遠藤周作のレビュー一覧

  • 反逆(上)

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    初めて読んだ遠藤周作の歴史小説。私は、一気に信長の時代に引きこまれていった。
    上巻は、荒木村重の心の葛藤を中心に、明智光秀・豊臣秀吉・高山右近が登場し、それぞれの人物像やそれぞれの思いが絡み合う。
    また、村重の家臣である竹井藤蔵が非常に魅力的に描かれている。

    早く下巻が読みたい。

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    2010年02月26日
  • 父親

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    けじめ。そして、善魔。
    父と娘のそれぞれの想いがとてもよく伝わった。きっと、今の自分だからこそ余計に感じる部分が多い気がする。学生時代の自分だときっとこれほど印象に残ることはなかったと思う。
    自分の道を突き進めば進むほど見えなくなる身近な人のこと。身近な人、そしてその周りの人たちのことを大切に思いながら、生きて行きたいと思った。

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    2010年01月23日
  • 彼の生きかた

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    まっすぐに自分の生き方を貫く主人公は素敵ですね。
    どうしようもなく他者に影響されたり、阻害されて、変えざるを得ない時もやっぱりあるけれど…。
    主人公が恋い焦がれている女性も、最終的には悲しい結末になってしまって、エンディングを物悲しくさせているところがあるけど、美しい描写で描かれていてGoodですね。

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    2009年11月19日
  • 夫婦の一日

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    短編集。
    表題作も印象深いのですが、この作品唯一の歴史小説の「日本の聖女」が一番印象的でした。
    細川ガラシャの話です。
    聖職者からみた、それも批判的?なガラシャ評価が心に残ります。

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    2009年11月04日
  • キリストの誕生

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    死後、キリストとなったイエス。弟子たちや信仰の問題。聖書に書かれなかった使徒たちの最期の秘密。
    ポーロの布教活動と協会同士の対立。
    イエス「復活」とキリストの「誕生」

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    2010年08月13日
  • 反逆(上)

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    自分で選ばないシリーズ、大好きな遠藤周作さんだが歴史小説ということで手が出なかったと思うので、読めてよかった。戦国時代の心理戦というか武将の思惑が錯綜するようすが面白い。特に村重のだしに対する思い、高山右近の信仰との葛藤の描き方に優しさを感じる気がする。ちょうどナショナル・ジオグラフィーで米軍とイスラエル軍兵士の特集をやっていたが、防衛戦略や武器が発達しても人間の心理というのは変わっていないのだろうと思うし、例え技術が発展しても、そこを変えてしまう技術が発展すれば人間は終わりだろうと思うが、どうだろうか。

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    2009年11月02日
  • 反逆(下)

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    下巻は主に明智光秀のお話です。

    明智光秀・・・かなり信長の事好きです。
    尊敬というよりも
    圧倒的な強さの前の・・・恐怖よりの憧憬という感じです。
    それゆえ・・恐怖に歪む顔も・・みたい・・・みたいな事言ってます。

    「少女のように顔を赤らめ・・・」
    みたいな描写とか・・・なんともあやしい・・・表現が多く・・・面白かったです(笑)

    ただ本能寺にいたる・・・光秀の変化が・・・本当になぞで・・
    このままじゃ「恐怖に歪む顔がみたい」だけだったの!?と思ってしまいます(それは、それでアリですが。)
    本能寺にいたる経緯を史実無視でもいいので何かほしかったです・・。

    ただそうなると・・何か違うな・・って

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    2009年10月04日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    ネタバレ

    第二部は第二次大戦下での長崎を舞台とし、サチ子を主人公とした作品です。

     おさななじみのサチ子と修平は互いに好意を抱きあっていた。修平は聖書の「汝、人を殺すなかれ」という教えと戦争で人を殺さなくてはならないことの矛盾に悩み、やがて特攻隊として出撃する。一方、サチ子の住む長崎は原爆にみまわれる。


     この作品では、修平が矛盾に苦しんだことと、サチ子の修平を思う気持ちがすごくわかるなぁと思いました。この作品で修平が感じた矛盾は、作者自身が実際戦争中に感じたことだったそうです。
     ラストではサチ子は別の人と結婚し、家庭をもっています。しかし真剣に恋をした修平の事は一生忘れていないし、忘れはしない

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    2014年02月18日
  • イエスの生涯

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    『沈黙』で描かれたイエス・キリストの生きた姿。かくも優しく無垢な人間が、過去に本当に存在したという事実に胸を打たれます。『沈黙』同様、遠藤文学を知る上でぜひとも読んでおくべき作品です。

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    2025年08月11日
  • 沈黙

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    遠藤周作が描くキリスト教文学の「原典」。「苦しむ者と共に苦しむ」神の姿には、キリスト教の信者ではない読者にも共感を与えます。遠藤文学を知るために、最初に読んでおくべき作品。

