遠藤周作のレビュー一覧

  • 沈黙

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    ## 感想

    キリスト教と言うだけで、日本人からひどい目に合わされるロドリゴ司祭や信徒達。

    宗教や思想の違いだけで、人間が人間にこれだけひどいことをできるのだと言うことに恐怖を感じる。

    『沈黙』はフィクションではあるものの、大方は史実に基づいていて、歴史的にも同じような迫害が行われていた。

    今では違う宗教に対しても寛容になったと思うが、そうは言っても差別や迫害はなくなっていない。

    沈黙ではひどい迫害に遭いながら、ロドリゴが神はいないのかと自分の中の信仰と戦うことを主軸に描かれている。

    私は無宗教なので、この神はいないのかと言う問いが、どれだけキリスト教の信徒の方々にとって恐ろしいもの

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    2025年10月17日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    ネタバレ


    戸田ターン、途中いきなり読み手側に問いかけてくるからびっくりした

    戸田らだけではなく、私だって、世間や社会に絡まなくとも罰だって罪だって意識できるのか
    良心による罪と罰を知らないかもしくは無視してしまわないか
    自分に正直でありたいと強く感じた

    戸田ターンで出てくる首に包帯を巻いた少年、君、太宰治の人間失格にもいなかった....?

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    2025年10月14日
  • P+D BOOKS おバカさん

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    ★5つ!!!
    ガスさんの訪日してから最初の出会いや出来事。
    癒やされます。
    殺し屋の遠藤と作者はどんな繋がりなのだろう?
    気になる
    ナポレオンの最期も悲しい、、、
    そしてどんな経緯で新宿に戻ってきたんだろう?

    会社で「ふあーい」と応えて場を和まそうと思う今日此の頃

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    2025年10月13日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    遠藤周作らしく、キリスト教絡みの重いストーリーである。キリスト教の教えと国家の板挟みとなる主人公2人の心理描写がすざまじい。

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    2025年10月08日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ちょうどよい厚みの本。
    昔中学生あたりで一度読んだときは全く理解できずに終わったのだが、大人になってから読むと色々考えさせられる本だった。
    わかりやすい起承転結を求める人には向かないが、人それぞれの感情の機微について考えたい人に薦めたい作品。

    第一部での勝呂の最後の一言が、最後まで読み終えると違う意味だったことに気が付いて胸が苦しくなった。

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    2025年10月03日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    終戦前の九州大学生体解剖事件をモチーフにし、登場人物の出生や罪の意識の感じ方の違いを良く表現していた。個人個人の罪の意識の違いは勿論、当該事件の当事者になった際にもその罪の意識の違いによる心情の違いを垣間見え、読者にも正義感や罪の意識の感じ方を問い直す作品になっていた。事件について表面的にしか分からなかったが、当事者目線のように事件を体感できたし終戦直後の福岡の様子も垣間見えたのが面白かった。

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    2025年09月30日
  • 沈黙

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    天草一揆直後のキリシタン弾圧が激しい時代の空気感も感じ取れる程に、風景や空気感の描写が的確で、まるでその時代を覗いているような感覚になった。迫害から逃げるシーンも緊張感が文字から伝わってくる。「沈黙」というタイトルは様々な意味合いを含んだタイトルかと感じた。迫害から逃れる為に沈黙を守るキリシタン、キリシタンを飲み込んでも沈黙したような海、キリシタンが耐えられない苦しみを受けているのに沈黙する神。この小説を読み終わってもう一度「沈黙」というタイトルについて考えるほど、のめり込んだ物語だった。

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    2025年09月30日
  • 沈黙

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    特定の宗教への信仰がないからこそ考えさせられた。
    日本にキリスト教が根付かなかったのは、政策のせいなのか、それとも日本人の気質からそうさせたのか。
    今まで神がいるならば世界で戦争など起こらないはずだと思っていたが、そのような心の影がいっそう深くなった。
    神々は沈黙してばかりなのかもしれない。

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    2025年09月27日
  • 沈黙

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    8月の長崎旅行をきっかけに読み始めた。言わずと知れた名作だが、この度が初読。

    長崎は「鎖国」の江戸時代にオランダとの通商が行われた港であり、カトリック文化の影響を色濃く受けた地域だ。浦上天主堂、大浦天主堂などの歴史的な教会は、長崎を訪れる際には必ず立ち寄る場所。

    キリスト教を生涯にわたって文学のテーマとした遠藤周作は、日本にあって稀有な作家。中学生のころから狐狸庵閑話など軽いエッセイには親しんできたが、なかなかこの作品には近づけなかった。

    キチジローという「転び」キリシタンにひときわ興味を惹かれる。パードレのロドリゴをわずかな金で売り渡した「弱き者」キチジローが、神の救いを最も必要とする

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    2025年09月21日
  • 沈黙

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    過酷な拷問や現実に対する、宣教師の心情の機微を事細かに表現されていて、迫力があった。

