遠藤周作のレビュー一覧

  • さらば、夏の光よ

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    「若きウェルテルの悩み」の激しさと「車輪の下」の暗さを併せ持ったような色合いの作品。さらば、夏の光よ。

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    2011年05月14日
  • 聖書のなかの女性たち

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    キリスト教については授業でやってたけど、こんな考えにまでは至らなかった。勉強になったと思うし、やっぱり遠藤さんの考え方というか、捉え方が好きだなぁと感じた。

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    2011年04月19日
  • 満潮の時刻

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    ネタバレ

    死の淵に立った男の人の話。
    人生万事が塞翁が馬っていうことばが常に頭から離れなかった。
    悪いことをすればどこかでしっぺ返しが来る。
    いいことをすればどこかで返ってくる。
    戦争から逃れたものは・・・という感じで。

    生きるか死ぬかの瀬戸際みたいなぎりぎりの状態ではなくて、水が地面にしみこんでいくようにじわじわと病に蝕まれていく。
    ひとつひとつの行動の意味を考えて、どうあるべきかを考えずにはいられない作品。

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    2011年03月31日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    ネタバレ

    「死なないで」彼女は引き絞るように叫んだ。「生きて。戻ってきて」+++
     高校で出された課題本は一部だけでしたが、二部も読んでみたいと書店へ走った記憶があります。一部はひたすらに胸が張り裂けるような本でしたが、この二部はサチ子のひたむきな愛情に泣かされっぱなしでした。
     そしてこの本を読んだ翌年の、高校三年の夏。キャンパス見学の帰りに、私はふと靖国神社にたちよりました。余りの暑さに辟易して、境内に涼を求めたのです。ついでだからと参拝しようとなんとなく思って拝殿に向かいました。
     拝殿でお参りが終わったときに、車いすのおじいさんとすれ違いました。そのおじいさんは本殿にたどりついた途端てぬぐいを握

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    2013年05月05日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    おじいちゃんとかおばあちゃんの若い頃の話を聞いてるみたい。
    自分のおばあちゃんは当然おばあちゃんになった後のおばあちゃんしか知らないけど、彼女にも私と同じくらいの年の時があったんだよね。
    そして、私もそう思われるようになるんだろう。

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    2011年02月22日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    久しぶりに遠藤周作の本を読みました。
    私が受けたとき、この本じゃないけど、遠藤周作がセンター試験の問題だったなぁ…。Z会の問題にも『海と毒薬』とかでてたなぁ…。

    ともあれ、凄く面白かったです。キリスト教云々とか日本人とは、という思想的な部分はちょっと何とも言えないけれど、ストーリーが良いです。

    映画とかにしたらいいと思います。

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    2011年02月01日
  • 夫婦の一日

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    ネタバレ

     5編を収めた短編集。『日本の聖女』が素晴らしい。修道士の独白体で細川ガラシャを描いている。
     謀反人・明智光秀の娘であり、秀吉が禁制とした切支丹である彼女の危険な立場は、夫との確執を生み、彼女は厭世観を強くしていく。キリスト教への信仰を深めていくように見えるガラシャだが、現世の苦悩(十字架)を背負おうとはせず、むしろ死による救済を願う姿に、修道士はキリストの教えとの根源的な差異を感じ取る。
     修道士はガラシャの死を「切支丹として死んだのではなく、日本人の宗教で亡くなったのだ」と語る。彼女の宗教観、人生観は本質的に変わることはなく、その死にいたるまで、極楽浄土を願う日本的な精神に支配されたまま

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    2012年01月18日
  • 彼の生きかた

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    いくら猿がすきでも ここまでは・・( ̄_ ̄∥) と最初は
    思っていたけれど こういう生きかたも「あり」なんだと
    読み終わったあと 不思議な勇気が湧いて来た作品。
    あとになって いろんな想ぃが じわじわ来ます。
    ヒトは 何を人生の主軸に持って来るかによって これほどまでに
    生きかたに こだわりを持てるんだなぁ・・と 考えさせられた感じ。

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    2010年12月22日
  • 夫婦の一日

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    表題作の「夫婦の一日」と「日本の聖女」が個人的に好きな作品。

    特に、「夫婦の一日」は、カトリック信者であるにもかかわらず、立て続けに起こった不幸から占い師を尋ね、その言葉に信心する妻の様子が印象的。カトリック信者なのだから、占い師の言葉など信じること自体おかしいと説く夫の気持ちも分からないでもなかった。けれど、夫が1年で亡くなるといわれ、それまで続いた不幸のことも考えると、たとえカトリックといえども何かにすがりなんとしても夫を助けたいと思ってかたくなに実行する妻の心情も理解できた。きっと女性ならではなのかもしれない。

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    2010年11月15日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    この本を読んだのは、大好きなアーティストの言葉がきっかけ。この本を読んで、愛すること、大切な人がいること・・・を想いながら曲を作ったと話していた。実際読んでみると、曲のタイトルや歌詞の内容により深みが増したように思う。もともと、個人的にグッとくる歌詞だったから気になって、一気に読んだ。いわゆる目を覆いたくなるような描写も多くて、字を追うのが辛い場面もあるし、ストーリーを通して救われないと感じることも多いかもしれないけど・・・。

