。

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2025年06月18日

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一部の続編。
どんどん文章が素敵になる作家さん。
一部もよかったけど、私は二部の方が好き。

アウシュビッツについて、知っているつもりになっていたが、想像を絶することがあったことを知ることができた。
もう二度とこんなことがあってはならない。

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2024年06月03日

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信仰、愛・・・形はないけれども人間にとって大切なもの。忙しい毎日を過ごしていると忘れてしまいそうな時に手に取って読むようにしています。出不精の自分がどういう訳か単身ポーランドのビルケナウ強制収容所に赴くことになってしまったくらい世界で1番好きな作品。

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2023年07月20日

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遠藤周作は「あとがき」にこう書いている。
「どんな人間にもその人生には書くに足る劇があるのは当然だが、我々世代の一人一人にはそういう意味で個々の劇のほかに共通したドラマがある。私はその共通したドラマを主人公サチ子の中に書いてみたかった。「あっ、これは、わたくしだ。わたくしと同じだ」 毎朝、私の新聞小説を読んでくださる主婦がそこに自分の似姿を見つけられたらなら、この小説は書き甲斐があったと言うべきであろう。」
市井の庶民一人一人の戦中体験が、実は、最も貴重な歴史そのものであるという認識が、作者の心の中を占めていた。
このようなサチ子を私が初めて知ったのは岡本喜八監督の映画「肉弾」の中で、大谷直子演じる少女像であった。そして最近では人気アニメから「あっちこっちのすずさん」が、自らのドラマを語り始めている。
もちろんアウシュヴィッツのテーマや、神の問題も重要ではあるが、歴史は、一人一人に固有のものでありつつ、かつ普遍的なものであるのかもしれない。

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2022年06月06日

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ネタバレ

遠藤周作らしいいろんなテーマがあった。
神の沈黙が、今回は「殺すなかれ」と教えながら戦争を黙認する教会の沈黙や、「神なんていない」という救いのないアウシュビッツに変奏していた。
神は直接の救いをもたらすわけではないが、修平の渾身の疑問を正面から受け止めて苦しげに分からないという高木牧師や、アウシュビッツに共に収容されていながら、いつもあなたのために祈っていると語るコルベ神父を通して、神の沈黙は沈黙ではないと語られている気がする。つまり、直接目に見える解決はしなくとも、苦しむ人ともに苦しむ愛なる神、のように。神のみならず人間も、他者の苦しみを前に無力だ。サチ子も修平の苦悩を前にマリア像に祈るしかできないし、ジムも長崎の不運に心を痛めながら原爆を落とすしかない。でもそこで祈ることや痛むことは無意味ではなくて、人間はつまりいつでもそういう存在を望んでいる。弱っている時、ただそこにいてともに苦しんでくれる相手を。「沈黙」「侍」と相通じるテーマで、とにかく苦しいけど深い。

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2019年05月20日

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ネタバレ

2021/6/29
長崎に行くことがあり、再読。
前に読んだ時より、コルベ神父の存在を強く感じた。
ヘンリックに与えた小さな変化は他の誰かにとっての大きな変化。人を少しでも変えるほど影響力を持ったコルベ神父はやっぱりすごい。
結末はわかっているのに後半読み急いでしまった。
今回は修平に寄って読んでしまう。どうにもならない運命に理由をつけて進んでいく。矛盾してることはわかっていても抗えない運命を受け入れる。
キリスト教はつくづく受け止める受動的な宗教だなと思った。
そは求むるところなき愛なり、これに尽きる。


かなり昔に読んだきりだった為、再読。
前より面白かった気がする。
キクの時と比べて話があっちこっちに行くので、サチ子に思い入れがしにくく、前は少し苦手だったところを今回は乗り越えられた。
キクと同じくイエス様もマリア様もいちばん大切なものを助けてくれない。それでもサチ子は最後まで祈る。在るものの中から幸せを見つけて、それに対して感謝する。
人生はこの形でいいのだと耐えていた。という言葉で遠藤周作の作品の全てに通じるものを見た気がします。
それでも修平とコルベ神父に何か救いを見せて欲しかったな。ヘンリック等々で救われるという解釈もできますが。でもこの感じがいいんだよなー…