    物語は終始雨が降り続く、暗澹な雰囲気のなか進んでいくが、派手さを取り除かれたことで、考える葦としての一人の人間の存在をより強く感じることができた気がする。

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    2025年09月14日
  • 秋のカテドラル 遠藤周作初期短篇集

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    色々な想いにさせてくれる本。気軽にサクッと読めるが、一つ一つじっくり読める。合間時間に読んで楽しませてもらいました。

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    2025年09月13日
  • 深い河 新装版

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    インド旅行の予習として読破。ほぼキリスト教の話で予習としての意味は殆どゼロだったが、それにしてもいい小説だった。

    ホテルの名前を告げてタクシーに乗ったが、結婚式で道が塞がっていて一向に到着しない。焦れて式場の名前を運転手に尋ねると、運転手は悪びれもせずに、目的地のホテルの名前を言った、みたいなエピソードが妙に印象的。
    本筋とはぜんぜん関係のないちょっとした話だが、インドらしさ、少なくとも「日本人の思うインド」をこれ以上なくよく表していると思った。

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    2025年10月30日
  • 海と毒薬

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    ほんとに本って忘れちゃう、
    すごく陰のある話だったけど読んで受けた衝撃がすごかった。
    個人的には芥川の人間失格と近いものを感じた

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    2025年09月08日
  • 影に対して―母をめぐる物語―(新潮文庫)

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    本屋さんで目について。
    沈黙、海と毒薬より読みやすいかなと思って。

    出会えてよかった本。
    最初の方の短編は、終わり方があっけない。救われない。しんどい。

    でも、すごく静かに落ち着いている文章なのに、心にグッと迫ってくるような感じ。他の作品も読みたいと思った。

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    2025年08月31日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    遠藤周作さん著「悲しみの歌」
    「海と毒薬」の続編に当たる作品。主軸であった勝呂医師の30年後が描かれている物語になる。

    研修医として生体解剖に携わってしまった過去のある勝呂は、罪という意識とは少し違う罰を自身に課せているように感じた。
    彼はどちらかというと自分自身に失望しているように感じる。
    彼自身が凄く人間らしすぎて、医師として人として、局面局面で選択せざるをえないその数多は、どの道を通っても誰もが納得できるものではないものばかり。
    その中の一つは生体解剖という間違えでもあった、過ちの中でも最悪のもの。

    そんな彼が辿る道は…
    勝呂のその後の歩みは常に孤独感で溢れていて、まるで社会から隔絶

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    2025年08月29日
  • 沈黙

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    キリスト教を布教しにくるも排斥される宣教師たち。その3人の運命。愛とは、信仰とは、慈悲とは、祈りとは、弱者とは、タイトルの沈黙とは。

    10代までに読むのは読んでもやはりわからなかっただろうなという思いと、たぶんむごすぎて離脱したと思う。いまだからこそ読めたという感覚。すげ〜

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    2025年08月28日
  • 海と毒薬

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    罪悪感って外からは見えないけど、本人の中では一生消えない重りになる。しかも裁判とか法律で裁かれる以上に、ずっと自分自身に裁かれ続ける。

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    2025年08月27日
  • 海と毒薬(新潮文庫)

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    捕虜への生体実験という実際の事件をベースにした作品。ここでは、人間を押し流す運命に抗い自由を与える存在として神が捉えられていた。しかし、そのような神が存在せず、ただ海にのまれるように罪を犯してしまう登場人物たち。そして、彼らは、その罪に対して「良心」の問題ではなく、あくまでも一時的な世間的な罰のみの問題として考えている。文章としては大分読みやすく、それぞれが印象的であり面白い。また、解説もとてもわかりやすく面白い。

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    2025年08月25日
  • 海と毒薬

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    第二次世界大戦中の1945年に、福岡県福岡市の九州帝国大学(現九州大学)医学部の解剖実習室で、アメリカ軍捕虜8人に生体解剖(被験者が生存状態での解剖)が施術された事件を元に書かれた小説。解剖実験に疑問を抱く勝呂、逆に全く疑問も良心の呵責もない戸田という2人の研究生を軸に話が進む。

    戦時中の人体実験が、731部隊以外にも国内で行われていた事実にまず驚いた。
    異常な状況下において正常であろうとする者、自分が異常であると認識しつつも正常にはなれないジレンマに苦しむ者、異常であることに気付いてすらいない者、様々な人間の心模様が交錯する。戦後80年の節目に読めて良かった。

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    2025年08月19日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    ネタバレ

    ミツの純粋無垢で不器用な生き方に心掴まれた。主人公の吉岡がクズでミツが田舎生娘であるという単純な構図なのに、何度もミツの言葉に行為に心震わされた。ミツが不幸せな人を見るとたまらない気持ちになってしまうという性質、よく見かける。自分もそう。社会で生きづらいよなと思う。
    特にミツがハンセン病と判明した時、昏睡状態、命からがら「吉岡さん」と発した場面にはウッとなってしまった。
    後半部分は神の存在に関する記述が面白い。さすが遠藤周作。
    重ねてにはなるがミツの死のやるせなさ、吉岡のクズではあるがクズに徹せない人間らしさに感動した。

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    2025年08月14日