遠藤周作のレビュー一覧

  • 妖女のごとく

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    ものすごい久しぶりに読んだら思ったよりB級感のある作品でした。
    昔はもっと楽しめたんですけど、なんででしょう。結末とか知っちゃってるからかな。宗教色の濃い遠藤作品の箸休めにいいかもしれません。
    主人公の辰野のキャラがあまり好きになれません。時代が時代なので、昭和の男ってこんな感じなのかなぁとは思いますが、そりゃ奥さんにも離婚されるわって思いました。辰野からか奥さんからかは明言されてませんでしたが。
    エリザベート・バートリーは読む前から知っているくらい有名な歴史上の人物です。もちろん教科書には載ってませんが、彼女を題材にした小説とかをちょいちょい見かけていたので、辰野より先にエリザベート・バートリーに気づきました。ちょっと得した気分。
    ただどうしても大河内女医が“妖女”に見えなくて、もっと彼女の蠱惑的な部分を描いてくれていたらなぁと思います。男と女では大河内女医の妖しい魅力について感じるものと感じないものがあるのかもしれません。
    人の噂でしか大河内女医の素晴らしいところって描かれてなかった気がしなかったので、そこがちょっと説得力なくて残念でした。

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    2013年04月13日
  • 愛情セミナー

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    なんとなく、タイトルがいいなあと思い、借りました。
    男女の心理的な部分が多かったかな。
    かっこいい言葉がちらほらあって、よかったです。
    男性がロマンチストで、女性がリアリストだという主張にはかなり共感しました。
    ただ、書き方がちょっと変わっていたので、合う合わないがありそう。

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    2013年04月04日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    悲惨な時代や環境だからこそ、愛が純粋培養され結晶となり、生きていくことの救いと成り得る。
    と言うことで今僕が欲しているのは、愛だ?!

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    2013年06月03日
  • キリストの誕生

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    原始キリスト教団とユダヤ教の関係、なぜイエスは神格化されたか。日本人には馴染みのない部分が丁寧に書き込まれているのでわかりやすかった。永遠の同伴者、孤独。

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    2013年03月22日
  • 王国への道―山田長政―

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    タイ旅行のお供に持っていった一冊。山田長政については名前くらいしか知らなかったが、今から400年も前にタイ(シャム)のアユタヤ王宮で権謀術数をめぐらせていた人物だったことに驚いた(むろん虚構は入っているだろうが)。わずかばかりのチャンスをつかみ取りながらのし上がっていく彼の生に、ただ日本にキリスト教を布教するという信念のみを持ってローマまで辿り着くペドロ岐部の生が、相対する方向から交差する。「ただこの2人はたがいに気がつかなかったが一点においてよく似ていた。それは狭い日本にあくせくと生きず、おのれの生き方のために海をこえて新しい世界に突入したことだった」(p.285)。「おのれの生き方のために」生きる力が湧いてくる一冊。

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    2013年03月12日
  • ぐうたら社会学

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    ネタバレ

    遠藤周作というと、文学作品を多く読んでいたので、エッセイは新鮮で、くすくす笑わせられた。
     終始、いたずら好きでお茶目な作家さんという感じで、今まで私が知らなかった一面を見ることができた気がする。
     「ぐうたら社会学」というタイトルだけれど、読み進める中でグサッと胸に刺さる言葉も多々あった。
     中でも、作者が語っていた、人と人のつながりの笑いが自然で大切だということ。これからの時代に大切になってくると語っていたのは印象的。50年たった今は昔以上につながりが希薄になっているゆえ、このことは大切にしたいと切に感じた。

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    2013年02月25日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    初めて読んだ遠藤周作です。
    フランス革命前後の小説という意味でも初めて読みました。
    ただただきらびやかな一面だけが書かれているのではなく、アントワネットの内面も丁寧に書かれていて、「パンがなければケーキを食べればいいじゃない」という有名な(?)アントワネットとは違う一面を読めました。
    彼女のその内面に、共感できるかどうかは別ですが。。。

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    2013年02月11日
  • 砂の城

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    それぞれの美しさとは、善いこととはを、テーマにしており考えさせられる。
    新潮社版で読んだが背表紙の解説には結末がズバリ書いてありガッカリ…

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    2013年01月06日
  • 砂の城

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    築いたものが砂の城ならば結局は崩れやすいよね。情熱に身を注いだ西もトシも、また泰子ですらみんな崩れたんだろう。
    美しいものと善いものは砂じゃないんだろうけど、それがなんだか分からずみんな探しながら生きてるってことなんかな。おもしろかったです。

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    2013年01月06日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    戦争が信仰の奥の奥を、信仰の奥の奥が、人間の奥の奥を。
    死を選ばざるを得ない背景。
    俺なんて逃げるだろうな。

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    2012年12月24日
  • 王国への道―山田長政―

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    江戸時代にこんな人がいたとは知らなかった。単身、タイ・アユタヤに乗り込み、藩主まで登り詰めるなんて、本当にガッツがある。ペドロ岐部が、地上の王国を目指す山田長政と対照的に描かれてるけど、信念を持って生き抜くところが、やっぱり、ガッツがあって、2人は似ているなぁと思った。これはあくまで小説、実際はどうだったのか、かなり興味をそそられる。

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    2012年12月17日
  • 砂の城

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    新潮文庫の解説で遠藤周作の中のいわゆる軽小説と書かれてるけど、この言葉が気に入らない。別に軽くないし。どうせなら青春小説と書いてほしかった。
    さらに言えば新潮文庫の裏表紙のあらすじは結末をドーンと書き過ぎじゃないかしら。

