遠藤周作のレビュー一覧

  • 反逆(下)

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    上巻が荒木村重の視点が多かったのに対し。下巻では明智光秀がメイン。

    日本人特有の感情や、礼儀、筋の通し方など巧く表現できないけれど、日本人を見直すことができる作品。

    また、戦争や争いについても現代のそれと比べて色々な考えを巡らせることができました。

    藤蔵や、だしの最期には思わず泣いてしまいました。

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    2022年11月07日
  • 新装版 海と毒薬

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    タイトルとあらすじから、おどろおどろしい物という先入観から、読み終わると意外とそうでも無かったなと先ず感じた。

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    2022年10月19日
  • 新装版 海と毒薬

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    面白かった。扱う題材が、ひどく重い。淡々と登場人物の過去や、そう思うに至った経緯みたいなのを描写することで、余計に悲しさや虚しさみたいなものが強調されていると思った。また、緊迫感のあるシーンでは非常にドキドキとした。これも淡白な文章で起こった出来事を次々と描写していった結果だろうと思う。それぞれが何を思っているのか、三人称がとても活かされた作品だと思った。始まり方からもそう思わせる。

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    2022年10月09日
  • 私は私、これでよし

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    ネタバレ

     ①「桃栗3年、柿8年」は知ってますが、「膝なで3年、尻8年」は知りませんw(吉行淳之介の迷言)②入院すると「~してはいけません人間」になって自信を失くしてしまう。「一日半時間以上散歩をしてはいけません」でなく「一日半時間散歩ができるようになりました」に ③相手の名前を言って呼びかけ、微笑する。そうすれば、友達はできる ④手の親指、うしろに全くそらない人は本質的にケチ。少しそる人は普通の人。ひどくそる人は浪費家。私は全くそりません。そして、確かにケチですw 遠藤周作「私は私、これでよし」2014.3発行。

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    2022年09月12日
  • 新装版 海と毒薬

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    実際の事件をもとにした作品。神がいない日本で、何が罪で、罪とどう向き合うのか、人の葛藤が描かれている。

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    2022年09月04日
  • 新装版 海と毒薬

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    物語として読みやすく面白いかと言われたから賛否分かれると思うが、戦後の医療の現場としてあってはならない実事件を題材にしているという点で、文学的価値が非常に高い作品だと捉える。

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    2022年09月01日
  • 侍

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    戦国時代、藩主の命令によってローマ法王への親書を携えて海を渡った東北の貧しい侍の話。侍から見た世界、キリスト教とは。4人の侍の性格の違いとたどった道筋の違い、そして太平洋から南米大陸、大西洋、ローマへの長い旅路の様子も興味深い。
    忍耐強い侍の心理描写や従者との信頼関係も印象に残った。

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    2022年08月31日
  • 死について考える

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    「死」に対して様々な角度から、カトリック教徒としての遠藤周作の私見が書かれている。最初の方は、遠藤周作があの時代に力を注いでいたホスピスの様な医療の普及について書かれていた。たった30年ほどしか経っていないのに、ホスピスもたくさんあるし、癌の告知も当然のようにされる世の中に変化していることに驚いた。このあたりの文は、時代が少しばかり違うので、あまり共感する部分はなかったけれども、後半の宗教的(哲学的)な考え方には共感し、彼の考える「救い」の広さに感動した。遠藤周作のキリスト教との向き合い方がよくわかった。

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    2022年08月27日
  • 稔と仔犬 青いお城 遠藤周作初期童話

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    子どもが主人公のとても素晴らしい作品。
    遠藤周作初期の童話だけど、必ず意地の悪い子どもが出て来て、考えさせられる。
    子犬と神父さんと男の子、バレリーナ志望の女の子と友人の男の子の友情や思いやり、暖かい家族、きちんと育てられた子どもは、やはりどんな状況でも親はきちんとして、思いやりがある。
    大人が読んで考えるべき作品。

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    2022年08月24日
  • キリストの誕生

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    ☆☆☆ 2022年7月 ☆☆☆

    P287 原始キリスト教のみじかい歴史を調べる時、私がぶつかるのは、いかにそれを否定しようと試みても否定できぬイエスのふしぎさと、ふしぎなイエスの存在である。なぜこんな無力だった男が皆から忘れ去られなかったのか。なぜこんな犬のように殺された男が人々の信仰の対象となり、人々の生き方を変えることができたのか。

    『イエスの生涯』『キリストの誕生』の2冊で筆者が読者に語りたいのはまさにこの点である。『キリストの誕生』では弱虫で臆病だった弟子たちが原始キリスト教の創始者となり、キリスト教が広まっていく頃の事が語られる。
    ペテロやポーロ(パウロ)といった弟子たちの物語。

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    2022年07月23日
  • イエスの生涯

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    ☆☆☆ 2022年7月 ☆☆☆

    「彼の容貌を私たちは見たこともない。彼の声を私たちは聞いたこともない」

    彼とは、約2000年前に生まれ人々の苦しみを背負って十字架にかけられたイエスの事である。キリシタンである遠藤周作氏が「イエスの生涯」というテーマで、イエスとはどんな人物だったのかに迫る。

    この本を読んで感じるのは、イエスとは純粋な優しさを持った人だったのだろうという事。人々から誤解され、弟子たちから裏切られても尚、人を恨まず「彼らをお許しください」と乞うたイエス。

