遠藤周作のレビュー一覧

  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    祖父の本棚からもらってきた本。
    共感できる言葉、勉強になる言葉、自分を戒めてくれる言葉などたくさんあった。
    全部挙げればキリがないので、いくつかだけ挙げたい。この一冊を何度も読み返したい。

    「我々の人生というものは、自分が選ぶ状況と、自分の意志とは関係なく与えられた状況がある」

    「我々の人生のどんな嫌な出来事や思い出すらも、ひとつとして無駄なものなどありはしない。無駄だったと思えるのは我々の勝手な判断なのであって、もし神というものがあるならば、神はその無駄とみえるものに、実は我々の人生のために役に立つ何かを隠しているのであり、それは無駄どころか、貴重なものを秘めている気がする」

    「我々の

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    2023年04月29日
  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ

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    1950年代から1990年代に書かれたエッセイ。再掲もありますが多くは遠藤周作文学館の資料室で見つかったものだそう。遠藤周作が語る書籍、映画など当時の文化を感じられる。個人的に印象に残ったものをピックアップ。

    ※巻末の初出一覧から発表年を書き出しました。

    ・フランスの街の夜
    表題作。再掲。戦後が色濃く残る1951年。周囲の小国から入ってきた人たちの悲しみ、フランス人自体の悲しみが空気となり存在している。

    「誰もが一度は味わってみたいとお思いになるフランスの魅力」(P12)

    とありますが1951年発表のエッセイなので今の若い人にはもうそういった感情はないかもしれませんね。私もフランスは好

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    2023年04月21日
  • 影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

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    文庫版解説で朝井まかて氏が、遠藤周作氏の別著作である「わたしが・棄てた・女」を読んだ時に「小説はここまで書くものなのか」と心を揺さぶられた、と印象を語っているが、著者の死後に発見されたという今作に対しても、当てる角度は異なれどまさしくその表現がふさわしい、と私は思った。
    私小説、とまでは言えないとしても、自身とその家族がモデルであることは自明であるこの「影に対して」には、文字通り愛憎入り混じったどうにも昇華しきれぬ澱のようなどろりとした感情が塗り込められている。
    できれば人に知られたくない、あるいは自らが思い起こしたくもないであろう過去やそれにまつわる自身の想い、それらを曝露することこそは、紛

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    2023年04月13日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    名作『海と毒薬』と『お馬鹿さん』を絡めた続編と言ってもいい作品。
    私はそのどちらの作品も感銘を受けたけど、絡めているからこそ更に響くものがあり。
    正義は時に人を苦しめるし、素直さが自分を苦しめる。
    悲しい歌だ。

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    2023年04月01日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    筆不精を直す話。今の時代なかなか手紙を書く機会はないが、昔からよく書いていたことを思い出す。
    便箋、封筒、葉書、切手を身の回りに用意しておくこと。字の上手下手や文体にこだわらず書いていたことを思い出す。
    恋文に関することに多くの紙面を割かれている。
    書き手に興味を持たせる。
    相手の美点を上手に褒める。
    無駄な不安感や警戒心を与えない。
    ネチネチしたものの言い方を避ける。
    褒める場合の要領は以下の2点。
    抽象的な褒め方はしない。
    彼女だけが気づいていて、あまり他人が気づいていないところを探す。

    断りの手紙はハキハキと書く。
    お悔やみは難しい。著者もそう感じている。

    ちょっとした葉書や挨拶状、

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    2023年03月21日
  • 王国への道―山田長政―

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    野球おもしろいんだけれど、テレビ無駄にやりすぎじゃね? 洗脳装置のおバカワイドショーは仕方ないけれどニュース番組にまで食い込んできて気持ち悪い。

    なので本読み。古い写真を見ていたら子供たちの授業風景で、黒板に先生が山田長政って書いた場面で、ああずいぶん昔に見た懐かしい名前だなぁと思いつつ、山田長政って何をやった人だろう? 誰か小説を書いてないかなと検索したら遠藤周作さんいました。

    長政さんなんとなくタイにある日本人町の町長さん的なシュッとした実務家っぽいイメージを持ってましたが、ぜんぜん違いました。ほとんど戦国時代の名のある武将クラスの豪胆な人じゃないですか! さらには権謀術数にも長ける参

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    2023年03月17日
  • 死海のほとり

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    重い話です。
    生きること自体がそもそも「人生とは・・・」というのが凡民の悩み。そこに信仰を重ねているのだから、まぁ無信仰の人間からすれば言わずもがな。
    しかも第二次世界大戦のあの話も重なるのだから。
    結局答えはいつまでも見つからないのかもですね。

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    2023年02月26日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    ずいぶん昔に読んだのであらすじの大部分は忘れてしまいましたが、マリーアントワネットが幽閉されてギロチンにかかるまでをどのように過ごしたのか想像を掻き立てたのをよく覚えています。

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    2023年02月25日
  • 侍

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    侍って作中にあえてでているのはなぜなんだろう。
    安土桃山時代に主君の命とはいえ、異国に行けといわれどんな気持ちだったろ。
    実話に基づく話でこんな日本人がいたことを知らなかった。時代の流れに翻弄され無念だったろう。
    ローマに残るのも心残り。不本意にキリシタンになりそこの地で暮らすのも不本意。行き場のない気持ちがえがかれていた。
    キリスト教にとって、インディオの村も日本も野蛮で改心させねばとおもわれていたんだな。何故ほっといてくれないのかと悲しい。

