遠藤周作のレビュー一覧

  • 反逆(上)

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    20年程前に読んだ作品を改めて読んでいると少し大人になった自分は大きな組織で働く辛さを共感できました。遠藤周作さんの作品は司馬遼太郎さんとは、違う描写やアプローチがあって面白い。大河ドラマ軍師官兵衛とダブル部分があって、興味を持って読みすすめることが、できました。

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    2014年04月14日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    『沈黙』の遠藤周作氏による自由な随筆(エッセイ)。生と死、人間と動物、趣味関心など、様々なテーマから自由に語られるエッセイは重苦しい『沈黙』と同じ著者が書いたとは思えないほど読み進めやすく、面白い。

    超常現象や動物と人間の関係など、ははぁと思わされるテーマが多く、読んでいて非常に充実していた。

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    2014年03月17日
  • 白い人・黄色い人

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    キリスト教をテーマにした初期の作品2作。
    作者が伝えたいこと、考えていることが小説から溢れ出ていて、作品自体の雰囲気を超えて瑞々しく、読ませる文章。

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    2014年03月08日
  • 周作塾

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    タメになったりならなかったり、この人が語る講演会はきっとおもしろいだろうなと思います。
    色んなことに興味があるんだなと関心しました。だから「沈黙」のような純文学から「王妃マリーアントワネット」のような歴史もの、「砂の城」のような青春もの、「ぐうたらシリーズ」のような肩の力が抜けるエッセイまで色んなジャンルが書けるんですね。
    最初に書かれていた名前を2つ持つこと、友だちを作る方法として笑顔でいること。この2つが一番印象的でした。

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    2014年03月07日
  • 王国への道―山田長政―

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    山田長政とヨゼフ岐部の物語。
    タイのアユタヤ朝に渦巻く凄まじい陰謀の中で出世を目指す山田長政の生き様と、信仰に生きるヨゼフ岐部の生き様の対比を描く。

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    2014年03月05日
  • 反逆(下)

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    荒木村重の反逆から明智光秀の反逆を描いている下巻。光秀と秀吉の関係、秀吉と織田家諸大名の力関係から秀吉が抜き出るまでの描写が面白かった。下克上の世の中でのそれぞれの登場人物の心理、それを圧倒的なカリスマ性で有無を言わさぬ織田信長の存在はあまりにも大きい。
    また、遠藤周作自身のテーマでもある、キリスト教と日本人の描写が細かなところでも出ているように思われる。高山右近の描写が細かくて、次はそちらの視点を描いた作品を探そうと思った。

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    2014年02月20日
  • 反逆(上)

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    遠藤周作戦国三部作の一つ。タイトル通り、戦国のカリスマ、織田信長への謀反につながる反逆心を内面から描いている。派手に戦をする描写ではなく、心情を描いている本作は、現代の組織体制の中で抑圧されている人たちにも通じると思った。歴史は時代の勝者が作るものという先入観があるのだが、その歴史の寵児であった信長への反逆心を描く作品はそれほど多くは無い。
    松永久秀の謀反、高山右近・中川清秀の離反、そして秀吉の虎視眈々と機を窺う人間の内面を描いた本作は読み応えがある。

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    2014年02月18日
  • 留学

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    三部作。最後の話やたら長い。本作も他の作品と同じく西洋文化キリスト教と日本の文化との対峙、本質的な相違について描かれている。
    主人公はもちろん遠藤周作ご本人がモデルなんだけど、しかし苦しい。なんでこんなに苦しまなあかんのか。時代ゆえなんか、芸術とか文学を志す者ゆえなんか、とにかく苦しい。文学者として、日本人して、クリスチャンとして、男として、人間としてと、いろんな、○○としての自分がのしかかってきて、押しつぶされている。重い。今時「私らしく」とかいう一言で済まされそうなもんなのに。重い重い。でもそんなものに縛られて必死に逃れようとしてまた何かに引っかかりけつまずき、劣等感を抱いたりプライドを傷

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    2014年02月05日
  • さらば、夏の光よ

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    それぞれの立場に立って考えると、言い分もあって世の中うまく行かないなと思いました。
    南条は自分の気持ちにまっすぐに生きただけだし。京子は周りに流されながらも、運命のいたずらで自分の思いとは違う方向に行ってしまう。野呂は大切な人大切にしたがために、生き残り思い出とともに、苦しみの中で生きていくしかない。
    切ない話です。

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    2014年01月12日
  • 満潮の時刻

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    生を見つめる眼、沈黙の声。著者の訴えたいことが、じわりと伝わってくる。生活と人生は違う。なので日常から離れた入院生活で実感できたのだろう。14.1.8