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    2025年08月11日
  • 勇気ある言葉

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    遠藤周作のポテンシャルの高さが見事に表されている短編集。
    最後のオチには思わず「え!」って声を出してしまった。
    天才は笑いを作ることにおいても天才だったのか。
    そこらへんのお笑い芸人の何百倍も面白い。こりあんせんせー

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    2009年10月04日
  • 周作塾

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    狐狸庵こと遠藤周作先生が、1話ごとにタメになるお話をしてくれます

    賢い競馬の儲け方、第一印象の持つ力、ブスを美人に見せる方法まで....etc

    今どきの若い女の子は、容姿が良くても頭はカラッポ
    ウワサ話かオシャレのことしか興味がない・・・・

    ちょっとキツイ言葉だけど、言われてみればそうかもしれない

    若いときにしか経験できないことはたくさんあるのに
    その大切さに気づかずに毎日を過ごしているような気がしてきます。

    1つ1つのお話が短くてとても読みやすいので、とてもオススメです。

    人生を豊かに生きるちょっとしたヒントを与えてくれる とてもタメになるエッセイです。

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    2009年10月04日
  • 聖書のなかの女性たち

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    大好きで何度も何度も読んでます。
    一番好きなのは、本文ではなくて『ひよこ』との話。
    この本を読むたびに、愛と優しさを感じます。
    ただ、ひとつだけ。
    サロメの話だけが切なくて悲しい。
    たくさんの人を救ってきたけれど、サロメはその対象にはならなかった。
    サロメというと、7つのヴェールの妖艶な踊りが有名で、生まれながらに淫乱・残虐非道な少女となっていますが、オスカー・ワイルドの小説のせいか、本当にそうだったのかとも思えてきます。
    (遠藤氏の文章でも、その疑問は書かれています。)
    神さまにも、救われたいと思っていないものは救えないのかなと思うと、何だか切なくて悲しくなります。

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    2009年10月04日
  • 青い小さな葡萄

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    君、俺は、青い葡萄を地上に求めすぎるんじゃ、ないだろうか―。

    この話の登場人物の一人、ハンツの台詞です。

    フランスで働く青年伊原と、片腕を失ったドイツ人基督教信者ハンツが出会う。
    互いに戦争による後遺症ともいえる異国での人種差別を経験している二人が、ある女性を探し求めるというストーリー。
    ドイツ人・日本人・ポーランド人それぞれの視点から描かれる悲しみと葛藤。
    テーマは悪の普遍性と、神の沈黙だと思います

    自らの帰属するものは何なのか?
    神を信じないならば創るしかないのか?
    国家や人種から人は逃げられないのか?

    短い話なのに非常に多くの問いがあるように感じて、ドキドキしながら

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    2009年10月04日
  • 王国への道―山田長政―

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    山田長政ってこんな人だったのか!
    ちょっとサスペンスチックというか、
    読んでて手に汗握る部分あり、
    人生のはかなさみたいなものを感じさせる場面あり。
    なかなか面白かったです。

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    2009年10月04日
  • 異邦人の立場から 現代日本のエッセイ

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    海外で日本人である、ということ。日本でキリスト教信者である、ということ。マイノリティである、ということについて考えさせられる作家が遠藤周作だと思う。

    タイトルどおりに「異邦人の立場」というテーマを扱ったエッセイ集。秀逸です。
    海外に住んだことのある人・キリスト教(カトリック)の日本人だけじゃなくても、日本語が読めるなら読んでみたら、と勧められる一冊。

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    2009年10月04日
  • 母なるもの

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    エルサル旅行の友。私は遠藤周作さんの宗教観がとても好きで、日本人にとって宗教とはと考えるとき彼の考えが心にぴったり来る。それは自身が西洋のキリスト教に染まりきれなかった葛藤であり、切支丹の歴史を考え抜いた末の見解であり、亡くした母への後悔の念であり、それでも上手く伝えきれないもどかしさに、なんだかとても惹きこまれるのである。

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    2009年10月04日
  • 妖女のごとく

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    サスペンス、ミステリーを読んでもどこか他人事で私にとっては単なるエンターテインメントでしかないのだがこれと「真昼の悪魔」だけは別。本当に面白い。というか本気で怖い。どんどん引き込まれて、一旦本を閉じてもどこか現実に戻りきれないような背筋が凍るような寒気を感じる。すごい。

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    2009年10月04日
  • さらば、夏の光よ

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    どんなに愛されても尽くされても、どうしても嫌悪する。美しい心をもっていても、目をそむけられてしまう。猪首という言葉を初めて知った。

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    2009年10月04日
  • 死について考える

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    人は遅かれ早かれいづれ死ぬ。大作家だって犯罪者だっていづれ死ぬ。死について考えないで人生終えれたらどんなに楽だろうと思う。死は怖いし死んだらどうなるかなんて誰もわからない。だから人はその死の恐怖をやわらげるために宗教に頼ったりするんだろうか。

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    2009年10月04日