遠藤周作のレビュー一覧

  • 死海のほとり

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    キリスト教でもなければイエスについてそこまで詳しいわけでもないのだが、イスラエルに滞在経験があり、ゆかりの地をあちこち回ったのでそのときの記憶とともに読み進めました。とかく神聖視されがちなイエスだが、実際のところその生涯は惨めでみすぼらしく、失望され、罵声を浴び続けてきた。しかしいつも苦しんでいる者悲しんでいる者のそばに寄り添うことをやめなかった。矛盾するようですが、自分はきっとイエスのような人間にはなれないと確信すると同時に、これまでで最もイエスを身近に感じられる、そんな小説でした。挟まれる私小説で語られる「ねずみ」のエピソードにより、そんなイエスの存在がよりくっきり浮かび上がる仕組みになっ

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    2015年06月14日
  • 鉄の首枷 小西行長伝

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    小西行長とはどのような人物だったのか、ここに全てが描かれています。商人の家に生まれキリシタンの洗礼を受けた彼。大名として生きるにあたりキリシタンとしての生き方との差に苦悩し、それでも面従腹背の生き方を貫き朝鮮の役に当たった彼の姿に心を打たれました。そして報われぬまま首枷を嵌めたまま散った儚さなど。
    生き方により形成される矜持やしがらみ。それこそが鉄の首枷であると感じました。首枷を外すことのできた右近、首枷を首枷と感じなかった清正、首枷に抗いそれでも外すことをどこかで諦めた行長など首枷は様々な生き方を表していました。

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    2015年05月04日
  • キリストの誕生

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    「イエスの生涯」よりも難しい…。

    う〜ん、難しい…というよりも、
    弟子達や弟子の布教によって信徒になった人達によって
    イエスをキリストとして高めるまでの過程やその心情が、
    キリスト教徒でもなければ、
    他の宗教に強い信仰があるわけでもない私には理解しづらい。
    でもわかりたいと思ってしまう。なんだかちょっと羨ましい。

    イエス死後、弟子達の自問自答や自責の念を考えると切なく感じる。
    悩み続けるその姿に、同じ人間としての悲しみや弱さを見ることができ、
    遠い昔に生きた人達を少し身近に感じられた。
    弱さがあったからこそ強い信仰につながった、というのは納得。
    イエスの復活についての考えも、なるほど〜と思

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    2015年03月09日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    著者は遠藤周作となっているが、彼の死後に編纂されたアンソロジーだ。悩みを抱えて購入したもので、曽野綾子氏と同じくキリスト教者の手による文章というのが我ながら面白い。仏教関連の本としては五木寛之氏を思い浮かべるが、思想の違いを感じる。遠藤氏のエッセイから多くの文章が選ばれているが、中でも「バカ正直」にまつわる話に共感した。まあ多くの男女が共感できるものではないとは思うので、興味のある方だけにしかお勧めできないが……

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    2017年08月20日
  • 遠藤周作短篇名作選

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    一貫して同じ主題の短編小説が続く。
    同じところを掘り続け、深く深くなっていくのに、掘るのをやめない。

    「海と毒薬」をもう一度読み返したくなった。

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    2015年01月17日
  • キリストの誕生

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    前著の変奏。興味深いが感銘は受けなかった。人間の完成でも、教祖でもなく、信仰の対象になったイエス。泥臭い弟子たち。時の流れの数奇さ。

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    2014年12月15日
  • 彼の生きかた

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    口の不自由な男と猿達、
    それを取り巻く人間達の話。

    主人公の男の性格の為か、
    海と毒薬、侍といったような作品と違い
    スッキリと明るい印象を受けました。
    結末もどこかおとぎ話のようです。
    読み終わった時、
    ずっしりと重い気持ちは残らず、
    彼の純朴さが心に残るようでした。

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    2014年10月09日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    タイトルに惹かれて借りた。
    非科学的なこと、精神学の分野の話題が出てくる。静かな夜に読んで考えに耽るのにぴったり。

    2014.09.21

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    2014年09月22日
  • 死海のほとり

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    ネタバレ

    やはりというか、暗く不気味な物語であった。現代の『私』の旅行記・回想と、イエスの生涯の一部が交互に語られていくが、何せよどちらも暗い。
    物心ついたときからキリスト教徒に「させられていた」主人公が、棄ててしまった信仰の原点を求めにエルサレムへ。だが、イエスの影など跡形もなく、曖昧な聖書の記述にそって決められた、イエスを記念する場所。
    民衆から見放され、ゴルゴダの丘へと至るイエスの姿は、後に西洋世界の、ひいては世界全体の歴史に大きな影響を与えることになったキリスト教のいう『神の子』のイメージからはあまりにもかけ離れている。とにかくみすぼらしい。
    そして、『私』の回想の中でたびたび登場する『ねずみ』

