あらすじ
肉体の恐怖の前には精神など全く意味を失ってしまう。臆病に生き臆病に埋もれて、自分がどんなに卑怯なのか、どんなに弱いのか、たっぷり承知している――弱者。弱者を凝視して聖書とキリストの意味を追究し、「沈黙」への展開を示唆した注目すべき短篇集。人間の深層によどむ(哀しみの歌)を表題に据え、「その前日」「四十歳の男」「大部屋」「雲仙」など12篇を収める。
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Posted by ブクログ
病気、死、基督教、切支丹。
名作長篇に繋がる短篇がまとめられていて、短くとも真髄に触れられる濃い内容。
神の存在の描かれ方が印象に強い。生きている動物や人間に神の存在を見ているのが、自分の中にない感覚だった。
人間の罪深さや弱さと対峙するのは心を抉るように辛いが、目を背けずに知りたいという欲求が勝る。