遠藤周作のレビュー一覧

  • 死について考える

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    遠藤周作は昔の人だから、仏教的な考えで死に向き合ってると思ってたら、まさかのキリスト教
    死というのは、たぶん、海みたいなものだろうな
    入っていくときはつめたいが、いったん中に入ってしまうと…

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    2023年08月02日
  • 彼の生きかた

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    不器用だからこそ、不自由だからこそ見出したその生き方。
    邪魔するのは偽の強さを振り翳すまさに人間という遣る瀬無さ。
    ある意味では「彼の生きる道」なのかもしれない。それでも「生き方」と表現する方が、私も好きだ。
    その時代にどれだけそういう捉え方があったのかどうかはまた別だが。

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    2023年07月23日
  • 満潮の時刻

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    結核にかかった明石という男の入院生活をえがいた作品です。

    肋膜炎にかかったため、召集を受けることのないまま終戦を迎えた明石は、四十代という働き盛りの年に結核で一年以上の入院を余儀なくされたことによって、同世代のなかで自分だけが戦場に行かなかったというコンプレックスを解消することができるのではないかという考えます。しかし、長くつづく入院生活にそうした決意は揺らぎ、妻に不平をこぼします。

    ところが、思いもかけず手術によって早く退院することができるかもしれないという医者の話がもたらされ、明石は手術を受けることを決意します。しかし、彼の病状は医者の予想をはずれて悪化の一途をたどり、退院のめどが立た

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    2023年07月21日
  • 彼の生きかた

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    どもりのために消極的な性格の福本一平は、ことばで語りあう必要のない動物との触れあいに、心のやすらぎを感じていました。彼は、小学校時代の音楽教師の示唆を受けて、ニホンザルの生態を研究する道をえらびます。彼は日本猿研究所に所属し、志明山でニホンザルの餌付けを試みていましたが、志明山の土地が観光業者の手にわたったことで、ホテルの開発が着手されてしまいます。さらに研究所の所長が交代したことで、人づきあいの苦手な一平は苦しい立場に追いやられ、職を辞して比良山で研究をつづける道をえらびます。

    一方、小学校時代から一平と幼なじみの中原朋子は、志明山の開発を進める業者に勤務する夫のもとに嫁いでいました。彼女

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    2023年07月15日
  • 父親

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    56歳の石井菊次は、娘の純子や会社の部下たちに「けじめ」を説く、戦前世代の頑固一徹な性格の男です。彼は、新商品の香水の開発に力を注いでいましたが、社内の何者かがライヴァル会社に新商品の情報を漏らしたことが明らかになり、さらに社内の権力闘争に巻き込まれて、しだいに嫌気がさしてくるようになります。

    スタイリストの仕事をしている純子は、実業家の宗という男からプロポーズを受けます。彼には妻子がありましたが、すでに別居状態になり、まもなく離婚して純子といっしょになりたいというのです。純子は彼の思いにこたえる決意をしますが、そのことを知った菊次は怒り、純子は家を飛び出して一人暮らしをはじめます。

    宗の

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    2023年07月14日
  • ただいま浪人

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    進駐軍として日本にやってきたロバート・オノラは、ミツという日本人女性とのあいだに子どもをもうけますが、朝鮮戦争後にアメリカへもどります。彼は約二十年ぶりに日本にやってきて、ミツとその子どものゆくえを追いかけます。

    一方、浪人生の石井信也は、東大合格をめざして勉強に励んでいました。しかし、友人の近藤が受験をやめてアメリカで画家をめざす決意をしたことに心を揺さぶられ、二度目の不合格となります。父親の豊次が彼にかけていた期待の重さに苦しんでいた信也は家を出て、スナックで働きはじめます。そんな彼に、宇田という男をリーダーとする組織が目をつけ、彼を壮大な犯罪計画に巻き込んでいきます。

    信也の姉で出版

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    2023年07月14日
  • 新装版 海と毒薬

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    ネタバレ

    戦争犯罪に対し心の迷いを抱く勝呂にフォーカスを当てている物語だが、描写がとてもリアルで目を背けたくなる部分も多々あった。しかし、心情描写を強く読み取れる箇所が少なく、物語としての起伏は少ない印象だった。

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    2023年06月15日
  • 新装版 海と毒薬

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    太平洋戦争中の、捕虜の生体解剖というテーマ設定に惹かれて手に取りました。戦争の残酷な面を明らかにする作品かと思っていたのですが、それよりも「人間の良心」の在り方について語られる作品でした。

    解説の夏川草介氏も書いていましたが、「キリスト教という生活規範」がない日本において、確固たる良心/善悪の判断基準がない日本人のモラルのあり様を問う作品です。

    例えば、生体解剖に誘われた外科医勝呂(すぐろ)が、それに参加するべきか、断るべきか懊悩する場面では、悩みつつも彼は結果的に参加してしまうのですが、ここでは「参加してしまった」ことが問題なのではなく、「明確な決断もつかないまま、なんとなく」参加したこ

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    2023年06月14日
  • 新装版 海と毒薬

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    誰しもが環境や境遇によって、避けられない運命に出会ってしまうことがある。
    決断までの期間が短いほど周りの力に流されてしまうことが多いような気がする

