【感想・ネタバレ】王妃マリー・アントワネット(下)のレビュー

あらすじ

フランス革命によってヴェルサイユ宮殿の栄華は過去のものとなった。貴族たちは財産を奪われ、特権を剥奪され、次々と裁判にかけられる。王と王妃の処刑を要求する民衆の声は、日増しに高くなって行く。激しい愛を胸に秘め、フェルセンは王妃救出を必死に画策するのだが――。苛酷な運命の中、愛と優雅さとを失うまいとする悲劇の王妃の生涯を、円熟の筆に描き出す華麗な歴史絵巻。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

パリに行く飛行機で一気読みした。翌日に実際にマリーアントワネットが処刑されたコンコルド広場を歩いたり、幽閉されていたコンシェルジュリーやチュイルリー宮殿を外からだけでも見られて、ここで、と感慨深かった。
上巻ではただ我儘で世間知らずだったマリーアントワネットが、群衆の人々の心の変わりやすさを知り、優雅と気品だけは守り通して死んでいこうとする姿が描かれていてとても良かった。

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2025年03月25日

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ネタバレ

脚色されていると思われるところもあるけれど、物語としてとっても面白かった。
歴史を学ぶ際に、こういう本を読むと歴史上の人物が身近に感じられるというか、どんなに昔の人でも私と同じ感情を持っていたのかなと想像できて楽しい。それがきっかけで例えば、マリーアントワネットの周辺の国の歴史も知りたくなったり、その時栄えた文化(服とか食事、芸術、文学とか)を学びたくなるし、マリーアントワネットのお父さんの時代は、その前は。息子の時代は、後世は、と一人の人をきっかけに興味がわいてくる。
マリーアントワネットの最後はとっても悲しいものだった。
彼女自身が処刑されるしかなかったのか。王政という制度の象徴として一人の人間を殺すことが必要だったのか。今では当たり前になっている人権という概念が形成させていく途中の時代。
歴史の出来事には常に、本当にこれでよかったのか、この時代の常識は、ということを考えさせらせる。

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2024年11月01日

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いよいよ革命が起こる!7月14日!ちょうどこの本を読み始めた日。なんと言う偶然でしょう。
財政の悪化、市民の苦しみ、貴族への恨み。
そんな中最後まで国民と国王とは愛し合わなければならぬと言う義務を果たそうとするルイ16世。
この日の日記には、何もなしと書く。
自ら意見を出し、苦しまずに死刑執行されるようにと、こころから祈った断頭台で自分が処刑されるとは思いもしない哀れな国王。
そして何もかも理解した上で、最後まで正面を向き、優雅を守り王妃としての威厳を死守しようとするマリーアントワネット。
群衆の残酷さが人間の悲しさをものがたり、なんとも耐え難い文章を綴っていく。
唯一の救いは、愛するフェルセンの存在。
そしてなにより、マリーアントワネットが、白髪になっても最後まで美しさ、王妃の威厳を失わなかったこと。
ベルサイユにタイムスリップしてきましたが、ちょっと辛すぎてのめり込めずに、遠くから眺めておりました。誰にも感情移入できずでした。

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2024年07月15日

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首飾事件の帰結から、マリー・アントワネットの処刑まで。フランス革命の混乱に翻弄された人生。何度も逃走し、全て失敗して最後は運命を受け入れたというのは初めて知った。終盤は妻として、母としての心理描写が多くて読むのが辛かった…。創作も一部あるけど、基本的に史実に基づいてるので教養として読んで良かった!

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2022年04月21日

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今この時、台湾やミャンマーを思う。

人は同じ過ちを、立場で犯してしまうのかな。

権力を持つものだけではない。

全ての人が。

史実から学ばなけらば。

物語からも。

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2021年04月14日

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まるで今の日本。無知で無能なアホバカ首相。我々の税金を私的に勝手に使いまくるその妻。そして全てにおいてレベルの低い一般大衆。違うところは、人が良く善意のルイ16世に対してアホバカだけでなく性格最悪で腹黒い我が国の首相。気品があり美しい王妃に対して下品で醜い首相の妻。無気力で他人事の日本国民に対して血の気の多い第三身分のアホども。
フランス革命は明らかにやりすぎであのうす暗いコンシェルジェリーに幽閉されていた王妃に同情するが、日本の革命は徹底的にやれば良い。早く起こらないかな…