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    2014年09月15日
  • 反逆(下)

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    とにかく読みやすかった。
    10代の頃に読んだ時と、感じ方がすごく変わっていて、でもやっぱり面白いなと感じました。

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    2014年07月22日
  • ぐうたら愛情学 狐狸庵閑話

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    昭和48年に刊行された本。
    たまたま手にとって読んでみたら現代にも通じる恋愛のあれこれ。
    男と女ってずっと変わらないんだなー。いい本と出会えた♪
    ぐうたら交友録、ぐうたら人間学も読んでみたい。

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    2014年06月15日
  • 反逆(上)

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    20年程前に読んだ作品を改めて読んでいると少し大人になった自分は大きな組織で働く辛さを共感できました。遠藤周作さんの作品は司馬遼太郎さんとは、違う描写やアプローチがあって面白い。大河ドラマ軍師官兵衛とダブル部分があって、興味を持って読みすすめることが、できました。

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    2014年04月14日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    『沈黙』の遠藤周作氏による自由な随筆(エッセイ)。生と死、人間と動物、趣味関心など、様々なテーマから自由に語られるエッセイは重苦しい『沈黙』と同じ著者が書いたとは思えないほど読み進めやすく、面白い。

    超常現象や動物と人間の関係など、ははぁと思わされるテーマが多く、読んでいて非常に充実していた。

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    2014年03月17日
  • 周作塾

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    タメになったりならなかったり、この人が語る講演会はきっとおもしろいだろうなと思います。
    色んなことに興味があるんだなと関心しました。だから「沈黙」のような純文学から「王妃マリーアントワネット」のような歴史もの、「砂の城」のような青春もの、「ぐうたらシリーズ」のような肩の力が抜けるエッセイまで色んなジャンルが書けるんですね。
    最初に書かれていた名前を2つ持つこと、友だちを作る方法として笑顔でいること。この2つが一番印象的でした。

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    2014年03月07日
  • 反逆(下)

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    荒木村重の反逆から明智光秀の反逆を描いている下巻。光秀と秀吉の関係、秀吉と織田家諸大名の力関係から秀吉が抜き出るまでの描写が面白かった。下克上の世の中でのそれぞれの登場人物の心理、それを圧倒的なカリスマ性で有無を言わさぬ織田信長の存在はあまりにも大きい。
    また、遠藤周作自身のテーマでもある、キリスト教と日本人の描写が細かなところでも出ているように思われる。高山右近の描写が細かくて、次はそちらの視点を描いた作品を探そうと思った。

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    2014年02月20日
  • 反逆(上)

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    遠藤周作戦国三部作の一つ。タイトル通り、戦国のカリスマ、織田信長への謀反につながる反逆心を内面から描いている。派手に戦をする描写ではなく、心情を描いている本作は、現代の組織体制の中で抑圧されている人たちにも通じると思った。歴史は時代の勝者が作るものという先入観があるのだが、その歴史の寵児であった信長への反逆心を描く作品はそれほど多くは無い。
    松永久秀の謀反、高山右近・中川清秀の離反、そして秀吉の虎視眈々と機を窺う人間の内面を描いた本作は読み応えがある。

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    2014年02月18日
  • さらば、夏の光よ

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    それぞれの立場に立って考えると、言い分もあって世の中うまく行かないなと思いました。
    南条は自分の気持ちにまっすぐに生きただけだし。京子は周りに流されながらも、運命のいたずらで自分の思いとは違う方向に行ってしまう。野呂は大切な人大切にしたがために、生き残り思い出とともに、苦しみの中で生きていくしかない。
    切ない話です。

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    2014年01月12日
  • 満潮の時刻

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    生を見つめる眼、沈黙の声。著者の訴えたいことが、じわりと伝わってくる。生活と人生は違う。なので日常から離れた入院生活で実感できたのだろう。14.1.8

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    2014年01月08日
  • 死海のほとり

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    イエス・キリストの真の姿に迫る名作。イエスの実像は聖書に描かれている姿とはかけ離れた、みすぼらしく、人々から嘲られ、惨めな一生を送ったと描かれるが、イエスが周囲の人々に示した愛は、関わった人々の心に深く刻まれていく。並行して語られる現代の物語との後半のシンクロは圧巻。
    僕はキリスト教信者ではないし、聖書物語も信じていないが、この小説でイエスが示した愛は信じる。

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    2013年12月21日
  • キリストの誕生

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    聖書だけでは理解出来ないイエスが処刑された後の使徒たちの考え方や性格がとても分かりやすく説明されていた。賛否両論ある内容だとは思うが。遠藤氏はキリスト教徒のはずだがどこか覚めた視線をお持ちなので、非キリスト教徒が読んでもとっつきやすかった。

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    2013年12月01日