遠藤周作のレビュー一覧

  • 反逆(上)

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    個人的には、大河ドラマで田中哲司さんが演じていた荒木村重。
    あの外見(いかついんだけどなんか優しそうで頼りない感じ?)がすごくこの小説の村重像に合っていて、想像が捗りました(笑)

    本作は荒木村重という、最低の裏切りものとして名高い、めちゃくちゃ嫌われてる武将を主人公に据え、彼が抱く鬼上司信長への畏怖が不満となり、恨みに変わっていくところにドラマを見る作品です。

    そつなく仕事をこなしながらも、その過程で信長にはげしい逆心を燃やす過激派の松永久秀や、乱世を嘆きながら信長に従うキリシタンの高山右近、人を従える身ながら信長とは対照的な本願寺の顕如上人と出会い、関わることで葛藤し、変わっていく過程が

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    2025年04月01日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    ネタバレ

    面白かった。オーストリアから国の友好のために嫁入りした美少女マリー・アントワネットの、宮廷での人間らしい振る舞いは等身大で、ルイ15世の愛妾デュ・バリー夫人に義憤を募らせるところや、小太りでうだつの上がらない夫ルイ16世への親愛と失望や、人間としてあるあるな心の動きが描かれていて理解しやすかった。悪気はないけどわがままで楽天的でチャラくて、それでもコミュ力はあって華やかなこういうギャルいるよなぁ。決して悪人ではなくて、スエーデン人のフェルセンを弟のように保護してあげようとする女心とか、無邪気なところとか、良いところも悪いところもひっくるめた人間アントワネットをそのまま描いていて好きだ。一方裏で

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    2025年03月21日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    奥川サチ子と幸田修平が育っていく過程を追いながら、戦時中の庶民の生活を丹念に記述することで、当時の空気をまざまざと感じさせる作品だ.アウシュビッツのエピソードも交えて、人間の残酷さを表現するとともに、神の存在を思索する人間の葛藤も示している.キリスト教の教えと戦争行為の矛盾に悩む修平.その中で特攻隊に志願して戦死する彼の思いをサチ子が遠くから紡いでいく過程が何とも言えないむなしさを覚えた.

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    2025年03月17日
  • 海と毒薬

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    戦時中の異様な環境と異常な振る舞いが生々しい。時代の大きな流れにただ飲まれるだけの絶望感の中に、立ち止まって孤立する主人公に自分もなれるだろうかと考えさせられる。

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    2025年03月13日
  • 砂の城

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    初めての遠藤周作さんの作品。
    昭和の時代を生きた若い女と男の話。
    同じ時間を共有してもいづれはそれぞれの道を歩んでいく。昭和の時代背景を書きながらも自身もどう生きていくのかを考えさせられる作品でした。

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    2025年03月08日
  • 侍

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    読んでいて、日本の迫害者への怒りとか、キリスト教の偉い方々への不満などを感じましたが、「それでも信仰するの?」という感想から「それでも信仰するよね!」という気持ちが少し出てきました。

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    2025年03月06日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    某所読書会課題図書:明治維新直前の長崎で、当時禁制の切支丹たちが体制の惨い仕打ちに耐え忍んでいく壮絶な物語だが、キクの生き方を中心に当時の農民の生活、都市に住む人々の暮らしなどをリアルに描いており、非常に楽しめた.プジジャン神父が隠れ切支丹を探す過程で当時の長崎の日常が克明に描写されており面白かった.切支丹への拷問は卑劣なもので読んでいてあまり気分は良くなかったが、それに耐えて信仰を守る信念は素晴らしいと感じた.役人たちの行動も容赦ないもので、特に伊藤清左衛門のそれは見苦しいものだったが、最後の場面での告白は小説として最高のエンディングだと思った.

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    2025年02月17日
  • 深い河 新装版

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    亡き妻の最後の言葉に応えるように、妻の生まれ変わりを探し求める磯辺。学生時代にからかったクリスチャンの大津という男がヴァーラーナシーにいると聞いて会いに行く成瀬美津子。病気で死にかけた自分の身代わりになってくれたと考えている九官鳥を思い、インドの保護区に九官鳥を放しに行く童話作家の沼田。インパール作戦に参加した木口。
    それぞれ異なるものを抱えた人々がインド仏跡ツアーに参加する群像劇。
    ツアー参加者ではないが、神学校に通いながらも善悪をはっきりと分ける考え方に馴染めず悩んでいる大津の人生が特に印象的だった。

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    2025年02月15日
  • 深い河 新装版

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    学生時代に友人から「是非読んでみろ、インドに行きたくなるから」と言われていた本。先日インド出身の方と飲む機会があり、故郷の話で盛り上がったので、勢いに任せて読んでみた。
    もっと魂が揺さぶられるのかと思っていたが、そうでもなく、ただ普通に読み物として面白かった。

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    2025年02月14日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    「海と毒薬」の30年後を描いた後日談