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    2023年02月18日
  • 怪奇小説集 蜘蛛

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    今の時代にそのままかぶせたら怪奇というには物足りなさを感じてしまうかもしれません。
    でも私は好きです。心臓を直撃するような恐怖より背中にじりじり感じるこの雰囲気。いい意味で嘘も誤魔化しも通用した時代なのかもしれないですね。そういえば幼い頃テレビでよく幽霊特集みたいなのがあってわくわくして見ていたなぁ

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    2023年02月16日
  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ

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    若い頃の遠藤周作のエッセイ
    フランス留学後は、研究室に入ろうと思っていたが
    途中で観たり、体験したことから
    小説家として生きる決心をする
    結核でつらい思いもして、あと10年生かして欲しいと願った若き日々
    1650年から60年台の作品
    時代を考えさせられた。
    凄い人間性だ

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    2023年02月05日
  • 怪奇小説集 蜘蛛

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    注! 一部ネタバレ



    ★4つは相当おまけ(^^ゞ
    今の基準に照らすならば、3つくらいが適当だろうw

    にも関わらず4つにしたのは、この時点ですでに現在の「実話怪談」と呼ばれるものの原型のほとんどが出来上がっているように感じたから。
    もちろん、某出版社から出ている「実話怪談」のように、実話怪談好きの実話怪談好きによる実話怪談好きのための「実話怪談」みたいな非現実的な怖さはない。
    ていうか、どれもたいして怖くない(爆)

    ただ、この本には「実話怪談」ではない、「誰かが体験した怪談って、おそらくこんな感じだろうなぁー」と納得出来る良さがあるように思う。
    例えば、「時計は12時に止まる」の冒頭にあ

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    2023年01月29日
  • 自分をどう愛するか<生活編>幸せの求め方 ~新装版~

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    参考にしたい考え方が結構あった。具体的には、人には誰しも「ツキ」というものがあること。良いときも悪い時もある。好調な時が3年ごとにくる人もいれば、5年おきにくる人もいる。この考え方が今の自分の気持ちをラクにしてくれた。
    後半は内容が難しいところがたくさんあった。
    時間をおいてまた読みたい。

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    2023年01月22日
  • 善人たち

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     2021年の冬に公開された未発表の戯曲3本「善人たち」、「切支丹大名・小西行長」、「戯曲わたしが・棄てた・女」。1970年代後半に書かれたとされる。新約聖書でペテロがイエスのことを知らない、といって嘘をついてしまう描写が何度か出てくるように、人間の弱さや信仰心について、日本人的な恥の感覚、どうしても救われない現実、というものを描いている。
     「善人たち」は真珠湾攻撃の1年前に、日本からアメリカに牧師になろうと留学した青年の話。この留学生や、留学生の面倒を見るトムの妹で、異端的な行動をしたキャサリンを取り囲む街の人たちの態度が生々しい。偽善、ということを考える。キャサリンは「兄さんは理想主義者

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    2023年01月20日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    やるせない哀しみに満ちた作品。
    後期の遠藤周作はとにかく読み易い。が、だからこそ簡易な表現や作中の一節に引力がある。
    本作のイエス的人物であるガストン・ボナパルトの優しさ、暖かさから来る発言は特に印象的。
    読まなくても通読に支障は無いと感じたが、やはり『海と毒薬』は通った方が、主題の理解に深みを与えると思う。

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    2023年01月19日
  • 王国への道―山田長政―

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    タイの勉強として。600年前にアユタヤで日本人が力を持っていた、その様子を想像できておもしろかった。キリスト教徒が迫害されて、それでも信念をつら抜こうとする岐部についても。

    途中、長政にふきが体を触られるところ、キモい、サイテー、それ性的虐待、遠藤周作サイテー、時代錯誤もいいとこだ!と思っていたけど、最後フキが長政を毒殺するのがよかった。

    遠藤先生、引き続き読むことにする。

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    2023年01月16日
  • 留学

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    当時の留学の苦悩と孤独感が苦しく、重い。
    この救いの無さ、読後虚脱感の最高峰は『侍』だと思うが、他の名作の影に隠れた良い作品だと思う。

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    2023年01月08日
  • 白い人・黄色い人

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    遠藤周作は作を重ねる毎どんどん平易で読みやすい文章になっていくが、初期は通読にかなり体力が要る。
    イエスとは何か・キリストとは何かという永年の主題に一歩踏み出した意欲作だが、主人公が殊更露悪的なのも本作の特徴かもしれない。

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    2023年01月08日
  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ

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    周作の知の深さを初期から感じる。戦後最初の公費留学生とは、なんと優秀な。数々の作品を送り出したその後を思うと、その経験は、何倍もの価値を生み出した。その価値観が独特かつ面白い。

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    2023年01月08日
  • 新装版 海と毒薬

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    一線を超えることで、人として非難される行為をした事にはなるが、当人は人として、何か変わるというのか。勝呂は人間らしく、戸田は非人間なのか。良心とはなんなのか。機会さえ与えられれば、誰もが非情な人間という烙印を押されるのではないか。

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    2022年12月12日