遠藤周作のレビュー一覧

  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    マリー・アントワネットは、フランス王妃。14歳で結婚し、37歳でギロチン死刑となるが、フランス革命は王妃のお金遣いが荒いせいだけではなく、軍事費(アメリカ独立革命に干渉してのこと)によって財政の苦境に見舞われた。王妃のスキャンダルもあったが、実際は王だけで浮気はしていない。スウェーデン人ウェルセン伯爵とはプラトニックで終わっている。どんなに辛くても、王妃としての優雅さを忘れず死刑のときも保っていたという。

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    2014年07月30日
  • 反逆(下)

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    遠藤周作著、「反逆」上・下巻を読む:
    大河ドラマに出演している田中哲司という俳優が、荒木村重役をなかなか、うまく演じていたので、改めて、荒木村重を考察する過程でこの作品を知ったので、読むことにした。戦国大名というものは、全く、主君を選ぶことも命懸けであること、又、その一族郎党ともども、ひとつ間違えば、謂われのない、或いは理不尽な理由で、磔にもなってしまう。まるで、今日のサラリーマンの人事抗争さながら、もっとも、自己破産しようが、今日では、少なくとも、磔にはならずに済むから、まだましなことであろうか?
    小説というものは、ある種、作られたものであるとはいえ、当時の勝者の歴史、敗者の歴史をどれ程、反

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    2014年07月05日
  • 反逆(上)

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    遠藤周作著、「反逆」上・下巻を読む:
    大河ドラマに出演している田中哲司という俳優が、荒木村重役をなかなか、うまく演じていたので、改めて、荒木村重を考察する過程でこの作品を知ったので、読むことにした。戦国大名というものは、全く、主君を選ぶことも命懸けであること、又、その一族郎党ともども、ひとつ間違えば、謂われのない、或いは理不尽な理由で、磔にもなってしまう。まるで、今日のサラリーマンの人事抗争さながら、もっとも、自己破産しようが、今日では、少なくとも、磔にはならずに済むから、まだましなことであろうか?
    小説というものは、ある種、作られたものであるとはいえ、当時の勝者の歴史、敗者の歴史をどれ程、反

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    2014年07月05日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    強いことが全てじゃないし、弱いことは悪いことだと思わないけど、自分の弱さのせいで他人に迷惑をかけたり不幸にするならそれは反省すべき改善点でしかないと思うのです。
    伊藤はそのことを知っているのに同じことを繰り返す。それは反省する自分に酔ってるだけ。弱き者はつべこべ言わずに従えばいいのです。それもまた強さだと思うんですけどね。
    でも伊藤はそれも出来ない。
    清吉じゃないけど最後は本当にぶん殴りたくなりました。マリア像と対話するキクが健気で可愛いらしかっただけに余計にボコボコにしてやりたい気分でした。
    あたしは善人でもキリスト教徒でもないので清吉と同じ心情にはなれませんでした。最後の最後まで伊藤という

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    2014年06月30日
  • 留学

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    自分も留学している身だが、共感することが非常に多い。留学考えている人はネットにある留学体験談じゃなくてこの本を読んだ方が良い。

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    2014年05月04日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    面白かった。江戸~開国の激動の時代における、キリシタンの扱い。その中でも愛を貫いて死んでいくキクの姿に感動。

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    2014年03月05日
  • 私にとって神とは

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    遠藤周作の全著書に貫徹するテーマ、神の存在と働きについてどのように考えるのかを述べた書。日本人が取っ付きにくいとする宗教=ここではキリスト教に対し、いかに日本という土壌に照らして解し、神と向かい合って来たかを述べる。その取っ付きにくさの前提は、日本での教会のあり方に帰せられている。

    キリスト教徒と言えば「敬虔な」という冠が付くような、どこか隔絶された超然としたイメージが形づくられているとする。そうではなくて、自らの弱さに自覚的な「無理をしない」信仰のあり方もあるのだと述べることで、キリスト教および宗教一般に対する誤解を解こうとしている。

    本書において、遠藤は、日本の教会が現世における共同体

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    2014年10月02日
  • ひとりを愛し続ける本

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    嫉妬に関する記述に、とっても納得させられた。
    これから、嫉妬という感情が湧いてきた時には、
    この本を読み返そう。

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    2014年01月09日
  • 死海のほとり

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    ■『死海のほとり』 遠藤周作著 新潮文庫

    【全編4 メシヤ降臨とその再臨の目的】
     遠藤周作の力作です。イエスの歴史的実像とは一線を画し、我々においてのイエス、そして救いとは何であるかを問うています。追記にありますが、同著者の『イエスの生涯』と表裏をなす作品であるということです。『イエスの生涯』はイエス自身の歩みとその真実にスポットを当てていますが、こちらの『死海のほとり』はイエスを取り巻く群像の目線からイエスを描き、2000年後のイエスから離れることができない男たちの目線からイエスを語ります。
     原理の理解としては、後編のイエス路程よりも、前編の「メシヤの降臨とその再臨の目的」のほうが、内

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    2015年07月17日
  • 死海のほとり

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     遠藤の作品で五指には入る名著。しかし今までなぜか読む機会を失していた。私も33になり、イエスの昇天の歳であるから、特別な何もないけれど、思いだけは引き締まる中でこの書を読み始めた。過去に遠藤の著作にはどれだけ触れただろうか、20~30だろうと思われるが、その文体に触れるとなぜだか安心する。鮮烈な刺激とは違う、どこかこなれた、気を使わない暖かさを遠藤は与えてくれる。いつでも懐かしいのだ。早くに触れて、もう読み終わったというだけで意識から外れてしまわなくてよかったと思う。今だからこそ深い感慨があった。

