遠藤周作のレビュー一覧

  • 満潮の時刻

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    遠藤周作の作品をいくつか読んだ上で、この作品が完成度の高い作品とは思わなかったものの、病気を通じて人生の悲哀を感じるという感覚は、現状健康な自分は持ち合わせていないので良い読書体験。

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    2025年07月07日
  • 留学

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    短編集と知らずに読んでしまい、一章と二章の繋がりを何とか探そうとしてしまった。。
    三章で独立した短編とわかり読み続けたけど、三章長い!!!
    とはいえ、遠藤さんらしい男の暗くイジイジした表現が素晴らしいです(笑
    さいごの『爾もまた』の一言。。
    綺麗な締めです

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    2025年07月05日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    「革命」という言葉の持つ高揚感や疼きを、じゃあ実際どうなのって史実ベースで語ると常軌を逸している。身体の奥底から湧き上がる、滾ってくる激情が、正義だの平等だの権利だのお題目を無視て破壊衝動のみを連れてくる。理性的な生き物がただの獣に戻る。「民衆」という、数のみが頼みの存在は、しかし一度でもその武器を振るうと、制御が効かなくなり暴徒と化す。

    エネルギー。それはしかしもしかすると、今の時代に求められている力なのかもしれない。

    マリー・アントワネットが悲しいだとかというよりも、フランス革命がいかにありえないことだったのかが伝わってきた。

    「ありえない」なんて事はありえない

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    2025年06月30日
  • 私にとって神とは

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    遠藤周作が語る、宗教とは、神とは、信仰とは、の話し。

    いちおう対談形式になってはいるが、質問者の質問はほとんど意味をなしておらず、雑で安易な質問ばかりしている印象でした。(架空の対談かもしれないが)
    おそらく初心者や無神論者に対する配慮として、簡単で専門的ではない質問にしているのだと思いますが、もう少し質の高い質問や議論があっても良かったかなと思いました。

    ただ、序盤は世俗的で浅めの思想で始まりますが、中盤から終盤にかけて少しずつ深くなっていく思考の流れが良かったです。

    本人も言っているとおり、2世信者として、意味もあまりわからずに幼少期に受洗しているので、西洋人に近い、生活に根付いた信

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    2025年06月24日
  • 深い河 新装版

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    ネタバレ

    善の中に悪があり、悪の中に善がある。
    東洋思想と西洋思想の違い。
    一神教と多神教の違い。
    普段、自発的に考えることのないテーマに目を向けさせてくれた作品。

    私は、シンプルに楽しく生きることを理想としてきたが、この本には、「深い河」に魂の救いを求める人々や、神に人生を捧げて「僕の人生は...これでいい」という大津が登場する。自分には無い価値観に触れて、心が揺さぶられた。

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    2025年06月21日
  • イエスの生涯

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    この本を読んで安心した。

    「超然」。キリスト教に限らず、宗教やスピリチュアル的なものに感じること。理解を阻むもの、受け入れがたい何かがある。理解を超えてしまっている。理解しようと努めるというよりも、そういうものであるというふうに落とし込む方がいいのかもしれない。この本を読む前まではそう思っていた。

    遠藤周作の描くイエスを読む。そうしたイメージからは程遠い悩む一人の人間がそこにはいた。人々から期待され、担がれても、自分という存在以上になれないと悩む一人の人間であった。

    弟子たちだってそうだ。一枚岩では決してない。今自分が信じているこのイエスを信じなくなることで、自分を自分たらしめている拠り

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    2025年06月21日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    大学生の吉岡が軽い気持ちで無垢な娘・森田ミツの体を奪い、棄てる。その後の人生を2人の視点から描いたストーリー。

    スール・山形の手紙の「もし神が私に1番、好きな人間はときかれたなら、私は、即座にこう答えるでしょう。ミッちゃんのような人と。」が印象的。

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    2025年06月20日
  • 深い河 新装版

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    遠藤周作の最晩年の作品らしい。ブックオクで目に留まり購入。情報無しになにげに読み始めたら止まらなかった。こちらは一気読み。
    インド観光ツアーに参加する人々の過去や事情から、生きる意味、神を信じるとは?転生などの深いテーマが描かれる。
    後半には混沌としたインドの空気が文字から溢れ、目の前に紅茶色の荘厳なガンジス河の風景が広がってくるから圧巻である。 
    聖なる大河に安らぎを求めて集まるヒンズー教徒達。心と身体を洗い清める者、死して流されるために河を目指して歩み続ける老人。遺体や遺灰を流す横で同時に沐浴が行われる。生と死に境目は無く、祈りが存在するのみ。
    キリスト教もヒンズー教も仏教も境目は無い。全

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    2025年06月14日
  • 彼の生きかた

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    一平ほど純粋じゃないけれど、器用に世渡りなんかもっての他、人並みになんとかやっていく(振り)で精一杯の私にはよく分かる部分が多かったです。その分、読んでいて加納や朋子の考えや行動からも、一平が軽んじられることがつらかったです。この生き方しかない、できないという人種もいるのです…。

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    2025年06月11日
  • 王国への道―山田長政―

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    遠藤周作を読み漁っていたのは20年以上前。遠藤周作らしい宗教感と山田長政の生き様の交錯に週末の読書を満喫。

