遠藤周作のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
’’ブラック大名に仕えてるんだが、俺はもう限界かもしれない’’ー信長に仕えて反逆した荒木村重と明智光秀が主役に据えられています。
明智光秀が本能寺の変に踏み切った理由として信長が違約して四国の長宗我部討伐に踏み切ろうとしたことを中心に、荒木村重が有岡城の謀反をおこした理由として本願寺顕如に魅かれつつあったという設定で書いていますが、要するに信長の恐怖威圧に対するプレッシャーに耐えきれなかったという書きぶりです。
両者の戦に共通する人物として、高山右近と豊臣秀吉をうまくフューチャーしています。特に秀吉が戦を始める前に徹底的に根回しするさまの書きぶりは、遠藤周作が日本統一するまでの秀吉のスキルを非常に高く評価していることをうかがわせます。あの頃の秀吉はまさに対信長を除けば天下無双ですね。直情的な戦闘武士の柴田勝家ではそりゃ勝てないはずです。そして、高山右近が中川清秀が味方してくれるはずと、希望的観測に強く依拠しながら裏切られて敗北する両名に人の弱さをうかがいしれます。
それにしても、荒木村重が妻子を見殺しにされた後もなお自決を選択せずに生き続けたことは当時の棟梁にしては異例な選択なので、その点をもっと突っ込んで書いてくれるとなおよかったかな -
Posted by ブクログ
下巻はフランス革命がいよいよ始まる。市民の暴動や貴族たちの特権はく奪など、革命に向かうそれぞれの立場での情景が描かれている。14歳で異国から嫁ぎ、37歳で断頭台の露と消えたマリーアントワネット。統率力のない王へのいらだち、貴族たちの策略、裏切り、ひそかな愛…なんと波乱に満ちた短い人生だったのだろう。フランスの財政難を理解できなかった王妃は湯水のように公費を使う。そして、その贅沢三昧は、やがて恨みから国民の暴動へと発展。今や歴史を代表する悪女のレッテルを貼られた王妃だが、その行動の中に、心から楽しんでいるわけではない、何かとても暗い孤独を感じた。晩年の生活を読み進むとさらにその印象が一転する。心から王を愛し、子供たちを溺愛するひとりの妻、母であった。そして断頭台に立つ瞬間までエレガントさと気品を失わなかった美しい女性であった。
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Posted by ブクログ
ネタバレめっちゃ笑った。遠藤周作めっちゃお茶目やん。読者に「諸君」とか「奥さん」などと呼びかけたり、(反対する人は反駁してみい)なんて挑発したり、嫉妬への対処法が「⚪︎⚪︎⚪︎もウンコする」と歌ってみたまえ、やったり。かいらしなあと頬が緩む。
「初手から甘やかしておくと、女はすぐつけあがると先輩が教えてくれたからだ。だから結婚して一カ月目から女房を張り飛ばすことにした。」とかむちゃくちゃやん。奥さんがなかなか強い女性で安心したわ。
昭和の漢らしい価値観が随所に現れているけど、不思議と嫌な気分にはならない。愛と情熱は違うこと、結婚に結晶作用は必要ないこと、女が与えすぎることの危険、忍耐の末「愛」や「信じること」を知れること。むしろ、現代にも通ずる言葉が詰まった珠玉のエッセイだった。 -
購入済み
興味深い
映画化され話題になっていたので、今更ながら読みました。
宗教を理由に弾圧、迫害した、された日本の過去の姿を、現代的な感覚で読みやすい、興味深い作品であると思います。
現在の社会や国際的な問題とも照らし合わせ、人としての葛藤を捉えているこの作品は、いま、多くの人に触れて欲しいなと思いました。
ただ、最後の文章は、難しいかもしれません。
ここからはごくごく個人的な感想です。
作中、よく「えっと◯◯」という表現がありますが、この使い方に少し違和感を覚えました。方言まで正確に書く訳ではないと思いますが、やはり方言は少し違うなと感じることがありました。(しかし、ほんの少しの違和感です)登場人物達が生きている気がしました。
長崎は受難の地、祈りの地だなと改めて思いました。そして海が本当に美しいとも。
私の曽祖父は隠れキリシタンでした。代々隠れ、懸命に生き、原爆で妻子を失い、それでも祈り、穏やかでした。
一言でいう「歴史」の中でどれだけの人々が葛藤し、道を選び、生き抜いてきたのかと思いをはせる機会になりました。
隠れキリシタン(最近では潜伏キリシタンとも言うようですが)がこのように、作品に残る時代になったんだなと、嬉しくも思いました。