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2020年02月25日

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東宝ミュージカルの原作という事だが、舞台の内容と全然違う
マルグリッドは最後まで裏稼業の人だった…だから違和感だったんだな。舞台も本もそれぞれに面白い。アントワネットが最後まで気品と優雅を忘れずにいたのは感動的だった

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2019年01月17日

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ネタバレ

マリー・アントワネットは、フランス王妃。14歳で結婚し、37歳でギロチン死刑となるが、フランス革命は王妃のお金遣いが荒いせいだけではなく、軍事費(アメリカ独立革命に干渉してのこと)によって財政の苦境に見舞われた。王妃のスキャンダルもあったが、実際は王だけで浮気はしていない。スウェーデン人ウェルセン伯爵とはプラトニックで終わっている。どんなに辛くても、王妃としての優雅さを忘れず死刑のときも保っていたという。

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2014年07月30日

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下巻はフランス革命がいよいよ始まる。市民の暴動や貴族たちの特権はく奪など、革命に向かうそれぞれの立場での情景が描かれている。14歳で異国から嫁ぎ、37歳で断頭台の露と消えたマリーアントワネット。統率力のない王へのいらだち、貴族たちの策略、裏切り、ひそかな愛…なんと波乱に満ちた短い人生だったのだろう。フランスの財政難を理解できなかった王妃は湯水のように公費を使う。そして、その贅沢三昧は、やがて恨みから国民の暴動へと発展。今や歴史を代表する悪女のレッテルを貼られた王妃だが、その行動の中に、心から楽しんでいるわけではない、何かとても暗い孤独を感じた。晩年の生活を読み進むとさらにその印象が一転する。心から王を愛し、子供たちを溺愛するひとりの妻、母であった。そして断頭台に立つ瞬間までエレガントさと気品を失わなかった美しい女性であった。

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2017年02月21日

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結末がわかっているが故に、読み進めるのが荷が重く感じる。

マリー・アントワネットの美しさは、どこか価値観が王妃らしい、危ういところにあるのではないかと思う。

たくさんの人の前で、祝福されて受け入れたれたのに、

結末は、投獄されて処刑される運命は悲劇すぎるし、人間の恐ろしく、愚かなところが見え隠れしているのではないか。

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2025年08月29日

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「革命」という言葉の持つ高揚感や疼きを、じゃあ実際どうなのって史実ベースで語ると常軌を逸している。身体の奥底から湧き上がる、滾ってくる激情が、正義だの平等だの権利だのお題目を無視て破壊衝動のみを連れてくる。理性的な生き物がただの獣に戻る。「民衆」という、数のみが頼みの存在は、しかし一度でもその武器を振るうと、制御が効かなくなり暴徒と化す。

エネルギー。それはしかしもしかすると、今の時代に求められている力なのかもしれない。

マリー・アントワネットが悲しいだとかというよりも、フランス革命がいかにありえないことだったのかが伝わってきた。

「ありえない」なんて事はありえない

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2025年06月30日

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パリの民衆たちの王政に対する不満の声は日増しに高まり、ついに革命が勃発します。マリー・アントワネットは、頼りにならない王の背中を押して、暴徒と化した民衆を押さえつけようとしますが、彼女たちはしだいに後退を余儀なくされ、幽閉されてしまいます。

一方、革命軍もジロンド派とジャコバン派の対立をかかえており、マリーはどちらに転ぶともわからない不安のなかで、けっしてあきらめることなく、彼女を慕うスウェーデン人伯爵のフェルセンに協力を求めて再起の道をさぐります。しかし、革命を実現した民衆たちの高揚は鎮まることなく、やがてルイ16世は死刑台に引き出されることになります。以前は頼りにならなかった夫でしたが、彼はフランス国民の前で国王としての威厳を守り、そんな彼のすがたにマリーも彼とともに暮らした日々の幸福を認識します。

そしてついにマリー自身も、断頭台による処刑を受けることになります。民衆の好奇のまなざしにさらされながらも、彼女は最後まで優雅な振る舞いを保ちつづけようと心を奮い立たせます。

