遠藤周作のレビュー一覧
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戦争文学の面白さが詰まった作品
共テ演習とか二次国語で扱われる小説の中でも戦争文学は群を抜いて自分を引き込むものがある。日本史選択で戦争へ向かっていく日本をマクロ的な視点でしか勉強していないせいでミクロ的な視点でその時代に生きる人々の生活文化を知ることは難しいが、戦争文学はそれを媒介してくれる。
この作品は実際の事件を取り扱っている。勝呂は冒頭では面白みもない貧しい町医者として描かれているが、医学生時代を中心に書いた物語の中盤以降では自分にとって彼が人情深い人物に映った。
彼の心を変えたのが生体解剖事件に関与したことであることは確実。
遠藤周作について。
名前しか知らないが、本をほとんど読 -
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面白かった!
恥ずかしながら高校卒業以来世界史には触れず、マリーアントワネットの名前は知っているくらいの知識レベルでしたが、それ故楽しむ事も出来た作品でした。情景を思い描きながらするすると読み進める事が出来ます。
豪華絢爛な王室の様子と対比のように描かれる民衆の暮らし、刻一刻と広がっていく革命の声。。下巻でどのように更に書き進められていくのかが楽しみです。
ちなみに、1番印象的だったのは最初の情景、マリーアントワネットがオーストリアからフランスに来たばかりの様子ですね。まだ政治的な話がそこまで介入しておらず、ひたすらに彼女の可憐な動作や周囲からの印象などが描かれており、自分自身も息を呑む民衆の -
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ネタバレ遠藤先生のお若き時代のエッセイや講演などをまとめた一冊。
むかーし読んたことがあるものも収録されていたようで懐かしく読みました。
作品につけるタイトルの付け方(不満?)や先輩作家に対する文芸批判(結構辛口でヒヤヒヤ)、小説をどのように書くのか、題材をどうやって見つけるのかなどちょっと作風の種明かし的な文があり興味深い。
その他には狐狸庵先生の顔をのぞかせたユーモラスな文(エイプリルフールや運転に関するエピソード)もあり、クスリニヤニヤ。
「人間のみかた」で「役に立たぬ」一般に思われがちな人間についての考察があり。そして最後の方に「孤独と信頼」「約束について」でフランクルの「夜と霧」について -
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ネタバレ母と父、そして信仰を書いた6篇。
いくつもの心理描写に圧倒された。全体からとても陰鬱な空気が漂っているのに、この本質を捉えたような文章が無理なくスッと心に入ってくる。子ども目線の話も、大人目線の話もどれも読みやすかった。
主人公は、厳しく烈しかった母を美化してしまう気持ちを持っているのに対して、父には冷ややかな視線を向けていた。この点は共通しているけれど、細かな設定は短編ごとに少しずつ違っている。
自身の経験が創作の元になっていることは確かだろう。でも物語をどう膨らませていくかは、ほかにも沢山の可能性があるのだなと思わされた。作品として昇華されるというのはこういうことなのかもしれない。未発表で -
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ネタバレ脚色されていると思われるところもあるけれど、物語としてとっても面白かった。
歴史を学ぶ際に、こういう本を読むと歴史上の人物が身近に感じられるというか、どんなに昔の人でも私と同じ感情を持っていたのかなと想像できて楽しい。それがきっかけで例えば、マリーアントワネットの周辺の国の歴史も知りたくなったり、その時栄えた文化(服とか食事、芸術、文学とか)を学びたくなるし、マリーアントワネットのお父さんの時代は、その前は。息子の時代は、後世は、と一人の人をきっかけに興味がわいてくる。
マリーアントワネットの最後はとっても悲しいものだった。
彼女自身が処刑されるしかなかったのか。王政という制度の象徴として一人 -
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自分が日本人だからか、個人的には『黄色い人』の方が好みでした。黄色人種だからというよりも、日本という多神教が緩やかに生活の中に染み渡っている国で育った日本人という種族の、一神教を古来より信じてきた欧州人との遺伝子レベルでの宗教観の違いが、もしかしたら存在するのかもしれないと思いました。基督者である遠藤周作の描くこの本の主人公2人は、キリストや神への不信を抱いているわけですが、その感情や思考への解像度がとても高く驚きました。遠藤周作は基督者でありながら、この物語の主人公たちのような、教義に対するアンチテーゼみたいなものが、心のどこかにあったのではないかな。
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ネタバレ看護婦さんが手を握ってくれると、信じられないようなことだけど、実際に不安や痛みが和らぐ。
病気をすると、遠い風景を俯瞰しているような気持ちになる。
本間さんのセリフ「手術を受けた日から、何もかもが変わっていく」「もっと心の上で」
主人公明石は、自分が日常に戻ると、人生をどれだけ持続できるのか心配しているが、退院してもまだ俯瞰の眼をしている。そして、忘れずに長崎の踏み絵を見に行って、キリストの「沈黙の声」を聞いた。
心に浮かぶ疑問に答えられないもどかしさ。
明石は、弱いものに寄り添い、手を握ってくれる存在を見つけて、強く前向きになれた。 -
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ネタバレ貿易のため、東北からヨーロッパに派遣されることになった侍が、道中に役目のためのキリスト教の洗礼を受けた。異国の地で帰国後の約束を夢見て過ごす最中、日本の情勢はどんどん変わっていっていた。長い旅路を帰ると命令自体が無意味なものとされおり、クリスチャンとなった責任を問われることになる。
無宗教に近しい日本人が宗教に触れ、なんのために、なぜそこまで神が必要なのか、不服ながら掴んでいく。
我こそが日本にキリスト教を布教できると息巻く野心家の宣教師は、日本人の文化や生き方に紐づいたふるまいを、不気味がりながらも実は最も捉えている。
侍の道中の葛藤、役目を果たせない絶望、諦めと辛抱、宗教に触れた際の心