遠藤周作のレビュー一覧
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ネタバレ解説で、この物語の元となる歴史背景が書かれている。江戸初期に支倉という人物が使節団の一員として、メキシコを経て、ローマまで渡ったそうだ。
物語の侍はこの人物で、ベラスコ神父も支倉の使節団に関わった神父がモデルとなる。
17世紀初期に、実際に使節団としてアメリカ大陸からヨーロッパまで渡った日本人がいたことに驚いた。
また、物語は旅の苦労や日本で起こるキリスト教迫害をドラマチックに描いている。激しい争いなどは起こらないが、使命(仕事)を命懸けで果たす姿は、私の目を離さなかった。
それ故に、時代の運で使命が無意味になってしまう事が、無念という言葉で表せられないほど虚しい。 -
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死にざまは美しくなければならないか
私がこの本を読んで1番よく考えた事です。
彼は、その美しさを保つ自信がないと言い、
神は死に際、冷静さを装ったもしても
その深層を見抜けるのだから
じたばた死んでも良いのだと教えてくれる。
私は例え神であっても私の深層を覗けないだろうと
そういう種類の傲慢さがあり、美しく死にたい。
特に、生活をするための自分(社会的な自分)は
地上に残していくかたみのようなものだ
というセリフにはグッときたし、
尚更綺麗なまま残していきたいと思ってしまった。
また、カトリックで自殺が良くない
とされている理由は自分の人生への愛がないから、
という理由にはかなり納得してしま -
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ネタバレ重く、苦しく、面白い
印象に残った点
・番人の鼾だと思っていたものが、その実拷問受ける信徒の呻き声だったという場面は本当に意地が悪いというか、これほどまでに主人公に試練を与えるのかと思った。ここまでの2択を突きつけられたら、(もしも神が本当にいるとしたら、)神も転んだに違いないと思う。
・キチジローが悪者として書かれていて、私も嫌いだが、それは自分の弱さや都合の良さを彼の中に見るからで、彼のような弱い部分を誰しも否定できないのではと思った。むしろ、沈黙を貫いて殉教した方々の方が異常と感じるのは、時代か自分に信ずるものが無いからか。
・ロドリゴは救われた、自分の中で神を引き受けてある種の納得感 -
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ネタバレ"信じる"とはどういうことか考えさせられた。
基督はひたすらに沈黙をつらぬき、司教の問いに答えることは、ついになかった。けれど、転ぶことさえも主は赦すのだと。
信じながら疑い、背くことで、却ってその存在と向き合わされる。
残酷でありながら、どこか美しく、悦びを伴う結末。
キチジローは自分のことを弱い者だと言ったが、彼はまさしく私であった。
転んで、後悔して、縋ってもがいて、また転んで後悔して……
だけど赦されることを諦めない。
情けなくて、恥ずかしくて、思わず目を背けたくなるけれど、どうしても放ってはおけない、そんな人だった。
それが弱い生き方だと言われたら、そうなのかも -
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中年に入り、自分よりも親が先に逝くのだろうと思うけど、考えるのを避けられなくなってきた『死』について。
『老いる』すら(しばらくはいいか…忙しいし)と深く考えずに、『命の結末と向き合う』ことを先延ばしにしているのは、わたしもそう生きているなと思いました。
準備して置かなければ、いざその時にやってしまうかもしれない…それは、特に先輩の文豪たちをみてきた小説家の心に深く残ったことでしょう。
狐狸庵先生はクリスチャンですが、仏教にも造詣が深くて、キリスト教至高!みたいなところが好き。
しかし、キリスト教の「運命は神に委ね、罪は神に判断してもらい、人はそれを粛々と受け入れる」というのは相容れないで -
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あらすじを見て、読んでみたいと思った作品。
テーマは興味深いのだが、「導入」「起承転結」「終わり方」「題名」がそれぞれ別の方向を向いているような、長編なのにチグハグさを感じた一冊で、
一つ一つのものはとても興味を持てるのに、全てを線で繋げられていないような不安定さを感じた。
しかし遠藤周作自身が伝えようと思ったテーマはしっかりと書かれており、読み進めることで考えさせる本だったと思う。
チグハグさを感じたが、それは逆にいえば全てを集中して記憶するように読まなくても楽しめるということなので、病院内のことが多く明るくはない内容だが興味がある人は手に取ってもらいたい一冊。 -
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ネタバレ深い河
著者:遠藤周作
発行:2021年5月20日
講談社文庫(新装版)
1996年6月刊行の講談社文庫を改訂
初出:1993年6月、講談社より刊行
あるエッセイが読みたくて、ついでに数冊まとめて買った遠藤周作の古本も、これが最後の1冊。若い頃になんとも思わなかった作家が、妙に心に優しい。書いてあることは結構きびしく、人間の弱さや自己矛盾などをついているが、どうしてかそれが優しく響いてくる。文法的にはあまり正しい日本語とは言いづらいけど、とても読みやすく気持ちがよくなる文章にも惹きつけられる。人柄だろうか、文体だろうか。
解説によると、深い河は、著者が病気を抱えながら必死で書いた小説だと -
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歴史の教科書で知った「踏み絵」の裏に、こんな苦悩のストーリーが刻まれていたとは
江戸時代、キリシタン狩り真っ盛りの九州を舞台に、「神はいるのか」という禁断の問いを文学という形で昇華させた遠藤周作の代表作です。
キリスト教イエズス会の司祭であるロドリゴは、日本での布教に貢献した尊敬する恩師フェレイラが、弾圧により棄教したという伝聞が信じられず、真相をさぐるために同志と鎖国中の日本へ密航するも、、、というお話。江戸時代のキリスト教弾圧や島原の乱、隠れキリシタンへの糾弾、踏み絵などは学生時代の日本史で習いましたが、実際にどのような仕打ちを受け、どのような心の動きがあったのかを知る機会になりまし