遠藤周作のレビュー一覧

  • 侍

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    ネタバレ

    解説で、この物語の元となる歴史背景が書かれている。江戸初期に支倉という人物が使節団の一員として、メキシコを経て、ローマまで渡ったそうだ。
    物語の侍はこの人物で、ベラスコ神父も支倉の使節団に関わった神父がモデルとなる。

    17世紀初期に、実際に使節団としてアメリカ大陸からヨーロッパまで渡った日本人がいたことに驚いた。
    また、物語は旅の苦労や日本で起こるキリスト教迫害をドラマチックに描いている。激しい争いなどは起こらないが、使命(仕事)を命懸けで果たす姿は、私の目を離さなかった。
    それ故に、時代の運で使命が無意味になってしまう事が、無念という言葉で表せられないほど虚しい。

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    2026年02月14日
  • 死について考える

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    死にざまは美しくなければならないか
    私がこの本を読んで1番よく考えた事です。
    彼は、その美しさを保つ自信がないと言い、
    神は死に際、冷静さを装ったもしても
    その深層を見抜けるのだから
    じたばた死んでも良いのだと教えてくれる。
    私は例え神であっても私の深層を覗けないだろうと
    そういう種類の傲慢さがあり、美しく死にたい。
    特に、生活をするための自分(社会的な自分)は
    地上に残していくかたみのようなものだ
    というセリフにはグッときたし、
    尚更綺麗なまま残していきたいと思ってしまった。

    また、カトリックで自殺が良くない
    とされている理由は自分の人生への愛がないから、
    という理由にはかなり納得してしま

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    2026年02月09日
  • 深い河 新装版

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    なぜ人は神を信じたり、信じなかったりするのか、ガンジス河に集う様々な人たちの物語。キリスト教も仏教もヒンズー教も混じる聖なる河。

    「信仰」「転生」について自分なりの答えを出すきっかけになりました。解説で遠藤周作が闘病中に執筆した作品らしく、渾身の作品というのが伝わってきます。

    個人的は「沈黙」より読みやすくとっつきやすかったです。すごく面白かった。

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    2026年02月01日
  • 周作塾

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    好奇心旺盛な先生はどうでもいいことを書いておいて、実は密かに何より無意識という観念に結構時間をかけて語っている。でもメインはためにならない話だけど。

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    2026年01月29日
  • 深い河 新装版

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    多くの感想に「インドの情景が浮かんだ」とありますが、本当にその通りです。
    私自身の良き本の基準として「ページをめくる手が止まらないほどおもしろい」「読後自分が本の世界ではなく現実世界に生きていることを実感する」の2つがあり、本作は後者。頭に思い描く''インド''にどれほど没入していたか、読後、本から離れて気づかされました。
    頭の中に(すごく)情景が浮かぶ、(すごく)没入できる、これだけで読む価値のある本だといえるのではないでしょうか。

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    2026年01月24日
  • 沈黙

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    ネタバレ

    重く、苦しく、面白い

    印象に残った点
    ・番人の鼾だと思っていたものが、その実拷問受ける信徒の呻き声だったという場面は本当に意地が悪いというか、これほどまでに主人公に試練を与えるのかと思った。ここまでの2択を突きつけられたら、(もしも神が本当にいるとしたら、)神も転んだに違いないと思う。
    ・キチジローが悪者として書かれていて、私も嫌いだが、それは自分の弱さや都合の良さを彼の中に見るからで、彼のような弱い部分を誰しも否定できないのではと思った。むしろ、沈黙を貫いて殉教した方々の方が異常と感じるのは、時代か自分に信ずるものが無いからか。
    ・ロドリゴは救われた、自分の中で神を引き受けてある種の納得感

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    2026年01月11日
  • イエスの生涯

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    遠藤周作による聖書の読み方の本.
    本当かどうかはさておき、遠藤周作作品の底に流れる愛と孤独と、切なさ悲しさの源流がわかった

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    2026年01月11日
  • 深い河 新装版

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    ・3年前は挫折したけれど、好きな人達が好きな本だという事実で何とか読み切れた。成長した。
    ・純文学ってこういうことかと知った。文章が美しい。
    ・人々の心の拠り所になって、でも争いを世界中で引き起こし続けて、宗教の不思議さに思いを馳せた時間になった。

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    2026年01月06日
  • 影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

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    5よりの★4!!
    やはり遠藤さんの小説は面白い。
    自伝を読んでるのか、小説を読んでるのか、
    展開によって今までの作品の登場人物にも重なり、過去の作品を再読せんといかんか?
    と思わせてくれる作品でした。

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    2026年01月04日
  • 沈黙

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    ネタバレ

    "信じる"とはどういうことか考えさせられた。
    基督はひたすらに沈黙をつらぬき、司教の問いに答えることは、ついになかった。けれど、転ぶことさえも主は赦すのだと。
    信じながら疑い、背くことで、却ってその存在と向き合わされる。
    残酷でありながら、どこか美しく、悦びを伴う結末。

    キチジローは自分のことを弱い者だと言ったが、彼はまさしく私であった。
    転んで、後悔して、縋ってもがいて、また転んで後悔して……
    だけど赦されることを諦めない。
    情けなくて、恥ずかしくて、思わず目を背けたくなるけれど、どうしても放ってはおけない、そんな人だった。
    それが弱い生き方だと言われたら、そうなのかも