    以下、公式のあらすじ
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    生きることの悲しみ。我々の生に内在する本質的な悲しみに向けられる眼差し。
    『海と毒薬』から二十年後に書かれた「後日譚」。

    米兵捕虜の生体解剖事件で戦犯となった過去を持つ中年の開業医と、正義の旗印をかかげて彼を追いつめる若い新聞記者。表と裏のまったく違うエセ文化人や、無気力なぐうたら学生。そして、愛することしか知らない無類のお人好しガストン……華やかな大都会、東京新宿で人々は輪舞のようにからみ合う。
    ――人間の弱さと悲しみを見つめ、荒涼とした現代に優しく生きるとは何かを問う。
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    2025年02月12日
  • イエスの生涯

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    あとがきにもあるが、神としてのイエスではなく、人間としてのイエスの生涯。
    人間は結局、現実的な効果を求める。それをイエスは「汝等は徴と奇蹟を見ざれば信ぜず」と言う。

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    2024年12月19日
  • イエスの生涯

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    聖書ではないイエスの生涯を辿る本。聖書のマタイ伝とかも読んだが本書は小説なので読みやすい。
    ユダヤ教の分派から生じた異端児にして革命を期待され果たせずに民衆から見放されるという流れ。大工の息子だし絵画にあるような華奢な人では無かったとは思う。奇跡については怪しいが「皇帝のモノは皇帝に…」とか相手の狙いを見越した上でいなす知力の高さは本書を読んでも頷ける。
    ユダの裏切りが有名だが他の弟子達の真の裏切りについても言及されており自分も本書の説明の方が理に適っている気がした。

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    2024年11月30日
  • 砂の城

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    遠藤周作の本って大体こういうオチだよな、という予想通りのラストだったけど、良かったです。賢い生き方も、かわいそうな人生も、本人が幸せならいい。全て美しいと感じさせてくれます。

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    2024年11月25日
  • 海と毒薬

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    戦禍の白い巨塔 やはり残る作品には文学となる良さが確実にあるのだと思う。戦禍という極めて厳しい状況下において、病院で繰り広げられる人間模様と人間の探究および医学の進歩への貢献。これは日本特有のものではなく、どの国にも、いやこれより酷い状況の場合も確実にあったと思う。モラルは今では考えられないほど低かったし、人権なんてなかなか重んじられていない時代でもあったわけだし。過去の惨劇があって、今がある、というわけだ。

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    2026年03月14日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    40年近くも古い本だけど、
    マリーアントワネットの生涯について興味があり、
    何故罪に問われ殺されたのか、
    その時代の王室と市民の乖離した感覚など、面白かった。
    少しは(どの程度か分からないけど)脚色され、物語としている部分があるので、全てが真実ではないけど。
    上巻なので、まだ半分。

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    2024年11月22日
  • 反逆(下)

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    いろいろと評価はあろうが、冷酷で、かつ残忍、自らが神になろうとした織田信長。もはや人ではなかったのかもしれない。
    対して、荒木村重、明智光秀、高山右近らの武将をみると、戦いに関し、人間的な悲しみ、弱さ、悲哀を感じていた人間らしい武将であった。
    こんな視点で書かれた正に名作と言える。

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    2024年11月19日
  • アラベスケ 遠藤周作初期エッセイ

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    遠藤周作さんの本久しぶりに読んだけれど、文章の情景がすぐに広がってとても美しい。こんなだったのかな? 

    とても笑ってしまうほどの面白いミスタードーナツのCMと珈琲のCMまで思い出した。
    立て続けに読んでいた時と全く読んでいない今とを比べるためにも又読んでみよう。

    堀辰雄さんとの関係知らなかった事ばかりだ。

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    2024年11月13日
  • 海と毒薬

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    人は誰かから罰せられるから罪があるのか、罪が先か罰が先か。
    良心の有無に限らず、誰しも罪を犯す可能性はあると言う事だ。どれだけ良心の呵責に苛まれようとも、結局犯した罪の重さは一緒。
    罪を犯してしまうのは環境のせいではなく、各々の選択の結果である。

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    2024年11月07日
  • アラベスケ 遠藤周作初期エッセイ

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    若い頃に書かれたエッセイ
    堀辰雄に影響を受けたこと
    そして彼の作品を貫く
    宗教と無意識 無意識による罪
    モーリヤックのテレーズ デスケルウ
    彼はフランス留学中にテレーズを
    追って旅をする

    結核で留学を切り上げ
    治療を続けて回復するが
    この病がさらに作品に影響を与えたと
    思わせる
    読む進める毎に遠藤作品の
    奥深さを考えさせられる

    また読み返してみようか
    海と毒薬 沈黙


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    2024年11月06日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    今更になって読む遠藤周作。
    マリー・アントワネットと対の立場となる少女を据えたのが面白い。ただ彼女が読者を映すわけではなく、性格はそれほど良くないし恨みがましい。

    知らないエピソードが多く、興味深くてどんどん読み進めることができた。
    歴史の教科書でしか知らない人物に血が通っていくのは何度経験しても良いものだ。

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    2024年11月02日