遠藤周作のレビュー一覧

  • 稔と仔犬 青いお城 遠藤周作初期童話

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    子どもが主人公のとても素晴らしい作品。
    遠藤周作初期の童話だけど、必ず意地の悪い子どもが出て来て、考えさせられる。
    子犬と神父さんと男の子、バレリーナ志望の女の子と友人の男の子の友情や思いやり、暖かい家族、きちんと育てられた子どもは、やはりどんな状況でも親はきちんとして、思いやりがある。
    大人が読んで考えるべき作品。

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    2022年08月24日
  • 新装版 海と毒薬

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    再読。昔学生の頃 感想文を書いたとき「戦時下では人の感覚が狂うのだと恐ろしく感じた」とか浅い感想書いた覚えがある。

    これは「戦時である」「実際にあった事件である」という背景は実は単なる舞台設定で、日本人の本質を問う普遍的な物語だ。

    罰は怖いが罪の意識は希薄。罪の大小を問わなければ戸田のような精神性の人間は案外よくいる。
    畏怖する神を心に持たない日本人は「良心」を指針として生きる必要があるだろうが、容易なことではない。「世間」が指針の人間がいかに多いことか。自戒も込めて。

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    2022年08月18日
  • キリストの誕生

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    ☆☆☆ 2022年7月 ☆☆☆

    P287 原始キリスト教のみじかい歴史を調べる時、私がぶつかるのは、いかにそれを否定しようと試みても否定できぬイエスのふしぎさと、ふしぎなイエスの存在である。なぜこんな無力だった男が皆から忘れ去られなかったのか。なぜこんな犬のように殺された男が人々の信仰の対象となり、人々の生き方を変えることができたのか。

    『イエスの生涯』『キリストの誕生』の2冊で筆者が読者に語りたいのはまさにこの点である。『キリストの誕生』では弱虫で臆病だった弟子たちが原始キリスト教の創始者となり、キリスト教が広まっていく頃の事が語られる。
    ペテロやポーロ(パウロ)といった弟子たちの物語。

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    2022年07月23日
  • イエスの生涯

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    ☆☆☆ 2022年7月 ☆☆☆

    「彼の容貌を私たちは見たこともない。彼の声を私たちは聞いたこともない」

    彼とは、約2000年前に生まれ人々の苦しみを背負って十字架にかけられたイエスの事である。キリシタンである遠藤周作氏が「イエスの生涯」というテーマで、イエスとはどんな人物だったのかに迫る。

    この本を読んで感じるのは、イエスとは純粋な優しさを持った人だったのだろうという事。人々から誤解され、弟子たちから裏切られても尚、人を恨まず「彼らをお許しください」と乞うたイエス。

    臆病だった弟子たちはなぜ強靭な信仰者となれたのか、それは続編の『キリストの誕生』へと続く。

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    2022年07月23日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    主人公吉岡の生き方を批判はしないし、かといってミツのような女性が素晴らしいのかどうかもわからないけれど、ただただひとりの男を愛し
    平等に人間を愛し、孤独と戦いながら死んでいったミツは哀しい女性だなぁ、という印象。
    現代では「重い女」と排除されてしまいそうな一途さだけれど、他に拠り所のない人生において何かにすがりたい想いはわからなくもない。
    せつない。

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    2022年07月17日
  • P+D BOOKS おバカさん

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    この作品を読んで思い出した、いつかどこかで読んだ遠藤周作の言葉↓。

    神も仏もないというところから信仰は始まる。
    私が神を捨てられないのではなく、神が私を放してくれない。

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    2022年07月21日
  • 人生の真実を求めて 神と私〈新装版〉

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     この本は、遠藤周作が宗教について語ったさまざまな作品から、人間とか愛だとかのテーマ別に集めた本である。したがって、遠藤周作の本を何冊か読んだことのある他人にとっては、その本で書かれていた深い言葉の意味を再認識できるのでとても良い。遠藤周作の本を読んだことのない人が読んでも、これは遠藤周作の本に興味を持つ手引になる。
     いずれにしても遠藤周作の名言を再認識することができるのと、なぜ人は宗教信仰をするのかという本音がわかってくる。ベルナノスというフランスの作家が「信仰というものは、99%の疑いと1%の希望だ」と書いているそうである。遠藤周作にとってキリスト教は、「脱ぎ捨てようとしたが代わりに着る

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    2022年07月06日
  • 白い人・黄色い人

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    第一次、第二次戦後派作家に続く『第三の新人』と呼称された新しい世代の文学作家達。
    遠藤周作もまた、安岡章太郎や吉行淳之介に並んで『第三の新人』の新人と呼ばれる作家の一人です。
    ただ、ミスター第三の新人とでも言うべき吉行淳之介に比較すると、遠藤周作の書く作品群には"キリスト教"という明確なテーマがあり、明確なテーマが傾向が無い『第三の新人』たちとは毛色が異なります。
    そのため、遠藤周作については、『第三の新人』からは除外する考え方もあります。

    本文庫には、遠藤周作初期の2篇、"白い人"、"黄色い人"の2作品が収録されています。
    両作品

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    2022年06月15日
  • 稔と仔犬 青いお城 遠藤周作初期童話

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    ネタバレ

    遠藤周作、初期の頃の小説。児童向け?
    仔犬のチビ、車にはねられてなくて良かった。
    愚痴を黙って聞いてくれる、どこまでも一緒についてくるチビ。
    きっと遠藤少年も大連で同伴者のような犬との日常があったんだろうな。
    この「稔と仔犬」にしてもバレエを習う八百屋のたえ子と転校生のサルみたいで10円ハゲのあるでも心やさしい平吉との物語も、キリスト教の源流みたいなものが描かれていて、
    なんか考えさせられたり、泣けてきたりした。