    臆病だった弟子たちはなぜ強靭な信仰者となれたのか、それは続編の『キリストの誕生』へと続く。

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    2022年07月23日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    主人公吉岡の生き方を批判はしないし、かといってミツのような女性が素晴らしいのかどうかもわからないけれど、ただただひとりの男を愛し
    平等に人間を愛し、孤独と戦いながら死んでいったミツは哀しい女性だなぁ、という印象。
    現代では「重い女」と排除されてしまいそうな一途さだけれど、他に拠り所のない人生において何かにすがりたい想いはわからなくもない。
    せつない。

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    2022年07月17日
  • P+D BOOKS おバカさん

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    この作品を読んで思い出した、いつかどこかで読んだ遠藤周作の言葉↓。

    神も仏もないというところから信仰は始まる。
    私が神を捨てられないのではなく、神が私を放してくれない。

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    2022年07月21日
  • 人生の真実を求めて 神と私〈新装版〉

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     この本は、遠藤周作が宗教について語ったさまざまな作品から、人間とか愛だとかのテーマ別に集めた本である。したがって、遠藤周作の本を何冊か読んだことのある他人にとっては、その本で書かれていた深い言葉の意味を再認識できるのでとても良い。遠藤周作の本を読んだことのない人が読んでも、これは遠藤周作の本に興味を持つ手引になる。
     いずれにしても遠藤周作の名言を再認識することができるのと、なぜ人は宗教信仰をするのかという本音がわかってくる。ベルナノスというフランスの作家が「信仰というものは、99%の疑いと1%の希望だ」と書いているそうである。遠藤周作にとってキリスト教は、「脱ぎ捨てようとしたが代わりに着る

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    2022年07月06日
  • 白い人・黄色い人

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    第一次、第二次戦後派作家に続く『第三の新人』と呼称された新しい世代の文学作家達。
    遠藤周作もまた、安岡章太郎や吉行淳之介に並んで『第三の新人』の新人と呼ばれる作家の一人です。
    ただ、ミスター第三の新人とでも言うべき吉行淳之介に比較すると、遠藤周作の書く作品群には"キリスト教"という明確なテーマがあり、明確なテーマが傾向が無い『第三の新人』たちとは毛色が異なります。
    そのため、遠藤周作については、『第三の新人』からは除外する考え方もあります。

    本文庫には、遠藤周作初期の2篇、"白い人"、"黄色い人"の2作品が収録されています。
    両作品

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    2022年06月15日
  • 稔と仔犬 青いお城 遠藤周作初期童話

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    ネタバレ

    遠藤周作、初期の頃の小説。児童向け?
    仔犬のチビ、車にはねられてなくて良かった。
    愚痴を黙って聞いてくれる、どこまでも一緒についてくるチビ。
    きっと遠藤少年も大連で同伴者のような犬との日常があったんだろうな。
    この「稔と仔犬」にしてもバレエを習う八百屋のたえ子と転校生のサルみたいで10円ハゲのあるでも心やさしい平吉との物語も、キリスト教の源流みたいなものが描かれていて、
    なんか考えさせられたり、泣けてきたりした。

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    2022年05月23日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    「海と毒薬」から20年の時間を経た1977年の
    「悲しみの歌」新人医師だった勝呂医師はそれと同様に年齢を重ねている。
    戦時中 米兵捕虜の生体解剖事件に関与し、戦犯となり罪を償った後、新宿でひっそりと開業していた。彼は過去の罪に縛られて虚無の中生きていた。
    一人の若き新聞記者が彼の過去を掘り下げ、正義の記事として発表する。
    そのような時、貧困の末期癌患者を受け入れ手当を続け、患者の安楽死の希望を受け入れる。

    勝呂医師の背負い続ける罪の意識に対して、当時の自堕落な若者、社会的地位に固執する男、それに反発する娘、平然と生きている様子がおりこまれる。
    そして、作者のイエスのイメージと思われるフランス

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    2022年05月08日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    タイトルが長い!そして挑発的!
    長すぎて、逆にそれが目を引いて買ってしまいました。

    色々な場面においての手紙の書き方についてです。

    だいぶ昔に執筆された本のようで、今はあまりお目にかかることも少なくなった(…と思われる)ラブレターの書き方なども入っていますが、つづられ方にユーモアがあり、面白おかしく、でもフムフム、と納得してしまいます。
    なるほど、同じことを伝える内容でも、書き方ひとつで相手が受ける印象ってこんなにも違うのだなぁ。
    筆不精を克服した筆者のコツも書かれていますよ。

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    2022年05月07日
  • 死について考える

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    氏は、60歳を過ぎて死について考えないのは、怠慢か、鈍感な人であって、決して褒めるべきことではありませんよ、と話したといいます。
    昔であれば、60歳なんて、バタバタと死んでいく人がいたものです。
    死を身近なものとして捉えるにあたり、本書はまさに適切な一冊と言えるでしょう。

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    2022年05月06日
  • 薔薇色の門 誘惑 遠藤周作初期中篇

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    久しぶりに遠藤周作の初期作品を読んだ。
    戦後の受験生の経験談を弟に語る兄、この時代に進学して、おまけに浪人して暮らすなんて、恵まれている。羨ましい。
    もう1篇は、人を利用してでも自分の成功を目指して策略する。
    貧しいとわからないでも無いが、人としたら悲しい話だった。
    でも人間社会はこれよりひどい事が、いっぱいある。

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    2022年03月28日