遠藤周作のレビュー一覧

  • 恋愛とは何か 初めて人を愛する日のために

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    性的なことから向き合う。
    執筆された時代だと、特にタブーとされてたことかもしれないけど、そういうところから目を背けない。
    恋愛とは何か、迷ったらまた読みたい。

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    2021年06月07日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    "正義"とはなんだろう・・・?

    言論の自由が保障されていて、何を考えていても、誰かに処罰されることなどない世界。一方で、世間の考えに反する意見を持つ者は、暴力をふるわれ、白い目を向けられる世界。

    両者は同じ世界でも、そこで発言することの重みは違うと思う。殴られたり、家族に危害を加えられたり、職を失う可能性があったりすることがある場所で、その一線を踏み越えてはいけないと抵抗できる人はどれだけいるのだろう・・・。

    「そんなこと、普通だったらしない。」口で言うのは簡単。ましてや、その状況にいなかった人ならなおさら。

    同じ命を奪うことに対して、葛藤し、背負った重さを胸に秘め

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    2021年06月06日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    ネタバレ

     コルベ神父がアウシュビッツで同じ班だった妻子ある父親の身代わりとして餓死の刑を受けるという行動が「無償の愛」だと思った。
     女の一生〈1部〉キクの場合でも無償の愛について考えたけど、今回は自分が愛する人(家族や友人や恋人)のためではなく、見ず知らず,ただアウシュビッツでたまたま同じ班だった人の身代わりとして死ぬという行為、これこそが全く見返りを求めない愛だと思った。
     最後に、この小説でコルベ神父が実在の人物であることを知って更に感動した。この方を知ることができて良かったと思う。

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    2021年05月07日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    ■美しい魂が宿す悲しい運命が切ない。■

    疑うことを知らず、馬鹿がつくほど正直でお人好し、母性の塊のような女ミツ。彼女は誰かの不幸せが自分のことのように悲しく、自分を犠牲にしてまで助けてしまう。彼女はその美徳ゆえの悲しい性を背負って生きていくしかないのか。

    一方の吉岡は、勉強して大学に入り、背伸びしてちょっと世間を知ったつもりの男子学生。若者にありがちな見栄、傲慢さ、無責任さ、そして抑えがたい性欲を持つ。根っからの悪人というわけではない。
    誰しも(もちろん僕にも)思い出すのも恥ずかしくなるようなほろ苦い経験や深い悔恨がある。若気の至りってやつだ。

    吉岡はミツの性格を利用し、遊んだ後はボロ雑

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    2021年04月23日
  • 哀歌

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    ネタバレ

    病気、死、基督教、切支丹。
    名作長篇に繋がる短篇がまとめられていて、短くとも真髄に触れられる濃い内容。
    神の存在の描かれ方が印象に強い。生きている動物や人間に神の存在を見ているのが、自分の中にない感覚だった。
    人間の罪深さや弱さと対峙するのは心を抉るように辛いが、目を背けずに知りたいという欲求が勝る。

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    2021年04月19日
  • 彼の生きかた

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    著者のイメージはテレビで、ユーモアあふれる会話をする作家さんと言うものでした。間違いなく著者は日本の文壇で名前を残している方だと思います。ただ残念ながら、後世に読み継がれていくのかと思うと不安になります。私の杞憂かもしれませんが、「海と毒薬」「沈黙」「深い河」など。感銘を受けた作品が沢山あります。今回読んだ作品は彼の代表作とまでは言えない作品かもしれませんが、面白く読めました。著者の弱い立場の人に寄り添う姿勢が読み取れます。主人公の学歴に対するコンプレックスなどは著者に通じるものがあるのではないかと勝手に思っています。今度は、著者のエッセイを読んでみようと思います。

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    2021年03月09日
  • イエスの生涯

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    遠藤周作による聖書の解釈、キリスト教観がわかりやすく書かれた1冊。遠藤周作作品を読むためのバイブル。この作品を読んでから別の作品を読むとより一層楽しめると思う。

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    2021年08月02日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    昔のエリート――というほどではないが、二流三流とはいえ大学出の――男が、過去に残酷にやり棄てた女に対する懺悔や言い訳の入り混じった告白をする話かな・・・と思いきや、まあそうといえばそうだけど(いや懺悔はしてないな)、やはり遠藤周作だし、神の愛まで話は至った。

    田舎出の、愛情にも運にも恵まれなかった森田ミツという女性が、タイトルでいう「棄てられた」女なのだが、彼女が、人の苦しみを自分の苦しみと思い人のために尽くさずにはいられない人間で、ある価値観ではこれを「お人よしで損ばかりしている愚鈍なやつ」ととらえることもできるが、この本のテーマとしては彼女こそが神のいうところの「幼子のように素直に愛の行

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    2021年01月10日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    マリー・アントワネットの生涯、とっても気になる。
    マルグリッドの登場とか、(たぶん)創作の部分はあるものの読み応え十分。

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    2021年01月08日
  • 白い人・黄色い人

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    教会も罪の苦しみも、救済の願望も、私たち白人が人間の条件として考えた悉くに無関心、無感覚にあいまいなままで生きられるのだった。これはどうしたことなのだ。これはどうしたことなのだ。

