遠藤周作のレビュー一覧

  • 母なるもの

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    遠藤周作の短篇集。母なるものとは、母なる神、母なる宗教を指す言葉だろう。遠藤の宗教観である。遠藤の思想が端々にまで行き届いたものだと思う。長編のようにプロットを細かく気にしない分、短編は思想的になりやすいだろう。時代背景も、テーマも、人物に至るまで、ああ、遠藤だという感じである。解説は読んでいない。今更もういいだろうと、彼に関しては思う。

    12/5/29

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    2012年05月29日
  • ひとりを愛し続ける本

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    周作サロンを改題したら、ひとりを愛し続ける本になるってどういうことさ。嫌いじゃないけど、おひとりさまの生き方が書いてあるのかと思ってたけど、ひとりの(人)を愛し続ける策があるようにもとれるなと後から気付く。勿論中身は周作サロンだからいずれも違います(笑)

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    2012年05月27日
  • 反逆(上)

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    ネタバレ

    遠藤周作さんの作品はテーマの根底にキリスト教という視点があり、本作品も他の歴史小説にはない面白さ。絶対的権力であった信長に反逆心を抱く武将たち。現代にも通じる登場人物の心の動きは読みごたえありです。

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    2012年05月25日
  • 悪霊の午後(下)

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    上下巻、一気に読み終わりました。30年近く前に書かれたのに全然古くさくない。文章力があるので話にグイグイ引き込まれます。
    後半、魔女の印云々はどうかな、とも思いましたが面白かったです。

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    2012年05月21日
  • さらば、夏の光よ

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    カテゴリでエッセイとしているけどエッセイでもない。遠藤周作が小説家と教師という二足のワラジを履いていた頃に知り合った男子学生にスポットをあてて書いたエッセイ風の小説か、小説風のエッセイか……どちらかわからないけれど、とても好きな文章で何度も読んだ。

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    2012年05月13日
  • 反逆(上)

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    半藤一利著「日本史がたのしい」でお薦めの信長物の一冊。冷徹な信長に荒木村重が反逆を決意する。村重の周りの武将の裏切り、長き籠城経てなお襲う心の葛藤。12.5.3

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    2012年05月03日
  • それ行け狐狸庵

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    狐狸庵先生の好奇心の盛んなこと、いくつ読んでも飽きたりません。「禿げてカツラの緒をしめよ」ドリフのような日常を当たり前のように送っておられた昭和の風景が、生きたこともないのに目に見えるようにおもしろい。また特にささやかなビートルズファンとしては、実際に来日をした時に実物を見た先生の表現があまりにも愉快痛快、どんな時代にもジェネレーションギャップというものがあるのだとしみじみ思います。

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    2012年04月22日
  • 私にとって神とは

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    新興住宅街に住み、特に周囲に宗教を持つ人がいなかった私には、神様を信じるという感覚はとうしても呑み込めないものでした。
    それには、小学生のときに起きた地下鉄サリン事件で受けた「宗教」のイメージも手伝っているのかもしれません。
    それぞれの神様はその人にとっては強烈に正しくて、疑問を差し挟む余地はないのだろうと。何となく、触れてはいけないような気がして距離をとっていました。

    だから、この本のタイトルには心惹かれるものがありました。

    この本ではキリスト教を信じる著者が、信仰について率直に語っています。
    本当に神様なんて信じているのか?なぜ日本人なのに仏教ではないのか?など、質問を設定し、それに答

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    2012年04月09日
  • 留学

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    第三章『爾もまた』について

    ものすごいリアルで、designerの太刀川さんがおっしゃっていた「具体的且つ主体的なストーリーの共有」という話を思い出した。

    主人公の田中は非常に悲観的且つ内省的で、自己肯定の難しさを非常に感じた。そこにポイントを置くという事は私もそうだからなんだろうけどw

    遠藤周作も留学で苦労したって言ってたし、いちいち田中と遠藤周作を比較してしまう。
    主人公の設定をものすごいコンプレックスを持ち、妻以外と関係を持ったことのない、気の小さい不器用な「田中」が「サド」を研究テーマにしたところ、本人もそれを思案しているようにしたところが非常に面白かった。

    また、サドについて

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    2012年03月20日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    コルベ神父が1930年に長崎に来て、5年後にポーランドへ帰国後、アオシュビッツで惨殺される事を背景として、長崎を中心とした日本人男女の物語、原爆投下で終わる。信仰と戦争と言う永遠のテーマ。

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    2012年02月27日
  • 反逆(下)

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    後半はその後の荒木村重を詳しく書くのかと思ったら、明智光秀とか、羽柴秀吉とか、柴田勝家とか総花的な内容になってしまった。

    キリシタン大名の高山右近をもう少し深く掘り下げたかっただろうが、それも叶わず。

    戦国時代は小説としてあまりにも沢山面白い題材がありすぎ、作家泣かせのところもあるから仕方のないことかも知れない。

    題名の通り、当時当たり前だった反逆がメインテーマだったが、やはり信長のカリスマ性はすごい。

    信長を抜きには、この時代を語れない。

    いくら、別のテーマを設けようとしても、信長を避けて通れない。

    あまりにも強烈な個性なので、作家は彼の引力から逃れられない。

    遠藤周作も然りだ

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    2012年02月06日
  • 反逆(上)

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    遠藤周作というと、キリスト教に絡んだ物語だけかと思っていたが、流石作家だけあって、戦国時代の知識も豊富だ。

    上巻は、摂津を支配していた荒木村重という戦国武将を中心に、それを取り巻く人物像を描いている。

    でも、やっぱり村重の妻である「だし」に思い入れが相当強い。
    作者自身、ホレているようにさえ感じる書き方だ。

    テーマは、反逆との題名の通り、主人信長に対する謀反を起こすに至るまでの心の葛藤を描いている。

    しかしながら、心理描写は成功したとはあまり思えない。

    ちょっと詰めが甘かったようだ。

    結局敗戦となって、城を脱出するのだが、さて、その後の生涯は?