    勝呂は本能ではどうしたらいいのか迷う中でも、人道的にやってはいけないことだし、参加した先に自分の人生が壊れてしまうような予感を持っていた。

    勝呂は時が経っても、その時のことを後悔しつつ、でもどんな選択が正しかったのか悩み続けているように感じた

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    2023年06月08日
  • イエスの生涯

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    永遠の同伴者イエスという視座からイエスの全生涯を捉えた本。
    イエスの内面の苦悩は弟子達も理解できなかった。孤独とはこの事。
    【関連書籍】
    プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神

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    2023年11月28日
  • 人生の真実を求めて 神と私〈新装版〉

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    読むのにとても時間がかかってしまった。消化しきれない部分がたくさんあったからだと思う。しかし、これこそ一生答えを求めていくものではないかと思った。

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    2023年05月28日
  • 新装版 海と毒薬

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    なぜ人は罪をおかすのか?
    どのように悪徳を悪徳と認識するのか?
    罪悪感はどこから来るのか?

    日本は絶対的な宗教の浸透もなく、倫理観が非常に曖昧なのかな?
    本編が語っている内容は理解できたが、作者がその背後に書きたい心理が何なのかはまだ読み解けなかった。

    小心の【普通】の青年が恐るべき罪に手を染める背景には、時代背景はもちろんだが、自分自身の無力感や、思考の放棄、堕落を律するものが無くなる、崩れることなのかとおもった。

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    2023年05月13日
  • 新装版 海と毒薬

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    太平洋戦争の時、実際に九州の大学で起こったアメリカ捕虜への生体解剖…そんなショッキングな事件を題材にした小説。

    「どうせ死ぬんだから、今後の医療のための死ならむしろ有益」という派の医師達や戸田。一方「人を殺す医療はあっていいものか」的な生体実験に懐疑で戸惑いがあった勝呂。

    今だと誰しも正論でおかしいと抗議できるはずだけど、当時のような戦時下だと正常な判断はできるものなのか…?私も麻痺して、やるしかない、と思ってたかもしれない…そう思ったら自分にこわくなった

    てかそもそもこの事件もフィクションだ、と思いたかった。海水は代用血液として使えるのか、肺は片方取っても死なないのか、生きた捕虜を使っ

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    2023年05月02日
  • 眠れぬ夜に読む本

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    可もなく不可もなくまさしく眠れぬ夜に読むエッセイ。高齢者的な印象を感じる発言がありますが、真っ直ぐ歳を重ねているような印象を受けました。いくつになっても、自分の気になるものを勉強しようと思える人は溌剌としているんですね。

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    2023年03月12日
  • 【新装版】ほんとうの私を求めて

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    気になる所だけ読んだ。遠藤さんの考え方は自分を救ってくれたことがあるので、今回も期待して読んだ。正直、この作品は理解しづらいことが多かった。でも、また読んでみる!

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    2023年03月02日
  • 怪奇小説集 蜘蛛

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     週刊新潮に連載した「周作恐怖譚」を1959(昭和34)年に単行本として刊行した『蜘蛛——周作恐怖譚』に4編を加え、1970(昭和45)年、『遠藤周作怪奇小説集』と題して出版されたもの(を、『怪奇小説集』と更に改題して1973年に講談社文庫で出したもの)。

     中学生の頃私は北杜夫のユーモア・エッセイが好きで、その流れでついでにちょこっと読んでみたのが確か『遠藤周作ユーモア小説集』だった。これの巻末にオマケとして一編だけ怪談が入っていて、これがやたらに怖く、ショッキングだった。このとき味わった恐怖感の味が、ずっと記憶に残っている。私がホラー小説を好んで読むようになったのはずっと先、特にここ数年

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    2023年01月24日
  • 新装版 海と毒薬

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    米国人捕虜の生体解剖をするまでの医師たちの心境や戦況化の日本の病院についてが冷淡かつ簡潔に描かれていた。咀嚼するまで時間がかかる本だった。

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    2023年01月12日
  • 死海のほとり

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    当時のイエスと、信仰を失った男がイエスを追って巡礼を行う2本の話が交互に組み込まれる。
    小難しい表現の一切を排した清潔で静かな物語だが、『沈黙』のような登場人物の胸に迫る信仰への問いや想いをもっと感じたかった読後感。

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    2023年01月10日
  • 父親

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    結局、けじめは他人を傷つけることによって自分に生まれる罪悪感を生じさせない為のものなのかなと。それを取るか、どうなろうと自分の幸せを取りに行くのか、そこが集団思考か、個人思考かの時代における変化だと思う。内容的には割とサクサク読めた。

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    2022年10月20日
  • 怪奇小説集 共犯者

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    解説にあるように、この短編集は、怪奇小説ではない。でも、ミステリーとして読めば面白いものは結構入っていて、偽作という話は面白かったな。
    時代背景にもう一つ馴染みがないから、それを利用したならような話が多いので、残念ながらもう一つ、入り込めなかった。でも、描写はなかなか、映画でも見ているようで、人喰い虎などは、インドに一度は行ってみたいなと思わせるものだったな

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    2022年10月19日