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    2025年05月25日
  • 母なるもの

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    異端の宗教として政府に抑圧され、拷問にかけられ、転んだとしても罪の意識に苛まれて苦しい生涯を送ることになってしまう
    そんな背景があるからこそ、厳格な父性よりも赦しと抱擁の母性を求めたのかもしれない

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    2025年05月22日
  • 新装版 海と毒薬

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    戦時下、捕虜を生きたまま解剖した実際の事件をモチーフにした小説。
    葛藤し続ける勝呂に対し、良心が咎めることを知らない戸田。
    決して戸田が悪いわけではない。勝呂が素晴らしいわけでもない。
    何を以て「正しさ」とするのかは時代によっても社会によっても人によっても違うので、絶対的な正しさなんてものはない。その中で、自分の信じるものを持てるか。自分の意志と信念を持てるのか。
    そういう問いの物語。

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    2025年05月21日
  • 深い河 新装版

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    人は死を前にしたとき何を思い、どう行動するか。本書は常に死の雰囲気をまといながら生きる人たちを描いている。彼らが行き着いたのはインドのガンジス川。生と死、聖なるものと汚れたもの、貧富、全てが混ざり合って存在するガンジス川。今まさに死に絶えようとしている人が目指す川。その光景をみた人たちは生きる意味を見つける。
    ガンジス川の情景を読み、人は無力だなと感じた。死に絶えようとしている人にできることは寄り添うことだけ。飢えをしのごうと必死で手を伸ばしてくる子供達にしてあげられることはない。その無力感を思うと、人の神なるものへの信仰心が生まれるのかもしれない。

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    2025年05月12日
  • キリストの誕生

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    ネタバレ

    「イエスの生涯」の続編のような本で、イエスの死から原始キリスト教団の成り立ちを使徒言行録を元にしつつ想像し書いている。原始キリスト教団についてはあまり本も読んでいないのではっきりとは言えないが、「イエスの生涯」よりはかなり現実的・学術的なラインに近づいている気がする。しかしここでもパウロやペトロ、ヤコブが神の沈黙のもとにみじめに死んだ、という想像に基づいた仮定が原始キリスト教団の試練として肝の部分になっており、またもやこのみじめさ、無力さという遠藤周作特有のテーマが大きく張り出してきている。
    サウロは啓示を受ける前から律法に対し疑念があったはずで、だからこそステファノを激しく憎んだのではないか

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    2025年05月10日
  • 怪奇小説集 恐怖の窓

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    遠藤周作の「こわい話」を集めた短編集。怖いと言ってもどストレートに幽霊が出てくるものはほとんどなく、好井まさおさん言うところの「ナニソレ」話が多いのだけど、サブタイトルにもなっている「恐怖の窓」をはじめ、めちゃくちゃ怖いと言うわけでもないけど記憶の隅に残ってしまうようなじっとりした話が多くて良かった。
    あと、「戦中派」という人たちがいたことが衝撃だった。簡単に言えば「戦時中の方がよかった」という人たちだと思うんだけど、まあ確かにそういう人もいたかもな…と思わされた。「平和(仮)」の世の中では自分を保てなくなってた人、結構いるのでは。
    私が子供の頃は、祖父をはじめ戦争に行った人たちが5-60代だ

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    2025年05月09日
  • 海と毒薬

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    ネタバレ

    某大学の某捕虜解剖事件を元にした小説
    淡々と進む グロテスクな要素はあまりない

    あらすじで物語全部解説しちゃってるじゃん! って思ったら全然違ったしあらすじはガチであらすじだった
    勝呂の読み方が全く覚えられなくて、出てくるたびに読み方を調べていた バカ

    「これ、俺じゃん......(自分が常々考えていることが、近しい形で出てきたという意味)」と思いながら読んでました

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    2025年05月14日
  • 深い河 新装版

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    印度に行ったこともないけれど、ガンジス河に思いを馳せながら、もしくは思いを馳せる教徒の心境を想像せずにはいられません。登場人物それぞれの“深い河”にもグッと引き込まれます。息苦しいですし重さもあります。それでも読んでよかった。…私の“玉ねぎ”って何なんだろうか。

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    2025年04月21日
  • 深い河 新装版

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    日本人にはジャストフィットしない西洋的なキリスト教観を絶対に自らの血肉にしてやるんだという泥臭いスタンスがよかった、あとインド行きたくなる

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    2025年04月12日
  • 怪奇小説集 蜘蛛

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    ホラー小説と思って読むと少し物足りないかも。
    遠藤周作の作品と思って読むべし。

    じんわりと漂う陰鬱な雰囲気、よくないことが起こりそうな気配を描かせたら右に出るものなし。

    細々とした情景描写ではなく、場面を伝える必要最低限の描写を淡々と入れてくる。
    心理もつらつら描いてるわけでもないのに、なんとも言えない「やな気持ち」が心に滲んでくるのはなぜだろう。こう言うところが遠藤周作は本当に上手いと思う。
    あと病院の使い方、描き方が本当に上手い。遠藤周作の病院は怖い。

    「初年兵」、「鉛色の朝」はそう言った遠藤周作の良さがよく出ている。
    「初年兵」の語り手の「ちょっと狡くて、でも悪いとまではいかない」

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    2025年04月06日
  • 私にとって神とは

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    神とは自分の中にある働き。

    「おまえの人生を通してわたしが語っているので、沈黙しているのではない」

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    2025年04月01日