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    2014年01月08日
  • 留学

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    著者自身の留学経験を下に書かれたであろう、留学経験者で有れば誰でも思わず頷く様な、現地での葛藤や苦労を描いた作品です。 現代社会とは少し違った感覚、古臭い側面も多々有りますが、時代は変わってもこういった気苦労やコミュニケ―ションにおけるもどかしさや歯がゆさは、いつの時代でも変らないみたいですね。 遠藤周作もこういう感情になっていたんだと思うと少し感慨深いものが有る今日この頃です。

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    2014年01月06日
  • 死海のほとり

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    イエス・キリストの真の姿に迫る名作。イエスの実像は聖書に描かれている姿とはかけ離れた、みすぼらしく、人々から嘲られ、惨めな一生を送ったと描かれるが、イエスが周囲の人々に示した愛は、関わった人々の心に深く刻まれていく。並行して語られる現代の物語との後半のシンクロは圧巻。
    僕はキリスト教信者ではないし、聖書物語も信じていないが、この小説でイエスが示した愛は信じる。

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    2013年12月21日
  • キリストの誕生

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    聖書だけでは理解出来ないイエスが処刑された後の使徒たちの考え方や性格がとても分かりやすく説明されていた。賛否両論ある内容だとは思うが。遠藤氏はキリスト教徒のはずだがどこか覚めた視線をお持ちなので、非キリスト教徒が読んでもとっつきやすかった。

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    2013年12月01日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    学校の歴史の授業ではその名前だけがさらっと流される程度で奥深い部分を知る機会にとてもいいと思う。
    自分が学生の時に読んでいたら歴史の授業も面白くなったはず。
    華麗に贅沢に生きていただけと思っていたアントワネットの内面を冷静に見つめられる部分も面白い。

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    2013年10月29日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    史実通りではない部分も多いようですが、概ね史実に基づいて描かれている事もあり、これが現実に行われた事かと思うと胸が締め付けられる想いを感じる。
    フランス革命までの華やかなフランスの貴族社会やフランス革命さ中のフランス国内の情勢などは、日本の歴史の授業では第1次世界大戦の方に重点をおかれるのでなかなか詳しいことを知る機会がないので、こういう物語を通して歴史を知るいい機会になると思う。

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    2013年10月29日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    地に足が着いている感じの人のエッセイが好きだ。
    私が勝手にそういう本を読みたいときに選んでいる作家さんが
    須賀敦子さん、城山三郎さん、司馬遼太郎さん、谷川俊太郎さんなどだが、
    遠藤周作さんもそのひとりだ。

    日々感じたこと・考えたことを綴っている文章だけれど、
    そのまましっかりと一日一日を感じながら歩いていけばいいんだ、
    と言われているようで安心する。
    眠れぬ夜に、読みながら時を感じてみるのも良いと思う。

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    2013年10月24日
  • さらば、夏の光よ

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    なんか見事なほど誰も幸せになれなかった。切ないっていうのとはちょっと違う気がしました。
    初めて読んだのが高校の時だったからずいぶん前の話なんだけど、今さらながらにこの作品が自分が生まれるより前に出版された作品だってことに気づきました。
    もちろん昭和の香りが漂いまくっているんだけど、そんなに時代を感じさせないです。人の心ってどんな時代でも一緒なんだろうなと思いました。好きなものは好きだし、嫌いなものは嫌い、綺麗なものは綺麗なんです。
    京子の“野呂が生理的に受け付けない”って気持ちがよく分かるんです。小鳥が死ぬときの目が一番好きなんです、なんて言える人間は暗いし気持ち悪いです。死に際を見守る野呂は

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    2013年10月14日
  • 留学

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    仏蘭西に実際に留学して西洋文明の理解しようとつとめる日本人との間に存在している溝、それを解消しようとする苦悩が著者の小説の主人公を通じて、ひしひしと伝わってくる。異国情緒。そして絶望。でも、その感情の発露はある意味で正しく自然の成り行きなのかもしれないと感じた。

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    2013年09月13日
  • ぐうたら人間学 狐狸庵閑話

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    くだらないシモの話が楽しい。エピソードが程よく短くてサクサク読める。終盤になると自称が「わし」になって偏屈親父っぽいキャラクターになっちゃうの。可笑しい!

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    2013年09月12日
  • 人生には何ひとつ無駄なものはない

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    遠藤周作の作品の中から厳選された文章を集めて、テーマ別にまとめた一冊。

    自分の心の中に抱えているモヤモヤがこれを読んで少しずつスッキリしていく感じがした。今の私に響いたのは、結婚や夫婦について、そして、教育についての幸福と不幸についての文章。

    きっと読む人、年代によって響く言葉が違って、これからの人生で壁にぶつかったときに読みたい一冊。

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    2013年09月02日