遠藤周作のレビュー一覧

  • 女の一生 一部・キクの場合
    江戸幕末から明治時代にかけての壮絶な恋の物語。キリシタン禁制の時代に信念を強く持ったひとは、絶対的な精神力の強さがあったんだろうなぁ…。
    その強さが欲しい。
  • 彼の生きかた
    まっすぐに自分の生き方を貫く主人公は素敵ですね。
    どうしようもなく他者に影響されたり、阻害されて、変えざるを得ない時もやっぱりあるけれど…。
    主人公が恋い焦がれている女性も、最終的には悲しい結末になってしまって、エンディングを物悲しくさせているところがあるけど、美しい描写で描かれていてGoodですね...続きを読む
  • 夫婦の一日
    短編集。
    表題作も印象深いのですが、この作品唯一の歴史小説の「日本の聖女」が一番印象的でした。
    細川ガラシャの話です。
    聖職者からみた、それも批判的?なガラシャ評価が心に残ります。
  • 反逆(上)
    自分で選ばないシリーズ、大好きな遠藤周作さんだが歴史小説ということで手が出なかったと思うので、読めてよかった。戦国時代の心理戦というか武将の思惑が錯綜するようすが面白い。特に村重のだしに対する思い、高山右近の信仰との葛藤の描き方に優しさを感じる気がする。ちょうどナショナル・ジオグラフィーで米軍とイス...続きを読む
  • キリストの誕生
    死後、キリストとなったイエス。弟子たちや信仰の問題。聖書に書かれなかった使徒たちの最期の秘密。
    ポーロの布教活動と協会同士の対立。
    イエス「復活」とキリストの「誕生」
  • 反逆(下)
    下巻は主に明智光秀のお話です。

    明智光秀・・・かなり信長の事好きです。
    尊敬というよりも
    圧倒的な強さの前の・・・恐怖よりの憧憬という感じです。
    それゆえ・・恐怖に歪む顔も・・みたい・・・みたいな事言ってます。

    「少女のように顔を赤らめ・・・」
    みたいな描写とか・・・なんともあやしい・・・表現が...続きを読む
  • 女の一生 二部・サチ子の場合
    第二部は第二次大戦下での長崎を舞台とし、サチ子を主人公とした作品です。

     おさななじみのサチ子と修平は互いに好意を抱きあっていた。修平は聖書の「汝、人を殺すなかれ」という教えと戦争で人を殺さなくてはならないことの矛盾に悩み、やがて特攻隊として出撃する。一方、サチ子の住む長崎は原爆にみまわれる。

    ...続きを読む
  • 勇気ある言葉
    遠藤周作のポテンシャルの高さが見事に表されている短編集。
    最後のオチには思わず「え!」って声を出してしまった。
    天才は笑いを作ることにおいても天才だったのか。
    そこらへんのお笑い芸人の何百倍も面白い。こりあんせんせー
  • 女の一生 二部・サチ子の場合
    一部に比べると、宗教色が薄い気がした。神への信仰というよりは、人への愛の方が描かれている気がした。
    2009/4/16
  • 女の一生 二部・サチ子の場合
    第1部のキクの場合と時代設定が違うけど、同じ思いにかられる一冊。
    この本、男性が詠むよりやはり女性が詠む方が心を鷲掴みにされると思う。
    泣きたい時、結婚して幸せボケしている時に、ぜひ。
  • 周作塾
    狐狸庵こと遠藤周作先生が、1話ごとにタメになるお話をしてくれます

    賢い競馬の儲け方、第一印象の持つ力、ブスを美人に見せる方法まで....etc

    今どきの若い女の子は、容姿が良くても頭はカラッポ
    ウワサ話かオシャレのことしか興味がない・・・・

    ちょっとキツイ言葉だけど、言われてみればそう...続きを読む
  • 聖書のなかの女性たち
    大好きで何度も何度も読んでます。
    一番好きなのは、本文ではなくて『ひよこ』との話。
    この本を読むたびに、愛と優しさを感じます。
    ただ、ひとつだけ。
    サロメの話だけが切なくて悲しい。
    たくさんの人を救ってきたけれど、サロメはその対象にはならなかった。
    サロメというと、7つのヴェールの妖艶な踊りが有名で...続きを読む
  • 青い小さな葡萄
    君、俺は、青い葡萄を地上に求めすぎるんじゃ、ないだろうか―。

    この話の登場人物の一人、ハンツの台詞です。

    フランスで働く青年伊原と、片腕を失ったドイツ人基督教信者ハンツが出会う。
    互いに戦争による後遺症ともいえる異国での人種差別を経験している二人が、ある女性を探し求めるというストーリー。
    ...続きを読む
  • 王国への道―山田長政―
    山田長政ってこんな人だったのか!
    ちょっとサスペンスチックというか、
    読んでて手に汗握る部分あり、
    人生のはかなさみたいなものを感じさせる場面あり。
    なかなか面白かったです。
  • 女の一生 一部・キクの場合
    幕末から明治、長崎を舞台にした切支丹迫害の歴史。その中でひたむきな想いを貫いた女性キク。キリスト教が日本では異端であった時代。政治的な背景も含め、私達に生きるとは何か?神とは?考えさせられる作品である。
  • 異邦人の立場から 現代日本のエッセイ
    海外で日本人である、ということ。日本でキリスト教信者である、ということ。マイノリティである、ということについて考えさせられる作家が遠藤周作だと思う。

    タイトルどおりに「異邦人の立場」というテーマを扱ったエッセイ集。秀逸です。
    海外に住んだことのある人・キリスト教(カトリック)の日本人だけじゃなくて...続きを読む
  • 母なるもの
    エルサル旅行の友。私は遠藤周作さんの宗教観がとても好きで、日本人にとって宗教とはと考えるとき彼の考えが心にぴったり来る。それは自身が西洋のキリスト教に染まりきれなかった葛藤であり、切支丹の歴史を考え抜いた末の見解であり、亡くした母への後悔の念であり、それでも上手く伝えきれないもどかしさに、なんだかと...続きを読む
  • 妖女のごとく
    サスペンス、ミステリーを読んでもどこか他人事で私にとっては単なるエンターテインメントでしかないのだがこれと「真昼の悪魔」だけは別。本当に面白い。というか本気で怖い。どんどん引き込まれて、一旦本を閉じてもどこか現実に戻りきれないような背筋が凍るような寒気を感じる。すごい。
  • さらば、夏の光よ
    どんなに愛されても尽くされても、どうしても嫌悪する。美しい心をもっていても、目をそむけられてしまう。猪首という言葉を初めて知った。
  • 死について考える
    人は遅かれ早かれいづれ死ぬ。大作家だって犯罪者だっていづれ死ぬ。死について考えないで人生終えれたらどんなに楽だろうと思う。死は怖いし死んだらどうなるかなんて誰もわからない。だから人はその死の恐怖をやわらげるために宗教に頼ったりするんだろうか。