遠藤周作のレビュー一覧

  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    ネタバレ

    NHKアナウンサー鈴木奈穂子さんが中学生の時に、読書感想文の課題図書だったと聞いて気になって購入。
    人に優しくばかりして自分が犠牲に女性、好き勝手自由にして幸せを手に入れた男性。
    自分なら中学の時にこの本の感想は書ける気がしない。

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    2025年10月27日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    『海と毒薬』の続編です。

    NSFMさんのレビューがきっかけでこの本を知り、ヒボさんに応援されながらこの本を読みました。お二人ともありがとうございました。
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    戦後の日本の暗い部分にすっぽりと収まってひっそりと暮らす勝呂。戦犯として罪を償った後も医師を続けている彼は、フランス人のガストンから、ある老人の診察を頼まれます。癌の苦しみから老人を救うために勝呂が選択したことを、新聞記者の折戸は彼の過去と同様に追い詰めます。折戸の正義感は一種の暴力のよう

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    2025年10月20日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    読者の私が高校生のときに、この本は絶対に読んでおくべき本だと言われた本です。当時の衝撃は、とてつもなくて言葉を失ったことを覚えています。少し前にNSFMさんのレビューを読んで、続編を読みたいと思いました。まずはこの本をもう一度読んでからと思い、再読しました。

    新宿でひっそりと開業医をする勝呂。彼の過去へと話が進みます。戦時中、大学病院の研究生の時、空襲か病気でいずれ皆死ぬんだという希望のない日々を過ごします。そして彼が生かしたかった女性の死後、大学病院の勢力争いに巻き込まれ、アメリカの捕虜の生体実験に参加します···。

    時代が起こした罪なのか、本当にそれだけなのか。平和な時代の感覚では考え

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    2025年10月17日
  • 沈黙

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    友達から勧められた本。
    ほんとに辛いけど、遠藤先生の視点の分け方(解説にも載っている)が繊細かつ、計算されていて最後まで読めた。神はいないのかと自問自答しながらも信じ続けようとする葛藤は正直理解し難いけど、だからこそ、信仰心というものの力の大きさを感じた。宣教師が居場所も失い、命の危機も迫るほど、いろいろな景色、匂いなどの描写がすごく丁寧で細かくなっていったから面白かった。

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    2025年10月12日
  • 反逆(下)

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    有岡城陥落。荒木村重に関係した女性や幼子、使用人までを殺す信長。秀吉と光秀の心理的競り合いを楽しむ信長。反逆の囁きから解き放たれた光秀。生き残った村重と高山右近の人生。

    村重の妻だしの最期と村次と離縁され明智秀満と再婚したさとの最期が悲しい。高山右近の苦悩とか村重の人生など色々思わされる良い作品。

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    2025年10月10日
  • 反逆(上)

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    ネタバレ

    己の力に寸分の疑いを持たず神をも恐れぬ信長への憎しみ、恐れ、コンプレックス、嫉妬。荒木村重、明智光秀、羽柴秀吉の心に揺らめく反逆の光。

    上巻は荒木村重が中心。遠藤周作の歴史小説は雰囲気が良くて好き。信長の存在が不気味で怖い。

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    2025年10月09日
  • 海と毒薬

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    勝呂は一番欲しかった普通の生活を得ることが出来なかった。特に言及はないが戸田も所謂、普通の生活は出来なかったのではないかと思う。どういう状況であれ、後の歴史が証明してくれることを信じて不本意なことはしないように生きたい。
    看護長と上田の対比については幻想を持つこととニヒリズムに支配されることは現実を見てないという点で同じだと思う。何事も距離感が大事。

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    2025年10月21日
  • 新装版 海と毒薬

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    大きな環境の津波に流されてしまう人々を観させられた。
    いわゆる良くない言葉が使われているけど雰囲気が出て良いな。

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    2025年10月07日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    倫理観は、個人の中に生まれるものではなく、世間が作り出すものだと再認識した。それでも私は人が悪魔なのではなく、戦争が人を悪魔に変えてしまうだけと信じたい。



    最初は利己的な戸田は純粋で不器用な勝呂のことを馬鹿にしてると思っていたが、生い立ちを知って見方が変わった。小説のセリフを用いるなら、勝呂にとってのおばちゃんのように、戸田にとっては勝呂が運命から自由にしてくれる神に見えていたんだと思う。それは、残された「良心」の部分であったに違いない。


    後味の悪さが残る話だったが、読むことができてよかった。本書はあくまで創作なので「九州大学病院解剖事件」の経験者が書いた本も読み、もっと事実を確かめ

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    2025年10月06日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    調度良い長さ、かつ文体も読みやすかった
    勝呂医師の非情な過去が明らかになるかと思ったが彼は年老いても良心の呵責に苦しんでいて、本当の化け物は戸田だった
    誰もが戸田のような一面と勝呂のような道徳を持ち合わせているものだと思う。2人ともに共感できる部分があった。

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    2025年09月25日
  • 彼の生きかた

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    ネタバレ

    吃りのあるニホンザル研究者の話。
    主人公一平は吃りのため弱気な性格。昔から動物に心惹かれ、恩師の言葉もあり、動物の研究者となる。
    小学校からの幼馴染朋子に恋をするも、大学進学してから縁遠くなっていた。
    ニホンザル研究者として猿の餌付けに従事するも、ホテル建設問題や新しく来た研究所長との関係悪化により退所。
    その後別の山で研究を進めるも、以前の研究所でホテルを建設した加納専務の邪魔が入る。加納の秘書は朋子であった。
    朋子は専務の部下である夫がいたが、途中で夫が飛行機事故により死亡。朋子と一平、加納との三角関係や、汚れた人間の世界と自然に生きる猿たちの世界が描かれる。

