遠藤周作のレビュー一覧
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ミツは愚鈍で教養もなく、美しくもないけれど
心の優しさ、暖かさ、弱い他者への共感する力を誰にも教わることなく持っていた。
自分もそれを理想として生きているけれど、そうなりきれることもなく打算やエゴイズムで世渡りしてきたこともあり、その経験、記憶を消し去ることはできない。
私は神や特定の宗教を信じる者...続きを読むPosted by ブクログ -
一貫して哀しみの歌がこの小説には流れている。
奉仕の心が大切なのは間違いないが、それが実際に他人への救いとなることがいかに困難かを知らされる。
救われることへの諦念に僕は息を止めたくなった。Posted by ブクログ -
教授からのおすすめ本。
どこまでも優しく誠実な外国人ガストンさんが日本にやってきてとある目的のために暮らす話
思ったよりシリアスな展開で進むなかで要所要所に昭和感を感じました。
個人的には比喩が大好きな作品!!!
書かれた年代で雰囲気が変わるのも読書の醍醐味ですね~Posted by ブクログ -
著者自らの闘病生活をそのまま綴ったかのような内容。主人公の明石が入院中に見た「あの目」が彼に訴えようとしていたのは人生の本質とも思われるそれ。「人生」と「生活」、その両方を行き来する時に人は何を見るのか。
きっと読む誰しもが「共感」を感じる一冊だと思います。とても満足でした。Posted by ブクログ -
大学生の吉岡は遊び目的で森田ミツを呼び出し交わって棄てる。
その後の2人の人生が対照的で、読みながら幸せな人生はどちらなのかと考えさせられた。不器用に生きるミツは石鹸工場から職を転々とし、一般的には不幸な境遇だが人生を全うできた意味で幸せだったと言える。一方、吉岡は小さい幸せを得たが、いつまでもミツ...続きを読むPosted by ブクログ -
素晴らしく、そして辛い気持ちになる本。エピソードは異なれどまるで自分の影がみえる吉岡の酷さや三浦マリ子の無邪気さよりも、ミツの、自分も決して恵まれてはいないのに、自分を差し置いてでも辛い人に自然に寄り添うことができる力に涙し、自分の中にある自己中なところ、優しさに欠くところを顧みてその情けなさ涙して...続きを読むPosted by ブクログ
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登場人物全員病んでる
最高
私もどっちかっていうと戸田寄りの人間なので
戸田に感情移入した結果
彼が最後まで良心を見つけられなかった事に
すごい揺さぶられた
また読みたいけど
古傷を抉られる感じがするから嫌かも
でも絶対に手放したくない
人間の闇をどんよりと描いてる
おすすめです心からPosted by ブクログ