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2018年09月25日

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第一部の幕末・明治初期から時代は下り、第二部は第二次大戦の時代が舞台になっている。

コルベ神父、キリスト教信仰における非戦の問題、神風特攻隊、長崎の原爆など、さまざまなエピソードが織り込まれている。

長崎で一緒に遊んでいた3人の幼馴染。一人は信仰と戦争の問題に苦しみながらも特攻隊として戦死し、一人はその恋人として別離に苦しみ、一人はアメリカ兵として原爆投下の飛行機に乗っている、、、

戦争の不条理をこれでもかと思い知らされる。

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2016年08月16日

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1部ほどの衝撃はないけれど、やっぱり、これも傑作だと思う。修平を想うサチ子の話とコルベ神父のアウシュビッツでの話が交互に出てくる前半はもう苦しくて。アウシュビッツでの話が、これからどんどん激しくなる戦争やその波に飲み込まれていくであろう2人の未来を暗示してるようで。想い合っても自由にならない戦時中の2人が悲しかった。後半、終戦に向かうあたり、あああ長崎は原爆が落とされたんだと気づき愕然とした。本当に読んでて苦しかった。キクの時もサチ子の時も苦しい時に2人のそばにいた、大浦天主堂のマリア像に会いに行きたくなりました。

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2012年12月04日

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第二次大戦下、教会の幼友達修平と、本当の恋をし、本当の人生を生きたサチ子の一生。

戦争によってさまざまな人たちがたどった悲しい運命に心を痛めずにはいられなかった。こんなひどい時代があったこと忘れてはいけないなと。

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2011年04月05日

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1部は個人的に辛い話だったのですが、この2部はひたむきな愛情がストレートに響きました。こういう利他的な姿に弱い。もし長崎の大浦天主堂に行く機会があるのなら、事前に一読をお勧めします。

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2011年01月21日

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一生忘れない作品。
アウシュビッツでのコルベ神父の行動が、“愛”とは何かを教えてくれる。アウシュビッツで見る夕日。それを見て、残酷で絶望的な状況にあるユダヤ人が、単純に美しいと思う、その姿に胸を打たれる。

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2013年01月28日

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ネタバレ

第二部は第二次大戦下での長崎を舞台とし、サチ子を主人公とした作品です。

 おさななじみのサチ子と修平は互いに好意を抱きあっていた。修平は聖書の「汝、人を殺すなかれ」という教えと戦争で人を殺さなくてはならないことの矛盾に悩み、やがて特攻隊として出撃する。一方、サチ子の住む長崎は原爆にみまわれる。


 この作品では、修平が矛盾に苦しんだことと、サチ子の修平を思う気持ちがすごくわかるなぁと思いました。この作品で修平が感じた矛盾は、作者自身が実際戦争中に感じたことだったそうです。
 ラストではサチ子は別の人と結婚し、家庭をもっています。しかし真剣に恋をした修平の事は一生忘れていないし、忘れはしないでしょう。最後の一文の「人生はこの形でいいのだと耐えていた」にはいろいろな思いが含まれているように思います。ただひとつ違和感なのは、サチ子は耐えているのではないと思うというところ。それはそれで、きっと幸せなんだと思うけどなぁ。


 また、第二部ではドイツのアウシュビッツでのユダヤ人に対する惨い仕打ちがまざまざと描かれていました。戦争の為せる業と思いつつも...やっぱりむごい。こういうことは二度と起こってほしくないですね。

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2014年02月18日

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ネタバレ

本編の主人公・サチ子は第一部の主人公キクの遠い親戚(祖母のいとこがキク)。
舞台は第二次世界大戦ごろの長崎。やはり切支丹が題材。

正直作者が取り込みたいエッセンスを全部一つの小説に入れ込むタイプの小説は好きではない。今回で言うと原爆、学徒出陣、特攻、アウシュビッツという要素がそれに当たり、山崎豊子の二つの祖国を読んだときにも同じような感想を持ったことがある。

一方で作者は人間の弱さ、強さ、汚さ、美しさ等あらゆる側面を捉えているため、惹き込まれる。
色々詰め込み過ぎかなと思う一方、色んな人が色んな立場で現実に向き合ったんだなと思わせる1冊でした。

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2025年07月31日

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奥川サチ子と幸田修平が育っていく過程を追いながら、戦時中の庶民の生活を丹念に記述することで、当時の空気をまざまざと感じさせる作品だ.アウシュビッツのエピソードも交えて、人間の残酷さを表現するとともに、神の存在を思索する人間の葛藤も示している.キリスト教の教えと戦争行為の矛盾に悩む修平.その中で特攻隊に志願して戦死する彼の思いをサチ子が遠くから紡いでいく過程が何とも言えないむなしさを覚えた.

