遠藤周作のレビュー一覧

  • おバカさん

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    <バカじゃない…バカじゃない。あの人はおバカさんなんだわ。
    素直に他人を愛し、素直にどんな人をも信じ、だまされても、裏切られてもその信頼や愛情の灯をまもり続けて行く人は、今の世の中ではバカに見えるかもしれぬ。
    だが彼はバカではない…おバカさんなのだ。自分に人生のともした小さな灯をいつまでもたやすまいとするおバカさんなのだ。P289〜抜粋>

    隆盛のペンフレンドは、ナポレオンの子孫だというガストン・ボナパルト。
    突然日本に来るという知らせが来た。
    隆盛と母の志津、妹の巴絵は慌てて準備する。初めて見るフランス人、しかもあのナポレオンの子孫!
    しかし現れたのは背が高くて馬面で、汚れた服で貧乏旅行を

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    2020年07月21日
  • P+D BOOKS 決戦の時(下)

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    そこで終わるんかぁ〜

    破天荒ではない信長が色々と読みやすい。
    下巻になると自信をつけたみんなが知っている信長

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    2020年07月23日
  • 死海のほとり

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    信仰を失おうとする私とゴルゴダの丘に至るイエスの物語が最終章に重なっていく。

    深い感動が静かに胸に刻まれる作品。

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    2020年06月19日
  • イエスの生涯

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    「何もできぬイエス」「無力なイエス」そして「愛を注ぐイエス」を語る本。

    遠藤周作さんは根が小説家なので、ときたま聖書の解釈が(私からみると)ぶっ飛んでて面白い。
    遠藤さんは基本的に、奇跡は実際起こったことの比喩と解釈している。そしてイエスを、苦しむ人々に寄り添う人、効果がある奇跡より無力な愛を大事にした人として描いている。

    愛読書決定!

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    2020年05月26日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    非常に面白い作品でした。遠藤周作作品にしてはかなり読みやすいらしいです。僕は海と毒薬しか読んだことないのでよく分かりませんが…。遠藤周作は純文学作品の著者として高い評価を得ていますが(沈黙、海と毒薬など)、本作品はそれらに比べて通俗的な、所謂、大衆文学的な要素が多く含まれています。

     物語は、一人の男と二人の女で構成されています。
     貧乏大学生の主人公吉岡は、日頃の鬱憤と溜まりに溜まった性欲を晴らすために、たまたま知り合った田舎娘のミツと関係を持ちます。田舎臭く、容姿も悪かったミツを吉岡はゴミのように棄て連絡を断ちます。大学卒業後、吉岡は就職し職場で知り合った社長の娘と結婚。ミツは吉川への想

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    2020年05月09日
  • キリストの誕生

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    ネタバレ

    凄まじい名著。

    イエスの死、ヤコブ・パウロ・ペテロの死、ユダヤ戦争の災禍ー。繰り返される「神の沈黙」と「神の不再度降臨」に対する思考と信仰。そしてそれらを途切れさすことのない、イエスの中にあった「何か」(筆者はXという)。

    どのようにキリスト教が立ち上がってきたのかを、人間的リアリティを持って味わうことのできる一冊。

    キリスト教理解のはじめにこの本を読むと、凄まじくとっつきやすいが、小説家・遠藤の視点がかなり内在化しそうな気もする。

    ーーー


    - イエスの死後...
    - 原始キリスト教団の誕生
    - 12使徒たち中心に
    - 師の本物の愛と、師への裏切りの痛み
    - 「イエスの死の意味は何

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    2020年04月20日
  • イエスの生涯

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    人間イエスの姿が、リアリティを持って迫ってくる一冊。久しぶりに素晴らしい良書に出会った。

    従来のユダヤ教主流派の神は、裁き、怒り、罰する神であった。だが、そのような神は、貧しく、弱い民衆を救うことはできない。

    一介の大工の巡回労働者として生活してきてイエスは、庶民や、特に弱者や、差別され、虐げられた者たちの姿を、つぶさに見ていた。

    人間にとって一番苦しいのは、病や貧しさでは無く、そこからくる孤独と絶望にある。

    そしてそれを救うのは、神の罰では無く、愛である。イエスはこう考えた。

    「神の愛をどのように証明し、知らせるか。」
    イエスは、このテーマに、生涯取り組むことになる。

    ただ、これ

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    2020年04月09日
  • イエスに邂った女たち

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    初読み遠藤周作。いちキリスト者として、遠藤さんの独特のものの見方が実に面白かったです。マグダラのマリアについての項目やちょっと悪女っぽい女性が遠藤さんのお好み?「この女は口説けそう。この女はお堅いからちょっと…」みたいな不遜なユーモアある(?)視点も垣間見れて、楽しく読ませていただきました。ほかの本も読みます。

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    2020年02月12日
  • 侍

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    ネタバレ

    ◯昔のことなので記憶が怪しいが、「沈黙」の時に感じた日本人の現世利益的な信仰と、西洋的な信仰の関係性とは異なり、個人の信仰と、組織や政治との関係に関する小説だと読んでいて感じた。
    ◯また、読みながら、歎異抄の「親鸞一人がためなりけり」という言葉を思い出した。こちらは能動的に関係を築き、この境地に至っている点を思えば、「侍」の中で日本には根付かないとされた信仰の心は確実にあったと思う。解説にもあるとおり、侍自身は受動的に始まったものだが。
    ◯そう考えると、「侍」はやはり純粋に信仰に対する試論なのかなと思った。

