遠藤周作のレビュー一覧

  • 満潮の時刻

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    小説のところどころに「沈黙」の一場面を思い出させる描写があって、遠藤作品そして遠藤周作さんのつながりを感じました。そのほかの作品にも流れる「人間をありのままに受け入れる」ものについての遠藤さんの強い確信を感じるよい小説でした。

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    2018年04月18日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    ネタバレ

    小説の大家とはいえ、病気のお見舞い文はそんなに詳しいのかな、等と思っていましたが、後書きによると、入院中に書いていたとのこと。
    そう思って読み直すと突然胸に来る内容に‥。

    恋文の書きかたが多いです、個人的にはどれも最もだと思いながら読みましたが、女性へのアンケート調査的にはあんまりヒットせず‥。

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    2018年02月11日
  • 女の一生 一部・キクの場合

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    女性の尊厳を描くことで男性の尊厳を浮かび上がらせ、総じて人間の尊厳とは何か、を考えさせる。
    長崎が舞台でとても読みやすい。ただ、やはり遠藤周作は重すぎて、1冊読むと食傷してしまう。

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    2018年02月05日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    首飾り事件~バスティーユ陥落~ヴァレンヌ逃亡事件。王家がかわいそうで、途中で読むのをやめてしまった。


    フェルセン伯爵の活躍が際立ち始める。マリー・アントワネットに最後まで献身したスウェーデン出身の貴族。
    (世界のすべてが、あの方を裏切ろうと)
    (私はあの方を忠実に守り続けよう)

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    2018年01月05日
  • 反逆(上)

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    ’’ブラック大名に仕えてるんだが、俺はもう限界かもしれない’’ー信長に仕えて反逆した荒木村重と明智光秀が主役に据えられています。
     明智光秀が本能寺の変に踏み切った理由として信長が違約して四国の長宗我部討伐に踏み切ろうとしたことを中心に、荒木村重が有岡城の謀反をおこした理由として本願寺顕如に魅かれつつあったという設定で書いていますが、要するに信長の恐怖威圧に対するプレッシャーに耐えきれなかったという書きぶりです。
     両者の戦に共通する人物として、高山右近と豊臣秀吉をうまくフューチャーしています。特に秀吉が戦を始める前に徹底的に根回しするさまの書きぶりは、遠藤周作が日本統一するまでの秀吉のスキルを非常に高く評価していることをうかがわせます。あの頃の秀吉はまさに対信長を除けば天下無双ですね。直情的な戦闘武士の柴田勝家ではそりゃ勝てないはずです。そして、高山右近が中川清秀が味方してくれるはずと、希望的観測に強く依拠しながら裏切られて敗北する両名に人の弱さをうかがいしれます。
     それにしても、荒木村重が妻子を見殺しにされた後もなお自決を選択せずに生き続けたことは当時の棟梁にしては異例な選択なので、その点をもっと突っ込んで書いてくれるとなおよかったかな

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    2017年12月23日
  • さらば、夏の光よ

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    誰も幸せにならない、でも心に染みる、とまらなくなる。
    だけどそこかしこにいろんな形の愛が描かれていて、読み終わるとじーんとする。

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    2017年12月08日
  • 十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。

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    手紙に関する新しい発見もあったし、筆者の文章との向き合い方も知れた気がする。みんなに読んでほしいな。

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    2017年10月29日
  • 砂の城

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    体験の一つ一つが重く、学び成長するのが青春の時。解説によると、著者の著歴では軽小説に属するようだが、確かに読みやすく爽やかな読後感である。2017.7.3

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    2017年07月15日
  • 沈黙

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    「私は沈黙していたのではない。一緒に苦しんでいたのに」(294頁)

    「たとえあの人は沈黙していたとしても、私の今日までの人生があの人について語っていた。」(295頁)

    映画を先に観ました。
    神は信徒の苦難になぜ沈黙しているのかという問い。

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    2026年08月25日
  • 聖書のなかの女性たち

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    遠藤周作による聖書とキリスト教についてのエッセー集。キリスト教系でない雑誌の連載というのもあって、とても読みやすい。聖書の解釈はカトリック的にはきわめて妥当なもの。最後の「秋の日記」に登場する「ひよこ」には実在のモデルが居て、現在も修道女として祈りの日々をおくっておられる。

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    2017年04月28日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    ネタバレ

    歴史小説の中では断トツで好きな一冊です。
    初めて読んだのは学校の授業でフランス革命を学んだ直後で、遠藤周作は革命のさ中にフランスに居てその目で見たことを小説にしているのではないかと錯覚するぐらいのリアルな描写とドラマチックな展開に感激し夢中になって読んだ記憶があります。
    物語の終盤、アントワネットが最期に口にする「ごめん遊ばせ」「うっかり、いたしましたのよ」の言葉に彼女の王妃としての誇り、気高さ、優雅さの全てが集約されているように感じました。

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    2017年03月29日
  • 笑って死にたい

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    わかりやすい語り口調でサクサク読めて内容が頭に入る。笑った死にたい、今すぐ苦しまず消えてしまいたい((゚∀゚

