遠藤周作のレビュー一覧

  • 深い河 新装版

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    妻の死後、磯辺の回想に揺さぶられて少し泣けた。

    全てを受けいれるガンジス河を前にして、
    各登場人物が自分と向き合っていく過程に胸打たれる。
    『玉ねぎ』について、実直に、純朴に、不器用に向き合い、イエスの真似事をした大津のラストは衝撃だった...

    何度も読み直して自分なりの理解を深めたい一冊です。

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    2025年04月18日
  • 海と毒薬

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    戦争文学の面白さが詰まった作品
    共テ演習とか二次国語で扱われる小説の中でも戦争文学は群を抜いて自分を引き込むものがある。日本史選択で戦争へ向かっていく日本をマクロ的な視点でしか勉強していないせいでミクロ的な視点でその時代に生きる人々の生活文化を知ることは難しいが、戦争文学はそれを媒介してくれる。

    この作品は実際の事件を取り扱っている。勝呂は冒頭では面白みもない貧しい町医者として描かれているが、医学生時代を中心に書いた物語の中盤以降では自分にとって彼が人情深い人物に映った。
    彼の心を変えたのが生体解剖事件に関与したことであることは確実。

    遠藤周作について。
    名前しか知らないが、本をほとんど読

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    2025年03月20日
  • 深い河 新装版

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    それぞれに苦しみを抱えてインドを訪れた人々が、ガンジス河を前にして自らの過去と向き合う。
    生も死も、善も悪も。祈りと共に全てを流してゆく人間の河。

    生きること死ぬこと、輪廻、赦し…
    現代にも通じる普遍的な問いを扱った何十年も前の小説から何の違和感もなくメッセージを受け取ることができて、時代を超える名著の力を見せつけられた気持ちです。

    「信じられるのは、それぞれの人が、それぞれの辛さを背負って、深い河で祈っているこの光景です」

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    2025年02月08日
  • 新装版 海と毒薬

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    面白かった。人間の生々しい心理描写、テーマ設定が非常に好み。

    私たちはどうやって良心と向き合っていけば良いのだろう。教えに従っていれば良い信者たちとは異なりどれほど正しくあるかを自分達で裁量しなければならない。
    個人的な意見だが、自分の良心に言い訳できるか、が一種の線引きのような気がする。戦争での殺戮と生体解剖の明確な差がそこにある気がする。良心に言い訳することを辞めた時、人は本当に良心を失うのではないか。

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    2025年02月08日
  • イエスの生涯

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    「人間イエス」の生涯を複数の福音書と筆者の解釈を交えながら描いた作品。
    イエス=神様、としか考えてこなかった自分にはとても新鮮で、イエスの背負った苦難をまざまざと見せつけられた。『沈黙』や『深い河』を読んだ後で手に取ると、もう一度2作品を読み返したくなると思う。

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    2025年01月13日
  • 侍

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    ずしんときました。エゴと宗教、個人と社会、信じることと組織、結局は全て人間が作ったものなのに、それを自分で複雑にして潰しあってる。汚いところを隠さないと綺麗には見えない。。。

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    2025年01月08日
  • 海と毒薬

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    治療や解剖の様子が妙にリアルに書かれていて、読んでいる此方まで体が痛くなってきた。

    解剖に参加した人間が単なる異常者というわけでもなく、放心状態で促されるままの人、自分の立ち位置のために心を押し殺した人など、日本人の特質が垣間見えるように書かれていた。

    自分の行為に良心を見つけようとする姿は本当におどろおどろしい…

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    2025年01月07日
  • 人生を抱きしめる 遠藤周作初期エッセイ

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    ネタバレ

    遠藤先生のお若き時代のエッセイや講演などをまとめた一冊。
    むかーし読んたことがあるものも収録されていたようで懐かしく読みました。

    作品につけるタイトルの付け方(不満?)や先輩作家に対する文芸批判(結構辛口でヒヤヒヤ)、小説をどのように書くのか、題材をどうやって見つけるのかなどちょっと作風の種明かし的な文があり興味深い。
    その他には狐狸庵先生の顔をのぞかせたユーモラスな文(エイプリルフールや運転に関するエピソード)もあり、クスリニヤニヤ。

    「人間のみかた」で「役に立たぬ」一般に思われがちな人間についての考察があり。そして最後の方に「孤独と信頼」「約束について」でフランクルの「夜と霧」について

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    2024年11月21日
  • 影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

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    ネタバレ

    母と父、そして信仰を書いた6篇。
    いくつもの心理描写に圧倒された。全体からとても陰鬱な空気が漂っているのに、この本質を捉えたような文章が無理なくスッと心に入ってくる。子ども目線の話も、大人目線の話もどれも読みやすかった。
    主人公は、厳しく烈しかった母を美化してしまう気持ちを持っているのに対して、父には冷ややかな視線を向けていた。この点は共通しているけれど、細かな設定は短編ごとに少しずつ違っている。
    自身の経験が創作の元になっていることは確かだろう。でも物語をどう膨らませていくかは、ほかにも沢山の可能性があるのだなと思わされた。作品として昇華されるというのはこういうことなのかもしれない。未発表で

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    2024年11月12日
  • 私にとって神とは