    ・・・・後半につづく

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    2012年02月06日
  • 父親

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    ネタバレ

    考えさせられました。
    父親とは。
    娘とは。
    教育とは。
    けじめとは。
    仕事とは。
    読後の爽快感はあまりなかったのですが、娘視点からの父親、父親視点からの娘、マネージャー視点からの部下、部下視点からのマネージャー等を俯瞰的に疑似体験できたと思います。

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    2012年01月31日
  • さらば、夏の光よ

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    ネタバレ

    『父親』を読んで、良い作品だなぁと思ったので遠藤周作2冊目読んでみた。

    真っ先に連想したのは、大好きな作品
    『こころ』夏目漱石
    『友情』武者小路実篤
    この2作に似るものがあると思う。

    男女間の三角関係(男2女1)のもつれの話。
    こころも悲しいけど、これも相当に悲しい物語。

    京子の人生が悲しすぎる。
    この時代じゃなければ、野呂と結婚せずにシングルマザーになってたんやろな…赤ちゃんが無事に生まれたら。
    時代だけやね。それが悲しすぎる。
    一途にトンちゃんを思って、やのに野呂と結婚しても、野呂は優しいから余計つらかったやろうな。

    読み進めていくうち、まさか野呂も自殺?と思ったけど、それはなかっ

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    2011年12月16日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    印象的だったのは、折々のキクとマリア像との対話(?)だ。いつも真っ直ぐで飾り気のないキクの言葉は、時に微笑ましく、時に悲しく、その一途な思いは美しい。

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    2011年12月02日
  • キリストの誕生

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    キリストの誕生、つまり十字架上で死んだイエスが復活して人々のなかで永遠に生きていく経過が語られている。力作だ。キリスト教が短期間で広く普及されるに至った謎を追及している。そして、小説家ならではの表現力でもって、イエスの死後に布教に尽力したヤコブ、ペトロ、ポーロなど登場人物が人間臭く描かれている。それにしても、なんでユダヤの人々はこれほどまでに虐げられるのか?

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    2011年11月20日
  • 聖書のなかの女性たち

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    大人になって、読むとなかなか感慨深い。
    聖書を語った随筆だが、文学的な要素も色濃く、その点、小説となんら遜色ない。キリスト教がテーマというより、現代人の生がテーマというのも、他の遠藤周作の作品と変わらない。
    私はたくさんの人間ドラマがある聖書が好きだ。
    年をとって、少しは読み方も深くなったのか、語られている聖書の場面の臨場感に感嘆した。目の前にマリアを感じたし、エルサレムの風景をイメージ、いつかいけることがあるのかなあと思いを馳せた。
    それぞれの女性のエピソードは全て覚えていたけれど、はじめて、今回で、遠藤周作の言わんとすることが、体系的に分かったような気がする。

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    2011年11月18日
  • ぐうたら社会学

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    すさまじいイタズラの数々が告白されている「電話魔罪状録」「いたずら・哲学以前」
    イタズラではないけれど、笑ってしまう「あわてもの実録」どれも本当に純文学のあの遠藤周作氏が書いたとは思えないユーモア?が詰まっていました。
    最後の「酔談」は興味深い話が目白押し。考え方などが、語られていました。個人的には「しろうと批評」が好き。
    そして女性には耳がいたい話。「主婦と生活」に載せられていた話は女性なら誰でも耳が痛くなる話でした。自分はこうはならないようにしようと肝に銘じました。

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    2011年11月02日
  • 砂の城

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    ~夢みたものは ひとつの幸福
    ねがったものは ひとつの愛~

    この世のなかには人が何と言おうと、美しいもの、けだかいものがあって、母さんのような時代に生きた者にはそれが生きる上でどんなに尊いかが、しみびみとわかったものです。あなたはこれから、どのような人生を送るかしれませんが、その美しいものと、けだかいものへの憧れだけは失わないでほしいの。

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    2011年09月26日
  • 彼の生きかた

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    著者は洗礼を受けたキリシタンとして有名であるが、今回のストーリーには彼独特の宗教観は見受けられなかった。
    吃音症の少年が成年へと成長していく中で、変わらない純朴さが描かれている。対照的に、その友人は成長するにつれて少女から女性へと変化していく。
    ただひたすらにまっすぐ生きようとした、不器用な男性が、時代の波にもがきながら戦い続ける。

    愛とは何なのか。
    自らの信じるものは何なのか。
    そんなことを考えされられた一作だったと思う。
    この辺りが遠藤周作氏の魅力ではないだろうか。

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    2011年09月10日