遠藤周作のレビュー一覧

  • 侍

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    大事に少しずつ読んだ。
    フィクションとはいえ 悲しい 日本 いにしえの時代の黒歴史。
    なぜ日本は ラテンアメリカ諸国のように キリスト教 に征服されなかったのか ここに一つの答えがあるように思う。

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    2023年12月20日
  • 新装版 海と毒薬

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    倫理についての捉え方、命の価値や正義は、その時代に応じて大きく変わる。
    10年程前のアメリカでは、半数以上の人が、日本への原爆投下は正しかったと言った。だが、今では7割の人が、原爆投下は不必要であったと答えた。
    テロは神風と呼ばれ、特攻はテロと同列に語られることもでてきた。
    私たちは戦争のない国に生まれ、道徳というものを学んだから、この九大の事件を酷い話だと感じるが、例えば今、自国で戦争が始まったとして、敵国の捕虜が人体実験に使われようとしていると知ったとき、そのことに対し声を上げることは出来るのだろうか。同胞の仇を前にして、倫理を貫けるか。自分が勝呂の立場に立ったとき、恐れることは、人命を軽々しく扱うことではなく、そのことが露見して激しく糾弾されることではないだろうか。
    また、時代が変わったときに読みたい一冊である。

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    2023年12月10日
  • 死について考える

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    またかけがえのない人が亡くなったときこれを読みたいです。仮にある人がまだこの世界にいても、いつか亡くなったときのことを想像するだけで今いる時間を大切にしようと思えます。

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    2023年12月16日
  • 夫婦の一日

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    作者のキリシタンとしての葛藤に苦しむ姿が描かれた「授賞式の夜」「日本の聖女」「夫婦の一日」。作者の中に渦巻く残酷さや人間臭さを書いた短編「ある通夜」「六十歳の男」。どれもリアルで生々しく、非常に興味深い内容でした。

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    2023年11月14日
  • イエスの生涯

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    愛されないもの悲しいもの、救われぬものが必要なものは「奇跡」ではなく「愛」であり「寄り添い」である。

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    2023年11月09日
  • 侍

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    藩の命によって海を渡ってローマまで行く侍。静かな村を出て見聞を広げてく中で心の変化が言葉には出なくともはっきりと見えてくる。希望が落胆に変わり自由と拠り所について考えていく様は静かだけれど熱い。

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    2026年03月10日
  • 新装版 海と毒薬

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    ネタバレ

    あなたにとっての「良心」とはなにか。

    生体解剖がどれほどいけないことだったのか、私には分からない。
    ましてや戦時中で捕虜を生きたまま解剖するとは!という声が出版当時は聞こえてきそうだが、現代のわたしがこの本を読んだとしても、そのような感想は出てこなかった。
    現在でも病理解剖と言うのも行われているし。
    生きたまま行うのはうわ、っと思ったが麻酔はかけられていたし、描写であったようにどうせ捕虜として戦争で死ぬならば今後の生きる人のためになるならいいんではないか?っという様なことに納得してしまう自分が嫌になった。

    なにか、自分が正しいと心を律するために誤魔化すような能力だけ秀でてしまい本当に考えなければいけないことを考えれていないと思った。
    誰かに意見を言われたら「確かにそうだね」とすぐに意見を流されてしまい「良心」が変わってしまうような日本は今そんな世の中になっている気がする。

    誤ったニュースが報道されたとしても自分で真意を調べずにすぐに自分の意見を主張する。悪いと思ったら徹底的に批判する。
    その後、本当のニュースが流れたとしても前回の自分の意見を撤回することなくまた意見を変えて流される。
    そういう自分にならないように意識していかなければならない。

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    2023年10月25日
  • イエスの生涯

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    人間は神の愛よりも奇跡や効果ばかりを求める。著者の言葉を借りるなら、私たちのほとんどは卑怯で弱虫だ。私にもイエス様の哀しげな顔が見える気がした

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    2023年10月19日
  • 白い人・黄色い人

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    フランス人の主人公がナチのゲシュタポとなって旧友ジャックの拷問やマリー・テレーズの凌辱に絡んでいく。神のためと言いながら自己陶酔することを許さず、ひたすらに悪魔的な思想と行動、その後の疲労に支配される。
    斜視・すがめで幼い頃から「一生、女たちにもてないよ。お前は」と顔立ちの醜さを宣言された父の仕打ちも影響している。クリスチャン遠藤周作の芥川賞作品、読み応えあったが、圧倒的な暴力に清々しさはない。
    最後のマリー・テレーズの歌は何を伝えたかったのか。
    薔薇のはなは、若いうち
    つまねば
    しぼみ、色、あせる

