遠藤周作のレビュー一覧

  • 海と毒薬

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    人は誰かから罰せられるから罪があるのか、罪が先か罰が先か。
    良心の有無に限らず、誰しも罪を犯す可能性はあると言う事だ。どれだけ良心の呵責に苛まれようとも、結局犯した罪の重さは一緒。
    罪を犯してしまうのは環境のせいではなく、各々の選択の結果である。

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    2024年11月07日
  • アラベスケ 遠藤周作初期エッセイ

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    若い頃に書かれたエッセイ
    堀辰雄に影響を受けたこと
    そして彼の作品を貫く
    宗教と無意識 無意識による罪
    モーリヤックのテレーズ デスケルウ
    彼はフランス留学中にテレーズを
    追って旅をする

    結核で留学を切り上げ
    治療を続けて回復するが
    この病がさらに作品に影響を与えたと
    思わせる
    読む進める毎に遠藤作品の
    奥深さを考えさせられる

    また読み返してみようか
    海と毒薬 沈黙


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    2024年11月06日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    今更になって読む遠藤周作。
    マリー・アントワネットと対の立場となる少女を据えたのが面白い。ただ彼女が読者を映すわけではなく、性格はそれほど良くないし恨みがましい。

    知らないエピソードが多く、興味深くてどんどん読み進めることができた。
    歴史の教科書でしか知らない人物に血が通っていくのは何度経験しても良いものだ。

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    2024年11月02日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    この小説に描かれているレベルの悲しみを、噛み締めることができるほどの経験が、まだできていない。
    矢野教授のように、自分が偽善的だと反省することもなく、周りに偉そうにして生きている人間もいるし、折戸新聞記者のように、正義を振り回して人を不幸にする人もいて、世の中は正しいとか正しくないとかで決めつけられないのに、自分は同じような振る舞いをしていないか、考える。
    今の時代は、新聞記事だけではなく、SNSで、正義感たっぷりに誹謗中傷している人がたくさんいる。
    人が人を裁くということが、無くなればいいのだけれど、やっぱりそれが完全に無くなると社会が成り立たないのかな。
    人生は悲しみに満ちているけど、最後

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    2024年10月29日
  • 海と毒薬

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    ネタバレ

    尊敬する人が遠藤周作さんの本がお好きとのことで読んでみました。
    戦争時の生体解剖に関わった人の話。
    実際に起こった事件から、少し内容等変えて書かれているそうですが(解説で知りました)
    本当に起こっているかのような表現に、ドキドキハラハラしながら読みました。
    途中良心が痛みすぎてしんどくてなかなか読み進められないところがありましたが、勝呂さん、戸田さんそれぞれの心境がよく書かれていて、私は勝呂さんの方にとても感情移入しましたが、戸田さんのような人も中にはいるのだなぁと思いました。
    勝呂さんもこのようなご経験があったから、冒頭のような生活をしていたのか…などと後でつながりました。
    戦争時の心理状態

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    2024年10月17日
  • 死海のほとり

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    宗教というものを信じていない分、共感出来ない部分は多かったがそれを抜きにしても面白かった。

    誰もが持つ弱さや狡さとしっかりと向きあい
    咀嚼していく。

    そんな生き方をしていきたいものです。

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    2024年10月15日
  • P+D BOOKS おバカさん

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    フランスからやってきたナポレオンの子孫ガストン.そのバカと見まごう無私の行動が引き起こす顛末.彼は何をしに日本に来たのか謎を残しつつその姿を消した.キリスト教信者らしい遠藤周作のイエスの一つのありかたのようだ.

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    2024年10月04日
  • 夫婦の一日

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    ネタバレ

    【夫婦の一日】
    夫婦揃ってキリスト教徒だが、妻が夫の身を案じるあまり占いに頼って言われたことを実行しようとする。

    【授賞式の夜】
    キリストの教えを守る模範的教徒(?)が実は教えを破り滅茶苦茶にしたいという願望を密かに持ち続け、よく暗示的な夢を見る程追い詰められている話。

    【ある通夜】
    敬虔なキリスト教徒が、見た目は自分と瓜二つだがダークな従兄弟に、心の底に眠る欲望を刺激されて葛藤する話。

    【六十歳の男】
    肉体の衰えと死に怯える男が、女子高生の生命力を目の前にして欲望を感じる。

    【日本の聖女】
    「沈黙」に通ずる、中世日本のキリスト教観の話。日本人は十字架を下ろすために解脱する。キリストは

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    2024年10月03日
  • 海と毒薬

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    序盤から最後まで全体が乾いてる印象を受けた、
    けれど手術の場面では水、汗、血、が滴る感覚と
    同時に緊張感を感じて名作と呼ばれる所以を感じた

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    2024年09月29日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    表現に関して一読してみるとよい本として紹介されていた作品。私にとっては少し昔の作家さんの印象があって、読みにくい文章なのかなぁと構えていたものの、挑戦的なタイトルに興味を惹かれて読んでみた。そしたらびっくり。中の文というか語り表現が、内容以前に単純に楽しかった。まっすぐさっぱりアイロニックで、こんなに吹き出すように読む本だとは思わなかった。
    男女の捉え方や、取り上げられているものが手紙、というのが時代を感じさせるものの、伝えたいことを伝える、という観点は現代も変わらない。大切なことは「読み手(相手)の身になって」ということ。
    食わず嫌いせずに読んでよかった。

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    2024年09月28日
  • ぐうたら人間学 狐狸庵閑話