上巻では、過酷な運命に翻弄されながらも生き生きと活動するマルグリットのすがたと、味方のいない宮廷で心の闇を打ち消すように奔放に振る舞うマリーの二人が対照的でしたが、下巻では、革命の高揚に飲み込まれて暗い情念に支配されるマルグリットと、最後まで誇りをうしなうことのないマリーという、それぞれ立ち位置を変えての対照的な役割を演じています。

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2023年07月16日

Posted by ブクログ

ベルばら展後、実家に昔からあるこの本を手に。ベルばらのマリーアントワネットとはまた少し違う印象でより我儘に感じましたがこちらの方が史実通りなのでしょうか。人物・場所など調べながら読むとより歴史に触れられて◎でした。

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2023年06月10日

Posted by ブクログ

マリーアントワネットの生涯がよくわかる。彼女の最期は切なかった。時代が彼女の運命を決めたのであろう。

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2022年02月20日

Posted by ブクログ

とても面白かった。題名が『王妃マリーアントワネット』という本だけど、歴史的に重要なフランス革命が起こった行きさつなどを、とても優しく、忠実にその流れを描き表せている。登場人物の描写やその心情が分かり易く、物語に深みを与える。
最後結果はわかっているのにどうなるのかと、ハラハラした。

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2020年03月12日

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ちょうど幽閉されたシャルルを描いた絵画を観た後で
興味があったところ同僚に勧められて読んだ本。
フィクションを含めた歴史小説。
堅苦しさがなくとても読みやすかった。
お陰様でフランス史に興味が出てきたので
他も当たってみようと思う。

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2018年12月09日

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転落の象徴的逸話である首飾り事件の余波で民衆のアイドル的存在から憎悪の対象へ一変し公開処刑に至るまでを描く。気まぐれで移り気な民衆の怖さ、それでも貴族としての立ち振舞を意識し愛と優雅さに生きるアントワネットの姿が印象的だ。徹底的な悪政のイメージが強いルイ16世だが、王と王妃は囚われ逃亡しながらの何度も救出が試みられることから貴族社会からはそれなりに支持があったことが窺える。

搾取された民衆に同情すべきであるが、万策尽き刑宣告まで幽閉され疲弊しながら衰弱するアントワネットのさまはなんともいたたたまれない。ギロチンによる公開処刑直前、執行人の足を踏み一言「あらごめんあそばせ」、最後まで気品ある態度で臨んだオーストラリア出身の王妃の象徴的エピソードである。

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2018年09月29日

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首飾り事件~バスティーユ陥落~ヴァレンヌ逃亡事件。王家がかわいそうで、途中で読むのをやめてしまった。


フェルセン伯爵の活躍が際立ち始める。マリー・アントワネットに最後まで献身したスウェーデン出身の貴族。
(世界のすべてが、あの方を裏切ろうと)
(私はあの方を忠実に守り続けよう)

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2018年01月05日

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ネタバレ

歴史小説の中では断トツで好きな一冊です。
初めて読んだのは学校の授業でフランス革命を学んだ直後で、遠藤周作は革命のさ中にフランスに居てその目で見たことを小説にしているのではないかと錯覚するぐらいのリアルな描写とドラマチックな展開に感激し夢中になって読んだ記憶があります。
物語の終盤、アントワネットが最期に口にする「ごめん遊ばせ」「うっかり、いたしましたのよ」の言葉に彼女の王妃としての誇り、気高さ、優雅さの全てが集約されているように感じました。

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2017年03月29日

Posted by ブクログ

普通の人間の物語、なのに時代や立場に飲まれてなんともやりきれない悲しい物語になってしまった。勝者はいないし正解もなく、でも残した足跡から後世の人は色んな思いを抱いたり。歴史てすごい。面白かった。

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2016年12月20日

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自分の過酷な運命を受入れ、潔く死地に赴くマリー・アントワネット。幽閉生活の中で彼女は何かを学び、死を静かな心で受け入れる境地に至ったのだ。