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    とてもわかり易くキリスト教を解説してあったのと、違和感の正体が遠藤さんの説明で分かりやすかったです。
    人生と生活、倫理と道徳
    深く考えれば考えるほど難しいテーマです。
    この本も再読ですかねー。。

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    2024年11月02日
  • 満潮の時刻

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    ★5つ
    読みながらリアル感があると関してましたが、解説を読み納得。
    自分自身も短い期間だけど入院したこともあり、術後で声が出ない時、医師から言われた期間でドレンが外れない時など色々と思い出しました。
    本作でも「生活」と「人生」が表現されており、奥深いテーマだなと、、
    2024年のベスト本に遠藤さんは入ってきそうですが、どの小説を選ぶか悩みます。

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    2024年10月26日
  • 満潮の時刻

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    ネタバレ

    看護婦さんが手を握ってくれると、信じられないようなことだけど、実際に不安や痛みが和らぐ。
    病気をすると、遠い風景を俯瞰しているような気持ちになる。
    本間さんのセリフ「手術を受けた日から、何もかもが変わっていく」「もっと心の上で」
    主人公明石は、自分が日常に戻ると、人生をどれだけ持続できるのか心配しているが、退院してもまだ俯瞰の眼をしている。そして、忘れずに長崎の踏み絵を見に行って、キリストの「沈黙の声」を聞いた。
    心に浮かぶ疑問に答えられないもどかしさ。
    明石は、弱いものに寄り添い、手を握ってくれる存在を見つけて、強く前向きになれた。

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    2024年10月22日
  • 私にとって神とは

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    遠藤さんの本を読んでいると、いつもキリスト教がどんどん身近になってきて、自分と等身大くらいの大きさに落ち着いてくる。
    遠藤さんが、“洋服”を日本人サイズに仕立ててくれてるってことなんだろうな。

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    2024年10月18日
  • 侍

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    ネタバレ

    貿易のため、東北からヨーロッパに派遣されることになった侍が、道中に役目のためのキリスト教の洗礼を受けた。異国の地で帰国後の約束を夢見て過ごす最中、日本の情勢はどんどん変わっていっていた。長い旅路を帰ると命令自体が無意味なものとされおり、クリスチャンとなった責任を問われることになる。

    無宗教に近しい日本人が宗教に触れ、なんのために、なぜそこまで神が必要なのか、不服ながら掴んでいく。
    我こそが日本にキリスト教を布教できると息巻く野心家の宣教師は、日本人の文化や生き方に紐づいたふるまいを、不気味がりながらも実は最も捉えている。

    侍の道中の葛藤、役目を果たせない絶望、諦めと辛抱、宗教に触れた際の心

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    2024年10月18日
  • おバカさん

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    哀れで頼る者もいないボロボロの野良犬も
    人を殺すことを厭わないヤクザも
    昔人を裏切って目の前で人を殺そうとしている老人も
    どんな人も信じて許すガストン
    宗教って人が平和に生きるためのもので、
    本質は信じることと許すことなんじゃないかなと思う

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    2024年10月15日
  • イエスの生涯

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    キリスト教の「神」とは、私の思っていた神とは別でした。
    「沈黙」を読んだ時のなにか掴みきれない感覚のようなものが
    多少ですが、整理されたような気がします。
    「キリストの誕生」も読んでみたいと
    思います。

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    2024年10月15日
  • 彼の生きかた

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    久しぶりに本で涙が出ました。
    これまで読んだ遠藤周作の作品は暗いものが多かったのでテイストが異なるこの本に驚きました。

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    2024年10月10日
  • 真昼の悪魔

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    これはこわい、で面白い

    プラウザが使えないため購入は見送っているが、
    定価購入もしたいくらい面白い。
    海と毒薬よりも印象が強かった記憶があります。
    プラウザが使えないのがつくづく残念。
    お好みで。

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    2024年10月03日
  • 勇気ある言葉

    購入済み

    遠藤周作先生の著作、久しぶりに

    遠藤先生の書籍は学生時代に「イエスの生涯」「死海のほとり」「沈黙」を読んでから「白い人・黄色い人」他、純文学作品から「フランスの大学生」などのエッセイ、「おバカさん」etc.幅広いジャンの著作を愛読しました。30年近く前に亡くなられたときは本当に残念でした。
    「勇気ある言葉」は初めて読みましたが遠藤先生らしいシニカルなユーモアにあふれていて大変楽しかったです。〈編集部注〉は途中で遠藤先生が書いているのでは?、と思いましたが、最後の「災い転じて福となす」で合点がいきました。

    #ほのぼの #癒やされる #笑える

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    2024年09月26日
  • イエスの生涯

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    ネタバレ

    自分の思い描いていたイエスの姿とは全く違った印象を持った。
    神の愛を伝えたいイエスと目の前の見える奇跡を求める民衆とのギャップ。
    イエスがここまでの孤独を抱えていたことを知らなかった。

    イエスの苦しみはまさに人間が抱える様な苦しみで、神の子にも関わらず人間の苦しみも分かち合ってくださる。
    自分の中では勝手にイエスは「思い悩むことのない、完璧な存在」と思っていたが実はそうではない。
    無力だったからこそ、弟子たちに伝えられたことがあったのだ。

    地上に来てくださり、神であり人でもある神の子に感謝する気持ちがより一層強まった。

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    2024年09月09日