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2025年03月17日

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ネタバレ

「あなたは――ご自分の為さっていることが、心にお辛いのですか? 死ぬまであなたのことを祈ります。ご自分に絶望なさらないように」コルベ神父の言葉が残る。そして、知る。これは、実話だったのだと。
「愛がここにないのならば、愛を作らねば」私たちは、この言葉を忘れてはいけない。神父の生き様を忘れてはいけない、と。

キリスト教は、何故か、加害者(悩める迫害者?)に寄り添うシーンが多いような気がする。弱者にではなく。

コルベ神父の印象が大きすぎて、サチ子を忘れがちです。しかし、時代は、学徒出陣から特攻、そして、昭和二十年八月九日午前十一時二分へと進んでいきます。
誰にも止められなかった。しかし、その記憶は、令和の今、どれだけ残っているのだろうか、と。

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2021年11月14日

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 遠藤周作の書く女性は、いつも正直でひたむきだ。そしてほんとの恋というテーマ話語っている。私は出来なかった。それは宗教ほども強い信念がなかったからだ。

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2021年07月10日

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ネタバレ

 コルベ神父がアウシュビッツで同じ班だった妻子ある父親の身代わりとして餓死の刑を受けるという行動が「無償の愛」だと思った。
 女の一生〈1部〉キクの場合でも無償の愛について考えたけど、今回は自分が愛する人(家族や友人や恋人)のためではなく、見ず知らず,ただアウシュビッツでたまたま同じ班だった人の身代わりとして死ぬという行為、これこそが全く見返りを求めない愛だと思った。
 最後に、この小説でコルベ神父が実在の人物であることを知って更に感動した。この方を知ることができて良かったと思う。

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2021年05月07日

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やはり周作さんらしい救いのないお話でした。
1部に続き2部でも大量虐殺が…

今まで本当に上っ面の事しか知らずに生きてきた自分が情けない思いでいっぱいになりました。
だからって自分に何が出来るのかは分からないけど、せめて「女の一生」に出会えたことに感謝して生きて行きたいです。

P98、そは求むところなき愛なり
p263、労働をつづけながらも…
P347、路は悪いかわりに…
P487~ラスト迄
とっても心に響く言葉であったり文章でした。

あと、長崎の方言好きだな(笑)
大浦大聖堂にも行ってみたい!
マリア像の前で思いっきり泣きたい!

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2018年11月08日

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戦争が信仰の奥の奥を、信仰の奥の奥が、人間の奥の奥を。
死を選ばざるを得ない背景。
俺なんて逃げるだろうな。

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2012年12月24日

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コルベ神父が1930年に長崎に来て、5年後にポーランドへ帰国後、アオシュビッツで惨殺される事を背景として、長崎を中心とした日本人男女の物語、原爆投下で終わる。信仰と戦争と言う永遠のテーマ。

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2012年02月27日

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ネタバレ

自分の状況とダブらせてしまう。
離れる人と留まる人。
祈る者と願う者。

もどかしく、美しく、醜く、悲しい。

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2011年07月24日

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ネタバレ

「死なないで」彼女は引き絞るように叫んだ。「生きて。戻ってきて」+++
 高校で出された課題本は一部だけでしたが、二部も読んでみたいと書店へ走った記憶があります。一部はひたすらに胸が張り裂けるような本でしたが、この二部はサチ子のひたむきな愛情に泣かされっぱなしでした。
 そしてこの本を読んだ翌年の、高校三年の夏。キャンパス見学の帰りに、私はふと靖国神社にたちよりました。余りの暑さに辟易して、境内に涼を求めたのです。ついでだからと参拝しようとなんとなく思って拝殿に向かいました。
 拝殿でお参りが終わったときに、車いすのおじいさんとすれ違いました。そのおじいさんは本殿にたどりついた途端てぬぐいを握りしめて、はげしく慟哭しはじめたのです。震えるおじいさんの背中と、言葉にならない悲痛な叫び、五月蠅い程の蝉しぐれ。社会人になった今でも、まだ胸に焼き付いています。
 サチ子はラストで生き残った修平の友人を見つけます。彼は生き残り、教会でなにを祈ったのか。大戦で散った若いいのちはせつない形だけれど私たちのなかに息づいている。それを実感した一冊です。

