遠藤周作のレビュー一覧

  • 死について考える

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    20年も前に書かれた本ではあるが、その姿勢は現代のターミナルケアに通ずる部分も多い。以下、自分の印象に残ったこと、気づき。

    ・最期に自分を支えるのは、やはり精神だ。先立たれた大切な人に会える、だとか苦しんでいることを理解してあげることが一番いい。
    ・延命処置の是非。尊厳死はどうなのか?天寿を全うしているなら、尊厳死でもいいのか?
    ・ACPは、死に直面したときに初めてスタートする。在宅医の先生の訪問診療について行った時の経験を思い出した。
    ・安楽死は可哀想だから死なせてあげるという家族のエゴが入っている。尊厳死はその人が死に方を選べる。しかし自殺はダメ。天寿を全うしてないから。
    ・痛みも生きて

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    2020年03月15日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    とても面白かった。題名が『王妃マリーアントワネット』という本だけど、歴史的に重要なフランス革命が起こった行きさつなどを、とても優しく、忠実にその流れを描き表せている。登場人物の描写やその心情が分かり易く、物語に深みを与える。
    最後結果はわかっているのにどうなるのかと、ハラハラした。

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    2020年03月12日
  • 愛情セミナー

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    遠藤周作先生による恋愛というか男女のあれやこれやに関するエッセイ

    前半はまぁ大体納得できる
    「情熱」と「愛」の違いとは?
    「信じる」とはどういうことか?
    「嫉妬」とはなにか?

    愛とは信じる事
    「裏切られた」「女は信用できない」という言葉は、まず「信じる」ありきということ


    心に残った部分

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    現代において女とたくさん寝ることは易しい。
    青春の論理としてむつかしい行為を選ばねばならぬ。むつかしい行為とはなにか。それはこの地上でたった一人の女を選び、その女を愛するように努力 することである。ひとりの女を選んだならば、それを生涯、棄てぬことである。これはやさしいこ

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    2020年02月27日
  • 白い人・黄色い人

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    遠藤周作氏の「沈黙」や「海と毒薬」、「深い河」等をこれまで読んだが、そこで出てくるテーマの前兆が、この本にも見え隠れしている。

    肉欲(サディズム含め)、日本人の良心・罪意識のなさ、異文化で根付かぬキリスト教、そしてだれかにとってのユダ、、、
    裏切りの心理描写が絶妙。

    うーん。遠藤氏は良心の呵責を(少なくともはっきりとは)感じない日本人をよく描いているけれど、自分は全体的にそこまで無感覚ではないと思うなあ、、、

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    2020年02月03日
  • 死海のほとり

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    遠藤周作、高校生以来久々に読んで、あれ、こんな読みやすい人だったのか。と思う。
    なんとなく親しみにくいイメージだったけど、まず、文体が読みやすい。

    今回は、イスラエル旅行に合わせて、イスラエルを舞台にした小説ということで読み始めた。
    なんせ、宗教をしっかり勉強したことなく、キリスト教とは、ユダヤ教とは、というか宗教だけじゃなくて、イスラエルの建国ってどういうこと?から、よく分かっていなかった私にとって、なんとなくキリスト教と、イスラエルの理解が進む、良本でした。

    特にキリスト教について、遠藤周作なりの、私なりの、理解ができて、なんとなくキリスト教に納得がいった。
    奇跡を起こさないキリスト、

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    2020年01月11日
  • キリストの誕生

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    --概要--
    ・「イエスが死後どのようにキリスト(救世主)として認められていったか」というテーマ。『イエスの生涯』に続く著書とのこと(私はこちらは未読)。
    ・巻末の高橋たか子氏の解説にあるように、「イエスという人が実際にいた、そして十字架上で死んだ、ということがあった、それを素材として創作された話が新約聖書なのだという見方」で書かれている。ペトロ、ヤコブ等の弟子や宣教師ポーロなどの視点で、彼らがどのような体験・思いから書簡(=今日の新約聖書)を書いたのかが様々な資料の研究の上に述べられている。
    ・イエスの死、迫害、分派、弟子や伝道師の殉教、ユダヤ戦争での多くの信徒の死といった苦境の中で、「神が