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    2020年12月13日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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     心の込められた手紙を書くには『読む人の身になって』書くと良いが、【どのようにして】という部分を、例題を絡めて綴られている。
     手紙について2割、恋文に5割、お見舞い・お悔やみに2割、他1割といったバランスで、主にラブレターに関してだが、要領は他の内容でも使うことの出来るものだ。
     少し古い価値観も見られるが、家族へしっかりとした手紙を書きたいと考えていた身としては、概ね参考になった。

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    2020年10月10日
  • 満潮の時刻

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    静かな気持ちになりました。
    静かに静かに進みながらも、気づけば最高潮に。まさに満ち潮のよう。感情の大波が訪れていました。

    生きることを見つめていく明石の、たった一人と九官鳥一話の深夜の対話。溢れる彼の涙。
    明石の心を捉えた、病室の夫婦。手を握り合った2人の情景が忘れられない。
    良書でした。

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    2020年09月13日
  • 生き上手 死に上手

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    延命医学に対する疑問は共感できる。
    ただ、自分が当事者になったとき、特に延命対象が自分自身ではなく、親や兄弟、子供が対象になったとき、「延命不要」と言えるか…。私は「命がある」ということに拘り、そこに望みを見出だしてしまうと思う。

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    2020年08月12日
  • 留学

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    重く長い。
    工藤も田中も遠藤周作自身なのだなと思った。
    彼らの中には必ず劣等感があり、その部分こそが私たちを同じ人間なのだと狂わせる。
    誰も同じなわけないのに。
    我々はいつどこの場所に生きても、思い悩み、一点の消えない朱色を追い求めるんだ、と思った。

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    2020年07月25日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    遠藤周作の小説は、読みやすいけど重い。
    タイトルからして明るい内容ではないだろうとは思って読み始めたのだけど、こういう流れと結末が待っていることは予想できなかった。

    大学生の吉岡努が2回目のデートで身体を奪って棄てた森田ミツは、不美人だけど無垢な、田舎生まれの苦労人の娘だった。面倒になった吉岡はミツとの連絡を断ち、月日は流れた。
    大学卒業後、吉岡は勤め先の社長の姪との結婚を決めた。一方ミツは、孤独で貧乏な生活に耐えながら、吉岡からの連絡を一途に待ち続けていた。
    そしてミツは、さらに過酷な運命に弄ばれてゆく。

    吉岡はエゴイズムの権化で、一方ミツは自己犠牲や愛の化身、という印象。ミツは容姿だけ

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    2020年04月23日
  • 死海のほとり

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    ネタバレ

    「イエスの生涯」の前に読んだ方がいいかも?
    同伴者としてのイエス
    「裏切り者」と遠藤、いや人類のオーバーラップ。

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    2020年04月23日
  • 母なるもの

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    ネタバレ

    キリスト教と日本人、また遠藤周作がもつ信仰について。短編集ひとつひとつが心を打つ名作。かくれ切支丹から読み取られる、マリア信仰の強さ、母なるものへの思慕。日本の宗教的本質は、父なる神の教えと相容れない。遠藤の信仰は、実母への愛着を原点としており、かくれ切支丹への気恥ずかしいながらの共感を示す。明治以後に伝来したキリスト教への違和感、信じられることへの羨望。「最もアーメンに縁のないような人間に、なぜアーメンはとり憑いたのだろう」

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    2020年04月09日
  • 口笛をふく時

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    戦前に灘中に通っていた父と、大病院で癌患者を担う息子。戦争と医局の力関係という、それぞれ大きな力の元、一人の女性によって人生が交わっていく。

    医療系で真面目な方の遠藤周作であるが、かなり読みやすい部類だと思われる。戦時中の灘中(今の高校)で、平目という同級生と出会い、成績不良で挫折し、戦争によって引き裂かれる。一方で、医者の上下関係によって、正しい治療法を見誤っていく。

    戦争の話は、かなり端折って軽く描かれている分、医局の異常さという部分が重くのしかかる文章となっているものの、難しい文章ではないため、理解しやすいだろう。展開としては、最後に大きくカタルシスがあるわけでもないので、最後の部分

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    2020年04月07日
  • 恋愛とは何か 初めて人を愛する日のために

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    文学考察として十分に面白い。
    性差別が少し乱暴な気もするが、時代だから仕方ないか。
    愛と情熱は別物らしいぞ。

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    2020年03月27日
  • 侍

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    ☆☆☆2020年3月☆☆☆


    江戸時代初期、まだ大坂の陣は終わっていない頃。
    徳川氏の天下が確定しつつあった頃の物語。
    東北から、宣教師とともにメキシコへ、ヨーロッパへと旅した「侍」と、宣教師を中心とした物語。


    「侍」=長谷倉のモデルは、明らかに支倉常長だろう。
    異国との通商を求めるという親書を携え、メキシコへ、スペインへ、イタリアへ、苦難の旅。
    「宣教師」=ベラスコはポーロ会という宗派の宣教師で、日本にキリスト教を広めたいという強い思い、そして自分が出世したいという秘めた野望を持っている。


    長谷倉らは、使命を果たすため、やむなくキリスト教に改宗。これが帰国後彼らにとって悲惨な結果と

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    2020年03月15日