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    2026年01月04日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    別に寝る前に読まなくても十分面白い。若い人を奥さんにもらうと大変だ、という話は笑いました。エピソードトークだと思って読むとスラスラ読めます。

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    2026年01月03日
  • 海と毒薬

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    生体解剖実験に携わった人たちの話。
    罪への向き合い方、命そのものについて深く考えさせられた。自分の罪を責める人の苦しい心情が伝わってきて読んでいて苦しくなることもあったけれどいい学びになったと感じた。また読みたい

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    2025年12月02日
  • 夫婦の一日

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    遠藤さん作品は読みやすい。
    とは言え読みやすかっただけで、お茶漬け本として最高の本だったということです。
    内容については遠藤さんの晩年って、こんなこと考えてたんだ!!
    という新しい発見もあり、面白いなあという感想。

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    2025年11月24日
  • 深い河 新装版

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    平和な時代の日本に生まれた私にとってこの物語はあまりにも未知の世界で、自分の未熟さや無知を感じた。
    「神」「愛」「転生」。
    これらはすべて繋がっているように思えて、ひとりひとりにそれぞれの形があって、その形が誰かの心の中で影響を与えながら受け継がれていくものなのだろうと感じた。

    物語の最後の、あっけない終わり方に驚いた。
    ひとつの神を信仰することも凄いと感じる一方で、大津の生き方は、宗教が対立や紛争を生むこの世界への問いかけのようだと思う。

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    2025年11月22日
  • 死について考える

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    中年に入り、自分よりも親が先に逝くのだろうと思うけど、考えるのを避けられなくなってきた『死』について。
    『老いる』すら(しばらくはいいか…忙しいし)と深く考えずに、『命の結末と向き合う』ことを先延ばしにしているのは、わたしもそう生きているなと思いました。
    準備して置かなければ、いざその時にやってしまうかもしれない…それは、特に先輩の文豪たちをみてきた小説家の心に深く残ったことでしょう。

    狐狸庵先生はクリスチャンですが、仏教にも造詣が深くて、キリスト教至高!みたいなところが好き。

    しかし、キリスト教の「運命は神に委ね、罪は神に判断してもらい、人はそれを粛々と受け入れる」というのは相容れないで

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    2025年11月22日
  • 満潮の時刻

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    あらすじを見て、読んでみたいと思った作品。
    テーマは興味深いのだが、「導入」「起承転結」「終わり方」「題名」がそれぞれ別の方向を向いているような、長編なのにチグハグさを感じた一冊で、
    一つ一つのものはとても興味を持てるのに、全てを線で繋げられていないような不安定さを感じた。
    しかし遠藤周作自身が伝えようと思ったテーマはしっかりと書かれており、読み進めることで考えさせる本だったと思う。

    チグハグさを感じたが、それは逆にいえば全てを集中して記憶するように読まなくても楽しめるということなので、病院内のことが多く明るくはない内容だが興味がある人は手に取ってもらいたい一冊。

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    2025年11月17日
  • 深い河 新装版

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    ネタバレ

    深い河

    著者:遠藤周作
    発行:2021年5月20日
    講談社文庫(新装版)
    1996年6月刊行の講談社文庫を改訂
    初出:1993年6月、講談社より刊行

    あるエッセイが読みたくて、ついでに数冊まとめて買った遠藤周作の古本も、これが最後の1冊。若い頃になんとも思わなかった作家が、妙に心に優しい。書いてあることは結構きびしく、人間の弱さや自己矛盾などをついているが、どうしてかそれが優しく響いてくる。文法的にはあまり正しい日本語とは言いづらいけど、とても読みやすく気持ちがよくなる文章にも惹きつけられる。人柄だろうか、文体だろうか。

    解説によると、深い河は、著者が病気を抱えながら必死で書いた小説だと

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    2025年11月09日
  • 沈黙

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    歴史の教科書で知った「踏み絵」の裏に、こんな苦悩のストーリーが刻まれていたとは


    江戸時代、キリシタン狩り真っ盛りの九州を舞台に、「神はいるのか」という禁断の問いを文学という形で昇華させた遠藤周作の代表作です。

    キリスト教イエズス会の司祭であるロドリゴは、日本での布教に貢献した尊敬する恩師フェレイラが、弾圧により棄教したという伝聞が信じられず、真相をさぐるために同志と鎖国中の日本へ密航するも、、、というお話。江戸時代のキリスト教弾圧や島原の乱、隠れキリシタンへの糾弾、踏み絵などは学生時代の日本史で習いましたが、実際にどのような仕打ちを受け、どのような心の動きがあったのかを知る機会になりまし

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    2025年11月09日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    ネタバレ

    NHKアナウンサー鈴木奈穂子さんが中学生の時に、読書感想文の課題図書だったと聞いて気になって購入。
    人に優しくばかりして自分が犠牲に女性、好き勝手自由にして幸せを手に入れた男性。
    自分なら中学の時にこの本の感想は書ける気がしない。

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    2025年10月27日
  • 反逆(下)

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    ネタバレ

    有岡城陥落。荒木村重に関係した女性や幼子、使用人までを殺す信長。秀吉と光秀の心理的競り合いを楽しむ信長。反逆の囁きから解き放たれた光秀。生き残った村重と高山右近の人生。

    村重の妻だしの最期と村次と離縁され明智秀満と再婚したさとの最期が悲しい。高山右近の苦悩とか村重の人生など色々思わされる良い作品。

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    2025年10月10日