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2013年05月05日

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おじいちゃんとかおばあちゃんの若い頃の話を聞いてるみたい。
自分のおばあちゃんは当然おばあちゃんになった後のおばあちゃんしか知らないけど、彼女にも私と同じくらいの年の時があったんだよね。
そして、私もそう思われるようになるんだろう。

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2011年02月22日

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1部のほうが夢中で読めた。
でも2部のほうが感銘をうけた。
(男女関わらず)人を愛するってそーいうことなのかぁ。な?

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2010年09月14日

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太平洋戦争下の長崎。キリスト教信者の幼なじみ、サチ子と修平。上京し文学を志す修平は、「人を殺すなかれ」のキリスト教の教えと戦争とに矛盾を感じつつ学徒出陣により徴兵され、神風特攻隊で戦死。サチ子は修平への強い愛を抱きながらも時代の流れに巻き込まれ、昭和20年8月9日“ふとっちょ”原爆長崎に投下。

当に哀しい世代。今は考えられないようなこんな話が普通だったんだろうね。ただ、この話の中に壇一雄の師匠の佐藤春夫先生の詩が出てきたから少しうれしくなった。

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2010年07月11日

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ともに長崎を舞台にした小説。
夜更かしをして読んだ本。
長崎とキリスト教は切っても切り離せない関係にあるということ、キリスト教徒がなぜ、自分を犠牲にしても、キリスト教徒であることをやめないのか?
その時代、おかれた状況で信仰心は変わってくると思う。
途上国・戦時中・満たされない時代では、信仰心は強くなると感じる。
今、この時代にこんな虐待が行われると、大半の人は信仰を捨てるだろう。
それにしても、遠藤周作、うまい。
どちらかというと、サチコの場合がはまったな。
特にアウシュビッツの場面。

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2010年05月05日

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憲法で宗教の自由が認められたにも関わらず、戦争が原因でなお言われなき差別の中にあるキリスト教徒たち。しかし、戦争と言う条件下では愛する男の無事を祈る気持ちは誰も同じです。戦争により多くを失った全ての女たちを、サチ子の一生が体現しています。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

第二部は、第一部の主人公であるキクの従妹であったミツの孫にあたる奥川サチ子が主人公を務める、第二次世界大戦末期の長崎を舞台にした作品です。

サチ子は、幼なじみでイタズラ好きの少年である幸田修平に想いを寄せています。成長した修平は、慶応大学に合格し、詩人となることを夢見ていますが、サチ子の気持ちにはなかなか気づいてくれません。

サチ子たちが幼少のころに大浦天主堂にやってきたコルベ神父は、その後ドイツに帰国し、アウシュヴィッツに連行されます。いっさいの希望がうしなわれてしまった絶望的な状況のなかで、コルベは愛を信じつづけ、みずからの身を賭して愛を果たしうることを示します。

その一方で、日本の戦況は日増しに悪くなっていき、修平のもとにも召集令状がとどけられます。キリスト教徒である彼は、戦争で殺しあいをしなければならない立場に置かれたことに苦しみますが、残酷にも彼に特攻隊としての任務があたえられることになります。修平は悩みながらも、みずからのたどらなければならなかった運命にひとつの意味を見いだそうと考えつづけます。

第一部のキクとは異なる時代ではあるものの、キリスト教を信仰する者に対して彼らの生きた時代が課することになった重い問いかけを背景としながら、主人公であるサチ子の悲恋がえがかれています。

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2023年07月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

一部の登場人物ミサの孫のサチ子の話だ。
人間を信じなければ、人間のために尽くすことはできない。
愛とは他の人々を幸せにしてあげることだ。見返りを求めてするのではなく、求めることがないのが本当の愛だ。
明日のことを思いわずらうなかれ。今日のことは今日一日にて足れり。

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2020年10月25日

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