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    2017年02月27日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    下巻はフランス革命がいよいよ始まる。市民の暴動や貴族たちの特権はく奪など、革命に向かうそれぞれの立場での情景が描かれている。14歳で異国から嫁ぎ、37歳で断頭台の露と消えたマリーアントワネット。統率力のない王へのいらだち、貴族たちの策略、裏切り、ひそかな愛…なんと波乱に満ちた短い人生だったのだろう。フランスの財政難を理解できなかった王妃は湯水のように公費を使う。そして、その贅沢三昧は、やがて恨みから国民の暴動へと発展。今や歴史を代表する悪女のレッテルを貼られた王妃だが、その行動の中に、心から楽しんでいるわけではない、何かとても暗い孤独を感じた。晩年の生活を読み進むとさらにその印象が一転する。心から王を愛し、子供たちを溺愛するひとりの妻、母であった。そして断頭台に立つ瞬間までエレガントさと気品を失わなかった美しい女性であった。

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    2017年02月21日
  • 王妃マリー・アントワネット(上)

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    なにやら私のマリー・アントワネットの印象に変化が。
    彼女の行動に、気持ちに、どんどん引き込まれていきます。
    上巻は、オーストリアから嫁がれる日からあの有名な首飾り事件まで。さて、後半に進むとします。

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    2017年02月09日
  • 母なるもの

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    日本のカトリックをテーマにした短編集。いずれも作者自身がモデルとしか思えない人物が出てくるので、私小説風な話ばかりである。『沈黙』などに代表される切支丹時代を舞台にした長編とかぶるテーマが多く、とても興味深く読めた。しかし巻末の解説が、仏教の経典を引用しつつ遠まわしにカトリックを非難する場違いとしか思えない内容で、ちょっと残念な気分になった。

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    2017年02月10日
  • 愛情セミナー

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    ネタバレ

     めっちゃ笑った。遠藤周作めっちゃお茶目やん。読者に「諸君」とか「奥さん」などと呼びかけたり、(反対する人は反駁してみい)なんて挑発したり、嫉妬への対処法が「⚪︎⚪︎⚪︎もウンコする」と歌ってみたまえ、やったり。かいらしなあと頬が緩む。
     「初手から甘やかしておくと、女はすぐつけあがると先輩が教えてくれたからだ。だから結婚して一カ月目から女房を張り飛ばすことにした。」とかむちゃくちゃやん。奥さんがなかなか強い女性で安心したわ。
     昭和の漢らしい価値観が随所に現れているけど、不思議と嫌な気分にはならない。愛と情熱は違うこと、結婚に結晶作用は必要ないこと、女が与えすぎることの危険、忍耐の末「愛」や「信じること」を知れること。むしろ、現代にも通ずる言葉が詰まった珠玉のエッセイだった。

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    2017年01月13日
  • 沈黙

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    興味深い

    映画化され話題になっていたので、今更ながら読みました。
    宗教を理由に弾圧、迫害した、された日本の過去の姿を、現代的な感覚で読みやすい、興味深い作品であると思います。
    現在の社会や国際的な問題とも照らし合わせ、人としての葛藤を捉えているこの作品は、いま、多くの人に触れて欲しいなと思いました。
    ただ、最後の文章は、難しいかもしれません。

    ここからはごくごく個人的な感想です。
    作中、よく「えっと◯◯」という表現がありますが、この使い方に少し違和感を覚えました。方言まで正確に書く訳ではないと思いますが、やはり方言は少し違うなと感じることがありました。(しかし、ほんの少しの違和感です)登場人物達が生きている気がしました。
    長崎は受難の地、祈りの地だなと改めて思いました。そして海が本当に美しいとも。
    私の曽祖父は隠れキリシタンでした。代々隠れ、懸命に生き、原爆で妻子を失い、それでも祈り、穏やかでした。
    一言でいう「歴史」の中でどれだけの人々が葛藤し、道を選び、生き抜いてきたのかと思いをはせる機会になりました。
    隠れキリシタン(最近では潜伏キリシタンとも言うようですが)がこのように、作品に残る時代になったんだなと、嬉しくも思いました。

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    2016年12月30日
  • 王妃マリー・アントワネット(下)

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    普通の人間の物語、なのに時代や立場に飲まれてなんともやりきれない悲しい物語になってしまった。勝者はいないし正解もなく、でも残した足跡から後世の人は色んな思いを抱いたり。歴史てすごい。面白かった。

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    2016年12月20日
  • 聖書のなかの女性たち

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    聖母マリアやマグダラのマリア、サロメ、マルタとマリアなど、聖書に登場する11人の女性たちのエピソードを紹介し、彼女たちの生き方とイエスの言行がどのように交わったのかを説いています。著者の女性論でもあり、ちょっと珍しい視点からの聖書入門でもあるという本です。

    最終章の「秋の日記」は、著者の大学時代の同級生でのちに修道女となった「ひよこ」と呼ばれた女性の思い出などが綴られています。

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    2016年10月26日
  • 遠藤周作短篇名作選

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    シラノ・ド・ベルジュラック、パロディ、イヤな奴、あまりに蒼い空、その前日、40歳の男、影法師、母なるもの、巡礼、犀鳥、夫婦の一日、授賞式の夜、天国のいねむり男、以上13の名作短編と加藤宗哉による解説と充実の年譜。
    久しぶりの遠藤周作に圧倒されたのは、私自身、人生の深み、親子や夫婦の情、生きる苦しさと喜び、人間の弱さとたくましさ‥のようなものが少しは身にしみるような年になってきたということなのだろうか。
    『沈黙』が映画化されるとのことだし、次はじっくりと長編を読み直そうと思う。

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    2016年10月20日