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    2022年05月23日
  • 悲しみの歌(新潮文庫)

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    「海と毒薬」から20年の時間を経た1977年の
    「悲しみの歌」新人医師だった勝呂医師はそれと同様に年齢を重ねている。
    戦時中 米兵捕虜の生体解剖事件に関与し、戦犯となり罪を償った後、新宿でひっそりと開業していた。彼は過去の罪に縛られて虚無の中生きていた。
    一人の若き新聞記者が彼の過去を掘り下げ、正義の記事として発表する。
    そのような時、貧困の末期癌患者を受け入れ手当を続け、患者の安楽死の希望を受け入れる。

    勝呂医師の背負い続ける罪の意識に対して、当時の自堕落な若者、社会的地位に固執する男、それに反発する娘、平然と生きている様子がおりこまれる。
    そして、作者のイエスのイメージと思われるフランス

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    2022年05月08日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    タイトルが長い!そして挑発的!
    長すぎて、逆にそれが目を引いて買ってしまいました。

    色々な場面においての手紙の書き方についてです。

    だいぶ昔に執筆された本のようで、今はあまりお目にかかることも少なくなった(…と思われる)ラブレターの書き方なども入っていますが、つづられ方にユーモアがあり、面白おかしく、でもフムフム、と納得してしまいます。
    なるほど、同じことを伝える内容でも、書き方ひとつで相手が受ける印象ってこんなにも違うのだなぁ。
    筆不精を克服した筆者のコツも書かれていますよ。

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    2022年05月07日
  • 死について考える

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    氏は、60歳を過ぎて死について考えないのは、怠慢か、鈍感な人であって、決して褒めるべきことではありませんよ、と話したといいます。
    昔であれば、60歳なんて、バタバタと死んでいく人がいたものです。
    死を身近なものとして捉えるにあたり、本書はまさに適切な一冊と言えるでしょう。

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    2022年05月06日
  • 薔薇色の門 誘惑 遠藤周作初期中篇

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    久しぶりに遠藤周作の初期作品を読んだ。
    戦後の受験生の経験談を弟に語る兄、この時代に進学して、おまけに浪人して暮らすなんて、恵まれている。羨ましい。
    もう1篇は、人を利用してでも自分の成功を目指して策略する。
    貧しいとわからないでも無いが、人としたら悲しい話だった。
    でも人間社会はこれよりひどい事が、いっぱいある。

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    2022年03月28日
  • 新装版 わたしが・棄てた・女

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    とても読みやすい。
    私は男だが、作品の吉岡と少なくとも同じ経験をした事があるのでは。
    遠藤周作はやはり面白い。

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    2022年03月19日
  • ぐうたら人間学 狐狸庵閑話

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    遠藤周作の随筆。執筆当時の価値観が反映されていて、今だと首を傾げるところもあるが、総じて面白く読めた。
    特に同時代の作家についてのエピソードは興味深い。また、他人にする様々な悪戯は著者のイメージから合わないものだったので驚いた。

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    2022年03月16日
  • 薔薇色の門 誘惑 遠藤周作初期中篇

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    やはり遠藤周作は並の作家ではない。
    薔薇色の門は、実際に浪人生活を経験した筆者だからこそ描き出せたリアリティがあるし、それを乗り越えてきた清々しさと優しさがある。人生に迷っている人たちにぜひ読んで欲しい。
    誘惑は、一見ライトな赤川次郎的ミステリかなと思わせておいて、実は人間の本質や野心をもつ虚しさを描いた作品だった。
    面白かったです。

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    2022年03月03日
  • イエスの生涯

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    ネタバレ

    謎多きイエスの事実と真実を書いた本。
    無駄を削いだ文から、人間性やあらゆる感情を推察し見出した、想像力に富んだ内容だった。行間を読み、想いを巡らせ、聖書の中の人々に血を通わせ生き生きとした肉の叫びが聞こえてくるのはさすが小説家らしいと感じる。
    特に、イエスが今から訪れる自分の死をどのように考え受け入れたか、著者の深く慮る心が私の胸を打つ。
    「剣をとる者はみな剣で亡びる」
    今、この言葉が痛切に響く。
    聖書を読む決心がついた。

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    2022年03月02日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    マリーアントワネットの生涯がよくわかる。彼女の最期は切なかった。時代が彼女の運命を決めたのであろう。

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    2022年02月20日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    初めて読んだ遠藤周作の本。こんなに面白いとは!
    マリーアントワネットの事を非常に詳しく知る事ができる。また、1700年台のフランスの生活がよくわかる。貴族であるアントワネットと一般庶民であるマルグリットを交互に描いており、読み手を飽きさせない。

    他の作品も読んでみたくなった。

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    2022年02月13日
  • 薔薇色の門 誘惑 遠藤周作初期中篇

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    遠藤周作氏の作品を久しぶりに新刊として書店で発見し
    その帯に『わたしが・棄てた・女』につながる貴重な中編と
    描かれてあったので、手に取りました。
    その本はこの本棚にも上げましたが、大学生のころに
    読んで衝撃を受け、自分の生き方や考え方に大きく
    影響した大事な作品だったと思います。

    それとは少しトーンが違いますが。すらすらとよめて
    わかりやすい本でした。
    少し感動というか、重い心になるような内容ではありませんでしたが。救いのある内容だったような気がします。
    もう少し若い時に読んだら、共感するのだろうと思いました。ピカレスク的な部分は憧れというか、共感を持っていたので、昔は。

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    2022年01月31日