遠藤周作のレビュー一覧
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ネタバレ脚色されていると思われるところもあるけれど、物語としてとっても面白かった。
歴史を学ぶ際に、こういう本を読むと歴史上の人物が身近に感じられるというか、どんなに昔の人でも私と同じ感情を持っていたのかなと想像できて楽しい。それがきっかけで例えば、マリーアントワネットの周辺の国の歴史も知りたくなったり、その時栄えた文化(服とか食事、芸術、文学とか)を学びたくなるし、マリーアントワネットのお父さんの時代は、その前は。息子の時代は、後世は、と一人の人をきっかけに興味がわいてくる。
マリーアントワネットの最後はとっても悲しいものだった。
彼女自身が処刑されるしかなかったのか。王政という制度の象徴として一人 -
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自分が日本人だからか、個人的には『黄色い人』の方が好みでした。黄色人種だからというよりも、日本という多神教が緩やかに生活の中に染み渡っている国で育った日本人という種族の、一神教を古来より信じてきた欧州人との遺伝子レベルでの宗教観の違いが、もしかしたら存在するのかもしれないと思いました。基督者である遠藤周作の描くこの本の主人公2人は、キリストや神への不信を抱いているわけですが、その感情や思考への解像度がとても高く驚きました。遠藤周作は基督者でありながら、この物語の主人公たちのような、教義に対するアンチテーゼみたいなものが、心のどこかにあったのではないかな。
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ネタバレ看護婦さんが手を握ってくれると、信じられないようなことだけど、実際に不安や痛みが和らぐ。
病気をすると、遠い風景を俯瞰しているような気持ちになる。
本間さんのセリフ「手術を受けた日から、何もかもが変わっていく」「もっと心の上で」
主人公明石は、自分が日常に戻ると、人生をどれだけ持続できるのか心配しているが、退院してもまだ俯瞰の眼をしている。そして、忘れずに長崎の踏み絵を見に行って、キリストの「沈黙の声」を聞いた。
心に浮かぶ疑問に答えられないもどかしさ。
明石は、弱いものに寄り添い、手を握ってくれる存在を見つけて、強く前向きになれた。 -
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ネタバレ貿易のため、東北からヨーロッパに派遣されることになった侍が、道中に役目のためのキリスト教の洗礼を受けた。異国の地で帰国後の約束を夢見て過ごす最中、日本の情勢はどんどん変わっていっていた。長い旅路を帰ると命令自体が無意味なものとされおり、クリスチャンとなった責任を問われることになる。
無宗教に近しい日本人が宗教に触れ、なんのために、なぜそこまで神が必要なのか、不服ながら掴んでいく。
我こそが日本にキリスト教を布教できると息巻く野心家の宣教師は、日本人の文化や生き方に紐づいたふるまいを、不気味がりながらも実は最も捉えている。
侍の道中の葛藤、役目を果たせない絶望、諦めと辛抱、宗教に触れた際の心 -
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ネタバレ今フランス革命(というかマリーアントワネット)に興味を持っていて、でも知識が高校の世界史ほどしかないので、いきなり学術書は難しいかなと思い選びました。
分かりやすい文章で物語が書かれているので、楽しいんでいる間に勉強になるという感じでとてもよかった。
史実に忠実というわけではないので、マリーアントワネットの生涯や関わった人を知ってその後に史実に基づいた書物を読みたい私にとってはぴったりでした。
歴史を授業で勉強したときには人民の敵、浪費家、庶民のことを考えない女王、のイメージでしたが、その時代を考えると仕方がないのかなとも思えてきました。
貴族・王族に生まれたものと庶民とは、そもそももとから交 -
これはこわい、で面白い
プラウザが使えないため購入は見送っているが、
定価購入もしたいくらい面白い。
海と毒薬よりも印象が強かった記憶があります。
プラウザが使えないのがつくづく残念。
お好みで。 -
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いよいよ革命が起こる!7月14日!ちょうどこの本を読み始めた日。なんと言う偶然でしょう。
財政の悪化、市民の苦しみ、貴族への恨み。
そんな中最後まで国民と国王とは愛し合わなければならぬと言う義務を果たそうとするルイ16世。
この日の日記には、何もなしと書く。
自ら意見を出し、苦しまずに死刑執行されるようにと、こころから祈った断頭台で自分が処刑されるとは思いもしない哀れな国王。
そして何もかも理解した上で、最後まで正面を向き、優雅を守り王妃としての威厳を死守しようとするマリーアントワネット。
群衆の残酷さが人間の悲しさをものがたり、なんとも耐え難い文章を綴っていく。
唯一の救いは、愛するフェルセ -
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面白いと思った。導入から本編に入る所は頁を捲る手が止まらなかった。170頁ほどで、2時間半ほどで読み終えれるのに対しての満足感、読み応えを確り感じることが出来た名作。第二章が特に良かった。分かりやすいもので例えるとすると夏目漱石のこころと通じるような、日本人らしい後ろめたさのある心情を上手く掬いとっているように感じた。欧米人である女性と、日本人である女性の対比、誰しもが感じた事がありそうで頭の奥に閉まっている浅ましい考え、これを真正面から描けることの出来る作家は少ない、内容が内容なだけに現代人には"ヤバい"で済まされそうな作品ではあるものの、実際に合った事件が元、という作品