遠藤周作のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ストーリーの合間に根拠となる文献と作者の所管が添えられており、単なるエンターテインメント作品ではなく歴史検証的な作品でもあり知的好奇心をくすぐられます。しかし、解説によると物語の重要な人物、竹井藤蔵が全くの架空人物とのことで、やはり物語であって鵜呑みにはできないなぁと。
また、キリシタンにまつわる人物が多く描かれているところも作者の信仰心からくることも間違いないですね。
上巻は荒木村重中心の展開だったが、明智光秀初め高山右近、中川清秀、そして柴田勝家、反逆する武将の心理を浮き彫りにしながら秀吉の天下統一までを描く。反逆の顛末の凄まじさに圧倒される。
この作品で戦国時代への興味が確実に高まりまし -
Posted by ブクログ
ネタバレ筆者がなぜキリスト教を信じるようになったのか、神とは、三位一体とは、キリストとは、といった質問に対して筆者個人のキリスト教感で以て答えている本。筆者は日本人としての仏教、神道的感覚も持ち合わせているおり、そことの折り合いをつけながら帰依したキリスト教は日本に住んでいると遠い存在のキリスト教を身近に感じさせてくれた。
特に印象的だったのは「神は存在しているのではなく、働きである」という考え。一神教を信じていない身としては、神の存在は全くぴんとこないが、人の心の底にあって、そこで働く何かが神ということならば何となくだが自分も感じることができる。
筆者が迷いながらもキリスト教を信じることとなった経 -
Posted by ブクログ
ネタバレ40代の働き盛りの男性が、結核により療養生活を送ることになることから物語は始まり、淡々とした療養生活と、その心境の機微が描かれている。
今の医療技術からは考えられない治療法、入院期間だが、当時多くの人々が命を落とした結核という病気の恐ろしさを垣間見た気がした。
その苦痛、死の淵に立たされたときの模写が妙にリアルなのは、作者自身結核を患っていたからなんですね。
病院のなんとも言えないあの重い空気感も、読んでいるだけで気が滅入るよう。
ケムリハナゼ、ノボルノカ。
わたしは今まで大きな病気も事故もしたことがない。
本当の苦痛、不幸、孤独感を味わったとき、何を考えるのだろう。誰か、そば -
Posted by ブクログ
キリスト教でもなければイエスについてそこまで詳しいわけでもないのだが、イスラエルに滞在経験があり、ゆかりの地をあちこち回ったのでそのときの記憶とともに読み進めました。とかく神聖視されがちなイエスだが、実際のところその生涯は惨めでみすぼらしく、失望され、罵声を浴び続けてきた。しかしいつも苦しんでいる者悲しんでいる者のそばに寄り添うことをやめなかった。矛盾するようですが、自分はきっとイエスのような人間にはなれないと確信すると同時に、これまでで最もイエスを身近に感じられる、そんな小説でした。挟まれる私小説で語られる「ねずみ」のエピソードにより、そんなイエスの存在がよりくっきり浮かび上がる仕組みになっ
-
Posted by ブクログ
「イエスの生涯」よりも難しい…。
う〜ん、難しい…というよりも、
弟子達や弟子の布教によって信徒になった人達によって
イエスをキリストとして高めるまでの過程やその心情が、
キリスト教徒でもなければ、
他の宗教に強い信仰があるわけでもない私には理解しづらい。
でもわかりたいと思ってしまう。なんだかちょっと羨ましい。
イエス死後、弟子達の自問自答や自責の念を考えると切なく感じる。
悩み続けるその姿に、同じ人間としての悲しみや弱さを見ることができ、
遠い昔に生きた人達を少し身近に感じられた。
弱さがあったからこそ強い信仰につながった、というのは納得。
イエスの復活についての考えも、なるほど〜と思