遠藤周作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大学の卒業研究でニホンザルについてちょこっとかじったから、あまりに内容が近くてちょっとびっくりした。
一平はあれで幸せ……なんだろうなあ……。”彼の生き方”を考えると胸が苦しくなる。
加納は嫌い。嫌い。嫌いだ。根本から女を馬鹿にしてる。…でも朋子の気持ちも分かる…。
朋子は『昔の女性』という印象だったけど、今もこの頃と変わっていない部分はあるんだろうな。だから彼女の気持ちの変遷も行動も理解できるんだと思った。
ずっとオチのついた話しか読んでこなかったから、最後は少し戸惑った。
でもホントにすごく読みやすい。昔の文庫だから字も小さいしこの本は厚みがあったけどあっという間に読めた。かといって字だ -
Posted by ブクログ
秀吉と光秀、二人の心理的競り合いを楽しむかのような冷酷非道の信長。
自らを唯一の絶対神とし、全ての人から崇め奉られる事を望んだ信長。その信長への愛がやがて反逆へと変わっていく光秀を中心に下巻は展開する。
上下巻を通して、主人公達の反逆は、単なる野望や怨念に基づくものでなく、人々の生き様、心の葛藤が描かれる。
一生懸命ではなく、本当は『一所懸命』・・・当時の地方土豪は自分達の小さな土地に命を懸けなければならなかった。
遠藤周作氏の母の実家は岡山出身の「竹井」姓。この小説に登場するもう一人の主人公である荒木村重の侍臣「竹井藤蔵」は、架空の人物ではあるが、遠藤氏の思い入れも深かったのであろうか、と