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    2023年09月17日
  • 私にとって神とは

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    キリスト教とはこういうものという呪縛から解放され、自分の心と向き合わせてくれるお守りのような本の一つになりました。

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    2023年09月11日
  • 死海のほとり

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    友人が、本書を読んだことをきっかけにカトリックの洗礼を受けたという話を聞いて読んでみた。聖書学者である友人とイスラエルを旅する「私」の旅日記風の物語と、福音書をいくつかの人物の視点からリライトしたような物語が交互に出てくる構成になっている。巻末の解説が著者と親交の深かった井上神父によるものであり、これも必読と言えると思う。

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    2023年08月23日
  • 侍

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    策士で出世欲をにも駆られたエスパーニャ人宣教師。その宣教師と共にノベスパニアへ旅立つ四人の伊達藩使者たち。
    宣教師と日本人も旅立つ目的は全く異なるもの。

    現世の利益のみにだけしか宗教心を持たず、無表情で寡黙、狡猾とも表現される日本人。
    侍とは、日本人とはそういう存在である事が時に哀れに表現されつつも、例え袂を分かつ仲間でさえもその強さに魅了されてしまう。

    『沈黙』に続き手にした作品。
    宗教とは?信じるものとは?そもそも信じるものが現実世界に必要なのか?存在するのか?
    筆者の狙いは別としても、考えずにはいられない謎が浪漫を導く一冊。

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    2023年08月13日
  • 新装版 海と毒薬

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    ある町の怪しい医者、勝呂。彼が過去に関与した"捕虜に対する人体解剖"に関する人間の過去、命、倫理を問いかける。戦時中の命に関する考えの狂いや、人生観によって考えが変わる中で、神の概念の少ない日本人の特徴が描かれているのではないか。

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    2023年08月13日
  • 侍

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    慶長遣欧使節の一員としてローマにわたった支倉常長をモデルとした小説です。

    宣教師のベラスコは、現世を超越したものへの関心をもたない日本人にキリスト教の信仰にみちびこうとする強い情熱をもっていました。同時に彼は、布教のためには手段をえらばない、策略家でもありました。そんな彼のもくろみが功を奏して、陸前の港からノベスパニア(メキシコ)に向けて、使節が派遣されます。使節の役目を果たすことになったのは、召出衆と呼ばれる不遇の「侍」であった長谷倉六右衛門をはじめとする四人でした。長谷倉たちは、ベラスコに不信感をいだきながらも、海外との通商の窓を開くことを決意した藩主の親書をもって海をわたります。

    その後一行は、大西洋を越えてヨーロッパへわたり、さらにローマ法王に謁見することになります。しかしそのころ日本では、幕府が禁教政策の強化に動き出し、主君の命を果たそうとする長谷倉たちの思いはむなしく終わります。そしてベラスコもまた、日本人をキリスト教の信仰にみちびくという望みがついえたことを知ります。

    ベラスコに対立するペテロ会のヴァレンテ神父との討論では、キリスト教がけっして根づくことなく、いつのまにかそれを伝統的な信仰に変えていってしまう日本という風土にかんする著者自身の見かたが示されています。野心的な宣教師が経験することになったの挫折と、当初は簡単にわかりあうことがないように思えた「侍」の悲劇的な運命が交わるというストーリーの運びかたが見事な作品だと感じました。

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    2023年07月20日
  • 死海のほとり

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    小説家である「私」を中心とする現代の話と、イエスの物語が交互に語られ、著者自身の信仰の核心にあるものがえがき出されている作品です。

    「私」は、大学時代からの知人であり現在は聖書学者である戸田の案内で、イェルサレムの街をめぐります。戸田はイエスについての史実を説明し、イェルサレムで語られるさまざまな伝承が歴史的な裏づけをもたないことを「私」に話します。「私」は戸田に反論できないものの、彼自身の求めつづけてきたイエスのすがたを手放すことはありません。

    一方で「私」は、やはり昔の知人である「ねずみ」と呼ばれていたコバルスキの最期のようすを知ろうとします。戦争のさなか、ナチスの収容所に閉じ込められたコバルスキは、英雄とはほど遠い、苦しみのなかを生きた人間でした。

    これに対して、イエスのすがたをえがいた章では、奇跡を求める人びとの要求にこたえることができず、なにもできなかった男としてその生涯を閉じたイエスがえがかれています。みすぼらしく死んでいったイエスの人生は、苦しみのなかにいる人びととともに苦しむことをえらびつづけた道だったのであり、そのようなイエスが死後に人びとの信仰を集め、逆説的にも現代にまでその教えが伝えられることになったということを、著者は語ろうとしているように思えます。