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    2019年12月29日
  • 侍

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    歴史に翻弄され

    海外からの文化が入ってきたばかりの時代で
    太平洋、アメリカ大陸、大西洋を渡って旅をするなんて
    とんでもない冒険であった事だろう。

    帰国後の国内情勢の変化も不遇であったが、信仰心に救いはあったのだろうか。

    #ダーク #泣ける #タメになる

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    2021年04月22日
  • 私にとって神とは

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    作家の目線で、聖書を史実か伝承か、効果的な創作としての一面などを説明してくれていて、私には非常に分かりやすい。聖書の別の一面を見ているようだった。
    ハッとすることが多い内容だった。特に、清浄であるということ、つぐなうということ。日本の文化として当たり前に受け入れてきたことがキリスト教の考え方との違いを生んでいるなんて、考えたことがなかった。
    著者の小説をより深く楽しむ手助けになる、興味深い一冊だった。

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    2019年10月30日
  • さらば、夏の光よ

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    イケメン南条、デブサ野呂、美人な戸田京子の三角関係のお話
    遠藤周作が本人の役で出てきて、若者から請われてトンデモな恋愛指南(唐辛子作戦とかヤキモチ作戦とか)をしてたりする

    こんな設定は現代のラノベに通じるものもあるし、前半は男女の機微を知らない若者をからかい半分にいじる周作先生のキャラがユーモラスに感じる
    でも、中盤から描かれてあるのは運命に翻弄される若者たちの姿
    何というか、もっとどうにかならなかったのかなぁと思わざるを得ない

    南条はまぁ一般的な感覚を持っているのであろう
    時として軽率だけども、若者ゆえのこらえ性のなさと見ればまぁ許せなくもない
    ただ、その行為が後にどんな結末をもたらすか

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    2019年10月26日
  • 砂の城

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    ◯青春小説、と帯にはあり、解説にも軽小説・青春小説とあるが、個人的な感想としては、別段軽小説でも青春小説とも感じなかった。(解説の文芸評論家は片手間で書いたのだろうか、それともこれが世間的な評価なのだろうか。)
    ◯「善なるもの、美しいもの」(自分が信じるなすべきことなのか、)を追い求めるも、時代や環境の波に飲まれ、脆くも崩れ去る砂の城としての人間の「エゴ」が描かれており、そういった重厚なテーマを、掲載雑誌テーマと、その読者層に伝わるように書いていると思う。
    ◯もしも軽小説・青春小説と読めるのであれば、表面的な感想であるが、むしろ著者の技術の賜物である。
    ◯ただし、その根底に流れるテーマは、「軽

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    2019年08月07日
  • 生き上手 死に上手

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    死について深く語る序盤、身近な人も含め死を意識してしまう。その後は生上手な面が台頭する展開に。遠藤氏は大きな病と戦っている経験から常に死を意識しながら生き急ぐあまりなんにでも興味を持って取り組まれた方だったのだろうと解釈する。冒頭、読者に引かれるような言葉をわざと持ってきて実は興味深いことをお教えくださる文体も好み。
    作者の積極性ある深い生き方を見習いたい。

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    2019年07月12日
  • 妖女のごとく

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    サスペンスっぽい作品。遠藤周作氏って、こんな作品もあるんですね(もともと、読んだことのない作家さんなので当たり前なのですが)。ひょんなことから、ある女性の身辺調査を始めたところ、その怪しい魅力に引き込まれていき引き返しせないことに。

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    2019年05月12日
  • 侍

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    「沈黙」のテーマ「神の存在の有無」に対し「侍」は「宗教とは何か」という問いかけの小説だと思います。

    キリスト教のお話でありながら、日本の宗教観についても描かれていて、「なぜキリスト教は日本に向かないのか」をヴァレンテ神父が語る場面は、深く頷きながら読みました。ヴァレンテ神父の語った日本の宗教観や社会構造は現代日本に脈々と受け継がれているものがあるのを感じました。

