遠藤周作のレビュー一覧
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下巻は主に明智光秀のお話です。
明智光秀・・・かなり信長の事好きです。
尊敬というよりも
圧倒的な強さの前の・・・恐怖よりの憧憬という感じです。
それゆえ・・恐怖に歪む顔も・・みたい・・・みたいな事言ってます。
「少女のように顔を赤らめ・・・」
みたいな描写とか・・・なんともあやしい・・・表現が多く・・・面白かったです(笑)
ただ本能寺にいたる・・・光秀の変化が・・・本当になぞで・・
このままじゃ「恐怖に歪む顔がみたい」だけだったの!?と思ってしまいます(それは、それでアリですが。)
本能寺にいたる経緯を史実無視でもいいので何かほしかったです・・。
ただそうなると・・何か違うな・・って -
Posted by ブクログ
ネタバレ第二部は第二次大戦下での長崎を舞台とし、サチ子を主人公とした作品です。
おさななじみのサチ子と修平は互いに好意を抱きあっていた。修平は聖書の「汝、人を殺すなかれ」という教えと戦争で人を殺さなくてはならないことの矛盾に悩み、やがて特攻隊として出撃する。一方、サチ子の住む長崎は原爆にみまわれる。
この作品では、修平が矛盾に苦しんだことと、サチ子の修平を思う気持ちがすごくわかるなぁと思いました。この作品で修平が感じた矛盾は、作者自身が実際戦争中に感じたことだったそうです。
ラストではサチ子は別の人と結婚し、家庭をもっています。しかし真剣に恋をした修平の事は一生忘れていないし、忘れはしない -
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狐狸庵こと遠藤周作先生が、1話ごとにタメになるお話をしてくれます
賢い競馬の儲け方、第一印象の持つ力、ブスを美人に見せる方法まで....etc
今どきの若い女の子は、容姿が良くても頭はカラッポ
ウワサ話かオシャレのことしか興味がない・・・・
ちょっとキツイ言葉だけど、言われてみればそうかもしれない
若いときにしか経験できないことはたくさんあるのに
その大切さに気づかずに毎日を過ごしているような気がしてきます。
1つ1つのお話が短くてとても読みやすいので、とてもオススメです。
人生を豊かに生きるちょっとしたヒントを与えてくれる とてもタメになるエッセイです。
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Posted by ブクログ
大好きで何度も何度も読んでます。
一番好きなのは、本文ではなくて『ひよこ』との話。
この本を読むたびに、愛と優しさを感じます。
ただ、ひとつだけ。
サロメの話だけが切なくて悲しい。
たくさんの人を救ってきたけれど、サロメはその対象にはならなかった。
サロメというと、7つのヴェールの妖艶な踊りが有名で、生まれながらに淫乱・残虐非道な少女となっていますが、オスカー・ワイルドの小説のせいか、本当にそうだったのかとも思えてきます。
(遠藤氏の文章でも、その疑問は書かれています。)
神さまにも、救われたいと思っていないものは救えないのかなと思うと、何だか切なくて悲しくなります。
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Posted by ブクログ
君、俺は、青い葡萄を地上に求めすぎるんじゃ、ないだろうか―。
この話の登場人物の一人、ハンツの台詞です。
フランスで働く青年伊原と、片腕を失ったドイツ人基督教信者ハンツが出会う。
互いに戦争による後遺症ともいえる異国での人種差別を経験している二人が、ある女性を探し求めるというストーリー。
ドイツ人・日本人・ポーランド人それぞれの視点から描かれる悲しみと葛藤。
テーマは悪の普遍性と、神の沈黙だと思います
自らの帰属するものは何なのか?
神を信じないならば創るしかないのか?
国家や人種から人は逃げられないのか?
短い話なのに非常に多くの問いがあるように感じて、ドキドキしながら