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    2019年11月13日
  • イエスの生涯

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    作者の既存作品の紹介を公演した記録や、文豪達との様々な交流を通して神をテーマとしたエッセイの様に語りかけ。
    この書籍からドストエフスキーや吉行淳之介に出会えるとは思っておらず嬉しく楽しい読書でした。

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    2019年10月07日
  • 侍

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    実に丁寧に書かれている文章だと感じた。
    侍が、キリスト教に関して問うている部分が、非常に共感できて、また、時代の流れも感じられた。
    淡々と進むストーリーと、感情の変化、揺れが、非常におもしろかった。

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    2019年08月25日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    いやいや、最高にいい小説。あまり人には進めない方ですが、これはめちゃおススメです。新幹線で目的の駅を乗り過ごしそうでした。ヤバイ。

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    2019年08月11日
  • キリストの誕生

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    イエスの死後、原始キリスト教団の歩みを追い、イエスがいかにキリストに高められていったのかを辿る。イエスの架刑、ステファノの受難、ペトロやポーロ、ヤコブの死、ローマ軍によるエルサレムの蹂躙。これら幾多場面において突きつけられた「神の沈黙」、「キリストの不再臨」。わずかの期間に起きたこれら壮絶な出来事を経てもなお絶望しなかった原始キリスト教団の人たちは、愛のみに生きたイエスを忘れることができない。その意味でイエスはキリストとなり彼等ひとりひとりに再臨したのでは、と結んでいる。著者は「人間が続くかぎり、永遠の同伴者が求められる」と記しているが、宗教の本質を端的に指摘しておられると思い、感嘆する。

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    2019年07月28日
  • 侍

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    転ぶ。

    信仰とは何か?、ということすら、生きる上で全く考えることのない、無意味なくらいの、そんな侍の社会。
    その社会で大切なのは、ただただ忠誠であり信仰とは似て非なるモノ。

    その時代の人達が。
    何故ヨーロッパに行くのか?
    キリスト教が介在したのは何故?
    危険を冒す理由があったのか?

    という事は、史実でも、まさに本文中でも、たっぷり書かれている。

    個人的に唸ったのは。

    商売の利と信仰を天秤に計る人の心理
    忠誠を示す為に信仰を選ぶ心のさざ波
    司祭同士の出世争いの場にされた日本
    功名心を信仰心で巧みに隠してく醜さ
    棄教を前提に自分自身を欺くその描写

    日本に戻った侍の心の描写が、その答えだ

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    2019年06月26日
  • イエスの生涯

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    ヨーロッパなどの先行研究に触れながら、著者自身のイエス像を客観的な筆致で描く。
    受難物語では奇跡をみせずに、自らが架けられる十字架を自ら背負い、ゴルゴタの処刑場に向かったイエス。著者は、聖書はイエスの無力を積極的に肯定しながら、無力の意味を我々に問うていると指摘する。また、彼の生涯は愛に生きるだけという単純さをもち、愛だけに生きたゆえに、弟子たちの眼には無力な者とうつった、だがその無力の背後に何がかくされているかを彼らが幕をあげて覗くためにはその死が必要だったのである、とも指摘している。
    その答え、残念ながら今の自分には確たるものがない。

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    2019年06月02日
  • ぐうたら人間学 狐狸庵閑話

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    小学生が喜びそうな下の話満載で声を出して笑ってしまうところが何箇所もあったが、ユーモラスな厚化粧が濃いほど遠藤周作のシャイで生真面目な素顔が際立ってくるように感じた。

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    2019年05月18日
  • 死海のほとり

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    聖書の奇蹟の数々をうさんくさく感じていたが、キリスト教徒でも同じなのだろうか。
    イエスの最期をたどる男たちの旅と、イエスに死を与えた者、死を見届けた者たちの断片。 イエスの受難は戦時中の人間の弱さと絡みついていく。
    罪ある者も赦されるという母の愛があるからこそ、ひとは救われるのだろう。

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    2019年04月19日
  • イエスの生涯

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    小説というよりは評伝である。
    しかし、明確な問いが立てられ、それに明敏な答えを与えている点では学術論文にも等しい。
    遠藤周作は小説家だけではなく、なぜ哲学者にならなかったのだろうか。
    当世の安っぽい社会学者や思想家とは異なる、ちいさき者への優しさがある。

    イエスの名前やその最期を知ってはいても、なぜ磔刑に処せられたか、弟子に裏切られ、また復活の伝説が興されたのか、その詳細は日本ではあまり知られていない。

    『侍』でも描かれていた、現世利益をもとめる仏教観と、奇蹟でなく
    苦悩と悲哀に寄り添うキリスト教観の違い。
    イエスの愛は現代のキリスト教ではゆがめられている気がしないでもないが。

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    2019年04月14日
  • 口笛をふく時

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    二つの川があって、その二つの川がやがて合流して大きな川になるような壮大な物語でした。戦争の時代を生きた父親と、現代を生きるその子との葛藤そして、善とは悪とはを問いかける内容です。
    年代からいえばワタシは子の年代にあたるのでしょうが、描かれている父の心情はまことに共感のできるものでありました。

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    2019年03月07日
  • 彼の生きかた

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    ネタバレ

    遠藤周作は愚直で純粋な者の味方である。日常劇でありそうな筋なのだが、最後のもの言えぬ哀しみにひきこまれ、涙を誘われた。不器用な研究者と幼なじみ、恋の鞘当てに巧みに言葉で押し込んでくる男。不純の俗界に残された側にもやるせなさが漂う。猿に比べたらば、社会のボスの姿を皮肉に描いている。

    代表作ではないが、良作である。孤独を感じる人向けに。

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    2019年02月18日