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Posted by ブクログ 2016年08月29日
遠藤周作作品を読むと、一気に人間の幅が広がる気がする。
本題はもちろんのこと、聖書と関係ないが「ひよこ」という偏でも、非常に心とらわれた。「秋の日記」でも、著者の心に刻み込まれた、もうすぐ死期を迎える夫とその妻の手を握り合った姿。どんなに愛し合っていても、人は死から救い出すことはできない、という当た...続きを読む
Posted by ブクログ 2010年11月23日
聖書のなかの女性たちとして一人の娼婦、ヴェロニカ、病める女、カヤパの女中、サロメとヘロジャデ、マグダラのマリア、マルタ、ピラトの妻、聖母マリア、ルルドの聖母について書かれており、そのあとに「エルサレム」や「秋の日記」として、体験や思いが綴られている。とても分かりやすく、また感じるものも大きい。女性の...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
大好きで何度も何度も読んでます。
一番好きなのは、本文ではなくて『ひよこ』との話。
この本を読むたびに、愛と優しさを感じます。
ただ、ひとつだけ。
サロメの話だけが切なくて悲しい。
たくさんの人を救ってきたけれど、サロメはその対象にはならなかった。
サロメというと、7つのヴェールの妖艶な踊りが有名で...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年10月26日
聖母マリアやマグダラのマリア、サロメ、マルタとマリアなど、聖書に登場する11人の女性たちのエピソードを紹介し、彼女たちの生き方とイエスの言行がどのように交わったのかを説いています。著者の女性論でもあり、ちょっと珍しい視点からの聖書入門でもあるという本です。
最終章の「秋の日記」は、著者の大学時代の...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年11月18日
大人になって、読むとなかなか感慨深い。
聖書を語った随筆だが、文学的な要素も色濃く、その点、小説となんら遜色ない。キリスト教がテーマというより、現代人の生がテーマというのも、他の遠藤周作の作品と変わらない。
私はたくさんの人間ドラマがある聖書が好きだ。
年をとって、少しは読み方も深くなったのか、語ら...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年11月30日
カトリック信者である遠藤周作が、聖書の中に登場する様々な女性たちにスポットを当て、彼女たちの味わった深い苦しみや哀しみを紐解き、またそのときキリストが彼女たちに何をしたのかを解説しているエッセイです。私は今までキリスト教に関する知識が殆ど無く、何だか遠い存在のようにも感じられていましたが、この本を読...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
遠藤周作は、生きることと死ぬこと、を深く掘り下げ私達に人生の意味を問いかける。宗教的背景がそれをより推し進めているのだろうが、それを省いても人間が必ず行き着く場所に、堂と構えて私達に問いかける。良心的な諦め的解釈を超えた、人間の根源が求めるところに近い答えを与えてくれているように感じる。
聖書の中...続きを読む
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