     二つの視点が対位法のように独立した旋律を奏で信仰する。一つのイエスという内的軸とパレスチナ

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    2013年12月30日
  • 愛情セミナー

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    私は愛は修行だと思っている(笑)
    優しくて楽しい修行ね。
    愛はいつでも蜜月ではない。
    恋に落ちるだけならサルにでもできる(笑)

    性にタブーは必要で、やっぱり秘密は隠しながらジリジリ近づいていく感がないと喜びは少ない。

    信じることができないものづくしの世界で信じるものを持つことの美しさ。

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    2013年11月03日
  • 死海のほとり

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    愛はこの世で一番、非力で無力なものであった、とイエスが十字架で処刑される際、周囲の人間はつぶやいた。が、すべてが終わった瞬間、愛はこの世で一番美しく、力強く、人々の心に生き続けた。何故、イエスが人々の心に残り、我々の人生に影響を与え続けるのか?目を閉じ胸に手をあてて心に問い続けたい。

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    2013年09月29日
  • キリストの誕生

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    イエスの十字架の死後、12弟子を中心とする原始キリスト教団の使徒たちの心の中に再臨し、神秘的な救いを与えたイエスの復活、そしてキリストの誕生は、弱虫だった弟子たちを殉教をもいとわない強い信仰者に生まれ変わらせた。「汝の敵を愛せよ」、愛の人だったキリスト、2000年前のエルサレム、そして2000年の時空を越えて、今もなお現代世界に生き続けるキリスト教の教えに想いを馳せる。

    キリスト教がこれら敬虔なユダヤ教徒の中から生まれ、キリスト教が何故、ユダヤ人を越え、多く異邦人たちの世界的な宗教になったのか?その理由がよくわかる。

    イエスが死んでしまったために、原始キリスト教団はその神学的解釈を巡り、そ

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    2013年09月15日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    ドッグイヤーつけすぎてどこから書いていいのやら。
    それくらい大事なセンテンスと言葉の宝庫でした。
    遠藤周作は少し難しめに表現するけど現代の選書を五冊くらい読むに値する内容かと思う。

    帯では阿川佐和子さんも推薦してた。

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    2015年11月12日
  • 母なるもの

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    キリスト教徒だった母親の影響を受けたながら反発した少年時代、フランス留学、背教者と隠れキリシタン等々を描いた自伝的短編小説。特に印象に残ったのは開国後に日本に来た神父による「信徒再発見」後に多くの隠れキリシタンがカトリックに改宗(?)する中、昭和になっても隠れキリシタンの教えを守る人々が残っていたという事(周りの地区と交流を避け、就職・結婚で差別もあったらしい)。もう一つは鎖国後に日本へ潜入した宣教師シドッティーの話。20年以上前に屋久島に行ったときに「シドッティー(シドッチ)上陸地」という場所があり、当時は「シドッティーwho?」だったのですが、初めてシドッティーの行く末を知ることがで来まし

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    2013年07月07日
  • 愛情セミナー

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    改めて読んだけどやっぱいいなぁこれ。すごくためになるし、心に刺さる言葉がいくつもある。
    この人と結婚したいなと思える人がいたら是非とも読んで欲しいと思う本。
    結構毒が強くて、ネットのブログなんかだと炎上しかねないようなテンションなので、著者の偏見と冗談を笑ってスルーできる女性には勧められるけど、いらっとくる人には激おこぷんぷん丸程度じゃ済まないかもしれないので、注意して読んで頂きたい。

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    2013年06月27日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    高校生の頃、世界史の授業でフランス革命について学び、もっと詳しく知りたいと思って手にとった本。これを読んでいたおかげで、テストではバカ暗記をせずに済んだ。教科書に書いてあることだけを読んで「フーン」と暗記に時間を取られるよりも、本を読んだり、映画観たりして理解するのが断然効率が良い。…と、実感した次第でございます。テストに出てくるような人物も必ず物語に登場するしね。

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    2013年05月17日
  • 王国への道―山田長政―

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    めちゃおもしろかった。地上の王国と天上の王国、2人の対比が実にオモシロい。沈黙やディープリバーももちろんオモシロかったんだけど、あちらは宗教色、神とは、みたいなのが強いのにたいし、王国への道ではあくまでメインでないあたりが読みやすい。
    過去、世界的にみても優れた兵士だった日本の侍。外国で戦った山田長政はすごかった。

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    2012年12月12日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    1部ほどの衝撃はないけれど、やっぱり、これも傑作だと思う。修平を想うサチ子の話とコルベ神父のアウシュビッツでの話が交互に出てくる前半はもう苦しくて。アウシュビッツでの話が、これからどんどん激しくなる戦争やその波に飲み込まれていくであろう2人の未来を暗示してるようで。想い合っても自由にならない戦時中の2人が悲しかった。後半、終戦に向かうあたり、あああ長崎は原爆が落とされたんだと気づき愕然とした。本当に読んでて苦しかった。キクの時もサチ子の時も苦しい時に2人のそばにいた、大浦天主堂のマリア像に会いに行きたくなりました。

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    2012年12月04日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    すごい衝撃受けた作品。一心にキリスト教を信じる清吉と、そんな清吉を一途に想うキク。どちらも真っ直ぐで純真で、どちらも幸せになってほしいとずっと思いながら読みました。すごく引き込まれた。幕末(江戸時代も)のキリシタンのこともあまり知らなかったので驚いた。2人以外に、伊藤のことがすごく気になって。自分の心に向き合えずコントロールできない伊藤が、歳を重ねて、清吉に会ったところがすごく印象的だった。

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    2012年12月04日