【感想・ネタバレ】哀歌のレビュー

あらすじ

肉体の恐怖の前には精神など全く意味を失ってしまう。臆病に生き臆病に埋もれて、自分がどんなに卑怯なのか、どんなに弱いのか、たっぷり承知している――弱者。弱者を凝視して聖書とキリストの意味を追究し、「沈黙」への展開を示唆した注目すべき短篇集。人間の深層によどむ(哀しみの歌)を表題に据え、「その前日」「四十歳の男」「大部屋」「雲仙」など12篇を収める。

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Posted by ブクログ

名作『沈黙』を生み出すきっかけになった短篇集。苦いコーヒーに入ったほんの少しの甘味のような作品群。隠れた名作「札の辻」は後に『死海のほとり』として蘇ります。

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2009年10月04日

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ネタバレ

病気、死、基督教、切支丹。
名作長篇に繋がる短篇がまとめられていて、短くとも真髄に触れられる濃い内容。
神の存在の描かれ方が印象に強い。生きている動物や人間に神の存在を見ているのが、自分の中にない感覚だった。
人間の罪深さや弱さと対峙するのは心を抉るように辛いが、目を背けずに知りたいという欲求が勝る

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2021年04月19日

Posted by ブクログ

『沈黙』のデッサン的作品も入ってる
短編集。

後味が良くないけど、読まずには居られない感じの本。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

単行本で読んだけど登録がないようなのでこちらで。病院や隠れキリシタンを題材にした作品が多い短編集。入院中に鳥を飼う話、癩病の療養所に慰問に行って野球をする話、大連での少年時代の話、大学にいた「ネズミ」というユダヤ系ドイツ人の修道士の話、隠れキリシタンの拷問など、他の長編短編でも頻出のモチーフが繰り返し登場する。なのであまり目新しさは感じなかった。
題材のせいもあってやっぱりものすごく暗く息苦しく、この暑苦しい中で読んでいると本当に息が詰まってしまう。冬に読むのがいいかもしれない。

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2025年07月10日

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