日本は恥の文化、西洋は罪の文化。
戦時中という日常とは異なった状況だから人体実験を行うことができたのか?
違う。日本人には罪の意識が無いため、「世間が許してくれるなら」なんだってできる、という結論が本書には書いてあったと思う。
だが、本当に日本人には罪の意識が無いのか?西洋のように絶対的な
...続きを読む「神」という人々の道徳観念を日本人は持っていないが、「天罰が下る」や、江戸時代、それ以前からも罪と罰という概念はあったと思う。
では、これらも法として働いているだけで、日本人の心には「他人に見られなければ、他人と一緒ならば、何をしても良い」というような観念が心にあるのだろうか?
「赤信号、皆で渡れば怖くない」や、「バレなきゃ犯罪じゃない」という言葉はよく聞く。蓋し、これらは日本人の性質を表しているものであり、単なるギャグとして使われる言葉ではない。
これらの言葉を聞いた時、私は反論でもなく肯定でもない、「納得」の二文字が心に浮かんだと思う。
「確かにそうだが、合ってる訳でもない。グレーゾーンだな」こんな風に思った。
多分、これが一般の感性なのだと思う。
だとするならば、やはり、戦時中という異様な環境が日本人にある根本的な観念を増長させるのだと思う。
大いなるものの前では、人は無力だ。自分の意志を出した所でなにも変わらない。