    まず物語が亡くなった母の手紙から始まるというところが好きです。
    冒頭の泰子とトシの高校時代が無邪気で楽しそうで明るい未来が待っているという感じ。砂の城を築き上げている途中といったところですね。初めて読んだのが高校の時だったから2人の楽しそうな姿が目に浮かびました。
    それなのに泰子とトシは全く真逆の道に進んでいくことになるわけで。
    トシの気持ちは分かる気がするんです。泰子って完璧すぎる。こんな人が隣にいたら劣等感の塊になりそうなのに、トシはそればっかじゃなくて、ちゃんと泰子のことを親友だと思っている。
    でもやっぱり泰子より…って思うのは当然だと思うんです。その方向性が世間や泰子の思うような“美しいもの、善いもの”ではなかっただけ。
    泰子の言ってることは正論なんだと分っていながらも引きずられていくトシのことを、泰子は理解できないだろうなぁ。
    西に関しても、容赦なく泰子さえも殺すと言ったとき、あれは泰子じゃなくてあたしもショックでした。砂の城が崩れたのはトシと西よりむしろ泰子だったのかもしれません。

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    2012年12月16日
  • こころの不思議、神の領域

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    林義道って昔からいたんだ、知らなかった。遠藤は小此木とも対談してユング派とフロイト派双方とバランスを取ってるのかな。ユング派に近そうだけど。

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    2012年12月10日
  • 夫婦の一日

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    深層心理がうまく描かれている。行動と理性と感情のバランスが見事。日本文化を深く観察された遠藤周作の晩期らしい作品。

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    2012年11月30日
  • 第二ユーモア小説集

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    ネタバレ

    この表紙の女の人の話が個人的に一番印象に残った。ユーモアの中の底知れぬ哀しみ。和田誠氏のイラストが上手すぎる。

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    2012年10月28日
  • ぐうたら社会学

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    遠藤周作2冊目。
    やっぱりこの人文章上手いですね。

    なんというかリズムが良い、というか。

    と思いながら読んでたらその点ご自身で言及してました。


    『笑いというのは間でしょう、テンポでしょう、句読点の置き方でしょ。
    文章でいえば』
    『オレのぐうたらものなんてのも内容はなんにもおかしくないんだよ。
    句読点の置き方ですよ。これはずいぶん苦労してんだよ。
    少しここらで、いばらしてくれよ。なあ、いいだろ。』


    そう、これだ。句読点。これが本当にすばらしい。
    特に最後の酔談なんてもうね、最高です。

    こんな文章、書けるようになりたいなあ。

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    2013年03月03日
  • 怪奇小説集

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    せるさんのレビューから、何やら面白そうな小説。秋頃にでも読みたいなぁ。

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    読んだ読んだ、秋頃といわず冬まで掛かって読んだ!笑
    遠藤周作さんの小説を初めて読んだと思うのだけれど、なんというかじわじわと真綿で首を絞められるような文章だったりユーモア系の「なんじゃそりゃ!」ていうのもあったりで色々楽しみながら読めました。
    個人的にもうだめだ、となったのは「ジプシーの呪」と「鉛色の朝」でした。必要以上に想像してしまうのと心霊関係無くじわじわくる描写で息が詰まる感じがして、この2話以降を読むまでに少し間があいたり。

    でも最後のニセ学生でなんだか「たはは...」とおもしろ可笑しい気持ちになったり、とても面白かったです。ごちそうさまでした!

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    2013年01月06日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    ネタバレ

    「沈黙」に続く遠藤周作のキリスト教&長崎テーマの読書。

    作品自体は「沈黙」のほうが素晴らしい出来のように感じたけれど、キクという女の一生を通して、信仰や愛について描かれているだけに、より感じるものは多かった。

    キクの激しくも哀しい一生にはもちろん胸を打たれたんだけれど、伊藤とプチジャンの海辺での対話が圧巻。(むしろエピローグの津和野での懺悔が蛇足に感じた。勝手な感想だけど。)
    神は本藤よりも伊藤を愛すると。本藤のような人に神は必要ないのだというような。
    そうなのか…。本藤はすごく頑張ってるからこその成功なのにな、神様がその頑張りを見守ってくれて、幸運を与えてくれないと、割にあわなくない?なんて最初は思ったけれど、筆者の描く神はそうではないのね。救済を与えるのではなく、傍にあって苦しみをともにしてくださる。それならダメ人間ほど神に愛されるってこと?それって不公平じゃない?いやいやでも、人間は完璧じゃないんだから、本藤のような人だって弱くずるく醜い部分があるわけで、そこにおいては神がともにあって…。っていうかそもそも不公平って発想自体がおかしいような。でも…。

    「沈黙」に続いて、考えれば考えるほど、神という存在の意味が、大きく変わってくる読書。

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    2012年08月10日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    遠藤周作の小説,エッセイから内容ごとに分類したもの.実は人生には無駄なものもあるかもしれないが,この本では遠藤周作という一人の作家がどのように考えて生き,それを表現してきたかがよくわかるから素晴らしい.まさに生きるように書き,書くように生きてきた一人の人間の人生が詰まっている.

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    2012年07月21日
  • 結婚

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    鹿児島に左遷になった幸せな夫婦がすごく印象に残っている。周りの目やステータスなんかに振り回されずに、自分が心から幸せを感じられる形を見つけたい。
    みんなどこかしらに疑問を感じつつ、妥協しているのだと思った。
    『青い果実』もすごく印象に残っていて、夫婦生活と対照的だと感じた。

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    2012年07月04日