    また、江戸時代の日本社会の陰湿な部分を、政府上層部や役人の描き方や、暗く冷たい建物の描写で表してるところがすごく印象に残りました。

    でも正直読みながらずっと思ってたのは「ベラスコのせいでこんな事に…!!」ということです。こいつさ

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    2019年04月30日
  • 侍

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    沈黙とは異なるキリスト教歴史小説。
    政治の闇に弄ばれたと書くには足りない、男の生きざま。
    日本人の不気味さと誇りとを外国人の目を通し語らせているのが秀逸で、著者の目線の低さを感じる。

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    2019年04月12日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    昭和32年に発表された海と毒薬からほぼ20年後に書かれた後日談。読んだのは、昭和56年発行の7刷。
    読後、涙が。悲しすぎる。おバカさんで読んだガストンがキリストの再来かのような立ち位置で描かれている。勝呂医師の悲しみが若い新聞記者の折戸にはわからない。わかるはずもない。大学教授の矢野の表裏の顔。人間はひとつの偶然に、のればあるいは置かれた状況しだいでどんな悪をもやれる存在だ。それは水が低きにつくようなものでいかんともしがたい。そんなやんわりとした意図が悲哀とともに書かれてる。つらい。

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    2019年02月18日
  • 白い人・黄色い人

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    再読です。ちゃんと感想を記して​(2006年9月27日)​いるのにすっかり忘れています。感想を読み直してみるとわたしは主題(神の存在)を意識して読んでいません。同じ作家の『イエスの生涯』を読む前と後では理解度が違ってくるということだということです。

    「遠藤氏のごく初期の作品であり、・・・」(文庫解説山本健吉)確かに新鮮さと勢いがあります。解説最後に「作者は小説の中で、神の存在を証明するためには、いっそう氏のこと抱懐する主題を掘り下げなければならない、・・・」(昭和35年1960年)と鼓舞するようにお書きになっています。遠藤氏の友人ならではで、ないでしょうか。

    処女作『白い人』で芥川賞を受

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    2019年02月03日
  • 彼の生きかた

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    生来の吃音から人を避け動物に興味を持つようになった主人公が、職業もニホンザル研究を選択する。人間たちに翻弄されるサルを自分と同化し、幼なじみの朋子の影響で徐々に強い気持ちを持つように成長していく。2019.1.1

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    2019年01月01日
  • 白い人・黄色い人

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    暗く重い。後の作品につながるテーマがいくつも出てくる。深すぎて消化できなかった感じだけど、山本健吉のあとがきでちょっとすっきり。

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    2018年12月31日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    幕末から明治にかけての長崎において、密かに信仰を保っていたキリスト教徒が弾圧された”浦上四番崩れ”という歴史的史実を、弾圧されたキリスト教徒に思いを寄せる非キリスト教徒の女性キクを主人公に描いた遠藤周作の1982年の作品。

    『沈黙』でも描かれるようなキリスト教徒への迫害の様子のおぞましさはさることながら、主人公のキクとの出会いにょり最終的に改修する迫害する側の人間の心の弱さや、明治に入り諸外国との外交関係の観点から弾圧が次第に問題視されていく様子など、様々な主題が交差する。

    それにしても、若干ステレオタイプな表現もあるにせよ、遠藤周作はこうした悲劇的な女性を描かせても巧い。通俗小説ではある

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    2018年12月30日
  • 侍

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    「侍」は、実在した仙台藩の支倉六衛門常長をモデルとした史実に基づく小説であり、遠藤夫人が夫遠藤作周作の著作中で最も好きな作品として挙げている。

    キリスト教に帰依したことを理由に処刑されることとなった「侍」に従者が伝える「ここからは……あの方が、お仕えなされます」という台詞について、遠藤は「この一行のためにこの小説を書いた」と後に語っている。

    「あまりにも多くのものを見すぎたために、見なかったのと同じなのだろうか」

    「日本人たちはこの海を日本を守る水の要塞にして、自分たちは土の人間として生きてきたのだ。日本人たちはこの世のはかなさを楽しみ享受する能力もあわせ持っている」

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    2018年12月22日