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Posted by ブクログ
遠藤周作作品を読むと、一気に人間の幅が広がる気がする。
本題はもちろんのこと、聖書と関係ないが「ひよこ」という偏でも、非常に心とらわれた。「秋の日記」でも、著者の心に刻み込まれた、もうすぐ死期を迎える夫とその妻の手を握り合った姿。どんなに愛し合っていても、人は死から救い出すことはできない、という当たり前だけど受け入れるしかないつらい現実。そこから残されたものが救われるためのヒントやなにかが聖書にはあると思った。
誰も人を裁き、軽蔑する権力などもたない。それと同時に、相手の全てを理解するというのもできないのだと、しみじみと痛感させられる。当たり前の事実なのだが、過ぎていく日常の中で、私たちは驕ってこの事実を忘れ捻じ曲げて生きてやしないだろうか。
Posted by ブクログ
大好きで何度も何度も読んでます。
一番好きなのは、本文ではなくて『ひよこ』との話。
この本を読むたびに、愛と優しさを感じます。
ただ、ひとつだけ。
サロメの話だけが切なくて悲しい。
たくさんの人を救ってきたけれど、サロメはその対象にはならなかった。
サロメというと、7つのヴェールの妖艶な踊りが有名で、生まれながらに淫乱・残虐非道な少女となっていますが、オスカー・ワイルドの小説のせいか、本当にそうだったのかとも思えてきます。
(遠藤氏の文章でも、その疑問は書かれています。)
神さまにも、救われたいと思っていないものは救えないのかなと思うと、何だか切なくて悲しくなります。
Posted by ブクログ
大人になって、読むとなかなか感慨深い。
聖書を語った随筆だが、文学的な要素も色濃く、その点、小説となんら遜色ない。キリスト教がテーマというより、現代人の生がテーマというのも、他の遠藤周作の作品と変わらない。
私はたくさんの人間ドラマがある聖書が好きだ。
年をとって、少しは読み方も深くなったのか、語られている聖書の場面の臨場感に感嘆した。目の前にマリアを感じたし、エルサレムの風景をイメージ、いつかいけることがあるのかなあと思いを馳せた。
それぞれの女性のエピソードは全て覚えていたけれど、はじめて、今回で、遠藤周作の言わんとすることが、体系的に分かったような気がする。
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