    今回はキリストには触れられ

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    2025年09月18日
  • 海と毒薬

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    日本人の精神性を追求する」といった解説もあるけれど、罪の意識や良心は国籍や宗教に規定されるだろうか。むしろ先天的な資質の影響が、環境や教育など後天的な影響より大きいと感じる。時代や国境を越えて読み継がれているのも納得の一冊。

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    2025年09月14日
  • 深い河 新装版

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    前回の聖書読書会でおススメされたので、有名な「沈黙」とあわせてバリューブックスさんでポチった。

    実はわたしにとっては初の
    遠藤周作作品。
    聖書に興味を持つ前からいつか「沈黙」は読みたいと思っていたが、おススメしてくれた方が、
    「それなら是非こちらの方から」と教えてくれたので、「深い河」から読み始めた。

    小説の時代背景は1984年…なので、
    少し古い時代ではあるが、
    歴史ものというわけでもなくとっつきやすい。

    バブル経済が始まる少し前の、日本の景気が上向きで、かと言って戦争の生々しい記憶も留めている世代がいる頃。
    ちょうど今の時代から振り返ると、40年前、アジア太平洋戦争からは40年後の世

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    2025年09月12日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    捕虜の生態解剖がテーマと聞いていたからどれほど解剖や付随した描写があるのかと思ったけど、そういうわけじゃなかった

    海のように寄せては引いていく非人道的な事柄や勝呂自身ではどうしようもない患者の容体云々に対する勝呂の葛藤が見てとれた

    生態解剖は医学的な観点からは正に傾くし、人道的な観点からは負に傾くが、、、という感じ

    25.09.0.9-10

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    2025年09月11日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    良心とは社会的な恥からこそ生まれるものなかのか。本当は、罪の意識や道徳的なものから生まれてくるのが良心ではないのか。人は社会的な評価がもしなくなってしまえば良心はなくなるのか。そういったことを考えさせられるほんだった。

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    2025年09月11日
  • イエスの生涯

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    遠藤周作が四つの福音書を引用し、解釈するイエス像。

    人智を超越した・圧倒的な希望の象徴・神の子イエスではなく、人間イエス・同伴者イエス。
    人間の苦しみに嘆き悲しみ、「愛」を持って寄り添おうとするイエスの姿が強調されている。
    人間が一番辛いのは貧しさや病気ではなく、貧しさや病気による孤独や絶望。
    人間に必要なのは「愛」であり、一時的な効果を産む「奇蹟」ではない…とイエスは苦悩する。
    奇蹟は起こらず人々に失望され、やがて十字架に向かう、無残なイエス。
    しかし、イエスはその死さえも理解していた、人間の苦しみを理解する為の「愛」によるものだった…。


    本来の全能の救世主のイメージからかけ離れた、人

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    2025年09月10日
  • 沈黙

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    扱われている事件や人物の大方は史実に基づいているとのこと。日本潜入を敢行した3人の司祭も、モデルがいる。フェレイラ司祭が棄教するはずがないと信じるロドリゴ(主人公)と、棄教して彼らに常について回るキチジロー。やっと会えたフェレイラとの衝撃の結末。すごく勉強になった。

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    2025年09月08日
  • 沈黙

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    「幕府はキリスト教の警戒心を強め、絵踏みを行わせて信者を摘発した。」くらいに、社会の授業でサラッとしか触れられないキリシタン弾圧。弾圧の様子の絵を教科書等で目にしたこともあるけど、あまり実感を持ったことはありませんでした。
    ですが今回その内容の重大さに触れられました。
    私の不勉強さ未熟さが大きい気もしますが(-_-)
    さくらももこのエッセイで遠藤周作の人物像が出てきた際に気さくな人という印象を持ったけど、その印象とは180度異なる内容。
    テンポがほどよいしページ数も多くないので中高生でも読みやすいとも思います。

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    2025年09月05日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    「沈黙」からの流れで。人の残虐さと、そうなれなかった勝呂の良心はじつに良心だったのか、あるいは冷徹に見える戸田にほんとうに良心はなかったのか、まざまざと考えさせられる。

    佐伯彰一が解説ですべて書いてしまっているけれど、導入部の計算され尽くしっぷりに感嘆する。

    黒い海が引き込んだのだ、みんな死ぬ世の中なんだから、一人くらい生きたまま殺したって自然死とどうちがうんだよ、と、ああ呵責さえ感じられない戸田を思う。(黒い)海が自然死で、毒薬が実験死だったのかもしれない。

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    2025年09月05日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    全体的に暗めの色調で描かれていて
    明るさをイメージするタイミングがなかった
    佐伯彰一の解説を読むこと作者の伝えたいテーマがハッキリ分かった。
    当時のことについて全く詳しくないけど
    登場人物それぞれが秘めるココロの声や言動に
    理解できるものもあった。
    良い人でありたいっていう自分の理想とはまた別に一皮剥いたら別の自分もいる気がするのも理解できた。良心というのは地盤が緩んだ状態というのはブレブレになる。
    登場人物がそれぞれが自分という人間に翻弄されているような感じが面白かった。
    シンプルに話の流れが良くてめちゃくちゃ没入できたし、全体的に暗いイメージなのに「西陽が白い埃を浮かせながら誰もいない机や

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    2025年09月04日