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2015年10月12日

Posted by ブクログ

・読んだ動機は、自由主義を考えるにあたり、古典的自由主義が発生した時代背景を感じてみたかったこと。
・特権階級の優雅さと平民の苦しさはある程度表現されていたので、概ね満足。この格差が不満を募らせる、革命の要因になったことが伝わってきた。
・古典的自由主義は、特権階級による圧政からの自由であることが具体的にイメージ出来た。
・革命後の平民の狂暴さと残忍さがよく描かれていた。
・一般的に革命を起こしたあとの混乱をどう治めるかは、革命前に考えておかなければいけないが、革命が考えている以上の自体に発展するために上手く行かないという構図が見えた。
・マリーアントワネットの死までが描かれているが、フランス革命という点ではまだ先が長い。

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2014年10月28日

Posted by ブクログ

史実通りではない部分も多いようですが、概ね史実に基づいて描かれている事もあり、これが現実に行われた事かと思うと胸が締め付けられる想いを感じる。
フランス革命までの華やかなフランスの貴族社会やフランス革命さ中のフランス国内の情勢などは、日本の歴史の授業では第1次世界大戦の方に重点をおかれるのでなかなか詳しいことを知る機会がないので、こういう物語を通して歴史を知るいい機会になると思う。

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2013年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(下)の方がテンポが良かった。もうかつての豪華な生活はなく、ほとんど幽閉されっぱなし。でも逃亡しようとする場面は本当に緊張した。終わりに近づくにつれてマリーアントワネットがかわいそうになってきた。民衆よりむしろアントワネットを応援してた。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

後半になるとほとんどが史実を追っていたようで、物語としての面白さは失われたような気がする。
脚色しすぎても考えものだし、このくらいでいいのかな。

人の生涯はそれだけでドラマがある。
彼女ほどの規模じゃなくても、一人一人に訪れるドラマを、こうやって俯瞰して見られたら誤らないのかな。

お菓子を食べればいいじゃないと言った人、なんて薄っぺらな理解でなく教養が身につきました。

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2024年11月02日

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ルイ16世が処刑される前夜の様子が、泣けた。
幼かった王妃が、苦境に立たされ、本当の王妃になった。その様をみせられたような思いがした。
マルグリットという対照的な存在が、とてもうまく物語をひきたてている。
おもしろい小説だった。
史実と比べながら読むのも楽しかった。


2001.11.10
人間である限り、過ちもある。マリー・アントワネットは過ちも多かったかもしれないが、悪い人ではなかった。主要登場人物の関連性が面白かった。歴史の中に生きた人々を感じることができた。生きざま、死にざまというものにちょっと感動した。王妃である生きざまと死にざま。私は何者として生き、死ぬのだろう。確固たるものなくして生きて死ぬ、それが大衆の典型なのかもしれない。

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

三部会からバスティーユ牢獄襲撃、ヴェルサイユ行進、ヴァレンヌ逃亡事件、8月10日事件、そしてルイ16世・マリー・アントワネット処刑へ。

こういう本を読むとどうしても国王夫妻に同情をしてしまうが、現代のフランス人はどう思うのだろうか。
ところどころに、著者のキリスト教徒としての視点を感じ取れる。

「わたくしたちは今、基督そのものに向かっているのよ。基督とは聖絵に描かれている姿ではないの。わたくしたちが目標として行動によって創りあげていく存在なの」(49頁)

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2024年02月19日

Posted by ブクログ

上下巻とおして終始オリキャラのマルグリットがウザかった。もう一人のオリキャラのアニエス修道女が、歴史人物の某という設定がどうにも受け入れられず、少し残念な読後感に……。文体も辻邦生のようにもう少し端正なほうが好み。読みやすくはあるのだけど。

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2023年12月02日

Posted by ブクログ

世界史を学んでいたので、マラーを殺したのはジロンド派の父を持つ女性だった気がしたから、そこで相違があり、「あれれ」という感じがした。全体的には史実+著者の創造が混ざっていて、実際と比較しながら読むのは楽しかった。ただ、少し長い。

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2021年05月25日

Posted by ブクログ

パリ行きの飛行機の中で何とか読み終わりました。
彼女に関してはいろいろ逸話がありますが、こちらは良い人に描かれています。
時代背景も興味深く、生まれたときから運命づけられたかのような翻弄された人生は切ない気持ちになりました。
個人的にはこの本の通り、魅力的な人だったんだろうなと思います。

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2018年01月20日

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