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    2023年07月20日
  • 生き上手 死に上手

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    ネタバレ

    遠藤周作という人の魅力を知れるエッセイ集。新聞や雑誌に寄稿したエッセイが収録されている。
    キリスト教徒だから聖書のことばとかがたくさん出ているのかと思っていたら、仏教も学んでいて、むしろお坊さんの名言のほうがたくさん載っている。

    お茶に、将棋にと多趣味で交友関係も広くて、通算して3年の辛い入院生活も「無駄ではなかった、役に立った」と言い切る。

    それでいて、押しつけがましい感じもなく、やさしさがにじみ出る文章。

    今読んでも時代を感じさせないやわらかな言葉が心にすっと届く、そんな一冊。

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    2023年07月17日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    パリの民衆たちの王政に対する不満の声は日増しに高まり、ついに革命が勃発します。マリー・アントワネットは、頼りにならない王の背中を押して、暴徒と化した民衆を押さえつけようとしますが、彼女たちはしだいに後退を余儀なくされ、幽閉されてしまいます。

    一方、革命軍もジロンド派とジャコバン派の対立をかかえており、マリーはどちらに転ぶともわからない不安のなかで、けっしてあきらめることなく、彼女を慕うスウェーデン人伯爵のフェルセンに協力を求めて再起の道をさぐります。しかし、革命を実現した民衆たちの高揚は鎮まることなく、やがてルイ16世は死刑台に引き出されることになります。以前は頼りにならなかった夫でしたが、彼はフランス国民の前で国王としての威厳を守り、そんな彼のすがたにマリーも彼とともに暮らした日々の幸福を認識します。

    そしてついにマリー自身も、断頭台による処刑を受けることになります。民衆の好奇のまなざしにさらされながらも、彼女は最後まで優雅な振る舞いを保ちつづけようと心を奮い立たせます。

    上巻では、過酷な運命に翻弄されながらも生き生きと活動するマルグリットのすがたと、味方のいない宮廷で心の闇を打ち消すように奔放に振る舞うマリーの二人が対照的でしたが、下巻では、革命の高揚に飲み込まれて暗い情念に支配されるマルグリットと、最後まで誇りをうしなうことのないマリーという、それぞれ立ち位置を変えての対照的な役割を演じています。

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    2023年07月16日
  • 留学

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    フランスに留学した人物を主人公とした作品三編で構成されています。

    第一章は、キリスト教文学について学ぶためにフランスにやってきた工藤という青年が主人公の短編です。彼は、日本でのキリスト教布教の希望を疑うことがなく、日本についての想像力を欠いた善意を示すフランスの敬虔な信者たちに、理解されることのない徒労を感じます。

    第二章は、17世紀にヨーロッパにわたり、日本での布教活動を託された荒木トマスという人物をめぐる短編です。著者は、信仰を捨て去ったことでキリスト教の立場においては顧みられることのなかったこの人物にスポット・ライトをあてて、日本に帰国した彼がいったいどのような悩みに直面したのかということについて想像力を働かせています。

    第三章は、サドの研究のためにパリにやってきた、大学講師の田中が主人公の長編小説です。彼は、サドの研究者であるルビイから、「なぜ東洋人のあんたが、サドを勉強するのかわからん」という問いを投げかけられ、研究者にとって外国文学がいったいどのような意味をもつのだろうかという悩みにとりつかれます。さらに、後輩の研究者である菅沼が彼を追ってフランスにやってきたことで、みずからの出世の道が閉ざされたことを知り、パリの日本人仲間たちとのかかわりを避けつづけたことで、彼の運命はますます暗い方向へと向かっていくことになります。

    キリスト教を中心とするヨーロッパ文化を学ぶ日本人が、彼我の文化のちがいに直面して思い悩むようすが一貫してえがかれており、このテーマについての著者の持続的な関心のありかがうかがえるように思います。

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    2023年07月15日
  • 新装版 海と毒薬

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    高校生の頃読んで何度も読み返している。戸田のターンが好き。良心の呵責とは?なんどもなんども考えさせられた。

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    2024年02月16日
  • フランスの街の夜 遠藤周作初期エッセイ

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    キリスト教徒の作者らしい考えを知る事ができて、面白かったです。タイトルの通り、フランスでの生活の事や戦後の日本の事も書いていて、貴重な体験を数多くした方だったのだなと思いました。

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    2023年05月24日