遠藤周作のレビュー一覧

  • 眠れぬ夜に読む本

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    ネタバレ

    読んでて思わずにやりとする。

    自分の視点を変えるためにも、たまにはこういうエッセイを読むのもいいかもしれない。

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    2014年02月14日
  • キリストの誕生

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    イエスの生涯に続いて刊行されました。
    イエスからキリストという存在へ変わっていく弟子たちの心理などを本当に質の高い内容で描かれています。「僕は大説家ではなく小説家なんですよ」とエッセイで何度も著者は口にしていました。
    それを決して忘れずに読んでいたものの、遠藤氏の文章はどうしても僕に夢をみさせてしまう。読者も多く、たくさんのレビューがあり、十人十色に評価をなさっていることでしょう。宗教と歴史と信仰の危ういバランスを絶妙にとりながら見事な結びまで持っていくその技量を楽しむ一冊として読んでもいいと思います。
    キリスト教に関わっている方なら、是非そこに自分の思いも加えてみてください。

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    2012年10月26日
  • ただいま浪人

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    長い小説だが、一気に読み進めた。時代は戦後、今の価値観とは違う部分も多々あるが、それでも共感することができる。若い頃の疑問と苦悩、そして大人たちのすでに固まった既成概念と、それとはまったく無関係な愛情の行きどころ。人は間違いを犯す。しかしそれが果たして本当に間違いかどうかは、誰も判断できない。では生きるとは? 今さらながらそんなことを改めて考えさせられる。生きることと生活することの葛藤を、私たちの視点にまで落とし込んで伝えうる遠藤周作はさすがだと思う。

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    2012年09月30日
  • 第二怪奇小説集

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    古本屋で幸運にも出会えたので入手。過去に遠藤氏が出会った事件や創作が連なり「幽霊やおばけがこわい」という趣よりも、もっと人間の心が隠し続けてきた闇の部分での恐怖を描いている。前作に続き、遠藤氏の留学先のリヨンが舞台になっている話がある。僕は春と夏のフランスしか知らないので冬のフランスの鬱屈した空気を知らない。冬のリヨンを是非訪れてみたい。

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    2012年08月27日
  • 怪奇小説集

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    夏といえばやっぱり怪奇話、怪談話!遠藤氏の物語の切り出しの上手さはさすがだなー。内容に「怖かった」「怖くなかった」はそれぞれの感想として、やっぱりどんな内容でもクセがなく自然と次の文章へと目を続かせる技量が素晴らしい。怖さあり、ユーモアあり、楽しい本でした。

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    2012年09月09日
  • 反逆(下)

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    後半の主役は明智光秀と羽柴秀吉。

    前半同様にこの2人以外の登場人物に
    いろんな意味での「反逆」が絡み合う。
    戦国時代版人間交差点的(ほんとかよ)な話。

    織田信長と明智光秀を
    取り上げた本にもいろいろあるし、
    全部とは言わないまでも
    いくつか読んできた中でいえば
    遠藤周作のこの本は間違いなく面白い、と思う。

    「侍」とか、遠藤周作の歴史ものにも
    もっと光があたってもいいと思うんだけど。

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    2012年08月01日
  • 反逆(上)

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    荒木村重が織田信長に背くまで。

    っていうてしまうとそれまでなんだけど。

    もともと、遠藤周作が明智光秀を取り上げた小説、
    ということで読み進めていた。
    ので、前半の主役である荒木村重という武将のことを
    よく知らなかったこともあるけど
    思わず引き込まれてしまうほど、
    ドラマティックな生涯。

    ネタバレにもなるので
    うまくは書けないんだけど
    温度差こそあれど
    いろんな意味の「反逆」に至るまでの
    きっかけや動きが
    絶妙に絡み合っていて興味深かった。

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    2012年08月01日
  • キリストの誕生

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    カテゴリ分け困った…。
    最初フィクションにしたけど違うよね、たぶん。
    遠藤周作を初めて読んだ本。
    当時キリスト教に興味があって聖書読み始めたころ。
    この本を読み終わって近くの教会(聖公会)に通い始めました。
    自分が日本の作家読む気がしないのはやっぱ宗教的視点が欠けてるというか、べつに一神教じゃなくてもいいんだけど、何だろう、人間関係のゴタゴタとか恋愛だけじゃない、それを超えた視点とか、価値観とか世界観とかが自分にはどうしても必要だからです。
    自分は幼稚園から中学までクラスのスケープゴートでいじめられたので、男性が怖くて(クラスの男子に殴られたりしていた)恋愛出来なかったし、友達も少ない(ゼロで

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    2012年06月25日
  • 反逆(下)

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    信長は圧倒的な力で君臨している人物であり、その人物によって
    葛藤や恐怖や懊悩を与えられている人々が描かれます。

    その「人々」にあたるのは、荒木村重、高山右近、明智光秀、竹井藤蔵、
    村重の妻”だし”、光秀の娘”さと”、などで、
    彼らを主人公格に描いていきます。

    しかし、この、信長と上記の人々の対立の構造は、
    単純に”信長が圧倒時だから”、”信長が特殊だから”、
    という理由で生まれ得ている構造ではないと思います。
    誰しも、親だったり、上司だったり、あるいは親友だったり、
    思い通りにならない人間関係の中で、
    彼らと似たような思いを抱くことがあると思います。

