遠藤周作のレビュー一覧
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個人的には、大河ドラマで田中哲司さんが演じていた荒木村重。
あの外見(いかついんだけどなんか優しそうで頼りない感じ?)がすごくこの小説の村重像に合っていて、想像が捗りました(笑)
本作は荒木村重という、最低の裏切りものとして名高い、めちゃくちゃ嫌われてる武将を主人公に据え、彼が抱く鬼上司信長への畏怖が不満となり、恨みに変わっていくところにドラマを見る作品です。
そつなく仕事をこなしながらも、その過程で信長にはげしい逆心を燃やす過激派の松永久秀や、乱世を嘆きながら信長に従うキリシタンの高山右近、人を従える身ながら信長とは対照的な本願寺の顕如上人と出会い、関わることで葛藤し、変わっていく過程が -
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ネタバレ面白かった。オーストリアから国の友好のために嫁入りした美少女マリー・アントワネットの、宮廷での人間らしい振る舞いは等身大で、ルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人に義憤を募らせるところや、小太りでうだつの上がらない夫ルイ16世への親愛と失望や、人間としてあるあるな心の動きが描かれていて理解しやすかった。悪気はないけどわがままで楽天的でチャラくて、それでもコミュ力はあって華やかなこういうギャルいるよなぁ。決して悪人ではなくて、スエーデン人のフェルセンを弟のように保護してあげようとする女心とか、無邪気なところとか、良いところも悪いところもひっくるめた人間アントワネットをそのまま描いていて好きだ。一方裏で
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某所読書会課題図書:明治維新直前の長崎で、当時禁制の切支丹たちが体制の惨い仕打ちに耐え忍んでいく壮絶な物語だが、キクの生き方を中心に当時の農民の生活、都市に住む人々の暮らしなどをリアルに描いており、非常に楽しめた.プジジャン神父が隠れ切支丹を探す過程で当時の長崎の日常が克明に描写されており面白かった.切支丹への拷問は卑劣なもので読んでいてあまり気分は良くなかったが、それに耐えて信仰を守る信念は素晴らしいと感じた.役人たちの行動も容赦ないもので、特に伊藤清左衛門のそれは見苦しいものだったが、最後の場面での告白は小説として最高のエンディングだと思った.
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「海と毒薬」の30年後を描いた後日談
以下、公式のあらすじ
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生きることの悲しみ。我々の生に内在する本質的な悲しみに向けられる眼差し。
『海と毒薬』から二十年後に書かれた「後日譚」。
米兵捕虜の生体解剖事件で戦犯となった過去を持つ中年の開業医と、正義の旗印をかかげて彼を追いつめる若い新聞記者。表と裏のまったく違うエセ文化人や、無気力なぐうたら学生。そして、愛することしか知らない無類のお人好しガストン……華やかな大都会、東京新宿で人々は輪舞のようにからみ合う。
――人間の弱さと悲しみを見つめ、荒涼とした現代に優しく生きるとは何かを問う。
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