遠藤周作のレビュー一覧
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ネタバレ白い人
キリスト教でドイツ人の母親と、放蕩に酔しれる父との間に生まれた斜視の主人公
母親の父親への犯行を示すかのようなまでの厳しい禁欲的な教育を、様々な罪悪で呼び覚まされる
(父が斜視を馬鹿にし女にモテないと言ったことで生じた女性に対するコンプレックス、女中が肺病の犬を懲らしめる為に膝で押さえつけ殴り口を紐で結ぶ、父について行った旅行でサーカスの少年が女性に踏みつけにされる、その少年を黒い日陰に失神させた状態で放置した)
そんな少年期を経て、父は浮気中に自動車事故で死に、母は大学在学中に病気で死んだ
両親のどちらにも主人公の本心は知られることなく、敬虔なキリスト教として終わった
大学生の時、主 -
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人が持つどうにもならない影や矛盾、割り切れないものを描いた作品。勝呂医師やガストンさんを中心としながら多くの登場人物が交差する中で、それぞれが持つ卑しさや罪の意識、割り切れない感情に、大なり小なり自分にもある部分だと共感しながら読み進めた。作者が表現する『自分がその時、その立場だったら同じことをしていたかもしれない』がまさにそれだと思う。
海と毒薬の続編ということで、海と毒薬を再読してこの本を手に取った。この2冊は必ず続けてまた読もう。『おらぁだめだ』と言ったあのシーンに勝呂のすべてが凝縮されていて、その勝呂の葛藤がまた続編でも描かれている。たとえ救えなくても寄り添おうと、彼は生きたと思う。 -
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感想というか思ったこと
(キクや清吉についても語りたいことは尽きないけど、いったん整理)
『女の一生』第二部では、戦争や日本におけるキリスト教弾圧に対するローマ・カトリック教会の姿勢に疑問を抱く修平の葛藤が描かれていたが、第一部にもまた、キリスト教弾圧の中でローマ法王の沈黙に対する疑問が示されていたのが印象的だった。
それでもなお、人は信じるしかないのはなぜなのか。
考えてみると、信仰とは本来、人の内に宿るものであって、教会はあくまでその信仰を持つ者たちの集まりにすぎないのかもしれない。だからこそ、信仰心において絶対的なのは教会という組織ではなく、むしろ個人の内にある信仰そのものなのだと思 -
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爆笑問題の太田さんが2025年8月のラジオで触れていて知った作品。
沈黙を続ける神を信じて疑って、また信じる宣教師の葛藤が見事に描かれている。
弾圧については踏み絵くらいしか知らなかったが、一気に解像度が上がった気がする。
私も含め多くの読者はキチジローに感情移入するのではないかと思う。
一方で本作についてカトリック教会側が批判したのも頷け、安易に決着がつけられるものでもないのだろう。
短絡的に答えを求め、正解に雁字搦めになっている現代において、本作および「深い河」などと併せて、筆者の生き様が問い続けることの本質を読者に投げかけているように思う。 -
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いいものを読ませていただいた⋯
何か自分を生かしたものへの「後ろめたさ」に悩まされ、それぞれの儀式的行いを経てそれを解消し、人生に秩序を取り戻していく。でもその秩序にも綻びがあるってことを、きっとそれぞれが感じてもいる⋯そんな雰囲気があって、その割り切れなさがすごく良い。
そこから逸脱した、(おそらく主題の)美津子と大津の話は一層良かった。
美津子は、自らの世界を規定する幻想の向こう側に行きたいのだろう。それ故、そういう枠組みを持たず、形式としての義務に従う(ように見える)大津に執着するのだと思う。大津は自身の行いを「イエスの真似事」と言うものの、その行いは限りなく純粋な形式に近いように思 -
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ネタバレこの本のモデルになった、当時研修医として実験に参加していた先生が昔近所にいらっしゃって、時々講演会をしていた
それをきっかけに親から勧められて読んだ本。講演会も行ってみるかと聞かれたけど当時高校生だったのでなんとなく怖くて断ってしまって。大人になってから行ってみたいなと思ったけれど先生は最近亡くなってしまったようで、今になってそれをすごく後悔している
こうやって戦争の体験を直接経験者の方から聞ける機会って、これからどんどん失われていくんだろう
そしておそらく、私たちはその最後の世代なんだろうな。
この本に登場する人物は誰も極悪人ではないのに、一人一人が手に取るナイフや、時には一本のペンが誰か -
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潜伏キリシタンたちのはなし。
特定の宗教への信仰のない私は、貧困に喘ぎ、社会的排除や壮絶な拷問を受けながらも信仰を守り続ける理由がわからなかった。でもそれが信仰というものなんだろう。
人の信仰を弾圧しようとするのは愚かで非道なことだけれど、それでも、私はキクと同じように、キリスト教や、それを日本に伝えた宣教師、それから数百年後に再びやってきた神父たち、そして彼らが崇めるデウス様というものに対して。苛立ちと憤りを感じた。
「転べ!」と心の中で叫んだ。
同時に、姑息でクズみたいな伊藤に、神父が言った言葉、多分伊藤と同じ気持ちになった。
キリシタンたちの純真さをたたえたい思う。 -
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最後の数ページに無茶苦茶読むのに時間かかって、日本語って難しいなぁと思ったけど、これは傑作。
江戸時代の日本と信仰について書かれているんだけど、内省的で観察眼に優れた宣教師の目を通したことで、人間の感情の機微が、胡乱な私が実生活で得る以上に感じ取ることが出来る。
個人的には、特定の文化の上に生まれた宗教が、他の文化の上で変質しているというのが面白かった。日本は布教するには泥沼だという記載がありましたが、文化基盤が違えば変質するっていうのは日本だけに当てはまることではないと思うんですよね。
こと概念的である宗教において信じるものは文化基盤によって変異しているものなんじゃないかと思うので、そ -
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「殉教した人の話」を、この本を読む時にどれだけ知っているのか。これでこの本に抱く感想は変わるのではないか、と最近ふと思った。
私はカトリックの一貫校でずっと宗教なる授業(一般でいうところの倫理という科目に該当する)を受けてきた。特に中高の宗教の授業では旧約聖書から新約聖書はもちろん、世界各国で平和を願い平和のために尽力した人や信仰を貫き殉教した人について学ぶ。隠れキリシタンのことも学ぶし、天正遣欧少年使節のうち殉教したのは誰かという質問にも答えられるし、第二次世界大戦の際にドイツだ殉教した司祭の話も知っている。
そしてそれは単に「殉教しました」というナレ死のような学びではなかった。逆さに疲れて -
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「眠れぬ夜に読む本」はいつも私の傍にある。難しい言葉もなく理解できない不思議もなく、その世界を共有できるところにこの本の魅力がある。
眠れないときは何を考えるか、
1 生と死について考える
2 東京について考える
3 自分と他人と動物について考える
4 趣味と興味について考える
という目次に続いて、少し詳細に題名が並んでいる。
名作「沈黙」があるように、狐狸庵先生はキリスト教徒だったけれど、難しい宗教の話や、心理学や、医学の話ではない。
好奇心の赴くままに、過去や、現代や未来を考え、そこにあるべきもの、あったもの、出会うものなどを、ユーモアをこめて、語っている。
不思議な現象を科学に照