    歴史を題材に描かれていますが、ここに

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    2012年06月18日
  • 反逆(上)

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    『反逆』上巻は、荒木村重が織田家の傘下となるところから、
    有岡城の籠城~脱出前までが描かれます。

    荒木村重が主軸に描かれながら、
    タイトルの『反逆』の通り、松永久秀の信長への謀反、
    高山右近・中川清秀の、村重からの離反や、
    光秀や秀吉の心底にある信長への反逆の心などが、
    丁寧に、互いに影響を与えつつ、関係が描かれていて、
    とても読み応えがあります。

    合戦の様子や、華々しい活躍を描くのではなく、
    人物の内面にスポットが当たっています。

    特に高山右近の懊悩の様子は、
    力を入れて描かれているように感じました。

    下巻を読むのが楽しみです。

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    2012年06月18日
  • 私にとって神とは

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    「深い河をさぐる」は相手によって態度を変えているというか、はぐらかして言う風なところがあり、いまいちだったが、この本は真摯に応えて自分の信仰の核や考えについて説明してくれている。
    神が働きである、という考え方は納得でき、神を母的なものとしてとらえていることも親しみやすい。

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    2012年03月21日
  • 母なるもの

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    これは傑作。
    棄教司祭や神経質な神学生を主人公に置き、作者自身も抱える”キリスト者の内なる弱さ”を描写した8篇。
    鬱屈とした進行に鋭い表現が刺さる。
    史実に基づくエピソードも多く挿入されてて読んでて面白い。

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    2012年02月08日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    一言で言うなら『凄い愛の話』。二部はパワーダウンするので読まなくて可。神を罵ることも「祈り」なのだなぁ。罵倒される日常もそう思うとちょっとラク。

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    2011年12月18日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    何回読んでも色褪せない感動があります。

    これほどまでに見返りを求めない愛はすごい。
    初めて泣きすぎて胸がつまりました。

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    2011年11月19日
  • 死海のほとり

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    古い単行本は味がある。
    昭和48年発行の単行本を古本屋で見つけました。遠藤周作さんは歴史に出てくるいろんな人たちの作品がおもしろくすてきですが、宗教者としての作品はとても比重が高いように感じます。読み応えのあるとても良い作品でした。

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    2015年03月18日
  • 彼の生きかた

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    就活前の私にピッタリな一冊。

    人からどう思われようとかそんなことは構う必要はなくて、それより自分の意志を大切に。
    守りたいものは、なにがなんでも守る。守りたいものを見つける事は人生において大切だとつくづく感じたな。

    遠藤さんのメッセージが伝わりやすい、読みやすい一冊。

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    2011年10月04日
  • キリストの誕生

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    『イエスの生涯』と合わせて読むとより深くキリストを理解できると思う。

    なぜ神はキリストを見はなしたのか、弟子はなぜキリストを裏切ったのか、ユダヤの王はなぜキリストを恐れたのか。
    全ての謎はこの小説に繋がると思います。

    それでもなお、その姿を隠すことなく人に晒したイエスの心。
    真実を通すには、時として醜く孤独で、耐えようのない漆実を味わうのだと。
    それを受け入れられる自分を持てるのかが、問われている。
    自分と向き合う勇気を持てるのかが、強く心に残る一冊です。

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    2011年09月09日
  • ぐうたら愛情学 狐狸庵閑話

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    たまたま古書店で手に取って読んでみたら、ドンピシャ。

    遠藤周作先生の入り口が、海と毒薬とか、沈黙とかでなく、
    ぐうたらシリーズ。

    狐狸庵先生のひねくれ具合が自分に近くて、
    昭和48年に書かれた本なのに、共感共感。

    そんなに男を知っているわけではないけど、
    いつの時代も男って勝手よね!とか思ってみたり。
    かるーい気持ちで読みます。

    わたしが持っているのは単行本なのだけど、
    価格¥290。時代の離れを感じるのに、
    いまそこで狐狸庵先生とおしゃべりしているよう。

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    2011年08月06日
  • 彼の生きかた

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    ネタバレ

    読み終わった後も本を読んでいる余韻が残っているような本。
    私が遠藤周作の作品の中で一番好きな作品。

    自分のやることに一身を捧げる決意、その強い意思を一平から感じた。

    一平の生き方、加納の生き方、朋子の生き方はそれぞれに違う。
    誰の生き方が悪とか善とかいうことではなく、ただ単に生き方が違う。

    そんな当たり前のことを改めて理解する。そんな作品であると思う。

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    2011年07月04日
  • 母なるもの

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    序盤、読み進めることに少し苦労した。何故ならば、主人公が中年以降の男性という設定であり、更に人生に多少の疲労感を持っていたり、どう頑張っても私の人生経験では想像してもし尽くせないほどの深みを秘めていたからだと考えられる。
    日本の隠れ切支丹の「痛み」と「母なるものへの祈り」に触れて、隠れ切支丹の祈りを伝承するという精神的難しさについて想像が膨らんだ。また宗教問題から切り離して、「痛み」「母なるもの」に対する心情に個人的共感を少なからず感じた。
    『沈黙』など他作品と関連する内容や、主人公描写が著者について、類似性を考えながら読み解くことも興味深かった。

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    2011年06月01日