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    面白いけど昔の爺さん特有の一部の人間への偏見が満ちてる。
    あと所々話盛ってるだろってのもチラホラ。
    フィクションとしては楽しい。

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    2024年09月11日
  • 自分をどう愛するか<生活編>幸せの求め方 ~新装版~

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    初版が1982年のため、現代の感覚ではどうかと思う部分もあるが、基本的に、日々の暮らしで凹んだり、自分に自信をなくしたりしたときに、こういう考え方もある、と力をくれそうな本。
    時々読み返したい。

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    2024年08月19日
  • 砂の城

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    『万葉と沙羅』という作品に登場した本作。
    気になって手に取りました。
    文章が柔らかく綺麗で読みやすかったです。

    高校から短大へ、
    青春時代を過ごす泰子を主人公に、
    周囲の変化や人間関係を描いています。

    個人的に印象に残っているのは、
    冒頭の泰子が16最になった際に届いた亡き母からの手紙です。
    戦争を経験し、自分の愛しい我が子に思いを伝える文面がとても。

    そこから泰子はブレずに成長していくのも個人的には読んでいて安心しました。
    恋をしたり思想をもったり、それぞれが変わっていく中、泰子の自分を見失わない姿が協調され、泰子を羨ましく思いました。
    (私自身はブレブレの人生のため。苦笑)

    そして

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    2024年08月16日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    ネタバレ

    狐狸庵ものの先駆けなる、手紙の書き方を中心とした軽妙なエッセイ。死後発見された原稿ながら、昭和三十五年ごろの、新婚で幼い長男を抱えた遠藤周作が肺結核を患っていた頃のものらしい。
    男性読者を想定したものでもあり、かなり時代は感じさせるし、すごく腑に落ちながら読んだわけではないが、「読み手の身になって」書け、という一貫した主張も時に語られる人間心理も普遍的なものである気がした。恋文書く側は男性編で、断る側は女性編と銘打たれているのが、昭和というより平安時代の古典常識だなと思った。森鴎外は『雁』で、「見られる」女から「見る」女への転換と挫折を描いたけれど、このエッセイでは一貫して女は受け身。その辺が

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    2024年08月05日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    古い内容や、現代の文筆家ならしないような表現もあるが、全体的には面白い。軽く読めて、へぇ、ふむふむ、と楽しめる。
    作家ならではの視点や洞察や感性に満ちているし、うまい言葉で書き表しているなぁと思うところも随所にあった。隙間時間にオススメできる一冊。

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    2024年07月30日
  • キリストの誕生

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    ネタバレ

    まず著者自身が疑問を持って考え尽くしたのだろうと思った。迷い苦しむ弟子たちに対する親密なまなざしが、文面からでも伝わってくる。
    キリスト教のことはよくわかっていない立場からの感想だが、取り繕わずに率直に、堅苦しくなく書かれていて非常に興味深く読んだ。
    著者による福音書の読み解き方を知るにつれ、使徒たちの死を「書かない」という行為に、ルカの正直さと人間味を感じた。胸に浮かんでくるこの気持ちは何なのだろうか。書物の向こうに人間がいると気づいたような感覚。
    死はきっとどんな人間にも呆気ない。たとえ神に一生を捧げた者でも、死には劇的なものなんてないのではないかと思う。
    強い信仰を持ったことがないわたし

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    2024年06月27日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    教養なく見た目もよくない森田ミツは、修道女に「一番好きなのはミッちゃんみたいな人。どういう人になりたいかと問われればミッちゃんのような人」と言わしめ、自分を棄てた吉岡に「聖女」と言わしめる。

    他者に強く強く共感し、自分ごとのように他者の苦しみを受け止め、他者の苦しみを見過ごせないミツ子は、それが美しい行為であることに本人は全く気づいていない。だからこそ、その心の清らかさに周囲が圧倒される。

    社会の角で生きて早逝したミツ子は、確かに「消すことのできぬ痕跡」を吉岡に残した。私自身もまた本書を通してミツ子と出会い、その痕跡を残されたような気がする。

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    2024年06月14日
  • 秋のカテドラル 遠藤周作初期短篇集

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    ここまで心の機微を表現出来るのが、凄い。自分の気持ちの有り様を言葉に正確に移し替えてあるその見事さ。初期でこれほどとは。

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    2024年06月09日
  • 侍

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    なんというか、すごい本を読んだ。
     300ページ超とそれほど分厚い本ではないのに、重苦しく読むのに10日と、とても時間がかかった。が、つまらないからでは決してない。
     この本の感想を言葉で表す術がない。怒り、悲しみ、切なさ、理念、信念…少し、頭をひやしてじっくりと脳みそがことの本質を理解するのを待つことにする。いや、もしかしたら感想を書くこともできないかもしれない。私のような凡人にこの本の感想を書く資格などないのかもしれない。

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    2024年06月04日
  • 私にとって神とは

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    キリスト教は人間の執着とか欲望があってその中に神の動きをみつける、というのが面白いと思った。
    ユダヤでは差別されていた人たちに声をかけて慰めたのがキリスト。仏教のように執着を捨て、静かに死んでいくのではなく、波瀾万丈でドラマチックに苦しい死に方をするキリスト。
    また男性的なユダヤの世界旧約聖書と比べて、新約聖書キリスト教では女性的な母の愛の要素が多いという捉え方もおもしろかった。
    また遠藤周作作品読んでみたくなった。

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    2024年06月04日