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    2010年10月23日
  • 彼の生きかた

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    理想に生きる事と現実社会で生きる事の対比。
    一平のような生き方には憧れるけど、絶対に出来ない。ひたむきでどこまでも真っ直ぐでいつまでも純粋な人間って凄いと思った。

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    2010年10月14日
  • 満潮の時刻

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    人は死に近づくとき、普段の生活の中で何を考え、何を感じるのか。この作品は遠藤周作自らの体験を元に描かれているのだが、夫婦のつながりに関して涙した。遠藤周作が息を引き取るときも、妻の手を握っていたのがすごいと思った。

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    2010年10月06日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    1部のほうが夢中で読めた。
    でも2部のほうが感銘をうけた。
    (男女関わらず)人を愛するってそーいうことなのかぁ。な?

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    2010年09月14日
  • 父親

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    不倫の恋におちた娘と、戦争を生き抜いた父親との関係。「けじめ」を信条とする父親は娘の不倫に深く傷つき『父親』という存在を考える。

    なんだろ、泣けた。周りが見えなくなってしまって妻子ある人との恋愛に走ってしまう娘の気持ちもわかるし、それを許せない父親の気持ちもわかる。

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    2010年08月15日
  • キリストの誕生

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    「イエスの生涯」の続編。
    イエスの死からユダヤ戦争辺りまでの原始キリスト教団における使徒(主にパウロとペテロ)の心理を中心に描く。

    盲目的なキリスト賛美でなく、冷静に、人としてのキリスト教団を描いているので、非キリスト教徒の人間にもあまり抵抗なく読み進められる。

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    2010年08月11日
  • 砂の城

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    主人公の泰子の亡くなった母親が残した手紙に書いてあった言葉で
    最後まで何度も出てくる、「美しいものと善いもの」。
    それを求めて、行動する泰子の事をうらやまく思ってしまった。
    私も美しいものと善いものを探求する気持ちを心の奥に留めておきたいな。
    九州弁もとてもリアルでよかった。

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    2010年07月16日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    太平洋戦争下の長崎。キリスト教信者の幼なじみ、サチ子と修平。上京し文学を志す修平は、「人を殺すなかれ」のキリスト教の教えと戦争とに矛盾を感じつつ学徒出陣により徴兵され、神風特攻隊で戦死。サチ子は修平への強い愛を抱きながらも時代の流れに巻き込まれ、昭和20年8月9日“ふとっちょ”原爆長崎に投下。

    本当に哀しい世代。今は考えられないようなこんな話が普通だったんだろうね。ただ、この話の中に壇一雄の師匠の佐藤春夫先生の詩が出てきたから少しうれしくなった。

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    2010年07月11日
  • 女の一生 二部・サチ子の場合

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    ともに長崎を舞台にした小説。
    夜更かしをして読んだ本。
    長崎とキリスト教は切っても切り離せない関係にあるということ、キリスト教徒がなぜ、自分を犠牲にしても、キリスト教徒であることをやめないのか?
    その時代、おかれた状況で信仰心は変わってくると思う。
    途上国・戦時中・満たされない時代では、信仰心は強くなると感じる。
    今、この時代にこんな虐待が行われると、大半の人は信仰を捨てるだろう。
    それにしても、遠藤周作、うまい。
    どちらかというと、サチコの場合がはまったな。
    特にアウシュビッツの場面。

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    2010年05月05日
  • さらば、夏の光よ

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    【さらば、夏の光よ】 遠藤周作さん

    お茶の水にある短期大学のB学院
    遠藤先生はこの学校でフランス文学を教えていた。

    その遠藤先生の講義を受けていた生徒の中に
    背が低く小太りで女性にまったくもてない野呂という
    生徒がいた。

    善良で愚鈍な彼は人から頼まれたことには
    嫌な顔せずどんなことでも引き受けてくれるので
    いつも女性に利用されて、しかも感謝されないでいた。

    彼には南条という親友がいた。
    南条は野呂とは異なり、明るく快活な青年だった。

    ある日野呂は南条に同級生の戸田京子が好きだと
    打ち明けられた。

    実は野呂も京子に恋心を寄せていたのだ。

    しかし自分が女性に関心をもたれないコトを

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    2010年01月23日
  • ユーモア小説集

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    遠藤さんの本にはまっているときに古本屋で手に入れたもの。どちらかというと罪、信仰、孤独というテーマに惹かれていたので、この本の前半に収められている短編は中途半端というか、阿部公房になりきれない作品に下ネタを加えたような印象で、かといって星新一のような短編の魅力に書ける・・・こんな作品も書いていたのかと衝撃だった。しかも残念な意味で古臭さを感じさせてしまう。でもこのなかで輝いてたのは「うちの親爺」と「昔の教官殿」いう作品かもしれない。特に、つい先日NHKで松本清張シリーズを見たが、その時代背景と重なるものもありつつ、もっとさりげなくていいなと思った。

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    2010年01月03日